2018/05/19 - 2018/05/19
13位(同エリア196件中)
めておら☆さん
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この旅行記のスケジュール
2018/05/19
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7:50 ボローニャ空港近く Hotel Meeting 出発
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8:30 ボローニャ空港 Sicily by Carでレンタカーピックアップ
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車での移動
8:50 ラヴェンナへ向けて出発
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車での移動
10:10 ラヴェンナ到着、駐車場にレンタカーを停める
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車での移動
13:30 レンタカーで移動
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車での移動
14:10 ラヴェンナ出発、リミニヘ
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この旅行記スケジュールを元に
ずーっと長い間訪れたいと思っていた町の一つ、ラヴェンナ。
初期キリスト教モザイク画の傑作の数々が1500年経った今も色鮮やかに残り、ユネスコ世界遺産にも登録されています。
訪れる聖堂ごとに少しずつ趣の違うモザイク画、それはまるで宝箱をひとつずつ開けていくような感覚。足を踏み入れると黄金のモザイクのシャワーが降りそそぎ、見る者を魅了します。
□1日目 5/18 成田空港→ローマ・フィウミチーノ空港→ボローニャ・ボルゴ・パニガーレ空港
■2日目 5/19 ボローニャ・ボルゴ・パニガーレ空港(レンタカーピックアップ)→ラヴェンナ→リミニ
□3日目 5/20 リミニ→サン・マリノ→ウルビーノ
□4日目 5/21 ウルビーノ→グッビオ→ペルージャ
□5日目 5/22 ペルージャ
□6日目 5/23 ペルージャ→サン・セポルクロ→アンギアーリ→モンテルキ→アレッツォ
□7日目 5/24 アレッツォ→ローロ・チュッフェンナ→ピエーヴェ・ディ・グロピーナ→ポッピ→ボローニャ・ボルゴ・パニガーレ空港(レンタカー返却)→ボローニャ
□8日目 5/25 ボローニャ
□9日目 5/26 ボローニャ・ボルゴ・パニガーレ空港→ローマ・フィウミチーノ空港→成田空港
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- レンタカー タクシー 徒歩 飛行機
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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2日目 5/19(土)
6:15 起床、身支度して7:05朝食ルームへ。
パン、タルト、ハム、チーズ、フルーツ、ヨーグルトなどなど、予想以上に充実してて大満足♪ -
種類が多すぎて、何を食べようか迷うほど。
でも、時間があまり無いので好きな物だけチョイス。 -
デニッシュパンとチョコクロワッサンがバターの風味満点でサックリしてて、すごく美味しかった。
ハムやチーズも質の良いものが揃っていて、もっとたくさん食べたいくらいでした。 -
チェックアウトして、カウンターで空港へ行くためのタクシーを呼んでもらう。
外で10分ほど待っているとタクシーがやって来て、7:50にはホテルを後に。
写真は1泊したHotel Meeting。
空港から車で10分ほどのところにあるので、到着が遅くなった時に便利。 -
8:30 ボローニャ空港1階にあるレンタカーオフィスへ。
AVIS、Hertz、Europcarなど数社入っていますが、私はいつもの”Sicily by Car(auto europa)”。なんだかんだ言って、ここが一番安いです。
過去に、レンタカーの予約についてや、レンタカーで旅する際の注意点などをまとめた旅行記がありますので、ご参考まで。
↓↓↓
http://4travel.jp/travelogue/10809088
予約番号と名前を告げ、国際免許証・自国の免許証・クレジットカードを提示。契約書にサインし簡単に説明を受けた後、鍵を渡され、車のある場所まで歩きます。
ちなみに、主要都市の空港のレンタカーオフィスは混んでいることが多く、予定の時間に手続できないこともあるので、時間には余裕を持って行かれた方がよいと思います。 -
鍵を受け取ったらレンタカーが停めてある駐車場まで荷物を引きずって移動するのですが、けっこう離れている事が多く、この時も10分ほど歩いたでしょうか。
今回は大好きなFIAT500に当たった♪
ボローニャ空港引き取り・返却、オプションは何も付けず10日間で172.63ユーロ(22,849円)でした。 -
イタリアのポップスだけを流している”Radio ITALIA”をかけるとたちまちテンションが上がる↑↑↑
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シガーソケットに持参したカーナビの線を繋いで・・・
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窓にディスプレイを取り付ける。
さて、今年もGarminと一緒にレンタカーの旅がスタートします。
ちょっとガイドに不安もあるGarminくんですが、なんだかんだ言ってもちゃんと目的地へ連れてってくれるカワイイ相棒です。
8:50 予定をちょっと押して出発!
