2019/01/08 - 2019/01/09
268位(同エリア1128件中)
玄白さん
毎月恒例の義母の慰問のため、修善寺の老人ホームへ。普段は友人の山中湖ロッジに滞在し、日帰りで出かけているのだが、冬はロッジが閉鎖なので、自宅から出発。シーフード大好き人間の我が夫婦、せっかくなので、伊豆半島付け根の西側の小さな漁港に面した民宿に宿をとり、新鮮な海鮮料理を満喫してきた。
冬には伊豆半島北西部で海越しの富士山がよく見える。いくつかの富士山ビュースポットがあるので、それらを巡るドライブも楽しんできた。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
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自宅から修善寺に向かうには、圏央道経由東名高速、伊豆中央縦貫道と乗り継いでいくのだが、圏央道と東名の合流点で渋滞することが多いようなので、通い慣れた山中湖方面から御殿場に抜けるルートを選択。時間的にも料金的にもほとんど変わらない。
写真は富士吉田の東富士有料道路料金所付近から見た富士山。 -
昼前に伊豆の国市大仁で、義兄夫婦と合流し昼食をともにしたあと、修善寺の老人ホームへ。1時間半ほど滞在したあと、義兄夫婦と別れ、西伊豆の戸田へ向かう。途中、修善寺と戸田の中間の「だるま山高原レストハウス」に立ち寄り。レストハウスのすぐ裏手が富士山を眺める展望台になっている。レストハウスは、火、水曜日が定休日なので、あいにく今日はクローズしている。
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イチオシ
展望台から駿河湾超しに富士山の絶景。麓の富士市、沼津市街まで見える。夕暮れ時の夕陽に染まる富士山、夜になり麓の街灯りと星空の富士山を機会があれば撮影してみたいが、今日は時間的にできないので、またの機会ということにしよう。
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富士山の右側には、沼津市街が広がり、通称「沼津アルプス」という低山の山並みが広がっている。左から香貫山・横山・徳倉山・鷲頭山・大平山と高々400m弱の低山だが、アップダウンが激しく意外とハードなハイキングルートがある。
手前に駿河湾が切れ込んでおり、淡島がぽっかりと海に浮かんでいる。今宵の宿は、淡島のすぐ右側の海岸にある民宿である。
写真はトイカメラ風に撮影してみた。 -
県道18号を下り戸田で県道17号を北上すると10分ほどで「出会い岬」という展望台に至る。ここからも駿河湾越しの富士山が望める。
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出会い岬からの富士山の眺め。すでに一月だが、この冬は富士山の雪が少ないような・・・
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反対側に目を向けると戸田の街並み、戸田港が見下ろせる。戸田港と駿河湾を隔てる大きな砂嘴がある。御浜岬という。岬の先端部にはイヌマキの群生地があり、静岡県指定天然記念物になっているそうだ。砂嘴の根元付近は海水浴場になっていて、夏は大賑わいするようだが、今は閑散としている。
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戸田で県道18号から17号に入って北上すること凡そ10分で、井田海岸を見下ろす展望台「煌めきの丘」に至る。ここもまた駿河湾越しの富士山ビュースポットである。
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イチオシ
眼下に井田の集落、駿河湾の向こうに悠然と富士山が見えている。集落の手前には「井田」と菜の花で描かれた畑がある。早くも黄色の菜の花が咲き始めている。
井田は、わずか42軒、人口90人ほどのこじんまりした集落だが、民宿が10軒もある。釣り客、ダイバー、そして夏は海水浴客が訪れる穴場的スポットである。 -
富士山をアップで。
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煌めきの丘の少し先の細い道を下って井田集落の海岸へ。一部が小さな漁港になっている。釣り客やダイバー、海水浴客用の駐車場も整備されていて、駐車料金700円という看板がでているが、こんな真冬に訪れる人はないので、料金を徴収する人もいない。
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小さな港には、「いど丸」という小舟が係留されている。
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断崖絶壁が海に落ち込んでいるところにいくつかの岩礁が見えている。「井田七島」という名前がついていて、港の岸壁と、この井田七島が釣り場になっている。上の写真の小舟は、釣り客を井田七島に送り迎えする渡し船としても使われているようだ。
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岸壁に一人の釣り客がいた。沼津から来たという。今の季節の獲物は、ヤリイカやメジナだという。夏から秋にかけてはアジ、サバ、イナダ、トビウオなど色々な魚種が釣れるそうだ。
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港から南に続く海岸は、大きなゴロタ石が転がる荒々しい海岸である。ところどころに大きな流木が打ち上げられていたりして、とても歩きにくい。
