イタリア世界遺産巡り３週間ひとり旅（24）19日目－コモ湖観光－

2018/05/26 - 2018/06/15

第24回目は、19日目にミラノから鉄道と船で行ってきたコモ湖の日帰り観光の模様となる。

今回の旅行の終盤には、イタリア中・北部の世界遺産18個所の訪問を終えた後、トスカーナ地方観光の中心地フィレンツェから帰国に備えてミラノに移動した。その際に、おまけとして世界遺産ではないがミラノから簡単に行ける２個所のポイント（コモ湖・パヴィア修道院）を訪れた。いずれも、昨年のイタリア旅行（ツアー9日間＋フリー旅行3日間）時に、もっと時間的余裕があればミラノから行きたかったところだ。

今年の春～夏の旅行シーズンは、ひとりでミラノからローマの間に点在するイタリアの世界遺産18個所巡りをすることになった。その動機と旅行の決定までの経緯は、このシリーズ１回目の下記旅日記をご覧ください。

https://4travel.jp/travelogue/11378140?lid=notice_vote_travelog

出発前に組んだ計画は下記のようなものであり、結果的には行程や宿泊場所の変更はなく、ほぼ計画通りの旅を終えることが出来た。ただ、計画には敢えて書いていないが移動後のホテルには比較的夕方早くに到着しているので、一年で一番日が長い時期でもあり、暗くなるまでの数時間を活用してそれぞれの街の見物を行うことが出来ている。

・１日目：夜成田発、機内泊
・２日目：朝ミラノ着、【世】モデナ見物、モデナ泊
・３日目：【世】マントヴァ見物、ヴェローナ泊
・４日目：【世】ヴェローナ見物、【世】ブレシア見物、ヴェローナ泊
・５日目：【世】ヴィチェンツァ見物、パドヴァ泊
・６日目：【世】パドヴァ見物、フェラーラ泊
・７日目：【世】フェラーラ見物、ラヴェンナ泊
・８日目：【世】ラヴェンナ見物、ラヴェンナ泊
・９日目：ラヴェンナ‐リミニ移動、リミニ泊
・10日目：【世】サンマリノ見物、リミニ泊
・11日目：【世】ウルビーノ見物、リミニ泊　
・12日目：ボローニャ見物、フィレンツェ泊
・13日目：【世】ピサ見物、【世】フィレンツェ見物、フィレンツェ泊　
・14日目：日帰りバスツアーでコルトナ、【世】アッシジ見物、ペルージャ見物、フィレンツェ泊　
・15日目：日帰りバスツアーで【世】ピエンツァと【世】オルチャ渓谷見物、フィレンツェ泊　
・16日目：日帰りバスツアーで【世】チンクエテッレ見物、フィレンツェ泊　
・17日目：日帰りバスツアーで【世】サンジミニャーノと【世】シエナ見物、フィレンツェ泊
・18日目：【世】フィレンツェ見物、ミラノ泊
・19日目：コモ湖見物、ミラノ泊　←　今回はココ
・20日目：パヴィア修道院見物、夕方ミラノ発、機内泊
・21日目：夕方成田着

エリア コモ(イタリア)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 鉄道 船
• 航空会社: ターキッシュ エアラインズ
• 旅行の手配内容: 個別手配

コモ湖観光は、日帰りのバスツアーにするか、鉄道利用にするか迷ったが、調べてみると案外簡単に鉄道で行けることが判明した。自由度と料金の点から、鉄道利用に越したことはない。

コモ湖は、地図のように漢字の「人」に似た形をしており、左下角にあるコモの町が観光の起点となっている。ここにはミラノから鉄道で割と簡単に行くことが出来、もうひとつの目的地のベラッジオまで遊覧船で行くのが定番となっている。問題は、鉄道が接続していないベラッジオからミラノまでどういう方法で戻ってくるかとなるが、同じコースを船で往復するのは芸がないと思い調べてみると、ベラッジオのすぐ先のヴァレンナという町にミラノ行の鉄道が接続していることが判った。ベラッジオ～ヴァレンナ間は船で30分ほどだ。

コモの町へは、湖近くの駅と徒歩15分ほど離れたコモ・サンジョバンニ駅に着く路線の異なる２つのルートがあった。どちらでも行けるのだが、時刻表を調べてコモ・サンジョバンニ駅の方を選択した。降りてから歩くことは苦にならない。