まずはラヴェンナへ向かいます。 -
ボローニャからラヴェンナへは、アウトストラーダA14という高速道路を通過します。ゲートはテレパス(TELEPASS=日本で言うETC)用、現金用、クレジットカード用に分かれているので、間違わないよう注意。
私は現金払いで、5.20ユーロでした。 -
10:10 ラヴェンナ到着。予定より30分以上押してしまった・・・
サン・フランチェスコ聖堂(Basilica di San Franesco)の東側にあるラルゴ・フィレンツェ(Largo Firenze)が駐車場になっているので、そこに駐車。 -
有料駐車場に設置されている”マッキネッタ(macchinetta)”と呼ばれる自動券売機に駐車予定時間分の料金を入れるとレシートが出てくるので、それをダシュボードのフロントガラスからよく見える位置に置いておきます。
警察はこのレシートに記載されている有効時間が過ぎていないかどうかチェックし、過ぎていると罰金が課せられたり、最悪レッカー移動なんてことにもなるので、予定時間より多目に料金を入れて購入しておいた方がよい。 -
まずは駐車場すぐそばの”サン・フランチェスコ聖堂(Basilica di San Francesco)”へ。
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5世紀にラヴェンナの司教ネオーネによって建造された際はシンプルな内装でしたが、17~18世紀に幾度も修復が行われ、バロック様式の祭壇が取り込まれるなど豪華な装飾であふれます。しかし、1321年にダンテの葬儀が行われたのをきっかけに、装飾はすべて取り去られ、元の5世紀のままのシンプルな姿に戻されたそうです。
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寄木細工のような天井。
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主祭壇。
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主祭壇のキリスト磔刑像。
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後陣の窓が美しい。
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内部は三廊式で身廊と両側廊はコリント式円柱で仕切られている。
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聖堂内陣の下は9~10世紀に造られたクリプタ(地下聖堂)になっており、階段を降りると見ることができます。
階段のところにあった石棺・・・”OSSA NEONIS(ネオーネの骨)”と彫られています。
この聖堂建造当時の司祭、ネオーネの骨が納めてあるようです。 -
地下聖堂には足を踏み入れることができないのですが、小窓から覗くことができます。これビックリ!
なんとこの地下聖堂は水没したままの状態で残っているんです。 -
おぉ~~、こんなの初めて!
でも、さすがモザイクの街ラヴェンナ。水没した床ですらモザイクで埋め尽くされています。 -
よく見ると、悠々と金魚が泳いでる!
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再び聖堂を見て回る。
聖フランチェスコの像がありました。 -
Cpella dell'Immacolata(処女マリアの礼拝堂)
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聖母マリア像。
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左側廊にあった石棺。
後方のアーチ部分には古いフレスコ画が残っている。 -
左側廊にあった石棺。
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左側廊には他にも石棺が。
左:オスタシオ・ダ・ポレンタ(Ostasio da Polenta)
ラヴェンナの領主であった人物。1396年ラヴェンナで亡くなり、この聖堂に埋葬されている。彼の一族も160年に渡りラヴェンナを支配していた。
右:エンリコ・アルフィエーリ(Enrico Alfieri)
14世紀の修道士で、フランチェスコ会の一派であるコンヴェントゥアーレ修道会の司教代理として活躍した人物。1405年に亡くなり、この聖堂に埋葬されている。 -
聖堂内の一画にあったプレゼーピオ。
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次にサンフランチェスコ広場(Piazza San Francesco)の一画にあるツーリストインフォメーションで地図をもらい、次の目的地へ。
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”ダンテの墓(Tomba di Dante)”
中世イタリアの詩人・哲学者・政治家で「神曲」の作者、ダンテ・アリギエーリ(Dante Alighieri、1265~1321年)の霊廟。
フィレンツェに生まれ育ったダンテは、政争に巻き込まれて1317年に町を追放されてラヴェンナに移り、ここで「神曲」を完成させ、1321年9月14日にこの世を去る。
