2018/07/15 - 2018/07/16
2位(同エリア100件中)
かっちんさん
日本百名山の鳥海山(ちょうかいざん)は標高が2,236m。出羽富士とも呼ばれ、標高をルート5の「富士山麓(2236)にオウムなく」と覚えている人もいるとか。
頂上付近の年間降水量は、平地の10倍にあたる20,000mm以上と推定され、積雪も最大地点で推定50m以上。
鳥海山に降る豊富な雨や雪は、遊佐町(ゆざまち)にたくさんの河川や湧水(ゆうすい)、井戸水をもたらしています。
湧出量は約4,200t/日と推定され、その水は人々や生き物の営みを支えてきました。
今日は遊佐鳥海観光協会が主催する「鳥海山の湧水めぐりと生岩ガキランチ」ツアーに参加します。
遊佐町にある10ヶ所の湧水をめぐり、珍しいところでは海の底から湧き出る「海底湧水」や、池の底から湧き出る神秘的な色の「丸池様」などがあります。
利用したきっぷは北海道&東日本パス。前日に川崎から鉄道で移動して酒田に1泊。当日、羽越線遊佐駅に集合し、ツアーが始まります。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・庄内町商工観光課新エネルギー係「風力発電取り組みの経過」
・トレナビ「遊佐町イメージキャラクター」
・遊佐鳥海観光協会「あそぼう遊佐町」「ゆざ湧水散歩」「遊佐町観光ガイド&マップ」
・山形県環境エネルギー部水大気環境課「里の名水・やまがた百選」
・箕輪鮭漁業生産組合のHP
・遊佐町「八ツ目川地区水環境整備事業」
・山形県「月光川ダム」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 観光バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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-
板谷峠のスイッチバック(板谷付近の車窓)
福島駅から奥羽本線に入り、急こう配の板谷峠を越えます。
板谷駅にはスイッチバックの引き上げ線が残されています。 -
サツマイモみたいな雲(新庄付近の車窓)
新庄駅から陸羽西線に乗り換えます。 -
大河の最上川(高屋付近の車窓)
2両連結のディーゼルカーは最上川沿いを走ってます。 -
河口の風車(狩川付近の車窓)
風力発電事業の「たちかわウィンドファーム」の風車が並んでいます。
立川町(現:庄内町)は、日本三大悪風と言われた「清川だし」の強風地帯。この風を利用しています。 -
湊町の酒田
余目駅から羽越本線に入り酒田駅に到着。
駅前のホテル・アルファーワン酒田に泊まります。 -
翌朝の酒田駅
羽越本線を秋田方面に北上します。 -
遊佐駅に到着
ここは山形県飽海郡遊佐町(あくみぐん ゆざまち)。
庄内平野の北部にあり稲作が盛んなところです。 -
鳥海山をかたどったホームのベンチ(遊佐駅)
遊佐町から見える鳥海山は二つ山です。
内陸部の秋田県横手市の方向から鳥海山を望むと富士山みたいに見えるので、出羽富士と呼ばれています。 -
「米~ちゃん」のお出迎え
遊佐町のイメージキャラクター「べぇ~ちゃん」。
遊佐町の主要作物であるお米をモチーフにデザイン。手にも同じく稲を持っています。
頭の帽子は鳥海山をかたどり、ズボンは遊佐町の大自然を感じさせるグリーン、影となる足元は日本海と豊富な湧水をイメージ。
豊饒な土地と町民の元気さを表すキャラクターです。 -
遊佐周辺の案内図
遊佐町周辺には鳥海山の湧水がいくつも湧き出ています。
ツアーは北部の女鹿地区の「神泉の水」、釜磯海岸の「海底湧水」、吹浦付近の「丸池様・牛渡川」、遊佐元町湧水群、内陸部の「胴腹滝」、「鳥海三神の水」をめぐります。 -
ツアーバス
「鳥海山の湧水めぐり」ツアーはJR遊佐駅に集合し、9:00~16:00にバスと徒歩でまわります。
旅行代金は4,000円。生岩ガキが食べられる昼食付です。
本日の参加者は26名(募集は30名)。
遊佐町開催のツアー予定は「ゆざツアー2018(着地型ツアー)」HPで閲覧できます。
https://www.yuzachokai.jp/yuzatour2017 -
イチオシ
湧水「神泉の水」(女鹿地区)
バスは出発し、女鹿(めが)地区の湧水「神泉の水(かみこのみず)」を訪れます。
坂道につくられた石造りの洗い場が6つに区切られており、上から「飲料」、「米研ぎ」、「冷やし」、「野菜海藻洗い」、「洗濯」、「オムツの洗濯」に分かれています。 -
上段は綺麗な水(神泉の水)
