2018/10/31 - 2018/11/02
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エムさん
2017年10月出発のイタリア旅行を計画していましたが、母が体調を崩して8月に入院・・・旅行は中止、そして母は11月に旅立ちました。
一年後の2018年10月、姉を誘って母を偲ぶ追悼旅行を計画しました。
ローマ4泊・フィレンツェ2泊・ヴェネツィア2泊・ミラノ2泊の予定です。
10月25日に羽田を出発して、フランクフルト経由でローマに入り、31日はフィレンツェからヴェネツィアに列車で移動します。
2018年29日は10年に一度の水害だというニュースが流れた。水位が一時156㎝まで上昇したという。水の都は水没の都と化した。
「どうする?行くのをやめる?」ホテルまでスーツケースを引いて歩けるかホテルにメールで確認して、何とかなるだろうと出発!
列車の予約は2時30分、早めにサンタマリアノヴェッラ駅へ行くと、20分遅のが表示が出ていた。それでも12時台の列車は軒並み2時間遅れか、運休だったので運が良かったと思うしかない。
ヴェネツィア訪問は3度目、水害の影響を受けたのは初めてでしたが、それなりに楽しめました。
5世紀、ゲルマン人のイタリア侵略から逃れて辿り着いたのが湿地帯であった。足場が悪いため侵人者が追ってくることができず、この地に住み着いた北イタリア人が、アドリア海のラグーンに丸太の杭を大量に打ち込み基礎を造り上げて都市を建設します。
- 旅行の満足度
- 4.0
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フィレンツェ14:20発のフレッチャレジェントの列車は25分遅れで出発した。午前中の列車は運休や2時間遅れだったので時間のロスが少なくてラッキーでした。水没ニュースの影響なのか、一等車は私達以外に誰もいなくて貸し切り状態。
サンタ・ルチア駅で降りると、心配していた水は引いていたので、水没用のギャングウェイを歩かなくてもホテルにたどり着いた。
駅から一本道を歩いて3分のHotel Principe(ホテル プリンチペ)にチェックイン。
サンタルチア駅周辺は比較的海抜が高いらしいので、このホテルで正解でした。 -
部屋はリクエストしたバスタブ付きで、小さなバルコニーがありました。鍵はカード式ではなく、重いので、いちいち預けるのが面倒。 おまけに開錠するのにコツがあって難しく、係りの人に何度も手伝ってもらいました。
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リアルト橋
偶然見つけたレストランに入って早めの夕食にしました。
シーフード、サラダ、パスタをシェアして完食、美味しかったので「明日もここで食べよう。」と話していたのにレストランの名前も場所が分からず、おまけに写真もない。 -
19:50 サンマルコ広場に到着。
水は引いて所々に水溜りがある程度、ラッキーでした。 -
こんな日でも生演奏をしています。テラス席には誰もいないけど・・・
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サンマルコ寺院のライトアップが美しい
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ドゥカーレ宮殿と牢獄を結んでいた「ため息の橋」
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サンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会
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ホテルに帰る道を、googleマップの通りに歩くと幽霊が出そうな暗い路地に入った。時に行き止まりだったり、道が無かったり、不安げに歩いていたら見覚えのある通りに出てホットしました。
こんな水害の時、夜もゴンドラに乗っている人がいるのにビックリ! -
8日目 11/1 昨夜降った雨で水位が上がり、ホテルのテラス席に水が流れてくる。
朝食の席が一緒になったアメリカ人は美術館巡りをするとのこと。小雨がぱらつくあいにくの天候で、私達は午前中にムラーノ島へ行く予定を中止して、サンマルコ広場に向かいます。 -
チケットオフィスでヴァポレットの24時間券(20euro)を購入。
駅前の停留所「Ferrovia」から2番(快速)に乗って「San Marco Vallaresso」で下車。