死後、フィレンツェは長年にわたって彼の遺骸の返還を要求し続けたが、ラヴェンナはこれに応じなかったと言う。
この霊廟は1780年に建造されたネオクラシック様式のもの。
さすが人気のスポット。霊廟の中を覗くために、人が列を成していました。 -
ようやく中を覗けたけど、次の人が待ってるのであまり長くは居られない。
急いでシャッターを切る。
小さいながらも一面大理石の装飾が施され、厳かな雰囲気。祭壇の足元にはブロンズ製のリースが飾られている。 -
天井の漆喰装飾も美しい。
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天井からはランプが吊るされているが、これは故郷のトスカーナから毎年運ばれるオリーブオイルが入ったものだそうだ。
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祭壇には、ダンテが譜面台の前で考え込む姿のレリーフが、1400年作成当時のまま残っている。
偉大な詩人は今も天でこんな風に作品を練っているんだろうか。 -
ダンテの墓に向かってすぐ右手には小さな庭のようなものが。
あの緑で覆われた、こんもりした塚のようなものはなんだろう?? -
これは第二次世界大戦中、ダンテの遺骸を空襲から守るためにつくられた防空壕の跡だったという。
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”ポポロ広場(Piazza del Popolo)”
ラヴェンナの中心に位置する広場。主な観光名所はここから500m圏内にある。 -
広場には2本の円柱が建っており、それぞれの上部に町の守護聖人である聖アポッリナーレ(Sant'Apollinare)と 聖ヴィターレ(San Vitale)の像が施されている。
こちらは聖アポッリナーレ。 -
こちらは聖ヴィターレ。
2体の像は今も上空から町を見守っています。 -
ポポロ広場から北西を目指してぶらぶら歩く。
時折、店頭の可愛らしい装飾などに目がとまる。 -
さすがモザイクの町。通りを示すプレートもモザイク!
カワイイ♪
町のあちこちにモザイク装飾が見られるが、イタリアの国旗を見つけた時はかなりテンションが上がった♪ -
ジュリアーノ・アルジェンタリオ通り(Via Giuliano Argentario)にやって来ました。
この通りに写真右手の”BIGLIETTI-TICKETS”と書いたブックショップがあります。
ここでラヴェンナ観光に欠かせないチケットを購入します。
そのチケットとは・・・
1.サン・ヴィターレ聖堂(Basilica di San Vitale)
2.ガッラ・プラチーディア廟(Mausoleo di Galla Placidia)
3.サンタポッリナーレ・ヌオーヴォ聖堂(Basilica di Sant'Apollinare Nuovo)
4.ネオニアーノ洗礼堂(Battistero Neoniano)
5.大司教博物館とサンタンドレア礼拝堂(Museo Arcivescovile e Cappella di Sant'Andrea)
この5つのスポットの共通券です。
この時は11.50ユーロ、カード払いOKでした。 -
ブックショップを左手に、すぐ正面を見ると門が見える。あの門の向こうにサン・ヴィターレ聖堂とガッラ・プラチーディア廟がある。
但し入口はこの門ではなく、すぐ右横の路地”ガッラ・プラチーディア通り(Via Galla Pracidia)”から入って行く。 -
共通券を見せて中に入る。
まず目に飛び込んできたのは高い鐘楼。サン・ヴィターレ聖堂のものだ。 -
敷地内にはサンタ・マリア・マッジョーレ教会もあったが、優先するべきものがたくさんあるので中は見ず。
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そして目前に迫ったサン・ヴィターレ聖堂(Basilica di San Vitale)。
なんだか複雑な構造をしている。 -
サン・ヴィターレ聖堂を通り過ぎ、まずはガッラ・プラチーディア廟(Mausoleo di Galla Placidia)へ向かう。
小さなレンガ造りのこの建物は、ローマ帝国最後の皇帝テオドシウス1世の娘ガッラ・プラチーディアにより5世紀半ばに建てられた。
内部の半円形の壁面やヴォールト(曲面天井)には羊飼いや白いハト、濃紺の背景に星をちりばめて黄金の十字架を配したモザイクがあり、初期キリスト教美術の傑作として知られている。1996年には世界遺産に登録された。 -
ガッラ・プラチーディア廟の入口。
共通券を見せて中に入る。
ラヴェンナに数あるモザイクスポットでも最古にして最高だと言われる、このガッラ・プラチーディア廟。
さて、どんな素晴らしいものが待ち受けているのか・・・ -
足を踏み入れるやいなや、天井の深い青と、そこに散りばめられた細やかな花模様の装飾に目を奪われる。
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どこでも目にした事の無いような、ひときわ質の良い宝石を眺めているような感覚。
あぁ、これがずっと見たいと思っていたラヴェンナのモザイクなんだと実感。 -
更に歩みを進めると、壁も天井も一面のモザイク!
