2018年8月 ドイツ旅行記 (7)：フェルクリンゲン、ザールブリュッケン

2018/08/17 - 2018/08/17

　2018年のお盆休みも前年同様、ドイツへ旅行してきました。昨年はタイ航空を利用したバンコク経由のフライトで旅行しましたが、今年はベトナム航空利用で行きはホーチミンシティ、帰りはハノイを経由するフライトになりました。乗り継ぎ時間が中途半端で昨年と違い経由地での観光はありません。
　今回もサッカー観戦を目的としていますが、試合日程と移動の関係で試合観戦よりは観光に時間を割く形になりました。ただし、毎度のことながら試合のある都市を中心に回るので一般的にメジャーな観光地ではなく地味な場所を訪ねることになりました。観光視点でのハイライトは、グリュックスブルク城、フェルクリンゲン製鉄所になるかと思います。

旅行日程は以下の通りです。
□ 2018年8月10日(金) 出発。ホーチミンシティ経由でフランクフルトへ
□ 2018年8月11日(土) デュイスブルクでサッカー観戦
□ 2018年8月12日(日) キールでサッカー観戦
□ 2018年8月13日(月) キールを拠点にフレンスブルク周辺観光
□ 2018年8月14日(火) ゾーリンゲンへ移動
□ 2018年8月15日(水) ゾーリンゲンのブルク城、メンヒェングラートバッハのライト城
□ 2018年8月16日(木) メンヒェングラートバッハ滞在
■ 2018年8月17日(金) フェルクリンゲン製鉄所とザールブリュッケン
□ 2018年8月18日(土) カイザースラウテルンでサッカー観戦
□ 2018年8月19日(日) フランクフルト出発
□ 2018年8月20日(月) ハノイ経由で日本到着。

【旅行記のパート7概要】
メンヒェングラートバッハから列車を乗り継いで当日の宿泊地ザールブリュッケンへ移動。駅のコインロッカーに荷物を預けて列車でフェルクリンゲンへ。世界遺産のフェルクリンゲン製鉄所を見学した後は、フェルクリンゲンの街中を散策してザールブリュッケンに戻りホテルにチェックイン。その後、ザールブリュッケン市内を観光。旧市街のレストランで夕食をとりホテルへ戻りました。

エリア ザールブリュッケン(ドイツ)

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 徒歩

【2018年8月17日】
メンヒェングラートバッハのホテルをチェックアウトし、ライト中央駅へ向かいます。今日は列車でザールブリュッケンまで移動し、郊外のフェルクリンゲンにある世界遺産の製鉄所跡を見学する予定です。
天気はあいにくの雨です。今回の旅行ではキールで雨に降られましたが、傘を差すほどの本格的な雨ではありませんでしたが、今日は結構降っています。持参していた折りたたみ傘を差して歩きます。

ライト駅からはケルン行きの列車でケルンへ移動し、そこからICEを利用しマンハイムに向かいます。ケルンでは乗り換え時間を利用して駅前に出てみます。駅前に巨大な大聖堂があり圧倒されます。さすがに内部を見学する時間はありませんので、外観だけを眺めて駅へ戻ります。

ケルン大聖堂 寺院・教会

ケルンからマンハイムへ向かうICEはものすごい混雑です。座席確保どころかデッキに乗りこむのも一苦労でした。それでもフランクフルト空港で座席が確保できマンハイムまでのしばらくの時間は座ることができました。
マンハイムからは、コブレンツ行きのREに乗車しザールブリュッケンへ。ザールブリュッケンまでは約1時間40分でした。

マンハイム中央駅 駅

ザールブリュッケン中央駅で荷物をコインロッカーに預けて駅の中にあるパン屋でコーヒーを飲み一息入れます。ここまでの移動でやや疲れ気味ですが、このあとはこの日のメインのイベントであるフェルクリンゲン製鉄所(Völklinger Hütte)の見学を予定しています。

さてフェルクリンゲン製鉄所へ向かいます。ザールブリュッケンからはフェルクリンゲンまではトリアー行きのRBで10分、コブレンツ行きのREなら7分です。やってきた列車はRBです。

フェルクリンゲン駅で下車すると駅の向こうには製鉄所の巨大な工場が見えテンションが上がってきます。さっそく製鉄所へ向かうことにします。

駅を出て線路の下をくぐればすぐにフェルクリンゲン製鉄所です。私はここに来るのは2度目ですが前回とは入り口が変わったように思います。入場料は17ユーロです。
入口を入ってすぐの建屋ではエリザベス女王に関する展示があり、それを抜けると道路を挟んだ反対側の敷地への通路になります。ここから製鉄所の見学コースになります。

フェルクリンゲン製鉄所 建造物

フェルクリンゲン製鉄所は、1986年に操業を停止していますが、ほぼ当時のままの姿で残っていて、広い敷地内に張り巡らされた太いパイプや巨大な溶鉱炉などが間近で見ることができます。1994年に産業遺産としては世界で初めて世界遺産に登録されました。

