2018/11/02 - 2018/11/04
1186位(同エリア2970件中)
エムさん
2017年10月出発のイタリア旅行を計画していましたが、母が体調を崩して8月に入院・・・旅行は中止、そして母は11月に旅立ちました。
一年後の2018年10月、姉を誘って母を偲ぶ追悼旅行を計画しました。
ローマ4泊・フィレンツェ2泊・ヴェネツィア2泊・ミラノ2泊の予定です。
10月25日に羽田を出発して、フランクフルト経由でローマに入り、フィレンツェ、ヴェネツィアと鉄道で移動。
11月2日はアクアアルタを体験したヴェネツィアから最後の都市ミラノに移動します。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 4.5
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9日目 11/2 サンタ・ルチア駅
今日は12時20分の列車でミラノに移動します。朝から小雨がぱらつくあいにくのお天気で、出かける気にもなりません。
駅周辺を散策してゆっくり過ごしました。 -
フレッチャロッサ9730の列車
今回もほとんどが空席で、一車両に数人しか乗っていない。 -
15:00 ミラノ中央駅に到着、全ての鉄道移動を終えてホットした瞬間です。
同じ日なら何度でも乗車可能なイタリアパスをフルに活用するために、ロミオとジュリエットの舞台ヴェローナに立ち寄ることも考えたのですが、「スーツケースを預けるのが面倒」「一度見たら十分」と、いう理由でやめました。 -
フランク・ロイド・ライトが"世界で最も美しい鉄道駅と称賛した「ミラノ中央駅」
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Glam Milano(グラム ミラノ)にチェックイン
中央駅から見えるホテルで鉄道移動には便利です。朝食と夕食付きで、リーズナブルなお値段だったので決めました。マルペンサ空港行きのバス乗り場が近く、地下鉄はホテルの前にあり、立地は抜群です。
電気ポットとコーヒー・紅茶が付いていますが、バスタブはなく、モダンなビジネスホテルです。 -
17:10 メトロ24時間チケット(4.5euro)を購入し、3号線に乗ってDuomo駅で下車。階段を上がると目の前にそびえるミラノ大聖堂が、夕日に染まって美しい。
ヴェネツィアの水害から解放された安堵感「幸せ!」 -
ドゥオモ広場に立つヴィットリオ・エマヌエーレ2世の騎馬像
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ピンク色に染まった広場が美しい。
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ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア
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イタリアの初代国王の名前が付けられたガッレリアに入る。世界最古のショッピングアーケードは週末なので凄い人混みです。
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トリノの紋章、牡牛の上にかかとを乗せて3回転すると幸運が訪れるという言い伝えがあり、ここは人だかりができていた。
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ミラノ大聖堂のライトアップ
ゴシック建築といえば、ミラノ大聖堂を思い浮かべるほど世界最大級のドゥオモ。天を目指すように真っ直ぐ伸びた尖塔が印象的で荘厳な雰囲気を醸し出している。
1386年に着工されたが、度重なる宗教改革で何度も中断された。イタリアに侵攻してきたナポレオンの主導により、500年以上の長い年月をかけて1887年に完成した。 -
ミラノ中央駅に戻りました。15年前この駅を初めて見た時はあまりの美しさに感動しました。
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10日目 11/3
今日は午後2時30分に「最後の晩餐」を予約しているので、午前中にミラノ大聖堂を見学します。
天に伸びる135本尖塔が圧巻です。 -
過去に2回訪れて無料で見学できたのに、まさかの有料。チケットオフィスは大聖堂の右側の建物にあり、並んで自販機が空くのを待ちます。この自販機がクレジットカードのみで、数回挑戦したけどカードを受け付けてくれない。窓口に行ってようやく3euroで購入できた。係員にチケットを見せて、セキュリティーチェックの列に並び、入場するまでに40分以上かかりました。