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中央の天井はドーム型になっており、夜空のような深い青に無数の星が散りばめられている。その中央にはひときわ輝く十字架が。
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いったいいくつのモザイクを組み合わせているのか・・・どれだけの人の苦労がしみ込んでいるのか・・・
想いを馳せるとより美しく、より輝いて見える。 -
星空のドームを囲むように、周囲には福音書に登場する聖人が描かれている。
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イチオシ
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聖人たちを拡大。
四方のどの面にも聖人が2体と泉で水を飲むハトが描かれている。
中央の小窓は琥珀がはめ込まれ、べっ甲色の光を放つ。この小窓がまた美しい。 -
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アカンサスの葉に包まれた泉の水を飲む鹿。
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入口上部壁面には”善き羊飼い”と称される、十字架をもつキリストと羊の群れ。
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鉄格子の上で火あぶりになり殉教した聖ロレンツォ。
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上:入口の正面にある石棺。ガッラ・プラチーディアのものとされている。
下:正面に向かって右手にある石棺。 ガッラ・プラチーディアの息子で西ローマ帝国皇帝ヴァレンティニアヌス3世(在位425年~455年)のものか、あるいは兄ホノリウス帝のものとされている。 -
霊廟内の壁のあちこちにはめ込まれている窓も美しい。
射し込む光に照らされ、べっ甲のような色を放つ。 -
ガッラ・プラチーディア廟を出て、サン・ヴィターレ聖堂(Basilica di San Vitale)へ向かう。
珍しい多角形の聖堂。ラヴェンナで 5~6 世紀に造られた他の宗教施設と同様に八角形をしており、当時の特徴的な形状。
ラヴェンナにある初期キリスト教建築を代表する聖堂。殉教者聖ヴィターレに捧げられた聖堂で6世紀前半に完成するが、その後ユスティニアヌス1世やベネディクト会によって改修される。 -
一歩足を踏み入れた瞬間、これまで目にして来た宗教建築とは全くことなる雰囲気を感じ立ち止まる。
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え、なに、この壮大さと荘厳さ!
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足を踏み入れた瞬間からド肝を抜かれ、ただただ無言で歩く。
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柱頭の装飾が気になり、一つ一つじっくり見て回る。
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ビザンティン帝国の総督であったイサキオスの石棺。
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反対側の装飾。
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石棺の四面それぞれに異なる装飾があるが、意味はわからず・・・
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そして上を見上げれば高い高い天井。
眺めてると首が痛くなる。 -
天井画は18世紀後半のものだそうだ。
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肝心のモザイク画を見る前に、これだけでも満足しちゃいそうな美しさ。
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コズマーティ様式の床。
目に楽しくて大好き♪ -
床面も全く隙が無く大理石やモザイクの装飾で埋め尽くされてる。
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イチオシ
そしてここからが本番。
聖堂内に残る、ビザンツ芸術を代表するモザイク装飾。
この後陣を見上げた瞬間、全身に鳥肌が立つ。
こんな緻密で広範囲に渡るモザイクは見たことが無い。また、それがここまで完全な状態で残っていることにも驚く。 -
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イチオシ
中心に描かれているキリストが座っている青い球体は全世界を表している。
左右には、キリストから殉教者の冠を受ける聖ウィタリス(サン・ヴィターレ)、聖堂の模型をキリストに捧げる司教エクレシウスが描かれている。
5人の足元には花が咲き、川が流れ、頭上には虹の雲が描かれているため、楽園を表現していると言われている。 -
中央のキリスト、なんだか雰囲気が違うと思ったらヒゲが無い!
この「ヒゲ無しのキリスト」は3世紀くらいから描かれており、若さと知恵の象徴なんだそうだ。人間の形になって地上に現れる前のキリストだとも言われている。 -
・・・にしてもスゴイ!
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・・・にしてもスゴすぎる!!