フェルクリンゲン製鉄所 建造物

ヘルメットを着用して階段を登っていきます。高さ45メートルの溶鉱炉に登ると見晴らしがよいそうですが、私は途中で引き返しました。なにしろ足元は金網で真下が見えるのです。もう怖くて見学どころではなくなってしまいました。

フェルクリンゲン製鉄所 建造物

資材を溶鋼炉に運ぶ斜行昇降機を上から見たところです。

フェルクリンゲン製鉄所 建造物

斜行昇降機を下から見上げると巨大さに驚かされます。全てを見学すると3時間は余裕でかかります。余裕を見て半日くらいは時間がほしいところです。フェルクリンゲン製鉄所は工場が好きな人はもちろん、そうでない人に取っても楽しめるところだと思いました。

フェルクリンゲン製鉄所 建造物

フェルクリンゲン製鉄所の見学を終えた後、せっかくの機会なのでフェルクリンゲンの街も少し見ていくことにします。駅のすぐそばにある大きなスーパーマーケットを通り抜けるとラートハウス通りです。通りに面して聖エリギウス教会（Kirche St. Eligius）が堂々とした姿を見せます。

この建物はフェルクリンゲンのVHS（Volkshochschule Völklingen）です。VHSというのは市または州によって運営されている市民の為のカルチャースクールです。

さらに先へ進んでいくとスタジアムがあります。ここはヘアマン・ノイベアガー・シュタディオン（Hermann-Neuberger-Stadion）といい、ドイツ4部リーグに所属するFCザールブリュッケンがホームスタジアム改修工事の間、暫定でここをホームとして使用しているようです。ちょうどこの日は少年サッカーの練習が行われていました。
そろそろ疲れてきたので引き返します。フェルクリンゲン駅まで歩き列車でザールブリュッケンに戻り、コインロッカーの荷物をとりだしてホテルへ向かいました。

この日の宿泊先はシティホテル・ザールブリュッケン（）です。古くて小さなホテルですが部屋はきれいで必要最低限のものは揃っています。さて、すでに遅い時間ですが夕食を兼ねて市街地の散策に出かけることにします。

市庁舎(Rathaus St. Johann) の前にやってきました。目の前の通りにはトラムが走り、向かいには教会が建っています。

市庁舎 (ザールブリュッケン) 建造物

ザンクト・ヨハンナー・マルクト（St. Johanner Markt ）はザールブリュッケン市街地の中心にある広場。広場に面してレストランやカフェなどがあり賑わっています。

ザンクト・ヨハンナー・マルクトをさらに先に進むとザール川にかかる古い橋があります。この橋はザールブリュッケンの現存する最古の建造物と言われています。その名もアルテ・ブリュッケ（Alte Brücke）、直訳すると古い橋ということになります。橋を渡って川面に降りてみました。やはり橋は下から眺めた姿が美しく見えます。

アルテ・ブリュッケの先を進み坂道を登っていったところにあるのがザールブリュッケン城（Saarbrücker Schloss）です。城の前の広場に面したカフェでくつろぐ人はいるもののやや寂しげです。しかしよく考えれば平日の夜ですのでこんなものなのでしょうか。残念ながらすでに遅い時間なので中を見学することはできませんでした。

さらに5分くらい歩いたところにルートヴィヒ教会（Ludwigskirche）があります。ここも教会の前に広大な広場があるのですが、人の気配が全くありません。

もう遅い時間だから人もいないのかなと思い、立ち去ろうとすると教会の扉が開き中から華やかな衣装を身に纏った大勢の女性が出てきて入口の前に並び始めました。何をするのかと思ってしばらく見ていたら、讃美歌の合唱を始めました。全く人がいない中で響き渡る讃美歌。これは練習だったのでしょうか。

再びアルテ・ブリュッケで川を渡り旧市街の中心へ。夜になりこのあたりはかなり賑やかになってきました。しばらく周囲を歩いてみましたが、正直に言ってどこが良いのかよくわかりません。そこで、外から見て何となく雰囲気がよさそうだった、"Gasthaus Zahm" という店に入ってみました。

注文したビールは、Saarbrückener Hell。料理が出てくるまで少し時間がかかったので2杯のみました。なかなかおいしいビールでした。

料理は、Lammhüfte, rosa gebraten (16.5ユーロ) をオーダー。ラムの腰肉です。素材の味を感じることができる素朴な味でおいしかったです。

すっかり暗くなりましたが旧市街はまだ賑わっています。しかし私は疲れたのでホテルへ戻って眠ることにします。ホテルの部屋に戻った時には喉が渇いてしまい水が飲みたくなりました。しかしもう遅い時間なので店はすべて閉まっています。
こんな時はコンビニがたくさんある日本の便利さを実感します。それでも地図を確認するとホテルから5分ほど歩いた先にトルコ系のピザ屋があることが判明。そこはまだ店を開けていてミネラルウォーターも入手でき、何とか喉の渇きを癒すことができました。