2018/07/17 - 2018/07/18
5位(同エリア80件中)
かっちんさん
渡島半島(おしまはんとう)は北海道南西部にある半島で、函館、松前、江差、瀬棚、長万部などの市町村があります。
今回の旅は、渡島半島西部の日本海側に位置し、美しい奇岩の海岸線が続く、乙部町(おとべちょう)と八雲町熊石(やくもちょう くまいし)を路線バスで訪れます。
乙部町には、「くぐり岩」と白い断崖の「シラフラ」、縦と横の柱状節理が重なる「鮪の岬(しびのさき)」があり、地球の成り立ちを感じさせてくれます。
熊石はかつて鰊漁で賑わい、北前船により西の文化が入り、最近は漁業とあわび養殖が盛んなところです。
旅のコースは、青森から青函フェリーで函館に入り、函館バスで江差、乙部、熊石を巡り、さらに瀬棚へ抜けます。
20代の頃にこのコースを自転車で走ったのですが、今回は路線バスをいくつも乗継ぎしながら、見どころで途中下車し、のんびりと旅をします。
また、海浜植物や夏の花を見ることができます。
表紙の写真は、くぐり岩から飛び出る「ノジュール」です。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・函館市「公共下水道のカラーマンホール蓋について」
・函館イベント情報局「函館のIC乗車券「ICAS nimoca(イカすニモカ)」使い方と買える場所は?」
・乙部町HP、乙部の自然「くぐり岩」「滝瀬海岸」「鮪の岬」
・渡島半島の自然を訪ねて「滝瀬のくぐり岩」
・現地案内板「奇岩くぐり岩」「シラフラ」「鮪の岬」
・LINEトラベルjp「ここマジで北海道!?滝瀬海岸「シラフラ」は白き断崖の異世界海岸」
・文化遺産オンライン「乙部鮪ノ岬の安山岩柱状節理」
・四季の山野草「ハマボッス」「ミヤコグサ」「オカトラノオ」「コウゾリナ」
・三河の植物観察「エゾノコギリソウ」
・二人の館、花図鑑 野に咲く花・山に咲く花 北海道「エゾノカワラマツバ」
・八雲町HP「八雲町熊石地域について」
・日鉄日新製鋼HP「月星カラー」
・gooブログ、神社と狛犬見て歩き「根崎神社/北海道八雲町」
・コトバンク「石灯籠とは」
・温泉ホテル「熊石ひらたない荘」
・渡島総合振興局、南北海道食彩王国「蝦夷あわび」
・「熊石歴史記念館」パンフレット
・熊石観光協会「木喰上人作の仏像と上人廻国記念碑」「奇岩熊石」
・ウイキペディア「渡島半島」「平田内温泉」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 船 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
青函フェリーターミナル(函館)
青函フェリーの青森港を前日23:30に出港する深夜便に乗り、函館港に3:20到着。朝まで函館フェリーターミナル(FT)で仮眠します。
4時間弱の船旅は国鉄時代の青函航路を思い出します。
ポスターは、青函フェリー函館FTと函館駅を結ぶバス便(北海道観光バス)が2017年11月9日より開通した案内。
今までバス便がなく、2017年3月に訪れたときは最寄りのJR五稜郭駅まで30分歩きました。 -
函館港周辺の案内図
これから江差行きの路線バスに乗るので、港から一番近い「亀田港」バス停まで1.5km歩いて向かいます。 -
黄色い消火栓(函館)
函館市内の消火栓は黄色です。 -