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波打ち際の大きな石に波が打ち寄せている。海と富士山の撮影ならば、西伊豆の随所にビュースポットがあるのに、わざわざこんなところに立ち寄ったわけは・・・
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イチオシ
モネやゴッホなどの19世紀以降の西洋絵画に多大な影響を与え、かつ玄白が最も好きな画家の一人である葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景・神奈川沖浪裏」の構図にあやかって、どっしりと構えた「静」の富士山と猛々しい動きの大波の「動」の見事な対比を写真で表現してみたかったのである。超広角レンズを付けたカメラで波の中に潜り込むくらい近づけば、もう少し迫力がある写真になっただろうが、カメラをずぶ濡れにするわけにもいかないので、この程度がギリギリだった。これでも少し衣服は濡れてしまった。事前の準備も含め自分の撮影技量の限界を改めて感じた次第である。
数年前から友人の山中湖ロッジを拠点にして富士山の写真を撮り歩いているが、富嶽三十六景の作品から学んだ絵の構成で「玄白の富嶽三十六景」をまとめてみたいというのが、密やかな楽しみになっている。しかし、なかなか思うような富士の写真が撮れていない。北斎の偉大さを痛感している。
なお、神奈川沖浪裏の画像は、ネット上の著作権フリーの画像をダウンロードして使わせてもらった。 -
冬は北西の季節風で大波が海岸に打ち寄せるのだが、この日は風が弱く穏やかな日だった。期待したほどの大波にはなっていない。
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時折、押し寄せる比較的大きな波が来るのを辛抱強く待っての撮影だ。
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なかなか、思うような構図に収まる波が現れない。小一時間粘ったが、結局北斎の浮世絵と並べてアップした波の写真が、神奈川沖浪裏の大波に一番近い構図になった。
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井田海岸での波と富士山の撮影を終えて、今宵の宿に向かう。途中、大瀬崎の砂嘴越しに富士山が見える西浦江梨という地名のところにある県道17号沿いの展望台に立ち寄ってみた。残念ながら、手前の潅木が大きく育ってしまい、大瀬崎の砂嘴は遮られてしまっている。
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4時半ごろ、沼津の内浦漁港の前にある民宿「見晴荘」にチェックイン。宿泊だけでなく、海鮮料理を提供する食堂も経営している。このあたりに温泉があるというのは聞いたことがなかったが、温泉民宿を標榜している。不思議に思って女将さんに確認したところ、大仁温泉からお湯を運んでいるとのこと、この日は大仁温泉がトラブルでお湯が採れないので湯ヶ島温泉のお湯を使っているということだった。
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夕食まで時間があるので、内浦漁港の夕暮れ風景を撮り歩く。
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ほんのり、夕日をあびて朱色を帯びた富士山。
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日が落ちた内浦漁港。小高い山のように見えるのが、湾内に浮かぶ淡島である。もともとは無人島だったが、戦前海軍の施設が設置されていたことがある。1980年代に、「淡島海洋公園」と銘うったリゾート施設として水族館、レストラン、プールなどが開業し、現在は「あわしまマリンパーク」と改称している。
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夕焼けの内浦漁港と富士山
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小さな漁船のポールの先端にちょこんとユリカモメが留まっている。
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幅50~60mくらいしかない小さな漁港だ。老朽化した漁船がほとんどで、日本の沿岸漁業の衰退を象徴しているような・・・
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漁を終えて網の手入れをしている老漁師に声をかけてみた。
玄白「こんにちは! 今の時期はどんなものが採れるんですか?」
漁師「・・・魚に決まっているだろ」
玄白「どんな魚が多いんですか?」
漁師「網を上げてみなきゃ、わからん!」
すこぶる機嫌が悪い。今日の漁は不漁だったのかもしれない。あるいは伊豆の漁港ではあちこちで、マナーが悪い釣り客とのトラブルが多発していたり、ダイビングでアワビやサザエを密漁する輩がいたりして、漁民たちは外来者に対して強い警戒感、嫌悪感を持っているという話も聞く。この漁師もそんな気分だったのかもしれない。何年か前に南伊豆町の大瀬漁港に隣接する蓑掛岩に天の川の撮影に出掛けたことがあるが、そこも漁具の盗難があったということで関係者以外は港の立ち入りができなくなってしまった。 -
