2018/11/05 - 2018/11/06
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鯨の味噌汁さん
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この旅行記のスケジュール
2018/11/07
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11月5日、月曜。ジャイサルメール三日目。
今日はジャイサルメールの町を歩いて、夕方にヒコーキでジャイプールに移動する。
フライトは午後5時だから時間はたっぷりあるぞ。
今日もめためたに暑い。そのかわりと言ってはなんだが洗濯物がよく乾く。
替えのおぱんつ、並びにシャツは3組なので、旅に出ると洗濯ばかりしてる。まるで洗濯するために旅してるみたいだ。
きのうと同じ道を歩いていると、またもやタコ揚げのガキが近寄ってくる。でもって、ニコニコしてゆう。
「カイト!」
視線をひょいと上に向けると、ガキはすかさずワシのカバンに手を入れようとする。け、同じ手に引っかかるものか。
「バカモノ!」
パチン、と手をひっぱたくと、ニヤっと笑って、ピューと逃げていく。
地元の少年とのココロ温まらない交流である。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- タクシー 徒歩 飛行機
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-
月曜の朝だけに、城下の町には地元民がワラワラと溢れている。狭い曲がりくねった道に、人、バイク、オートリクシャー、牛、犬、ハゲデブ日本人、などなどあふれかえって、さらには牛の雲古が落ちてる。
おおおおお、まさに久保田早紀の「異邦人」の世界だ。(歌に雲古は出てこない) -
この町は交易の中継都市として栄えたから、「ハーヴェリー」と呼ばれる豪商や貴族の館がいくつか残っているそうな。
そこには現在も人が住んで、カネを取って中を見せているらしい。
よーし、じゃあ行ってみよう。 -
路地に入り込み、あちこち迷い歩く。方向オンチにとって意外と難易度が高い。
それでもgoogle map を駆使して、ようやくその中の一つにたどり着く。 -
入口にはちょっと欠けたゾウさん。
さらに階段を上ると、白装束のミイラが鎮座。
そのミイラがゆっくり動いて「50ルピーだ」などとゆう。
目をゴシゴシこすってよく見ると、ミイラではなくってオジーチャンだった。
50ルピーを払うと、オジーチャンはヨロヨロとチケットを渡し、ゆっくり右手を上げて、あっちからだ、と指差す。
ミイラではないけど、植物性のタンパク質でできてる感じである。 -
イチオシ
暗い階段を上っていく。大きな建物だけど、ほとんどのドアは閉まっている。
精緻な彫刻はこの地方では珍しくないが、それもグズグズに崩れかけている。ちらっと見えた寝室らしい部屋には、1世紀洗ってないようなフトンが投げ出されていた。
おそらくオジーチャン一家は今もここに住み、偉大なご先祖の残した廃屋を観光客に見せて糊口をしのいでいるのであろう。なんだか切ない。 -
ボロ屋を見てもあんまりうれしくない。よって、もう一か所のハーヴェリーを探し当て、またも入ってみる。こちらは入場料200ルピー。強気だ。
階段をあがってゆくと、いきなり「鏡の間」みたいな、上下左右タテヨコナナメ、全部キンキラキンの部屋。岩槻インターのラブホみたいである。 -
さらには寝室、リビング、客間、子供部屋、全部豪華絢爛、「どうだまいったか」風なお屋敷であった。
でもって一階はお土産物屋になっていた。
現役バリバリで儲けているようである。
さっきんとことはエライ違いだ。 -
そのハーヴェリーは小道をまたいだつくりになっていた。通路から見ると、上の階がせり出しているのが分かる。ハーヴェリーの特徴なんだそうな。
細かい彫刻がコレデモカと施されている。まるで王宮だなぁ、と思う。
シルクロードの商人って、マルコポーロみたいに「通し」で歩いたわけではない。こういった中継点で荷駄が受け渡しされ、商人は富を蓄積したんだろうな。 -
イチオシ
歩き回っているうちに日が高くなり、気温が上がってくる。
相変わらず日差しが強い。路地裏の日陰を選んで、ゆっくりゆっくり歩く。
屋台で10ルピーのチャイを飲みつつ、ベンチで一休み。 -
大なべの中は、甘いミルクティーがぐつぐつ煮えていた。
インドのチャイは、シナモンやらジンジャーやら、わらわらとスパイスをぶち込む。よって何が何だかわからん味になる。
それを小さな紙コップに入れてちょいと飲む。
オートリクシャーのドライバーなんぞも、道端のチャイ屋でいっぷくしていた。 -
路地に入り込む。
意外に新築の家が多い。観光で町が潤ってるんだろうなぁ。
対して古い建物には、やっぱりびっしりと彫刻が施されている。 -
どこを歩いてるかさっぱり分からなくなるが、お城を目印にゆっくりと城下を一周した。
午後2時、ホテルに戻り、荷物をピックアップして、タクシーで空港へ。
暑い中、てこてこ歩き回ったんでヘトヘトだ。 -
ジャイサルメール空港は城と同じ砂岩で作られたちんまりとした飛行場で、土漠の真ん中にぽつんと立っていた。
去年のオープンで、この空港ができたおかげで観光客がドンと増えたそうだ。