水源は坂を上った羽越本線の線路を越した先にあります。
洗い場の水は上段の水槽から次の低い水槽へと流れていきます。 -
本日の参加者(神泉の水)
集落を通り、国道の通る海岸へ歩いています。 -
鏝絵(こてえ)のある蔵(女鹿地区)
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釜磯海岸(吹浦地区)
バスで移動して来ました。
夏は海水浴場になり、びっくりするほど水温が低くなる場所があります。
湧水が海底から湧き出ており、その様子は砂浜でも見ることができます。 -
イチオシ
海底湧水(釜磯海岸)
湧水が砂を押し上げて湧いています。
昔は、人がすっぽり入れる湧水があり、海水浴の後に「塩水落とし」として利用したそうです。 -
海底湧水(釜磯海岸)
岩の間から湧水が出ているところもあります。 -
ハマナスの実(釜磯海岸)
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箕輪鮭孵化場(直世地区)
バスは吹浦駅から1.5km程のところに来ています。
ここに牛渡川(うしわたりがわ)の鮭人工孵化場があります。
毎年10月中旬~12月中旬、日本海からサケが遡上し、排卵・人工孵化が行われます。
この近くに牛渡川と丸池様があります。 -
湧水の樹蔭路(牛渡川)
樹蔭路(こかげみち)の脇に、鳥海山の湧水が流れる牛渡川(うしわたりがわ)が流れています。
牛渡川は川底に石が多く、馬は渡れなかったが、牛なら渡れたことから名づけられたといわれています。 -
イチオシ
バイカモ(牛渡川)
湧水の清流に咲くバイカモ。
6月下旬からバイカモの花が咲きます。 -
バイカモ(牛渡川)
梅花藻(バイカモ)は、梅の花のような白い花です。 -
丸池様(直世地区)
牛渡川沿いに直径約20m、水深約3.5mの池があります。
池そのものが丸池神社の御神体であり、一般に「丸池様」と称され崇敬されてきました。 -
イチオシ
瑠璃色の池(丸池様)
底から湧き出る湧水のみを水源としているため非常に透明度が高く、水温も低いことから水中の倒木さえもなかなか朽ち果てずに残っています。 -
エメラルドグリーンの池(丸池様)
見る場所により色が変化する不思議な池です。 -
厳かな丸池神社本殿
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神秘的な色(丸池様)
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さっき通った時と色が変わっています(丸池様)
丸池様は遊佐町の天然記念物に指定されています。 -
昼食の「華み寿喜」
バスは遊佐の町なかに戻り、いよいよ昼食です。 -
豪華な「岩ガキランチ」
前菜盛「枝豆豆腐とむき蕎麦」、お造り「ワラサ、真ソイ、甘エビ」、鮎の塩焼き、庄内産の生岩ガキ、丸茄子の揚げ出しなど。
ご飯は「はえぬき」に「山形のダシ」、吸い物は「あおさ汁」。 -
イチオシ
吹浦の大きな生岩ガキ
プリプリした食感に濃厚なミルクのような旨味は、まさに至福の時間です。 -
湧水豆腐とデザート
湧水豆腐は野沢産大豆と胴腹の湧水(午後訪問予定)を使用して作られています。 -
「丸勝の水」(町なか)
昼食後は、町なかにある「ゆざまちめぐりパーク」を訪ねます。
丸勝金物店の敷地から湧き出ています。 -
豊富に湧き出る「丸勝の水」(町なか)
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遊佐小学校百年(町なか)
100年近くの歴史がある小学校。
ここの校庭からも湧水が出ています。 -
遊佐小学校の湧水(町なか)
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なごみの水(町なか)
町なかを歩いています。 -
魔除けの引綱(町なか)
民家の窓に飾られています。 -
菓子処「光月堂」(町なか)
「かぼちゃパイ」が名物なのでおやつに買います。 -
光月堂の水(町なか)
水質検査報告書が掲示され、どの検査項目も合格。
建物は蔵を外囲いしています。 -
大江イトヤ(町なか)
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ハグロトンボ(町なか)
黒い羽のトンボが八ツ面川遊歩道にとまっています。 -
八ツ面川(町なか)
八ツ面川(やつめがわ)は町の中心部を流れ、古くから農業用水、生活用水として利用されてきました。
その後、用水路のパイプライン化が進み、流量が大幅に減少。