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アンドレア・カルロ・フェラーリ枢機卿の祭壇
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ガラスの棺で眠る枢機卿のミイラ
仮面と手袋を付けているので怖くはありません。 -
聖ジョヴァンニ・ボーノの霊廟
ジョヴァンニ・ボーノは7世紀、ミラノを復活させた司教です。 -
ステンドグラスは新約聖書・旧約聖書・黙示録が描かれている。
写真は「ヨハネの黙示録」を表し、キリスト教徒を迫害したネロ帝時代の物語で、最後の審判・キリストの再臨と神の国の到来・信仰者の勝利などを預言した内容が描かれている。 -
ステンドグラス
キリスト誕生やキリストの洗礼など新約聖書の物語が描かれている。 -
ステンドグラスの下に黄金のマリア像があり、屋根の大尖塔の聖母マリア像と同じポーズをしています。
大尖塔に立つ4.16 mの聖母マリア像は1773年に完成した。第二次世界大戦の前夜、マリア像は灰緑色の布で覆われ、1945年5月6日に当時のミラノ大司教シュスターター枢機卿が主宰する厳粛な儀式で布が取り外された。 -
主祭壇は前身だったサンタ・マリア・マッジョーレ教会の祭壇を用いられ、立ち並ぶ巨大な列柱は52本、頭柱に聖人や殉教者の彫像が施され圧巻です。創建当初、今は灰色の列柱が白い大理石だったと説明を受けた記憶があります。
ミラノ大聖堂の公式サイトで大理石の採掘を紹介しています。
https://www.duomomilano.it/en/infopage/culture-and-art/52/ -
後陣のバラ窓は正義の象徴の太陽が表現され、4本の柱で支えられたティブリオと呼ばれる円蓋は、16世紀後半にペレグリーニが設計した。
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トリブルツィオ家の燭台
繊細なブロンズの燭台は、16世紀に司祭長だったトリブルツィオ家から寄贈された。
(写真は15年前に写したもの) -
19世紀に造られたヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア。
ガラスと鉄で造られたお洒落なアーチは、日本の商店街と違って高級感があります。 -
1865~1872年にかけて建設されたガッレリアの中央の十字路はガラス製のドームで覆われ美しい。
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スカラ広場に立つレオナルド・ダ・ヴィンチ像、下に4人の弟子の像がある。
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老舗百貨店「リナシェンテ」7階の食品館でランチタイムです。
テラス席からドゥオモが見えるけど、私達は室内席にしました。 -
食品館の売り場に並ぶチョコレートの靴・・・、面白いけど写真だけ。
ここで自宅用とお土産のチョコレートを買い込んだ。 -
13:10 サンタ・マリア・デレ・グラーツィエ教会
ミラノ大聖堂から16番のトラムでサンタ・マリア・デレ・グラーツィエ教会に行きます。Duomoの停留所から「SAN SIRO」行きのトラムに乗り、S. Maria delle Grazie で下車。この建物が見えたと思ったら「サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ」と案内がありました。
トラムの乗り場は↓Find linesに16を入れてSan Siroを選択すると確認できます。
https://giromilano.atm.it/#/home/en -
予約は14時40分、チケット交換は20分前までに済ませないとキャンセル扱いになる、と注意書きがあったので受付に行くと、早過ぎて受け付けてもらえない。荷物を預けるロッカーは予約の1時間前からとのこと。リナシェンテで買ったチョコレートを抱え、道路を渡った所のカフェに入り、カプチーノを頼んで待ちました。私達と同じような人が結構いて繁盛していました。
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「写真撮影ができるようになったらしい」と聞いていたのに、撮影不可!