朝８時頃のミラノ中央駅。通勤時間帯でもあり、混んでいた。

すぐに見つかった、評判の悪い時刻印字用マシン。

８時10分発の列車に乗車。

満員というほどではないが、座席は全部埋まっていた。

40分ほどで、コモ・サンジョバンニ駅に到着。

駅構内にあるインフォーメーションに立ち寄る。地図をもらうために並んでいると、前の観光客がコモの見どころを質問している。係りのおじさんは地図を見ながら丁寧に説明をしていたが、英語なのでこちらも聞いていた。当方の番になって地図を頼むと、おじさんは「もう一回、同じことを説明するの？」と笑いながら聞いてきたので、丁重にお断りして地図だけ有難く頂戴した。

駅前から市街地の方に歩いて行くと、大きな手のオブジェに出会った。

正面に回って見ると、両手を上下に広げた構図だ。

歩いて15分ほどで、湖畔に到着。生憎の雨で、コモ湖も霞んでいる。

コモ湖畔はヨーロッパきっての避暑地として知られ、湖畔にはヨーロッパの各王室や富豪等が建てた豪奢な別荘が立ち並んでいると聞いているので、その街並みや遊覧船から見る別荘などを見物したいとの思いから訪れたのだが、いかんせん雨では景観も優れない。

まずは、コモからベラッジオまでの12時発の乗船券を購入。お天気は午後から回復予想だったので丁度いい時刻で、２時間半ほどのコモの町見物となった。

船には２種類あって、各駅（港）停船の所要2時間と、高速船の所要1時間のものがあるが、景色をじっくり楽しみたいので前者を選択。

傘を差してのコモ湖畔散策も辛いので、早めに切り上げて市街地中心を目指す。

湖畔通りで見掛けたホテルの前の池の噴水。

ドゥオーモに到着したのは、10時10分頃。なかなか立派な教会で、レンズに収まらない。

正面からファサードを見上げる。

中に入ってみたが、雨模様ということもあって結構多くの人が見物していた。

大きなタペストリーがぶら下がっている。

ドゥオーモの身廊両側に展示されていた。

天井も高い。

祭壇。

天井には、天国を表しているようなレリーフ。

天井には、天国を表しているようなレリーフ。

タペストリーをこれほど多く展示している教会は初めてだったが、何か由緒があるのだろう。

外が雨だったので、30分近くドゥオーモの中にいたことになる。

外に出て、背後から見たドゥオーモの姿。

雨が小降りとなってきたので、ブルナーテ山へ登るケーブルカーに乗ることにした。地図を頼りに到着したフニコラーレ駅。

11時発のケーブルカーで登り、山頂11時半発のケーブルカーで下りることにしたが、12時発の船に乗らなければならないので、若干リスキーだ（笑）。

途中の車窓から見るコモ湖。

途中の車窓から見るコモ湖。天気が悪いので、見晴らしも良くない。

山頂駅に着いて展望台を探したが、それらしきものはなかった。山頂付近から見たベストショットがこれでは、ちょっとガッカリだ。

山頂駅構内にあった、この付近の案内地図。

11時半のケーブルカーに乗車。

車窓からは、先程訪れたドゥオーモが見える。

ここでやはり不安が的中。ケーブルカー駅からコモ湖の桟橋まで近いと思っていたら、結構距離があった。途中でランチでも買って乗船と思っていたが、とんでもない。脇目も降らず速足で歩いて、時には小走りで、やっと出発数分前に桟橋に到着。

席に着く前に通過したカフェカウンター横で売られていたスナック菓子類。このうち、Loacker は良く自宅近くのコストコで買うイタリア製の駄菓子だ（笑）。

出発して、ヨットハーバー横を通過。

２階のオープンデッキの床は午前中の雨で濡れていたが、椅子の上には屋根があり座る分には支障がなかった。寒い時期でもないので、１階の船室には入らずにこのオープンデッキで過ごすことにする。

ようやく雨も止んだようだ。

15分ほどで最初の船着き場に到着。ここで降りたり乗ったりする人がいた。

天気はまだ良くなく、湖畔も暗く見える。

少し明るくなってきた。

ランチを買い損ねたので、予備に持参していたカロリーメイトで済ませることにする。船の中にレストランもあったが、味は期待出来ないだろうし、写真を撮るチャンスを逃したくはなかった。ただ、それでは足りなくてカフェのカウンターに行って、エスプレッソロングと先程見ておいたスナック菓子を食べて、一応落ち着いた（笑）。