デリーやジャイプールに四便が就航しているそうな。
デリーで乗り継げば、こんな田舎まで日本から半日でやって来られる時代。 -
おんぼろプロペラ機に乗ってジャイプールを目指す。
飛んでる最中に砂漠に陽が落ちて、午後6時、ジャイプール着。
ホテルには前日に連絡を入れ、メールで空港ピックアップをお願いしていた。
500ルピーかかるけど、世界を股に掛ける方向オンチたるワシが、大きな町に夜にたどり着いて、ホテルを探し当てるなんてできるわけがない。
さらに、空港の出口で「Mr.KUJIRA」なんてボードを持ったドライバーに迎えられる、なんてカッコイイではないか。
あれ、一度やってみたかったんだ。(⇒わくわく)
出口でボードを持ったオッサンが何人も立っていた。うんうん、あそこにワシの名前があるのネ。空港ピックアップデビュー。
だがしかし。ワシの名前はない。
往復してもない。
二往復してもない。
三往復してもない。
もう到着から30分経っている。
やむなく、ホテルに電話。
「♯%&#$?」(⇒全然分からん)
「あいむ・くじらのみそしる・あい・ぶっくど・ゆあほてる・あんど・えあぽーとぴっくあっぷ・とでい」
めたくそ英語だけど、神の祝福あれ、なんとか通じたらしく
「&$%#!!、てんみにっと!!」
・・・で、15分待ったらタクシーが来た。
どうやら鉄板で忘れられてたらしい。 -
ホテルは英国コロニアル風の、なかなかこじゃれたつくりだった。(⇒写真は翌朝)
お客さんは白人が多い。
値段は少々張るけど、もうビンボー旅行はやんぴだから、これでいいのだ、天才バカボンバカボンボン。
英国風とゆうことであれば、きょうこそはラムチョップにビール、なんて組み合わせであろう。もうカレーはいいや。
とりあえずビールだビール。乾いた1日の締めくくりにつべたいビール。
部屋に入ってシャワーを浴び、いい感じで乾燥してレストランへ。 -
席に案内され、メニューをニコニコ眺める。
だがしかし、めくっていくと、ジュースだのコーヒーだのソフトドリンクはあるのに、ドリンクにビールがない。
いぶかしんで、ボーイを呼ぶ。
「お酒のメニューをください」
「のー」
のーってなんだよ。未成年じゃないんだからよ、酒だよ酒。
だがしかし、ボーイは首を振るばかりである。
イヤな予感がしてホテルのバウチャーを確認。すると一番最後に
「このホテルは酒類の提供はありません」
魚魚魚。ぎょぎょぎょーーーーー。
・・・ショックのあまり瞳孔と尿道がいっしょに開けゴマだ。
ビールを楽しみに、きょう一日、炎天下を歩いてきたのに。
じゃあ、せめてラムチョップを。
するとボーイはやっぱり首を振り
「ベジタブル」
まさかそんな。ウソやウソや。
インドの上層階級は「酒は飲まん、メシはベジ」なんてゆうのがハイソ、ちゅう風潮があるそうで、このホテルがまさにそれであったか。
どうりでホテルが静かなわけだ。日本人中国人の酔っ払いツアー客がおらんせいなのね。
とゆうわけで、ほうほうの体で逃げ出し、門番のおじちゃんに聞く。
「近くにリカーショップは」
「ノー」
「バーは」
「トクトクに乗ればいい」
今から夜の町に出てるのか。しかもインド。しかもはじめての町。しかも方向オンチ。
カラータイマーのピコピコがもはや消えかけ、気がとおおーーーくなってゆく鯨である。 -
あけて11月6日、火曜。快晴。ジャイプール2日目。
この町は別名「ピンクシティー」とゆうそうな。
なんかワクワクしちゃう名前だけど、フーゾク街が大変ご立派、とゆうわけではなく、町の建物がピンクのペンキで塗られてるからだそうだ。がっかりである。
でもって、実際に見て歩くとたしかにピンクっぽい色で統一されているのだが、町中こぼたれんばかりに人があふれていて、景色を楽しむどころではない。
表通りはすれ違いにも苦労するほどの人波だ。
折しも町はディワリーとゆう「立冬祭」の当日であり、表通りも裏通りもハロウインの渋谷と初詣の成田山を合わせたくらいの喧騒だ。ただでさえ人だらけのインドなのに。
縁起物のお札やら花飾りやらの屋台がずらっと並んで、それにお客さんが殺到している。
さらには花火・爆竹なんかも屋台が出て、そこにも人だかり。
爆竹がそこここでバチバチはじけている。ちちち、中国かよ。
もうもうたる排気ガスで空気も悪い。歩いてるだけで気持ち悪くなってくる。
町にはバイクとオートリクシャーのクラクションが躁病みたいに鳴り響いている。
一休みしたくなるが、なぜだかインドって町にカフェがない。
カフェができそうなスペースあるんだけど、(1)牛が寝ている、(2)人が寝ている、(3)ゴミが散乱している、または(1)~(3)の混合であって、ヨーロッパにあるようなカフェテラスはついに見つからない。
やむなくヨレヨレになって屋台に避難。
タコヤキみたいなのを食ってみたら、ポテチのチーズ風味みたいなものであった。30ルピー。んまい。 -
よろよろ歩き、なんとかピンクシティーの象徴「風の宮殿」までたどり着くが、ここもまた人のウズ。
ならば郊外に行こう、とバスに乗ってアンベール城を目指す。
可愛らしい車掌さんが寄ってきて、15ルピーで切符を売ってくれる。
ひとまずは喧騒を抜け出しホッとするが、今度は殺人的に冷房が効いていて、大気汚染で弱った体にジンジン浸透、頭痛がひどくなる。うわー、これはもうカゼ確定だな。
まったくインドの冷房って、なんでちょうどいいのがないんだ!
