東欧諸国周遊（2018/8/21～9/24）8/31

2018/08/21 - 2018/09/24

今日は一日かけてブダペストの街を歩く。朝から夜まで歩き続け足は棒状態に。体力が限界に達しつつもこの目で見たドナウ川の情景は、疲れなんか吹き飛んでしまいそうなくらいに美しいものだった。

8/21　福岡～上海
8/22　上海～モスクワ～プラハ
8/23　プラハ
8/24　プラハ～チェスキー・クルムロフ
8/25　チェスキー・クルムロフ
8/26　チェスキー・クルムロフ～ウィーン
8/27　ウィーン
8/28　ウィーン
8/29　ウィーン～ブラチスラバ
8/30　ブラチスラバ～ブダペスト
8/31　ブダペスト
9/1　ブダペスト
9/2　ブダペスト～ベオグラード
9/3　ベオグラード～ウィーン
9/4　ウィーン
9/5　ウィーン～クラクフ
9/6　クラクフ～オシフィエンチム～クラクフ
9/7　クラクフ
9/8　クラクフ
9/9　クラクフ～ウッチ
9/10　ウッチ～リヴィウ
9/11　リヴィウ
9/12　リヴィウ～ワルシャワ～シュチェチン
9/13　シュチェチン～ベルリン
9/14　ベルリン
9/15　ベルリン
9/16　ベルリン
9/17　ベルリン
9/18　ベルリン～ドレスデン
9/19　ドレスデン～プラハ
9/20　プラハ
9/21　プラハ～チェスキー・クルムロフ～プラハ
9/21　プラハ
9/22　プラハ
9/23　プラハ～パリ～上海
9/24　上海～福岡

エリア ブダペスト(ハンガリー)

音楽は朝まで鳴り響いていた。ゲストハウスの外からもいつまでも若者の叫び声が聞こえ、この界隈には昼も夜もないようだった。夜中に何度か目を覚ましその度にどこからともなく音が聞こえたけど朝の目覚めはそう悪くない。実際には夜中に目は覚まさずに、夢の中にまでブダペストの喧騒が侵入してきのかもしれない。
キッチンへ行き、フリーの食品コーナーにあったパスタを茹でそれをトマトソースを絡めて食べた。その後、適当に準備をして早速ブダペストの街に飛び込んていく。同室の宿泊者はまだ誰も起きていない。彼らは観光よりも「夜に騒ぐこと」を目的にこの街に来ているようだった。

乗り間違えはしたけどどうにか地下鉄で国会の近くまで行けた。ブダペストは世界でもロンドンに次ぎ地下鉄が敷かれたのが早いと聞いている。それもあり、プラハやウィーンのとき以上に地下鉄に乗ることが楽しみだった。朝起きてまだ間もないのにもう既にこの国の中枢を視野に捉えている。

また少し歩いたところでアンスチィチュ・フランセの建物を発見。世界中どこにでもあるな。

真向かいに王宮へと続くケーブルカーの発着駅が見える。一旦くさり橋を渡りその後でまたここに戻ることにした。

くさり橋を渡ってブダ側へ向かう。ちなみに今いるのはペスト。このブダとペストを合わせてこの街はブダペストと呼ばれる。

くさり橋の上から国会を眺める。

ブダ側へ到着。ジョギング、散歩などしている人を見かける。この橋はブダペストの人にとって生活する上で欠かせないもののようだ。

ブダ側からドナウ川を見渡す。目の前に浮かんでいるのは船？変わった形をしている。

また改めてペスト側まで歩く。

ペスト側のケーブルカー乗り場まで歩いた。ここからケーブルカーに乗り王宮へと向かった。ケーブルカーに乗って上まで登る際に動画を撮影した。ドナウ川とブダとペストを結ぶくさり橋、そしてさらにその向こうに国会が視界に広がる。高度が上がるにつれこの光景がよりはっきり鮮明に一つの絵として浮かび上がってきた。この流れを体験するだけの為にケーブルカーに乗る価値がある。動画をここで公開できないのが残念。