12時半近くにはかなり明るくなり、湖畔の別荘地帯もはっきり見えるようになってきた。

湖岸の街並み。

船着き場が近付くと、このような瀟洒な建物が近くに見えるようになる。

湖畔の町が次々と過ぎて行く。

時には、湖の中央を航行することも。

湖畔の可愛い街並みが過ぎて行く。

この辺りは街並みではなく、孤立した別荘のようで、糸杉の庭園が印象的だ。

ここも大きな別荘のようで、樹々も手入れが行き届いている。

通り過ぎながら、思わず見入ってしまった。

別の船着き場。

湖畔の教会。

時刻は14時。２時間の乗船なので、この町はベラッジオだろう。

14時10分にベラッジオの船着き場に到着。

ここで下船だ。

船着き場の建物の床面にあった、ベラッジオの町の紋章。

ラスベガスのホテルベラッジオは、このコモ湖畔のベラッジオの街並みをモチーフに作られているということだが、この旅行に来るまでは知らなかった。また、ハリウッド俳優のジョージ・クルーニーの別荘がコモ湖畔にあることは有名だが、このベラッジオではないようだ。

まず、次の目的地ヴァレンナへの16時35分発のチケットを購入。船着き場を離れる前に、ここでもインフォーメーションに立ち寄って地図をもらい、見どころを教えてもらった。滞在はどのくらいと聞かれて２時間と答えると、岬の先端とその途中にある教会と、町の反対側にあるメルツィ庭園を教えてくれた。

湖沿いの大通りには、多くのカフェが並んでいた。

狭い階段の路地を上がって、町のメインストリートの方へ。

カフェで寛いでいる人が多い。

メインストリートから横に伸びている路地は、静かで可愛い雰囲気だ。

メインストリートを更に進んで行くと、教会が見えて来た。

広場から教会の横姿を見る。

中に入ってみた。

モザイクの壁画だ。

暫く見物した後に、退出。

湖の見える岬の先端に出た。小舟のオブジェがあったが、良く見るとレストランの看板だった。

岬の先端には、更に突堤があった。

今度は街の反対側にあるメルツィ庭園に、湖畔沿いの道を通って行く。

船着き場のある辺り。

公園を抜けて行く。

対岸に見える街並み。

メルツィ庭園に到着。ここは有料だった。

庭園の看板。

中に入ると、すぐに写真入りの案内板があった。

良く手入れされた庭園が出現。

まるで日本庭園のような趣きだ。

立木と池と水草のバランスがいい。

おまけにもみじのような木もあった。

このもみじは、夏前というのに紅葉している。

東屋もあった。

東屋の前に立つ像。

庭園内の散策道。

良く見掛ける観葉植物だが、これほど大きくて密生しているのは珍しい。

庭園内散策も終えて、16時35分の船までは少し時間が余った。船着き場近くの湖畔のレストランに入って喉の渇きを癒すために、スパークリングワインをグラスで注文。「プロセッコですね」と持ってきてくれた。

コモ湖の景色を眺めながら、暫し休憩。晴れていたら、もっと爽快な気分となっていただろう。

時間通り船が到着して、ヴァレンナへ向けて出航。

この辺りはまだベラッジオの近くだ。

ベラッジオの教会の鐘楼。

30分ほどでヴァレンナに到着。船着き場から鉄道駅までは、徒歩10分ぐらいだった。

ヴァレンナ駅に到着。

ミラノに戻る17時37分の列車に乗り、1時間ほどでミラノ中央駅に到着した。

若干慌ただしいコモ湖観光だったが、コモとベラッジオの街中散策と遊覧船からのコモ湖畔の光景を眺めることが出来て、昨年来の念願が叶ったことになる。惜しむらくは、晴れた日の景観を見たかったが、３週間の旅行中すべての日が晴天というのは無理だろう。実際、雨の日はウルビーノの半日とこの日半日の２日間だけだった。

翌日は、午前中にパヴィア修道院を見物の後、いよいよ帰国の途に就くことになる。

（続く）