2018/11/09 - 2018/11/10
576位(同エリア802件中)
ぱぱぞーさん
「明治150年」関連施策の一環として、
国と地方公共団体との連携の下、神奈川県大磯町に、
「明治記念大磯邸園」を設置することが決定したそうです。
それに先行して、期間限定の一般公開がありました。
先進国への道をばく進する明治時代は、華やかな面が目立ちます。
しかし、その華やかな舞台の裏では、影の出来事がたくさんありました。
例えば、長崎では、
明治政府発足の数年前には、大浦天主堂で「信徒発見」が。
それを引き金に浦上村では潜伏キリシタンの村民がとらえられ、
悲劇の「浦上四番くずれ」が起こります。
国家権力による厳しい拷問により、多くの命が失われました。
明治政府発足後も拷問は継続して行われましたが、
西欧諸国からの避難により禁教令がようやく解けたのは、
明治政府発足から5年後のことでした。
また、北海道では、
蝦夷地を「北海道」と改め、明治政府管理下となりました。
アイヌの人たちを「平民」として国に編入させましたが、
「旧土人」と呼んで差別を続けました。
アイヌの言葉や生活習慣を事実上禁じさせ、
和風化を強制する政策を取り、彼らの土地や資源を取り上げ、
国の財産だとしたうえで民間に売りはらったり、
サケ漁やシカ猟を禁止したりもしました。
狩猟民族を強制的に農耕民族に変換させたことにより、
アイヌ文化は衰退していきます。
今回の旅は、
明治時代の光と影を意識せずにはいられないものとなりました。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- ホテル
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- 一休.com
-
な!!!なんと!!!
大磯駅前にキリシタン系の資料館があるとは!!
全くノーマークでした。
大磯駅に降り立ったら訪れたい 駅チカの観光スポットです。澤田美喜記念館 美術館・博物館
-
世界遺産登録に伴い、ここ数年で定義が改定されたので、
こちらの展示物は、「かくれキリシタン」ではなく、
「潜伏キリシタン」の資料に該当すると思います。
禁教時代は、お上の目に留まらぬように、
表面上は、仏教や神教の信者としてふるまっていました。
その時代(潜伏キリシタン時代)の資料や遺物が、
ここにはたくさん公開されています。澤田美喜記念館 美術館・博物館
-
ちなみに、
かくれキリシタン信仰 は現代も残っており、
過去のものではありません。
潜伏時代から口伝で受け継がれ、
独自の形に進化を遂げ続いてきました。
長崎の外海地区や平戸、生月島では
現代もしっかり残っています。
※潜伏キリシタンとかくれキリシタンの違いについては、
※ご興味ある方はご自身で正確な情報を調べてみてください。
※とても興味深いです。澤田美喜記念館 美術館・博物館
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ここの展示物は、
開館者である澤田美喜さんが必死に集めたコレクションです。
相当な財力と人脈を使って手に入れた品であることが分かります。
どれも潜伏時代のものですが、
地位の高い人たちが大切にしてきた遺物のようです。
品質や材質が素晴らしく、
博物館の展示物というよりは、美術品になりそうです。
長崎で出会うキリシタン系のものは、
ここのものとは一線を画すものです。
ほとんどが名もない貧しい農民信者のものが多いです。
「清貧」を感じるような、ぐっと胸につきささるような遺物が多いです。
血みどろになりながら、泥まみれになりながら、
信仰を貫き通した美しささえ感じるものが多いですが、
ここのものは種類が違うという印象です。澤田美喜記念館 美術館・博物館
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大磯駅前から路線バスで今夜のホテルに到着です。
西武優勝タイムセールで格安で泊まれました。
本当に素晴らしいホテルに生まれ変わりました。
定期的に通うことになりそうです。大磯プリンスホテル 宿・ホテル
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翌朝は大磯プリンスホテルから20分ほど歩いて、
「旧吉田茂邸(県立大磯城山公園旧吉田茂邸地区内)」からスタートです。
「大磯町郷土資料館別館」というの扱いということです。
数年前に放火で全焼してしまったニュースの衝撃が思いだされます。
放火ではない、漏電の可能性もある、とのことですが。。。県立大磯城山公園 公園・植物園
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大磯プリンスホテルと同様、昨年ようやく再建したそうです。
新築でぴかぴか。。。