丘の上からドナウ川を望む。ついさっき歩いたくさり橋が随分と遠くに見える。

更に歩いて王宮に到着。最初に建てられたのは13世紀だけど、今の王宮は戦後に修復されたもの。中は博物館になっている、らしい。

この辺りで日本人観光客の団体を見かけた。

王宮の更に奥に進むとブダペスト市民の民家が見渡せる場所に着いた。ケーブルカー乗り場側から見渡すドナウ川の眺めとは趣が異なる。

マーシャーシュ教会まで歩く。

ブダペストのシンボルの一つ、マーシャーシュ教会。今は教会だけど、オスマンに占領された際はモスクになり、その後占領が終わると教会に戻ったとのこと。今では何気なく存在している教会だけど、周辺の強国の思惑に翻弄された歴史をこの建物は背負っている。

マーシャーシュ教会のすぐ近くにこの帽子のような建物は漁夫の砦。今のマーシャーシュ教会とは設計者が同じらしい。この辺りはうんざりするほどに観光客で溢れていた。

世界各国から来た観光客の皆さん。

漁夫の砦からもドナウ川を見渡せる。

マーチャーシュ教会と漁夫の砦の見学にも飽きてきたのでまた歩くことにした。次第に、周囲を見渡すと人は少なくなり静けさに包まれていったけど全く治安の悪さは感じなかった。夏の日差しが照りつけ心地よくもあった。

葉書とか、看板とか。

ホテルか？

またしばらく歩き、ケーブルカー乗り場の反対側からブダペストを見渡す。ブダペストの住民の生活を垣間見た。新築の家は少ないなと感じた。

王宮とその周辺の散歩を満喫した。またケーブルカーで下に降りていく。

下に降りるとケーブルカー乗り場付近は観光客で溢れかえっていた。早めに来て良かった。あと１時間遅かったら行列に巻き込まれたかもしれない。

王宮の次は何処へ行こうか。途中、韓国料理店を見つけたのでそこで食事したくなったけど、また改めて歩いた。まだそんな時間じゃない。もっとブダペストの人たちの生活ぶりを間近で見たい。ということで、中央市場へ行くことにした。ここは旅行直前にNHKの『世界ふれあい街歩き』で見ていたのでどうしても行きたかった。市場へ行くまでに道には迷ったけどどうにか辿り着いた。

ここが市場の1階。食材を買い求めるブダペストの住民でごった返している。他の国でも思ったけど、結局旅先で強く印象に残るのは市場などのその土地の人たちが集まるところ。それがわかっていたからここにはどうしても来たかった。

ハンガリーといえばパプリカ。パプリカなしの生活なんか考えられない。日本ではパプリカはそれほど食卓に浸透してない印象があるけど、ハンガリーの市場に来たらこの通り。細いのもあれば長いのもある。色が薄いのもある。それぞれどんな味がするか想像もつかない。

パプリカ入りのチューブ。この旅で食事の歳に使えるし、余ればお土産にできると考え一つ買った。

市場で買ったチューブ入りパプリカ。

あらゆる形態でパプリカが売られている。

この白くてブヨブヨしたのは‥一体‥何？

子どもにあげたら喜ばれそうなお菓子。

ハンガリーではきのこ狩りを楽しむ人も多いようで、ここに行くと取ったきのこに毒があるかを確認してくれる。ここは『世界ふれあい街歩き』に出てきたので来たかった。あいにくこの時間は閉まってたけど。

市場の2階より上にはお土産屋がある。ここはブダペストの住民より観光客が多い印象だった。チェスが欲しかったけど高くて買えなかった。

マトリョーシカがこんなにも！マトリョーシカはロシアでしか売られてないと思っていたけど、チェコやハンガリーにも広く普及している。

バック・トゥ・ザ・フューチャーとグランド・セフト・オートとあとは知らん。

スター・ウォーズとマインクラフトとバットマンとあとは知らん。

ジュラシック・パークはわかるけどあとは知らん。こんなバカげたTシャツ売ってる場合なのかと。

ハンガリーでは誰でも知っているチョコレート、トゥーロー・ルディ。地下のスーパーで買った。ちなみにこのチョコと一緒に昼食としてパンとヨーグルトを買った。食べる段階になりヨーグルトにスプーンが付いていないことに気がつき慌てた。ヨーグルトのカップをスプーン代わりにしたり、ヨーグルトの入った容器を潰して中身を口に流し込んだりと汚いことをしてしまった。