モザイク装飾もあちこちで目にしたが、ここまで緻密でスケールが大きいのは初めて。あんぐり口を開け目を見開いたまま、しばらく時がたっていた。 -
上:旧約聖書の「アブラハムの餐応とイサクの燔祭」
信仰心の厚いアブラハムが三人の旅人をもてなしている。しかし旅人は実は天使で、アブラハムはそれに気付かず純粋な親切心からパンと肉を振る舞っている。
その右手に描かれているのは、アブラハムの息子イサクの頭に手を置き「彼を生贄とせよ」と言っている神の姿。
下:旧約聖書の「アベルとメルキセデクの捧げ物」。中央には全能の神を表す「神の手」も見える。 -
上:「ユスティニアヌス帝と廷臣たち」
皇帝がミサの捧げ物として黄金の聖体皿を持って参列している姿が、荘厳かつ生き生きとした表情で描かれている。
皇帝の向かって右は実際に献堂した大司教マクシミリアヌス、その間の後方には教会の費用を負担したユリウス・アルゲンタリウスと言われている。
下:「皇妃テオドラと従者たち」
テオドラはコンスタンティノポリスで踊り子あるいは女優をしていたとも言われているが、その魅力と知性によってユスティニアヌスにみそめられ、皇妃となってからは政治的にも大きな影響を与えたと言われている。
ここではテオドラがミサの捧げ物である黄金の杯を手にサン・ヴィターレ聖堂に向かうところが描かれている。 -
中心となる絵の周囲にも細やかな装飾が施されている。
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大理石の装飾も、モザイクに負けず劣らず興味深い。
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後陣の窓もべっ甲色で美しい。
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大満足でサン・ヴィターレ聖堂を後にする。
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ドムス・デイ・タッペーティ・ディ・ピエトラ(Domus dei Tappeti di Pietra)
訳すと”石のカーペットの家”。
ちなみに入場料は4ユーロですが、私はあらかじめインターネットで”Romagna Visit Card”なるものを購入していたので無料で入れました。
このカードがあるとラヴェンナ県内の博物館等の入場や市内交通、その他の割引が受けられます。私が購入した2018年は17ユーロでした。ラヴェンナとリミニ、サン・レオで使用し余裕で元が取れる・・・予定でしたが、ワケあってサン・レオには立ち寄れなくなり、1ユーロだけ損しちゃいました。
〈Romagna Visit Card〉
ホームページ → https://www.romagnavisitcard.it/it
割引対象施設 → https://www.romagnavisitcard.it/it/cosa-vedere
(但し2020年5月1日現在、新型コロナウィルスの影響で休止しているようです) -
バッティスタ・バルビアーニ通り(Via Gian Battista Barbiani)にあるサンテウフェミア教会(Chiesa di Sant'Eufemia)がその入口となっている。
一見なんでもない教会に見えるが、その内部にオドロキが隠れてる。 -
18世紀に造られた小さな教会、内部はひっそりとしてる。
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祭壇がひとつとこぢんまりした内部。
いそいそと先に進むと・・・ -
この教会の3mほど地下に発掘された、5~6世紀の民家。そこには床一面カーペットのようにモザイクが広がる。
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床の見取り図。
14ものパートに分かれているそうだ。 -
大理石や多色使いのモザイクによって造られた床は様々な模様で目に楽しい。
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壺のような可愛らしい模様も。
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善き羊飼い(Buon Pastore)
紀元後4世紀のもの。善き羊飼いとはキリストを指す。 -
四季の妖精のダンス(Danza dei Geni delle Quattro Stagioni)
紀元後6世紀のもの。 -
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カヴール通り(Via Camillo Benso Cavour)
店が建ち並ぶオシャレな通り。街の目抜き通りになっている。 -
カヴール通りから右に曲がり、マッテオッティ通りへ。
通りを表すプレートもモザイク。 -
ケネディ広場(Piazza John Fitzgerald Kennedy)
メルカートが開かれていて活気があった。
ケネディ広場を横目にVia Gioacchino Rasponiを真っ直ぐ進むと・・・ -
クーポラと鐘楼が目に飛び込んできた。
ドゥオーモのものだ。 -
ドゥオーモの建物自体はバロック様式だが、鐘楼は初期キリスト教建築、クーポラはネオクラシック様式になっている。
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ドゥオーモのファサード。
閉まっていて中は見ることができなかった。 -
目的はドゥオーモよりこちら、すぐ脇に建つネオニアーノ洗礼堂(Battistero Neoniano)。
ドゥオーモに付属する八角形の洗礼堂で、5世紀初めに建立された。 -
5世紀半ば、当時の司教ネオーネの命により堂内のモザイクが完成した。この司祭の名前にちなんでネオニアーノ洗礼堂とよばれている。
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中に入ると、狭いながらびっしりとはめ込まれた大理石やモザイク装飾に圧倒される。
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中央に置かれた洗礼槽にはコインがたくさん投げ入れられている。
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クーポラの内部にはキリストの洗礼の様子が、その周りを取り巻くように12使徒が描かれている。さらに下方には旧約聖書の予言者たちのレリーフがある。
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これまたスゴイ!