昨夜は大丈夫だったサンマルコ広場は浸水して、長靴か靴カバーがなければ歩けない。仕方がないので長ビニール靴カバー(10ユーロ)とビニールカッパ(5ユーロ)を購入した。このビニール靴カバーがジワジワと水漏れして靴の中が気持ち悪い。長靴を買うべきでした。ビニールカッパはまるでゴミ袋、今回に限って入れ忘れたのが運の尽き!散々でした。
「アクアアルタ」というヴェネツィア独特の現象で、10月~3月に高潮と強風で浸水するらしい。この時期に行かれる方は対策が必要です。
この厄介なアクアアルタの発生を防ぐため、イタリア政府は可動式の水門を造るモーゼ計画を進めているそうです。 -
こうなったらアクアアルタを楽しむしかありません。
ギャングウェイを歩いてサンマルコ寺院を目指します。 -
一通ではないので、すれ違うのが怖い。
ヴェネツィアは3度目で、いつも10月に来ていたけれど、アクアアルタは初体験。冬は浸水する確率が高いと聞いていたけど、実際に遭遇するとは予想もしていませんでした。 -
サンマルコ寺院にはギャングウェイを順番に進んで入るしかない。
水の中に入らないと正面の写真は撮れないし、余裕すらありません。 -
こんな感じで、人数制限があります。
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828年、エジプトのアレキサンドリアで殉教したサン・マルコの遺体を運び、安置するために832年に建てられた。サン・マルコはキリストの十二使徒の一人でヴェネツィアの守護聖人。
976年、反乱で火災の被害に遭い、1071年にビザンチン様式に改築された。 -
2階バルコニーから見たサンマルコ広場は浸水の影響で人が少ない。
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靴カバーが漏れるから、ひたすらギャングウェイを歩くしかない。
諦めて靴のまま歩く人、素足の人、スーツケースを抱えている人もいて気の毒でした。 -
ムーア人の時計台が間近に見えます。
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「聖マルコの4頭の馬」ファサードにある青銅像のオリジナル
13世紀に十字軍の戦利品としてコンスタンティノープル(現在のイスタンブール)から持ち帰った。 -
サンマルコ寺院を出て、昨日のレストランを探しながらリアルト橋まで歩いたけれど見つけられず、もう一度サンマルコ広場までヴァポレットで戻ることにした。ここはサンマルコ広場よりは水位が低いけれど、うっかり運河に落ちそうで怖い。
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ヴァポレットから写したサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会
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対岸に見えるサン・ジョルジョ・マジョーレ島
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レストランに行きたくてサンマルコ広場を横切ろうと思ったら、水位が20cmでも歩きにくい。それに靴カバーから水が浸みる。滑って転んだら悲惨なので、遠回りでも回廊を歩いた方が無難だと引き返した。
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反対側から見たサンマルコ寺院
ニュースで見た映像では、大人の腰までだった水位が、今は深いところで膝下あたりまで、ここで生活するのは大変だと思います。 -
レストランを探しながら歩く。
でも見つけることはできず・・・ -
「ここにしようか!」と、適当に入ったレストラン
入り口は、高さ50cmぐらいの防水板で仕切られ、跨いで入ります。店内は水を汲み出すポンプがあったけど、水浸し・・・
靴カバーを脱いで、逆さにしたら水が滴り落ちるほど入っており、靴の中もぐしょぐしょ!タオルのハンカチで拭いて少しは落ち着いた。私の靴カバーだけ不良品なのかと思ったら、姉も湿っぽいという。
昨日と同じメニューを頼んだら、イカのフライは美味しかったけど、パスタがイマイチだった。 -
サンタ・マリア・グロリオーサ・デイ・フラーリ教会
この教会を訪れた目的はヴェネツィア・ルネサンスの巨匠ティツィアーノが眠っているから。