可能な限り当時のものを復元するようがんばった感じがします。
しかし。近場だからと後回しにしておくとダメですね。。。
全焼する前に訪れたかったです。県立大磯城山公園 公園・植物園
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大磯町は海岸から山までの、横に細長いエリアです。
山を越えると平塚市です。
海岸線から東海道までのエリアが明治時代の政治家などの別荘。
東海道から山のふもとの平らなエリアが文学者などの別荘。
山の斜面エリアが現在のセレブの別荘。
といった具合だそうです。
後述する「明治記念大磯邸園」も、
この「旧吉田茂邸」と同じ並び沿いにあります。県立大磯城山公園 公園・植物園
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庭を抜けるとすぐ海岸に出ます。
今は海岸沿いに国道1号線が走り、車の騒音でたまらない状態です。
この日も箱根方面への大渋滞で、車が動かない様子が見えました。
明治時代では静かな別荘エリアでも、
今は山の斜面のエリアのほうが静かで快適ですね。
排気ガス臭くてたまらないです。県立大磯城山公園 公園・植物園
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ランチを食べてから、
期間限定公開された「明治記念大磯邸園」へ。
事前申し込みをした「邸宅ガイドツアー」に参加します。
入場予約した時間に受付を済ませなければなりません。 -
半月前に申し込みをしましたが、先着順で満員でした。
わたしはキャンセル待ちの申し込みをしつこくして、
ようやく数日前に「入場OKメール」が届きました。
ガイドツアー参加者のみが邸宅内に入れるのですが、
ひとつのグループで12人くらい。
そのグループが3つあり、重複しないように調整された順序で拝観します。 -
わたしのグループは、最初に「旧大隈重信邸」を拝観しました。
少し前までは、古河電気工業さんの所有だったそうです。
最近まで迎賓館として使用されていたため、手入れがされており、
朽ちた感じはなく、瀟洒な家屋が保たれていました。 -
玄関はこんな感じです。
本当に素晴らしい。気品と美しさに圧倒です。 -
内部は当時の貴重な資料が展示されています。
-
庭を眺めながら、
静かにこの国の行く末を思案していたのかもしれませんね。 -
誰もが理解できるように人体に置き換えて、
国の仕組みを解説した図です。
土台となる足の部分には、「人民」とあります。
国民が土台となって、国が成り立つのだということを示しているそうです。 -
床の間にはサルスベリの木が配してあります。
-
庭を抜けると海岸に出ます。
日常の中に、海がある暮らしです。 -
外観です。
こんなところにVIPとして招かれたいものです。 -
お次は、「旧陸奧宗光邸」です。
こちらも古河電気工業さん所有で最近まで迎賓館として使用されていたため、
手入れの行き届いています。
大磯は、「旧大隈重信邸」や「旧陸奧宗光邸」、
「旧伊藤博文邸(滄浪閣(そうろうかく))」が、
すべて隣同士、となっており、全国的にみても珍しいそうです。
10分くらい歩けば、同じ並びに「旧吉田茂邸」もありますしね。
かつて「政界の奥座敷」と呼ばれただけのことはあります。
すごい密集度です。 -
海から家に入る際、
靴や下駄についた砂を落とすために、
下駄箱の作りが工夫されています。
砂が乾いて下に落ちる仕組みです。 -
こちらもうっとりするようなインテリアでした。
-
床の間に飾られた絵は、横山大観の作です。
レプリカではありません! -
洗面所です。
ものすごくかわいいですね。
わたしも使ってみたい! -
シェービングキットもレトロでかわいい!
-
真夏の洗面所も涼しい風が入ってきたのでしょう。
ゆったりとした時を感じます。 -
浴室の解説に参加者も熱心に耳を傾けます。
-
脱衣所です。
レトロな籠がかわいいです。 -
お次は、「旧伊藤博文邸(滄浪閣(そうろうかく))」です。
こちらは外観のみ鑑賞です。
内部はとても公開できるような状態ではないそうです。
伊藤博文は本籍を、東京から大磯に移したそうなので、
ここは別荘ではなく、本邸ということになります。 -
伊藤博文没後は、朝鮮の李王家に譲渡され、
戦後は米軍に接収されたのち、西武鉄道所有となったそうです。
そして大磯プリンスホテルの別館として、
近代まで宿泊施設の役割を果たしたとのことです。
内部を覗いて見てみると、朽ちた家具や壁紙が見えます。
役割を果たし終えたあとは、そのまま放置された感じがします。
今後数年かけて、国が内部をきれいにして、
一般公開できるようにするのでしょう。
楽しみですね。
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