モザイクでこんな繊細に描けるなんて。 -
キリストの洗礼の場面。ヨルダン川の澄んだ水に腰まで浸かっているキリスト。その左手には洗礼者ヨハネ、右手にはヨルダン川の化身が描かれている。
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上:ぐるぐる模様と読めない字。
下:ぐるぐる模様と波みたいな模様と読めない字。 -
偉そうなおじちゃん。
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サンタポッリナーレ・ヌォーヴォ聖堂(Basilica di Sant'Apollinare Nuovo)
ここは初期キリスト教時代に異端とされたアリウス派の聖堂で、自身もアリウス派であった東ゴート王テオドリックが建てさせたもの。
この宗派の聖堂は数が少なく、大変貴重なものだそうだ。
内部には6世紀の美しいモザイク画が残っている。 -
正面右手には高さ38mの円筒形鐘楼。11世紀に建造されたもの。
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内部は身廊と側廊がコリント式円柱で仕切られた三廊式。
円柱の上部はびっしりとモザイク画が描かれている。 -
木製の天井装飾も美しい。
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祭壇も素晴らしいんだけど、そこに辿り着くまでの壁面のモザイク画がスゴ過ぎて、二の次になってしまいます(汗)
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説教壇。
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ここからはもう、ひたすら目を皿にしてモザイクに見入る。
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祭壇に向かって右手には、貢物を手にした26人の殉教者が、テオドリック王の宮殿からキリストのもとに向かう様子が描かれている。
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上:中央がキリスト。
下:貢物を手にした26人の殉教者の一部。 -
最後部に描かれたテオドリック王の宮殿。
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祭壇に向かって左手は、東方三賢人と22人の聖女達が聖母子に貢物を捧げる様子が描かれている。
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上:中央に聖母子。
下:貢物を手にした東方三博士。 -
写真下段はクラッセ港(Il Porto di Classe)が描かれている。
現在のラヴェンナはアドリア海から8km内陸にあるが、かつてはアドリア海に面した海洋都市であった。クラッセ港は当時のアドリア海では最も大きい港であり、また、ローマ軍の主要な軍港の一つであった。 -
ほっと心が休まるような中庭もあった。
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再びネオニアーノ洗礼堂へ戻る。
先ほど、この近くにあるはずの大司教博物館(Museo Arcivescovile)を見つけることができなかったからだ。 -
ぐるぐる回ってやっと見つけた!
大司教博物館の建物。 -
階段を上ると博物館の入口が。
内部は撮影禁止となっている。 -
博物館の内部には、サンタンドレア礼拝堂(Cpella di Sant'Andrea)がある。
495年、当時の司祭ピエトロ2世によって造られた、初期キリスト教を代表する礼拝堂の一つ。
もちろん撮影禁止なので公式HPから写真を拝借。
狭い空間ではあるが、びっしりと埋め込まれた色鮮やかなモザイク、そのまばゆい美しさに感動。
そして13:30には旧市街を後にし、最後の目的地へ車で移動。 -
最後に訪れたのは中心地から南へ約5kmの場所にある、サンタポッリナーレ・イン・クラッセ聖堂(Basilica di Sant'Apollinare in Classe)。
近くの駐車場に車を停め、入口に向かって歩いて行くとアウグストゥスの像が。
この近くにローマ帝国の軍港であったクラッセ港があり、その港を築いたのがアウグストゥスであった為だ。
像の後方には聖堂の鐘楼が見えている。 -
聖堂の前には一面緑の芝生が広がっている。
牛?と思ってよく見たら牛の像だった。
とてものどかな雰囲気に自然と笑みがこぼれる。 -
サンタポッリナーレ・イン・クラッセ聖堂に到着。
これも現存する初期キリスト教建築のバシリカのひとつ。
旧市街の喧噪から離れた静かな佇まい。この聖堂には歴代の司教が埋葬されているという。
入場料は5ユーロですが、ここも”Romagna visit card”で無料になりました。 -
内部は三廊式、身廊と側廊は12本の円柱で仕切られている。
明るく広々とした空間。幅約30m、奥行き約55mもあるという。
これまで見てきたモザイクの聖堂はどれも観光客でごった返していたが、ここは観光客もごく少なく、静けさが漂っている。