パックからトゥーロー・ルディを出したところ。何本か食べたけど残りはゲストハウスの冷蔵庫に入れて後で食べることにした。

ヨーグルトの件では酷い目にあったけど、この市場ではブダペストの住民の日常を垣間見ることができ充実した時間を過ごせた。ブダペストに旅行する人にはぜひこの市場に行ってほしい。

さて、出ていくか。

市場から出て左側にブダとペストを結ぶ橋が架かっている。ここからだと歩いて橋を渡りゲッレールトの丘まで行ける。早速歩いてみよう。

橋を渡ると目の前にゲッレールトの丘が視界に広がる。これを頂上まで登るってのは‥いや、ここまで来たら諦められない。途中、何度も息切れし他の観光客に心配されながらもどうにか頂上まで歩いた。

これがゲッレールトの丘の頂上からの眺めだ!

何だこの上半身裸の若者は!

多分、ブダペストでここ以上にドナウ川を見渡せる場所はないだろう。それもあってかゲッレールトの丘の頂上は観光客が多かった。ドイツからの観光客が多いのかドイツ語はよく聞こえてきた。

ブダ側、ペスト側の両方からドナウ川を眺めた。もう何も言うことはない。これから下に降りていく。

丘を下った。登りは険しかったけど下りはその分楽だ。次は何処へ行こうか。とりあえず、また橋を渡ろう。

この街を高い位置から眺めたけど、次は街で一番の繁華街に行きたくなった。エルジェーベト広場近くの聖イシュトヴァーン大聖堂とアンドラーシ通りを目指す。またしても道に迷った。でも、目的地近くまで行くと周囲は人が溢れ、一目でここが目的地なんだと理解した。

歩いていく。

ここが聖イシュトヴァーン大聖堂。道筋が合っているか自信がなく、突然目の前に現れてびっくりした。ブダペスト最大なので、観光客だけでなく地元の人も大勢いた。

正面玄関から出て聖堂を撮影してみる。

ざっくりとだけどブダペストの繁華街の地理が把握できてきた。ここから歩いて、ブダペスト一賑わっているらしいアンドラーシ通りまで行ってみよう。ここは、地下を走る地下鉄と一緒に世界遺産に登録されている世界でも珍しい大通りだ。高級ブランド店の並んだ光景を想像していたけど、案外庶民的だ。

写真：ムーミンの描かれた店。

世界でも珍しい世界遺産に登録された地下鉄駅はこちら。

地元の人たちで賑わうアンドラーシ通り。

アンドラーシ通りには本屋もあったので立ち寄ってみた。ハンガリー含む東欧諸国でも評価が高い安部公房の本を探したけど見つからなかった。この本屋でインテリっぽい日本人を見かけた。どうもこの本屋は「日本のショッピングセンター内の本屋」なんかとは客層が違うようだった。

しばらく歩くと通行人も減ってきた。もう繁華街は通り過ぎた。

何かこう、並んでる車が日本や欧州先進国と違って古めかしい。70年代くらいの日本を彷彿させる。

アンドラーシ通りをひたすら歩くと広場に辿り着いた。後で知ったけどここは英雄広場という場所らしい。

英雄広場付近の公園。

あの門は一体？？

門をくぐると飲食店等が並んでいるようだった。用はないのでここで引き返す。

意外にも（と言ったら失礼か）ブダペストは世界でもロンドンに次いで地下鉄を敷いた街で、この時乗った1号線こそがハンガリー最古の地下鉄。車両も90年代に開通当時のものに復元された。この地下鉄に乗るだけの為にわざわざブダペストに来る価値がある。この地下鉄に乗り宿泊先のゲストハウス近くまで戻り食事することにした。

宿泊先のゲストハウスから更に歩くとビストロ小町という日本料理店がある。今日はここで食べた。この近くに格安のハンガリー料理店があるからそこに行ってもよかったけど、もうこの頃になると日本の味に飢えていた。グヤーシュよりもカレーを食べたい！メニューが多くて迷う。