煉瓦で建てられたイタリアのゴシック様式の教会は、14~15世紀にフランチェスコ教会として建造された。ヴェネツィア派の偉人のお墓が多いことからヴェネツィアのパンテオン(霊廟)とも呼ばれている。 -
サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂の主祭壇
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主祭壇の「聖母被昇天」はティツィアーノの作品(1516年-1517)
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ティツィアーノの「 聖会話とペーザロ家の寄進者たち」1519-1526年
依頼主であるヤコポ・ペーザロの名前から「ペーザロ家祭壇画」とも呼ばれている。聖母子を真正面ではなく斜めに描いた大胆な構図により臨場感を出している。
青い服のペテロは左下に描かれたヤコポ・ペーザロの方を向き、右下はペーザロ家の一族を描き、一族の繁栄を表している。 -
ティツィアーノの大理石の霊廟
ティツィアーノはこの教会に葬られることを希望していた。1576年ヴェネツィアで亡くなり、自ら描いた聖母被昇天の近くに埋葬された。
オーストリア皇帝フランツ1世がアントニオ・カノーヴァに依頼して、この墓碑が完成した。 -
アントニオ・カノーヴァの墓碑
墓碑は弟子によって造られ、ヴェネツィアで亡くなりったカノーヴァの心臓が納められている。遺体はポッサーニョの神殿に埋葬された。
カノーヴァの有名な彫刻に「アモルの接吻で蘇るプシュケ(ルーヴル美術館)」がある。 -
「聖母と聖人たち」
1488年、ティツィアーノの師であるジョヴァンニ・ベッリーニによって描かれた。 -
名家コルネール家の祭壇画「祝福を与える聖マルコ」
真ん中に描かれているのがヴェネツィアの守護聖人の聖マルコで、人差し指で祝福のポーズをとっている。 -
聖遺物の祭壇
中にキリストの血が納められ、下にはキリスト埋葬のレリーフがある。
フラーリ教会は見応えのある教会ですが、知る人ぞ知る教会なのか、人が少なくてゆっくり見学できる。
濡れた靴を何とかしたくて、S.Toma駅からヴァポレットに乗ってホテルに戻ります。 -
サンタルチア駅で降り損ねてローマ広場まで来たので、駅とローマ広場を結ぶ「コスティトゥツィオーネ橋」を歩いてみます。
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去年のイタリアプランでは、ヴェネツィアのマルコ・ポーロ空港から出国予定でした。スーツケースを持ってこの橋は渡れないと、今回はミラノから帰国することに変更して大正解!長い橋を、オリーブオイルで重くなった荷物を持ってとても歩けません。
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橋の上からカナル・グランデを眺める。
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サンタルチア駅に戻りました。
ホテルに戻り、靴を履き替えて、濡れた靴をバスルームのオイルヒーターに立て掛けて再び外出です。 -
駅の橋といわれる「スカルツィ橋」
この橋を渡って対岸のショップで、ムラーノ島のガラス細工を購入。 -
橋の上から見たサンタ マリア ディ ナザレ教会はサンタルチア駅の隣にある教会。修復中のため気付かなかったのですが、上部の修復は終わってバロック洋式のファサードが美しい。
スカルツィ橋を渡らなければ気付かなかったと思います。 -
せっかくなので立ち寄ってみると、なんとまあ立派な祭壇にビックリ。
ローマカトリックカルメル会教会で、バルダッサーレ・ロンゲーナの設計で17世紀半ばに建てられた。
写真はバロック様式の主祭壇
https://en.wikipedia.org/wiki/Scalzi,_Venice -
イエスの聖テレサのエクスタシーの像(1697)
こちらはベルニーニではなく、ハインリッヒ・メイリングの作品 -
ヴェネツィアの聖セバスチャンの祭壇
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祭壇画は二人の天使の作者ジュゼッペ・トレッティによる「聖母子と雲の中の聖ヨセフ」の彫刻
明日はミラノに移動なので、大雨にならないように祈りを捧げました。
この後、ホテルの通りにあるショップを一軒ずつ覘き、スーパーで食料を買って、お部屋でまったり寛ぎました。
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