入った瞬間ホッとする雰囲気で、詳細を見る前から気に入ってしまった。 -
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祭壇。
窓の間には歴代の司教が描かれている。 -
イチオシ
後陣を下から見上げて、その大きさに圧倒される。
爽やかな緑、漫画的でもある羊たちの姿、そして青い円の中に描かれた十字架がとても印象的。 -
今日ラヴェンナで目にしてきたモザイク装飾の中で、この絵が一番好きだなぁ・・・と感じながらしみじみ眺める。
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後陣には「キリストの変容」の場面がモザイクで描かれている。
キリストが三人の弟子を連れタボール山に登ったキリストが預言者と語り合ったという奇跡の場面で、キリストは十字架として表現されている。 -
十字架の中央をよく見るとキリストの顔が。
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十字架の上には天から差し出された神の手が。
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上:エリア
下:モーゼ
天から差し出された神の手の両脇に描かれている -
左の天使はマタイ、中央はキリスト、右の獅子はマルコ。
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上:左の鷲はヨハネ、右の天使はマタイ。
下:左の獅子はマルコ、右の雄牛はルカ。 -
十字架の真下に描かれた、十字架に両手を掲げる聖アポリナリス。
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明るい緑の芝生に羊たち。とてものどかな雰囲気で観ていて癒される。
ちなみに、十字架の左右斜め下に合わせて3匹の羊が描かれているが。それらはペテロ、ヨハネ、ヤコブを表しているという。 -
上:司教レパラトゥスと皇帝コンスタンティノス4世(7世紀後半のもの)
下:アベル、メルキゼデク、アブラハムが神に犠牲を捧げる図(7世紀後半のもの) -
左:大天使ミカエル
右:大天使ガブリエル
どちらも6世紀のもの -
心に染みわたる静寂。
やっぱり教会や聖堂を見るのは静けさの中がいい。 -
円柱上部にずらりと並ぶメダイオン。中に描かれているのは歴代司教?
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左側廊には古い床モザイクが残る。ローマ時代のものか?
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石棺もいくつか残されている。
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14:00大満足で 聖堂を後にする。
以前から憧れていたラヴェンナ。そこには想像以上に美しく心に残るモザイクが満載だった。心にたっぷり栄養を与えた気分・・・
そして14:10にラヴェンナを後にし、次の町リミニへ出発!
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この旅行記へのコメント (8)
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- マリアンヌさん 2020/05/15 13:07:57
- 素晴らしいモザイク
- めておらさん こんにちわ。
お久しぶりです。どうされていらっしゃるのかなと思っていましたが、お仕事多忙でいらっしゃたのですね。
ラヴェンナはツアーで2度訪れてはいますが、フリータイムはなかったので、まだまだ行きたい場所がたくさんあります。
ネオニアーノ洗礼堂、すごいですね。
初期キリスト教らしく洗礼槽がおおきくて…
何よりヨハネによるキリストの洗礼でキリストが裸というのは、貴重です。
珍しいものを見せていただき、ありがとうございました。
続編も楽しませていただきます。
マリアンヌ
- めておら☆さん からの返信 2020/05/15 21:33:32
- Re: 素晴らしいモザイク
- マリアンヌさ~ん、ご無沙汰してました!
いつもながらご訪問とコメント、ありがとうございます♪
う~ん、公私ともに忙しいのもあるんですが、だんだん「旅行記書くための旅行」みたいになってきちゃってたので、ひとまず旅行記やめて、シンプルに自分の目と心で楽しむ旅行しようかなって思ってたのもありまして・・・
でも、コロナのお陰で時間できて、やっぱり旅行記作りながら思い出を反芻したくなっちゃいまいした。
また少しの間、お付合いいただければ幸いです(^^)v
私はラヴェンナ今回が初めてだったけど、ウワサ通り本当にすごいね!
あのモザイク率といったら、他のイタリアの町には類を見ないほど。
でも滞在時間短くて、まだまだ見たいところ残してきたので、私も絶対また行きたいです。
てか、さすがマリアンヌさん、鋭いツッコミ!
言われてみれば確かにネオニアーノのキリストの洗礼って珍しいね。キリストすっぽんぽん!普通は腰布くらいは巻いてるもんね?!