サムスンの画面のみ写せます。下は15年前に買ったポストカードをスキャンしたものです。
壁画に一般的なフレスコ画は、漆喰が乾く8時間までに完成させる必要があり、書き直しや重ね塗りができない。時間を要するダヴィンチには不向きだったため、テンペラ画を採用した。テンペラ画は卵黄やニカワ、植物油などて顔料を溶く技法で、時間の制約が無く、重ね塗りや書き直しも自在にできる反面、温度や湿度の変化に弱い。修道院の食堂だったため、湿気や熱により腐ったりカビが生えダメージが大きかった。ナポレオンの時代は馬小屋として使われ、大洪水で水浸しになったこともあり、劣悪な環境のなかで奇跡的に残った壁画なのです。保存のために神経質になるのも仕方がありません。ダ・ヴィンチは1495年に制作を開始して、1498年に完成させた数少ない完成品の一つです。 -
最後の晩餐は「12弟子の中の一人が私を裏切る」とイエスが予言した場面で、使徒たちの緊迫した状態が描かれている。
イエスの隣で悲しそうな顔をした女性的な人物はマグダラのマリアとされていたが、公式見解で使徒ヨハネとされている。ヨハネに話しかけているのはペテロで、右手にナイフを持っている。後ろを振り向いているのは裏切り者のユダ。ユダは銀貨30枚でイエスをユダヤ人に売り渡し、右手には銀貨が入った袋が描かれた。ユダはイエスの死刑の判決を知って自殺する。 -
iPhoneで調べると、サンタ・マリア・デレ・グラーツィエ教会からスフォルツェスコ城まで徒歩15分と出たので、mapを見ながら歩きました。
スフォルツェスコ城はパスする予定でしたが、ここにどうしても観たい作品がありました。
煉瓦の城壁に見える四角形の穴は、足場の跡だと遥か昔に説明を受けたことがあります。 -
ここを訪れた目的はミケランジェロの『ロンダニーニのピエタ』鑑賞です。ピエタ像の案内が出ていたので、ここから入ります。
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ミケランジェロ「ロンダニーニのピエタ」未完成の遺作
ローマのロンダニーニ邸の中庭に置かれていたのが作品名の由来です。
あの美しいサンピエトロ大聖堂のピエタ像(1498-1500年)から半世紀以上経った1559年に制作を始め、88歳で亡くなる数日前まで彫り続けた作品です。70代の時、自身のお墓のために造り始めた『バンディーニのピエタ(1547年~)ドゥオモ付属美術館』が途中で大理石にヒビが入り、未完成のまま放置した。これをフランチェスコ・バンディーニが購入して弟子に依頼をして完成させている。
そのあとに84歳で手掛けたのが『ロンダニーニのピエタ』でした。 -
キリストを支える聖母マリアの独特なポーズを色々な角度から鑑賞します。元腕だったと思われる跡がキリストの手前に残っていることから、途中でポーズを変更したと考えられている。腰が曲がり視力を失いながらも彫り進め、キリストの足の部分が綺麗に磨かれています。
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後ろはノミで荒々しく削られたまま残され、最後の最後まで彫り続けたであろう姿を想像すると、フィレンツェでミケランジェロのお墓参りをした後だっただけに胸に熱いものが込み上がります。
ミケランジェロのお墓はこちら↓
https://4travel.jp/travelogue/11470350 -
ロンダニーニのピエタを鑑賞しただけでしたが、目的は達成しました。
スフォルツェスコ城はミラノ最大のルネサンス建築で、15世紀中頃にヴィスコンティ家の居城をミラノ公爵のフランチェスコ・スフォルツァが改築して後城塞となった。正門のフィラレーテの塔は1466年に建設され、高さが109mある。塔の建設中にレオナルド・ダ・ヴィンチがフィレンツェから来て、ポンプで堀の水を汲み上げ、塔を水道塔にするプランを設計しますが、当時の技術では完成には至りません。
色々調べていくと、ダ・ヴィンチはミラノ大聖堂の中央尖塔の建設に応募をしてみたり、ミラノでの行動が見えて面白い。 -