雨上がりのデザインマンホール(函館)
函館市の魚「イカ」が描かれたデザイン。
函館市内には4種類のデザインマンホールがあり、そのうちの一つです。 -
「亀田港」バス停に到着
JR五稜郭手前にあるバス停です。 -
江差行きバス(亀田港バス停)
7:17発の江差行きの函館バス(函館江差線)で、「江差病院前」まで1時間40分乗ります。
途中、新函館北斗駅にも寄ります。 -
「イカすニモカ」(ICAS nimoca)
函館バスでは、2017年3月25日から交通系ICカード「ICAS nimoca(イカすニモカ)」が使えるようになりました。
函館独自のものではなく、九州の西日本鉄道の子会社が発行する「nimoca(ニモカ)」の規格を採用しています。 -
「瀬茂内」バス停
「江差病院前」から日本海沿いに北上する熊石行き路線バス(檜山海岸線)に乗り換え、「瀬茂内(せもない)」で降ります。
ここは北海道 爾志郡乙部町滝瀬(にしぐん おとべちょう たきせ)です。 -
「くぐり岩・シラフラ」案内板
「瀬茂内」バス停近くから滝瀬海岸に出ると、珍しい地層の見どころがあります。
海に向かって左側が「シラフラ」、右側が「奇岩くぐり岩」です。
最初に「奇岩くぐり岩」へ向かいます。 -
船のような奇岩(滝瀬海岸)
「くぐり岩」の近くです。 -
積み重なる地層(船の奇岩)
岩の中間に一際目立つ地層が確認できます。
海底にあった地層と思われます。 -
奇岩「くぐり岩」(滝瀬海岸)
海に突き出た断崖の先にぽっかりと穴があいた岩が「くぐり岩」です。
今から400年前にニシン漁を支えるために掘削した穴とのこと。
海から2番目のピークの岩は、上部と下部の地層が水平に積み重なり、真ん中の地層がぐにゃりと曲がって乙部の「乙」の字のようになっています。
これは褶曲ではなく「スランプ構造」といい、昔、海底で地滑りのようなことが起こり、そこの層だけ動いたためと考えられます。
下の層は動かなかったのでそのまま水平にかたまり、真ん中の部分はズルッと滑って「乙」の字形に曲がっています。
その後、上の層は海底に静かに水平に積もり、地上に隆起しました。 -
茶色く錆びたような「ノジュール」(くぐり岩)
「ノジュール」は、地層の中の何か(貝殻などであることも多い)を核にして、そこに珪質分や石灰分が付着していって、段々と塊になったものです。 -
イチオシ
嘴のように飛び出す「ノジュール」
ノジュールは、周りの泥岩や砂岩に比べて硬いので、雨や波などで削られても残りやすいため、飛び出てしまうのです。 -
ボルダリングの壁みたい(くぐり岩)
-
海岸に佇む流木(滝瀬海岸)
国道から海岸に降りたところに戻ってきました。
これから左側の砂浜を歩いて「シラフラ」へ向かいます。 -
白い断崖(滝瀬海岸)
白い断崖が続き、美しい奇妙な海岸線を形作っています。
このあたりは江戸時代に、「シラフラ(白い傾斜地)」と呼ばれていました。 -
湾曲した地層(滝瀬海岸)
-
シラフラ(滝瀬海岸)
この日は天候が悪く潮も満ちてきたので、砂浜の途中で引き返しました。
実はこの先にもっと素晴らしい白亜の絶景海岸「シラフラ」があります。
LINEトラベルjpの「ここマジで北海道!?滝瀬海岸「シラフラ」は白き断崖の異世界海岸」が参考になります。
https://www.travel.co.jp/guide/article/34413/ -
イチオシ