環境の悪化にもかかわらず、周辺の各家庭の自噴井からの豊富な湧水流入により、生態系が維持されています。
現在、親水ゾーンとして整備されています。 -
コウホネの花(八ツ面川)
-
胴腹滝(吉出地区)
遊佐駅から7.5kmほど東の鬱蒼とした杉林の奥に、社を挟んで2つの滝「胴腹滝(どうはらのたき)」があります。
遊佐中学校のPRポスターによれば、左の滝の水は冷たくてコーヒーに合い、右の滝の水はまろやかで日本茶に合うそうです。 -
胴腹滝への道
駐車場から林の中を100mほど入ります。 -
イチオシ
2つの滝(胴腹滝)
山の胴腹から水が出ていることから、この名前が付いています。 -
お社から眺めると(胴腹滝)
2つの滝が合わさり、豪快に流れています。 -
取水口(胴腹滝)
ここでは2つの滝の水がブレンドされているので、左右の味の違いが見分けられません。 -
鳥海三神の水(吉出金俣地区)
遊佐町から月光川に沿って上り、三ノ俣集落の農林漁業体験実習館「さんゆう」のすぐ前にあります。
鳥海山が生んだ三ノ俣集落の水から「鳥海三神の水(ちょうかいさんしんのみず)」と呼んでいます。 -
水を汲みに来る人(鳥海三神の水)
-
月光川ダム(車窓)
帰りのバスから見えます。
月光川(がっこうがわ)は、鳥海山にその源を発し、急峻な地形を一気に流下し、吹浦にて日本海に注いでいます。
遊佐町のほとんどを流域とし、町の産業を支え、文化を営んできています。
昭和33年の豪雨では溢流氾濫する大水害となり、治水ダムの「月光川ダム」が昭和53年に完成しました。 -
映画「おくりびと」のロケ地(月光川の朝日橋付近の車窓)
鳥海山をバックにチェロを演奏するシーンがあり、その時座っていた椅子が残されています。
これでツアー終了です。 -
懐かしい車両(土崎の車窓)
この後、遊佐駅から秋田・青森へ向かい、今夜は青函フェリーに乗り北海道へ渡ります。
移動途中、秋田付近の土崎工場で、懐かしい国鉄時代の特急形寝台電車583系、首都圏の南武線の電車を見かけます。
鳥海山の湧水は遊佐町の至る所から湧き出ており、自然の恵みの偉大さに驚きました。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- 前日光さん 2018/10/25 22:38:06
- 遊佐町には湧水がたくさん
- かっちんさん、こんばんは。
いつも日本の原風景を見せていただきまして、ありがとうございます!
遊佐町の湧水群、拝見させていただきました。
遊佐町は三回ほど通過したことがあります。
一度は海のほとりの鄙びた宿に泊まったこともあります。
「飽海郡」という地名に感心しました。
飽きるほど毎日海を感じているので、つけられた地名なのでしょうか?
鳥海山の湧き水が、こんなに町中やその周辺にあったのですね。
「丸池様」の青さには驚きました。
この色は、自然にしか作り出せないものですね。
素晴らしい風景を見ることができました。
ありがとうございます<(_ _)>
前日光
- かっちんさん からの返信 2018/10/26 10:38:08
- RE: 遊佐町には湧水がたくさん
- 前日光さん、こんにちは。
「飽海郡」の由来は前日光さんの言っている通りかも知れませんね。
鳥海山の湧き水は遊佐町のあらゆるところで見かけます。
自然の恵みは凄いと思います。
機会があれば遊佐町へぜひお出かけください。
かっちん
-
- yamayuri2001さん 2018/10/17 16:15:32
- かっちんさん、こんにちは。
- 遊佐町は、湧水の町だったなんて、初めて知りました。
あのベンチ、とっても可愛いですね。
立川町は冬の地吹雪が凄くて、
前に進めないくらいの風だと聞いたことがありますが
風力発電には最適の町なんですね。
ランチは、庄内の最高の食材を使っていて
贅沢ですね。
羨ましいです
。
かっちんさんのイベント発掘力に
今回も感服いたしました。
また、おじゃまします!
yamayuri2001
- かっちんさん からの返信 2018/10/17 20:50:43
- Re: かっちんさん、こんにちは。
- yamayuri2001さん
こんばんは。
遊佐町の湧水は町のあちらこちらで湧き出ているので、ぜひ機会を見つけて訪れてください。
地元主催のイベント情報は以前酒田を訪れた時、酒田駅にあったパンフレットだったと思います。旅の途中で意外な情報が得られます。
かっちん
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