バスは市街地を抜け、湖の脇を通り、山中に入っていく。
やがて、谷の向かいに、巨大空母みたいな黄色い城郭が現れる。視界の右から左まで、全部お城。 -
ででででで、でけぇっーーーー。
城へと続く、つづら折りの坂道には、ゾウさんがお客を載せてゆっくりと上がっていくのが見える。そのゾウが豆粒みたいだ。
さらには背後の山肌には、万里の長城そっくりの城壁が、山を越えて続いていた。
インドにこんな風景があるなんて知らなかったぞ。しばし立ち尽くす鯨である。
名物ゾウのタクシーは自重した。何しろクラクラのしてるから、ゾウから落下の恐れなしとしない。それくらい体調がヤバイ。本来だったらそのままホテルにUターンすべきであろう。
だが、気力をふるって門の階段を一人で登ってゆくと、どうも「わたし弱ってます」オーラが出てるらしく、いろんなのがかぶりついてくる。普段であればひと睨みで追い払えるのに、この体調ではあかん。 -
ガイドしよう。
ゾウの彫刻買え。
写真撮ったから買え。
スカーフ買え。
ガイドブック買え。
歌うからカネ払え。
踊るからカネ払え。
タバコくれ。
カネくれ。
一歩ごとにいろんなのがワラワラと来て、ワシから小銭を巻き上げていくのだった。
なんかジワジワと頭と尻尾から食われるインパラの気分だ。まだ意識はあるのにー。
このままではここで骨になってしまう、よって城内の見学はとっとと切り上げ、オートリクシャーでホテルに戻ると、そのままベッドに倒れ込み、夜まで眠った。
でもって目がさめると、なんで買ったか分からんお土産が二つばかり増えているのだった。
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この旅行記へのコメント (2)
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- keiさん 2018/11/16 11:54:15
- 機能停止状態
- >地元の少年とのココロ温まらない交流である。
思わず吹き出してしまいました。
所変われば交流の様式も変わるというもんです。
でもニヤッと笑ってピューと逃げて行くのが何とも憎めないですね。
たとえペンでも同じ手口で2度盗まれていたら、
落ち込んで暫く立ち直れなかったかもね(笑)
炎天下の中を歩き通してひとっ風呂(シャワー)浴びた後のビール、
その至福のためだけにその日1日命を捧げたといってもいいくらい
頭も口も胃もビールと肉汁垂れる肉バージョンになっていたのに、
これまたお預けをくらうとは何とも悲劇。
その後体調を崩したのは、この時に鯨さんにとっていちばんの
体力精力活力回春剤としてのビールが飲めなかったことじゃないかな。。。
異邦人
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2018/11/16 13:55:41
- うふふふ。それがね。
- おkeiさま、
およよ。いつからいほーじんに!! 30文字以内で説明せよ。
>>地元の少年とのココロ温まらない交流である。
>思わず吹き出してしまいました。
少年は・・・このテであほうな旅行者からいろいろくすねているらしい。
口空けて歩いてると狙われます。
>体力精力活力回春剤としてのビールが飲めなかったことじゃないかな。。。
うふふふ。
それがね。
あったんですよ、飲めるところ!!
気合と根性と執念で見つけたのー。
ホテルの隣のビルの屋上にひっそりと「イタリアンレストラン」の看板が!!
トツゲキしたら、お客さんだーれもいないけど、営業してました。
ビール頼んだら、でっかい急須(!)に入って出てきたよ(笑)。
ちゃんとキンキンに冷えてました。
二日間通いました~
(なにしにインドまで行ったんだオイ)
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