ウニを捕まえたウミネコ(滝瀬海岸)
この後、どうやって中身を取り出すのかな? -
幻想的な風景(潮見地区)
再び熊石行きの路線バスに乗り、「鮪の岬(しびのさき)」に近い「汐見」バス停で降りたところです。
ここは乙部町潮見。バス停は「汐見」。 -
鮪の岬トンネル(潮見地区)
「鮪の岬」は国道沿いから約450m突き出た岬です。
国道229号線は岬をまわらず、トンネルで抜けています。
では、トンネル左側の磯浜を歩いて「鮪の岬」へ向かいます。
海岸にはいろんな種類の海浜植物が咲いています。 -
「ハマボッス」(潮見地区)
ボッス(仏子)とは仏具の仏子のことで、花の付き方がこれに似ることに由来しています。 -
「エゾカンゾウ」(潮見地区)
-
岩の隙間から顔を出す「アサツキ」(潮見地区)
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黄色い「ミヤコグサ」(潮見地区)
花の形が烏帽子に似ていることから、別名「エボシグサ」。
海岸の砂地や道端で鮮やかな黄色が目に付きます。 -
岩場の「エゾノカワラマツバ」(潮見地区)
山地の岩場、河原、海岸草地などに生え、直径2mmほどの黄色い花を多数つけ、葉は線形。
花名は葉が松葉に似ていることに由来するといいます。 -
「エゾノコギリソウ」(潮見地区)
名前の由来は葉がノコギリに似ていることからです。
葉は互生し、長さ3~8cm、細かい歯状の鋸歯があります。
頭花は白色で直径1~3cm。
舌状花は大きく白色、2列に12~19個付きます。 -
この先は歩けません(潮見地区)
このルートでは「鮪の岬」へ行けないので、国道まで引き返し、トンネルを抜けてみます。 -
トンネルを抜けた先にありました!「鮪の岬」
「汐見」バス停からトンネルを通った700m先に「鮪の岬」があり、ここは乙部町花磯。
「鮪の岬」は、岩肌がマグロのウロコのように見えることや岬の形がマグロの背に似ていることが由来と言われています。
昭和47年(1972)に北海道の天然記念物に指定されました。 -
イチオシ
縦と横の柱状節理(鮪の岬)
壁の上部は不整形断面の蜂の巣状であり、下部は長さ8m~12mの柱状がほぼ垂直に海へ達しています。
この海岸は、第三紀(700万~100万年前)の輝石安山岩からなる柱状節理です。
日高山脈の誕生と前後して地中から噴き出した溶岩が縦と横に流れ出し、一緒に冷え固まって柱状の束が縦横にできた珍しいもの。地質学的にも貴重な柱状節理です。 -
岬の先端近く(鮪の岬)
横向きの柱状節理が地中から伸びていますね。 -
「豊浜」バス停
「鮪の岬」付近にはバス停がなく、750m熊石寄りにある「豊浜」バス停まで歩き、次の路線バスに乗ります。 -
「熊石」バス停で降ります
ここは二見郡八雲町熊石根崎町(ふたみぐん やくもちょう くまいしねさきちょう)。
八雲町は平成17年(2005)に旧八雲町と旧熊石町が合併し、日本海と太平洋の二つの海に面した日本唯一のまちになりました。
熊石地域(旧熊石町)は、渡島半島西部の日本海に面した地域にあります。
今晩の宿は「熊石ひらたない荘」。これから熊石の町をゆっくり散策します。 -
デザインマンホール(熊石)
真ん中に熊石名産のあわび、まわりにカモメと日本海の荒波がデザインされています。
熊石は養殖あわびの生産が盛んです。 -
トタン張りの建物(熊石)
国道沿いにあり、商店でしょうか?
