2019/03/09 - 2019/03/09
9651位(同エリア28337件中)
古川大輔さん
所属:日東交通(株)君津運輸営業所
用途:特定
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日産ディーゼル(現在のUDトラックス)
スペースランナー
(ボディは西日本車体工業製)
標準床、正座席45人乗り(乗員除く)、補助席なし
普段は新日鉄住金君津鉄工所、並びに周辺の社宅など、同鉄工所関連施設の特定輸送に就いています。
一般的に「自家用」と呼ばれる仕様ですが、特に近年は、高速路線バス用として導入されるケースも増え、「準高速車」とも呼ばれます。本格的な高速、観光バス仕様よりリーズナブルでありながら、座席など、内装は高速、観光バスと同レベルにした仕様もあります。 -
日産ディーゼル(現・UDトラックス)は、元々、バスについてはシャーシのみの生産で、ボディは富士重工と西日本車体工業いずれかの架装がほとんどでした。
2002年に富士重工がバスボディから撤退して以降、日産ディーゼル=西日本車体工業ボディとなりましたが、2010年に西日本車体工業が解散、2011年には、UDトラックスのバス事業終了により、生産されることはなくなってしまいました。 -
運転席
西日本車体工業、並びに富士重工は、日産ディーゼル以外のメーカーのシャーシにもボディを架装していたので、外見は全く同じながら、メーカーは違うということが、バス車両の面白さでもありました。
その場合に、シャーシメーカー、車種の特徴が最も解りやすく現れるのが、このインパネ周り、ハンドルやメーター、シフトレバーなどは、あくまでシャーシの一部なので、種車の特徴を知っていればすぐにわかりました。 -
日産ディーゼルの標準ボディとなって以降は、日産ディーゼルのメーターパネルを基本としたインパネ形状になったため、ほぼこのままの枠組みに他のメーカーのメーターパネルを取り付けた場合、取って付けた感は否めず、それがまた魅力でもありました。
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運転席向かって左側
メーター左側にラジオアンプ、ダッシュボードにバックモニター、その左側にドラレコ一体型デジタコ、その下にはめこまれているのが、音声合成放送装置の本体です。 -
運転席向かって右側
奥側より、系統設定器、ドアスイッチ、運転席操作盤
乗務中、最も操作を必要とするスイッチ類が集約される「手元」です。 -
運転席右側のスイッチボックス
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ドライバーズシート
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ドア側から、運転席全体
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ハイバックシートの客席
前後11列横4列(最後部のみ5列)
正座席45人、補助席なし -
後方には網棚を設置
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シートベルト付なので、大型乗用車として高速道路走行可能です。
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ここからは、主要な電装品類の詳細
クラリオン製
AMFMチューナーデッキアンプ
AA-1000A
クラリオンの観光バス用音響システムメインアンプには3段階のグレードがあり、こちらは、観光バス用としては必要最小限の機能のみを持たせたタイプです。とはいえ、カセットデッキやAUX入力などを省略することによりコストを抑えているので、音質など性能自体は、他と差はありません。ご覧のように、バス用アンプならではのマイク入力を前面に搭載するほか、後部に客席マイク入力端子も装備します。 -
観光バスのように、客席にもマイク入力が装備され、前記のラジオアンプに入力されています。
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室内灯一体型スピーカー
レシップ製
前1、後1の計2個設置 -
続いて、路線バス関係のシステム
まずは、こちらのブログで度々、登場している、音声合成放送装置(本体部)
クラリオン製
CA-2010A
案内放送装置であると同時に、路線バス車両の中央制御装着でもあります。
運賃表示器(近年ではデジタルサイネージ)、整理券発行機、ICカードリーダなどの運賃収受関係機器、行先表示器など、路線バス車両のあらゆるシステムを集中コントロール、さらに、バスロケや運行管理システムなどにも連動し、地上側で車両情報を把握する上でも重要な役割を担います。
設定、操作は、前述した系統設定器と運転席操作盤で行います。(詳細後述) -
系統設定器
クラリオン製
RCA-224-400
まずはこの機器にて、音声合成放送装置にインプットされた放送データから運行系統を選択、設定します。
放送データは「東京→新大阪」「新大阪→東京」「東京→名古屋」「名古屋→東京」などのように、一営業所分の運行系統がインプットされています。
これらを、その都度1系統のみ選択して流すのが「系統運行」、運行ダイヤに基づいてその順序通りに予約できる「予約運行」の2つのモードがあります。
予約運行では、任意の系統を、任意の順番で設定できるほか、勤務開始時にスターフ(運行表)の番号(その日担当するコースの番号)を入力、設定するだけで、その順序通りに予約される「スターフ機能」という便利な機能があります。
これにより、出庫時や乗務開始時に設定作業をすれば、以後は始発点でその都度、選択する必要がなくなります。
また、スターフ通りに勤務中、急な応援要請を受け、違う路線を担当することになった場合などは、系統運行モードに切り替え、任意の区間の放送を設定して運行、終了後は再びスターフ運行に切り替えて、通常の勤務に戻るなどの融通も利きます。 -
運転席操作盤
クラリオン製
RCA-148-104
系統設定器で系統選択、設定が完了したら、この操作盤の赤い始発ボタンで運行スタート、以後、運行中に操作するのはこの操作盤のみです。写真向かって右(正の向きでは手前)の、少し大きめのボタンが通過ボタンで、停留所を通過する度にここを押して進めます。向かって左(正の向きでは奥)
のボタンは戻しボタンで、誤って進め過ぎてしまったときに戻るボタンです。
写真向かって手前側、正の向きでは左手前のレバーのようなスイッチは、運転手さんが案内に使うマイクの切り替えで、手前に倒すと車内、中立はOFF、奥に倒すと車外に、マイクの音が流れます。
路線バスシステム全体をコントロールする重要な操作盤であるため、押し忘れ、押し過ぎがあると、運賃過収受または不足、バスロケが正しく機能しなくなるなど、様々なトラブルに繋がります。安全運行に徹しつつ、この操作盤を巧みに操作するのも、バス運転手さんの職人技の一つです。 -
運転席マイク受口
クラリオン製
PMA-016
これは、音声合成放送装置に入力されていて、路線バス運行時に、運転手さんが制帽などに装着して使用するマイクの入力です。
前記の運転席操作盤にある切替スイッチで、車内、車外、OFFの操作をしながら、必要に応じて肉声放送で案内しながら運行します。 -
メモリーブザー
(オージ製)
客席の降車合図ボタンを押すと、運転席にあるこの装置が応答して音が鳴ります。降車ランプは、ドアスイッチが「開」になると「OFF」になり、誤操作の場合はリセットボタンでOFFにすることもできます。
さらに、音声合成放送装置も連動し、「次とまります」などと流れます。 -
降車合図ボタン
(オージ製) -
行先表示器
フロント用
レシップ製 -
LED行先表示器
リヤ用
レシップ製 -
6型CRT白黒モニター(バックモニター)
クラリオン製
CJ-763A
デジタコ一体型ドライブレコーダー
矢崎エナジーシステム製
B-eye 3T -
右後方確認ミラー
ドライブレコーダー用カメラ -
左ミラー
(後方、斜め後方、左下コーナー部付近)
ドライブレコーダー用カメラ -
ドライブレコーダー用カメラ
右側面、拡大 -
ドライブレコーダー用カメラ
左側面、拡大 -
なお、前述したように、新日鉄住金君津鉄工所の関係者のみが利用する特定輸送のみの運用のため、運賃収受関係機器は付いていません。
路線バスと観光バスの間的な存在、バスマニアとして、最も好きなタイプの車種です。
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