さて、お待ちかねの海鮮料理の夕食。車エビの塩焼き、アワビのバター焼き、カサゴのから揚げ、ホタテの貝焼き、船盛りの刺身、金目鯛の煮付け、写真には写っていないが、ズワイガニ、アサリ出汁の茶碗蒸しなどなど。これで1万円そこそこの値段である。すべてが地元の漁港で水揚げされたものではないが、食材の鮮度に文句のつけようはない。
民宿なので、設備の豪華さや至れり尽くせりのサービスはないが、シーフード大好き人間の我が夫婦にとっては、新鮮な魚介料理にありつければ大満足、高級家具に囲まれた豪華なベッドの部屋だろうが、6畳一間の畳部屋の布団だろうが眠ってしまえば同じというのが我が家の共通の価値観なのである。 -
翌朝日の出前に起き出し、内浦港を散策。温暖なところなので、さほど寒さは感じない。
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一隻だけ、明かりが灯っている船があった。
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朝は富士山もクリアに見える。船のそばに近づいてみると・・・
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この船、アニメのキャラクターがラッピングされている。面白い漁船があるものだと思っていると、船頭らしき人が愛想よく話しかけてきた。おや?
聞けば、この船は漁船ではなく、淡島に観光客を運ぶ定期連絡船なのだという。道理で昨晩の不機嫌な漁師とは違うわけだ。ラッピングされているアニメは「ラブライブ!サンシャイン!!」という少女向けのアニメだそうだ。ネットでどんなアニメなのか調べてみると、舞台は、ここ沼津市内浦にある架空の女子高校「浦の星女学院」という生徒数100人足らずで新年度入学希望者はゼロで統廃合される過疎の高校という設定。なんとか学校を盛り上げようと女生徒9人がスクールアイドルグループを結成して活躍するというものらしい。アニメには、ここ内浦や周辺の実在する施設や名所が登場するので、アニメ制作では地元企業もコラボしているという。
なるほど、船のラッピングの意味がよく分かった次第。 -
港の南側にも明かりを灯している一艘の漁船、そしてこれから出漁する小舟が出航していく。彼方の淡島の海岸に建っているビルは、淡島ホテルという富士山の眺望をウリにしたリゾートホテルである。
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明かりが灯っている漁船の方に行ってみた。漁から帰って来たばかりのようで、三人の漁師が忙しそうに働いている。
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ラブライフ!サンシャイン!!定期船が稼働前の点検整備のため、出航していく。
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西の空の朱色が濃くなってきた。ウミウが港の中を泳いでいる。
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間もなく日の出の時刻。富士山頂上に日が当たり始まるはずだ。
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漁船のポールに留まっているのはカラスか?
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富士山頂上に陽光が当たり始め、紅色に染まりだした。
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イチオシ
紅富士出現。中腹にかかっている雲も朱に染まっている。
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漁船と雲
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みるみる日の光が裾野に降りてくる。
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富士山手前の愛鷹山にも日が入り始めた。
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駿河湾上空の雲の朝焼け。
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アオサギが一羽、岸壁に佇んでいる。富士山の紅色は消え、昼間の顔になった。そろそろ、朝食の時間だ。宿に戻ろう。
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民宿「見晴荘」の朝食。沼津の朝食にはアジの干物が欠かせない。焼きたてがでてくるのがうれしい。具だくさんのアサリの味噌汁、釜揚げシラスなども美味だった。駿河湾特産のシーフードと言えば桜エビなのだが、年々漁獲量が減ってしまい、今シーズンはとうとう禁漁になってしまったという。新鮮な釜揚げ桜エビのかき揚げが食べられなかったのが唯一の心残りとなった我が家流シーフードグルメ小旅行だった。
8時半、チェックアウトし、熱海梅園の梅、二宮の吾妻山公園の菜の花を見て一足早い春の息吹を感じながら帰宅することにしよう。
続く
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