江の島恵比壽屋に土蔵

2018/10/29 - 2018/11/15

　江の島に入ると割烹旅館恵比壽屋がある。創業350年の老舗割烹旅館である。明治時代には伊藤博文、三条実美、桂小五郎を始め、歌舞伎役者などの多くの人たちに愛されてきたという。その歴史の一端を感じさせるのが奥に建つ土蔵であろうか。
　土蔵は立派な瓦屋根であり、窓は白漆喰であるが、外壁は銅板張のようで、緑青が出て、青い。青い外壁の土蔵を見るのは初めてのことだ。また、妻側の外壁は赤いが、赤銅色で、銅板張外壁を張替て年数が経っていないようだ。商店の看板建築には銅板張外壁にして耐火性を高めた建物をまだ見掛けるが、耐火建築である漆喰の土蔵に、さらに銅板張外壁。こうした建物を見掛けることがないのは、そもそもこうした土蔵が建てられ、なかったからであろう。
（表紙写真は江の島恵比壽屋の土蔵）

エリア 藤沢・江ノ島(神奈川)

江の島恵比壽屋。
　岩屋本宮（奥津宮）、上之宮（中津宮）、下之宮（辺津宮）の三宮はそれぞれ「宿坊」を備えていた、
　江島神社は慶安2年（1649年）に金亀山与願寺は京都・仁和寺の末寺となり、岩屋本宮の岩本坊は岩本院となった。しかし、明治時代の神仏分離により江島神社となり、宿坊は一般向けの旅館としてそれぞれ岩本楼、金亀楼、恵比壽楼となった。ここ恵比壽楼は、下ノ坊を引き継いだ旅館である。
　創業350年とは慶安2年（1649年）からのことを言っているのだろう。

江の島恵比壽屋の屋敷に祀られる弁財天。

江の島恵比壽屋。

江の島恵比壽屋の土蔵。

江の島恵比壽屋の土蔵。

江の島恵比壽屋の土蔵。