こちらこそ、今さらながらオモシロイ発見させていただきました笑
私もまたマリアンヌさんの旅行記ゆっくり楽しませていただきますね~♪
めておら☆
- マリアンヌさん からの返信 2020/05/16 01:09:13
- Re: 素晴らしいモザイク
- めておらさん こんばんわ。
家に帰って「描かれなかった十字架」という本を見たらラヴェンナの裸のキリストについて書かれてました。異端とされたアリウス派はキリストは人間であることを主張していて裸=人間として描かれたのではと。
(正統派にとっては、キリスト=神)
またカトリック正統派には、ありえない描写がある:イエスが白髪の老人のよう(イエスが布教活動をしたのは30歳頃)、イエスの右側に異教的な神がえがかれている。まっひとつの説でしょうけど面白いよね。
ニカイア公会議が325年だからネオニアーノ洗礼堂が建てられた頃は、まだ三位一体が確立していなかったんでしょうね。
夜分、失礼しました☆
またね!
マリアンヌ
- めておら☆さん からの返信 2020/05/16 16:24:19
- Re: 素晴らしいモザイク
- マリアンヌさん、こんにちは~
おぉ、裸のキリストのこと調べていただいたんですね!
ホントにマリアンヌさんの知識には毎回脱帽です。歴史もしかり、芸術もしかり、そして宗教についてもよく勉強されてるなぁ。素晴らしい☆
そっか、裸は人間を象徴してるんだね。そう言われてもう一度ネオニアーノのモザイク見ると、余計にキリストが人間ぽく見えてくる。
サン・ヴィターレに描かれてたキリストのモザイクも、若いし、髭も無いし、やけに描写が人間ぽいなぁと思ったの。それも何か関係あるのかもね。
それにしても、30歳のキリストを白髪で書いちゃうなんて失礼だねぇ笑
ま、時代によっても宗派によっても解釈の違いはいろいろあるんだろうから、ひとくちにキリスト教って言っても奥が深いんだね。
お忙しい中いろいろ調べてくれてありがとう。勉強になりました(^^)v
めておら☆
-
- パパさん 2020/05/02 18:14:23
- こんにちは。
- めておら☆さん
こんにちは。
イタリア中部を中心に回られたのですね。
2017年にフィレンツェからシエナ、ビデデボ、アマルフィと移動するときに「ペルージャ」に行くことも考えましたが結果的には行きませんでした。
イタリアは中々奥が深いですよね。
モザイクの写真も素敵ですね。
中々ここまで私は撮ることが無いのでびっくりです。
「その日まで」みて
感激して涙が出たのは私だけではなかったのですね。
なぜ、私たちの世代に「コロナ」が。
神様が与えた試練だと思います。
病気に国境はない。人類がいがみ合わず仲良くしなさいと言っているのかも?
絶望の淵にいても必ず希望があります。
希望を忘れないでお互いに頑張りましょう。
パパさん
- めておら☆さん からの返信 2020/05/02 19:26:33
- Re: こんにちは。
- パパさん、またまたコメントありがとうございます(^^)
「その日まで」はね、見た瞬間にそれまで抑えてたものがジワっと出てきちゃった感じで・・・暗いニュースばかりにうんざりする毎日に、ちょっと光が射したようでした。ご紹介ホントにありがとうございました。
コロナは神様が与えた試練かぁ・・・そうかもしれませんね。
幸せボケして不平や他人の批判ばかりする私達への警告かな。世界が仲良く協力して困難に立ち向かうようにって。
私はだいぶ昔にペルージャに短期留学してたことがあり、中部ウンブリアあたりには特別な感情があります。ペルージャもステキな町ですよ。機会があれば是非♪
めておら☆
-
- ももであさん 2020/05/01 15:28:32
- モザイク
- 人は常に歴史の上を歩いて常に新しい歴史を創っている...
図らずも今の新型コロナ・パンデミックしかり
人種や宗教の違いで様々な心がモザイクの如く交錯するから
この世界に平坦な道はないのでしょう。
それでもある時、歴史を歩いた旅人がふと振り向いたならば、
そこに優しい笑顔が満ちあふれているといいですね。
- めておら☆さん からの返信 2020/05/01 18:00:46
- Re: モザイク
- ももであさん、ご訪問&コメントありがとうございます!
『Someday その日まで』拝見しました。
心にジンと来て、涙流れてきました・・・
なぜ私達の世代にコロナなんて?!って恨み事言いたくなりますが
グッとこらえて、それでもなお前を見なきゃ、と思いました。
素敵な”その日”を待って・・・
めておら☆
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