海外の日本料理店に行くと内装が日本を意識しすぎで笑ってしまう。

結局これを頼んだ。カレーと唐揚げは日本のものと一緒。ラーメンも美味しいけど、スープも麺も専門店のものと比べると1ランク落ちる。インドのバラナシの日本料理店で食事したときも同じ感想に至った。これは、海外の日本料理店だから品質が劣るというわけじゃない。そもそも定食と麺料理を同じ店で作るってことが難しいんだろう。あとはそれぞれの料理の量が少ないのが気になった。と言いつつも、どんな形でも東欧の国にまで来てこの水準の日本料理を食べられればそれでいい。カレーなんか2日連続で食べた。日本人は週に1回はカレーを食べるらしいけどハンガリーで「日本人の平均的なカレー摂取量」を上回った。

いかにもな日本。

いかにもな日本。
この店にはハンガリー人もいれば日本人もいた。日本の若者グループもいて、会話が高校生や大学生にありがちな内輪ネタだったのにはがっかりした。ハンガリーにまで来て何やってるんだろうと。多分、この店の隣の有名な日本人宿から来てるんだろうけど、今回そこには泊まらなくて正解だったかも。日本人宿にはどうも馴染めない。

日本の水球の選手のサインらしい。

こちらもサイン。

久々に日本の味を満喫した。ちなみに、店員として働いていたハンガリー人の若者の日本語が物凄く上手かった。支払いの際に「日本語上手ですね。」と声をかけると「ありがとうございます。大学で勉強しています。」と言われた。この時、高額紙幣を出すとこの若者はお釣りの紙幣を目の前で1‥2‥3と数えていた。まさかヨーロッパでこれを見るとは!ここは日本なのか。ブダペストを旅する日本人にはこの店を勧めたい。

一旦ゲストハウスに戻り昼間にスーパーで買ったトゥーロー・ルディを冷蔵庫に入れた。昨日と違ってステージで演奏しているのはニルヴァーナのコピーバンドじゃなかった。このゲストハウス、毎晩騒がしいな。

これからまた夜景を楽しむ為にブダペストの街を歩く。

ゲストハウスの近くにシナゴーグが建っていた。後で調べるとヨーロッパでも最大級とのこと。たしかにプラハで見たものよりも大きい。

今朝辿った道筋をまた辿る。夜の国会議事堂とドナウ川。

夜のくさり橋。

夜の王宮。今回は登らない。

くさり橋を渡って国会まで歩くことにした。意外にも朝より昼のほうが賑わっている。

間近で見ると眩い光で圧倒されるな。

この後、国会を横切りくさり橋の隣の橋まで歩いた。朝からひたすら歩き続た。もう足も限界に達してたけどせっかくブダペストに来たんだからじっくりこの街を堪能したい。

目的地まで歩いて国会とくさり橋を見渡す。何かこう冴えないな‥まあいい。両足の痛みに耐えながら獲得した光景なんだからこれはこれで良しとしたい。

この角度からだと王宮も見える。やっぱり冴えない。それでも朝から歩き続けブダペストの街を満喫したし、久々に日本料理も食べた。明日はこれまでの旅の疲れを取るためにセーチェニ温泉で一日を過ごす。その後、バスでルーマニアに移動する。
実はこの時点で、今後の旅程に悩んでいた。
1,ブダペストからセルビアのベオグラードに行き、サラエボ→モスタル→ドゥブロヴニク→ザグレブ→クラクフと移動する旧ユーゴスラビア周遊コース
2,ブダペストからルーマニアのブラショフ（もしくはブカレスト）に行き、モルドバの首都キシナウ→モルドバ内の沿ドニエストル共和国→ウクライナのリヴィウ→クラクフと移動する旧ソ連周遊コース
3,ブダペストからベオグラードへ行き、クラクフ→リヴィウ→ワルシャワと移動する旧ユーゴスラビア&旧ソ連どちらもコース

大きくこの3つの案で迷っていた。この日の終わりまでに2を選ぶことにした。1は調べたところ、クロアチアに入国してからのバス事情が不透明で、何かしらのトラブルが起きたら後の旅程に支障が出そう。3はこの中でも最も難易度が低いので面白みに欠ける。まだこの旅で挑戦する意欲を捨てたくない。2は1よりは交通事情がはっきりとしているし、モルドバや沿ドニエストルに行ったことのある人には日本で会ったこともないから、後々絶会話のネタになる。万が一、何かしらのトラブルが起きて2を断念することになったら3を選ぼう。どうにかこの案で話がまとまった。

ゲストハウスに戻って早めに寝た。昨日と同じく外から音楽がいつまでも響く。この街はいつまでも眠らない。