スフォルツェスコ城の近くに地下鉄1号線の駅があり、Duomo駅まで行くことにしました。地下鉄は満員でドア付近は身動きが取れず、Duomo駅に到着寸前にバッグのファスナーが開いているのが見えた。「ああーっ!」と声をあげたら床に私の財布が落ちていた。中身を取られる寸前で気が付いたので被害は免れ、ホッとしたのも束の間、先に姉がスリにやられていた。現金は小分けしていたので170euro程度の被害だったけど、不愉快極まりない!しかも敵ながらアッパレと感心するほど手際がいい。
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ショック状態でホテルに戻り、ネットで情報収集すると中央駅の2階に警察があると分かった。盗まれた時の状況を英語で記入しなければならないとのこと。夕方だったせいか面倒臭いというオーラ全開で、州警察Questura di Milanoへ行くようにと追い出された。「スリにやられる方が悪い」とでも言いたげな態度をされ、気が滅入るばかりだった。ローマのスリ未遂事件といい、私達は狙われやすいと自覚をしながら、イタリア警察はスリ集団を取り締まる気力も能力もないんだと思うと、怒りが込み上がって収まらない。
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ホテルに戻ってインフォーメーションで州警察の住所を調べてもらってタクシーで向かいました。タクシーを降りて係りの人に尋ねると、被害届は道路の反対側の建物だと言われ、行ってみたがそれらしい建物はない。もう一度戻ってiPhoneに場所を設定してもらうと結構な距離があった。中に入ると被害者で椅子が埋め尽くされて座る場所がない。どういう順番で受け付けてもらえるのか分からない。現金以外にパスポートを盗まれた人もいて、被害は深刻で気の毒だった。私達はホテルで夕食を軽く済ませたので、ひたすら順番を待つだけだったけど、途中で諦めて帰る人もいた。そのうち「English!」と呼ばれて誰も返事がないので、私達が中に入った。中央駅の警察とは違い、若くて親切なイケメンに「こんにちは!」と、日本語で挨拶をされて元気が出た。日本語の書式に、盗まれた状況を日本語で書き込んで終了した。「How to say good night in Japanese ?」と聞かれ、「お休みなさい。」と笑顔で答えてホテルに戻った。
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11日目 11/4 長いと思ったイタリア旅行は帰国当日を迎えました。
ミラノ17:20→ミュンヘン18:30着
ミュンヘン乗り継ぎ20:10→11/5 羽田到着
昨夜のスリ被害のショックを引きずって、観光する気分にはなれない。午後便で帰国する姉を空港バス乗り場まで見送り、ミラノ中央駅でウィンドウショッピングをして時間を潰した後、駅周辺も危ないので早めに空港へと向かった。
マルペンサ空港行きのシャトルバスは、駅正面に向かって左側にあります。右側はリナーテ空港です。乗り場は思ったより奥にあり、バスの前に立つ人が「マルペンサ」と声をかけてくれます。 -
マルペンサ空港で免税店の土産物を見ていたら、一足先に出た姉とバッタリ出会って、これから搭乗するらしい。
ルフトハンザLH1861便は遅延の案内が出ていた。ラウンジで食事をして、退屈凌ぎに免税店を歩き、またラウンジでお茶をして過ごした。 -
ミュンヘンでゆっくりする時間はなく、ANAの搭乗口へと急いだ。
NH218便は20:10、ほぼ定刻に離陸して帰国できる安堵感で一杯です。久しぶりの和食はお腹が空いてないので半分も食べられません。
物乞いとスリ被害が多発するイタリアでは、注意をしたつもりでもスリが一枚上手。現金は小分けにして入れ、クレジットカードはカードケースに鎖を付けて固定、万全の対策をしていたので被害はありませんでした。
バックのファスナーが簡単に開けられる物は危険なので、対策が必要だと実感した旅でした。
イタリアへ行かれる方はローマテルミニ駅・ミラノのドゥオモ・混んだ地下鉄のドア付近は必ずスリ集団がいると思って警戒して下さい。
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