側面に「ペンキのいらないトタン板、月星カラー」の看板。これは塗装溶融亜鉛めっき鋼板と呼ばれる製品で、耐久性、耐食性に優れています。 -
イチオシ
海辺の大きな倉庫(熊石)
こちらもトタン張りで、漁具が保管されているのでしょうか? -
板張りの家屋(熊石)
文字が消えかかっていますが「えびなでんき」と書かれています。 -
2階、3階建ての建物(熊石)
斎藤時計店、理容院の文字が・・・ -
イチオシ
子獅子を抱く狛犬(根崎神社)
八雲町役場熊石総合支所近くにある根崎神社に来ています。
親子の愛情が感じられる狛犬です。 -
石灯篭に珍しい彫り物(根崎神社)
基礎部分に亀、その上の竿(柱)部分に虎(?)が彫られています。
何を意味しているのでしょうか? -
今晩の宿「熊石ひらたない荘」(熊石平町)
海岸から平田内川を1kmほど登った高台にある宿まで歩いてきました。
ここは昭和47年(1972)町営国民宿舎「ひらたない荘」として開業。
その後、平成21年(2009)民間に譲渡され「温泉ホテル八雲遊楽亭 熊石ひらたない荘」になりました。 -
イチオシ
夕食(ひらたない荘)
海の幸が中心で、中でも「蝦夷あわび」の刺身は絶品。
熊石は、「あわび養殖」の採卵、孵化、育成という主要なプロセスの技術が確立されており、毎年5月に「あわびの里フェスティバル」というイベントも開催されるほどの産地です。 -
熊石歴史記念館
翌日、宿の近くにある「熊石歴史記念館」を訪ねます。
入館料は150円、休館日は月曜日。
熊石は、松前藩時代に和人地と蝦夷地の接点として最北の領地であり、鰊漁の良漁場として繁栄し、北前船の往来とともに熊石独自の文化も育ったところ。
では中に入り、熊石の歩んできた歴史を展示物から学びます。 -
昔の看板(歴史記念館)
左が陸奥八戸町の最上醤油「泉山(せんさん)」を販売する特約店「泊川港 本間浅吉商店」の看板。
泊川港は熊石港の隣にある港です。
右が京都の薬「六神丸」を販売する特約店の看板。 -
船箪笥(歴史記念館)
北前船に積んでいた船箪笥でしょう。 -
鰊漁の漁具(歴史記念館)
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真空管ラジオ(歴史記念館)
後面の銘板から「シャープラジオ RS-350型」と確認できます。 -
尾道酢瓶(歴史記念館)
江戸時代に北前船の帰り船で、瀬戸内海尾道から運んできた酢。 -
魅力的なカーブ「オカトラノオ」(熊石)
歴史記念館を後にし、熊石の町へ下りているところで見つけました。
名前の由来は花が虎の尾に似ていることです。
日当たりのいい山地などで、白い花が一斉に同じ方向に向いて咲きます。 -
ピンクが映える「タニウツギ」(熊石)
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「コウゾリナ」(熊石)
名前の由来は茎や葉にある剛毛が剃刀のように鋭いことから、カミソリナからコウゾリナとなったものですが、実際に物が切れるわけではありません。
野や山の道路わきなどに育つキク科の植物で、1mを超える背丈で群生します。 -
熊石海岸の漁船(熊石)
海岸まで下りてきました。 -
てんとう虫みたいな波消しブロック(熊石)
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トタン張りの家屋(熊石)
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穏やかな顔の「木喰像」(熊石)
木喰像は法蔵寺に所蔵され、安永9年と印され北海道で作られたものです。
木喰上人は1778年松前に渡り、作像して廻行しました。 -
奇岩「雲石」(熊石)
450余年前、この地方を支配していたアイヌの酋長タナケシが和人に対抗して攻めてきたときの話です。
松前軍は苦戦の末に敗戦となり、かろうじて松前軍は岩陰に身を隠しました。
この時、黒雲が岩の間から湧きあがり、地鳴りとともにあたりが真っ暗になり、アイヌの軍勢はこの奇妙な現象に恐れをなして逃げ去り、松前軍に勝利をもたらしたといい伝えられています。 -
お昼は寿し処「かき多」(熊石)
熊石病院前バス停近くにある寿し処です。 -
いかソーメン(寿し処)
喉越しのいい「いかソーメン」もいただきます。
この後、路線バスを乗り継ぎしながら瀬棚へ向かいます。
渡島半島の西海岸は行きにくいところですが、奇岩の多い素晴らしい景色を楽しむことができます。
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