2018/08/03 - 2018/08/06
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hry-campanellaさん
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初めて佐渡島に訪れ、3泊4日をレンタカーで周りました。
野生のトキを探して流浪しましたが、意外にも毎日出会うことができました。一度は絶滅した朱鷺の群れる田園、急な斜面に広がる棚田には感激します。
かつて佐渡の田園は、金銀山の発展による人口増加に伴って開拓されてきました。閉山とともに町も衰退してきましたが、今後ユネスコ世界文化遺産に登録されれば大きく賑わうことでしょう。
一方で、2011年国際連合食糧農業機関(FAO)から「トキと共生する佐渡の里山」として世界農業遺産(GIAHS)に認定され、その保全に取り組んでいます。特別天然記念物がすめる農業遺産と、元祖世界遺産がいかに共存できるか、農水省・環境省×文部科学省(文化庁)の遺産争いに地元が板挟みになりそうです。
写真は必ずしもスケジュール順ではなく、テーマで分けています。
★佐渡島・流浪の旅(1)~田園編~
佐渡島・流浪の旅(2)~遺産編~
https://4travel.jp/travelogue/11389473
- 交通手段
- 船 レンタカー 新幹線
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上越新幹線「Maxとき」上野駅から佐渡気分に。
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新潟駅から路線バスで新潟港へ
カーフェリーで佐渡島へ -
新潟港フェリー埠頭
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まもなくジェットフォイルに追い抜かれる。
所要時間は65分とフェリーの半分以下だが、料金は2.5倍以上だ。 -
海は穏やかで視界も良く、快適な船旅だった。
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両津港に到着するとトキも飛んでいる。(2時間30分の船旅)
すぐにレンタカーカウンターにチェックインする。両津港 乗り物
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佐渡汽船「ときわ丸」
2014年に建造された新しいフェリーで、帰りに乗った20年前の「おけさ丸」よりは小さいが、船内はより快適になっている。 -
トキの森公園に行く。朱鷺を模した郵便ポスト。
トキの森公園 公園・植物園
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「トキ資料展示館」へ閉館時間近くに入館する。
入口で出迎えてくれた佐渡市キャラの「サドッキー」。昼間は外で活動しているらしい。 -
ムギワラトキ(手前)、ハダダトキ(奥)
(展示館入口前のケージ) -
「佐渡トキ保護センター」の飼育ケージ。
現在、82羽飼育している。(内、今年巣立ったヒナは5羽) -
観察通路から飼育ケージを観察する。
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「トキふれあいプラザ」では、親子3羽のトキが飼育されている。
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反対側からは見えない特殊な窓から間近に見れる。
観察窓の近くの水辺にドジョウがいて、トキが寄ってきた。 -
羽を広げると朱鷺色のピンクが見える。
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学名:ニッポニア・ニッポン
1981年野生のトキを保護し、人工飼育が始まり2003年まで続けられたが成功せず。日本産トキは絶滅したが、1999年中国から贈呈されたトキの人工繁殖が成功。2008年には、佐渡の大空へ10羽のトキが放鳥され、それから毎年放鳥は続いている。 -
全国7施設で分散して飼育されている。
今期は、29ペアで繁殖に取り組み、44羽が孵化し、このうち36羽が巣立った。 (佐度トキ保護センターHP)
トキが近くに寄ってきたので、閉館時間が過ぎても見物客は追い出されず。係員の神対応には大感謝。 -
トキの森公園には、つがいのデコイも置かれている。
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公園内のバリケードも朱鷺仕様。
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宿泊先の「ホテルニュー桂」
ホテルニュー桂 宿・ホテル
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ホテルは加茂湖のほとりの高台にあり、レイクヴューの部屋で素晴らしい。
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通常の夕食メニューにもズワイガニが丸ごと付いて、久々に美味しいカニを食べた。ほぼ一年中水揚げされるらしい。
特産物の柿は冷凍シャーベットに。(右上) -
宿泊先ホテルから見える田園にも、よくトキが飛来するという。
この田んぼで穫れたコシヒカリは、ホテルの食事にも出されている。正に地産地消。
佐渡産のコシヒカリは、現在は佐渡産「新潟米」のブランドであるが、来年からは「佐渡米」となる。 -
朝食はバイキングで、テラスでも食べられる。
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トキの森公園付近の田園。
2008年以降、300羽以上が放鳥され、島内には350羽程度生息している。
2018年も77組のペアが営巣し、60羽のヒナが巣立っている。
2018年6月にも、19羽が「トキ野生復帰センター」から放鳥された。
「トキ野生復帰センター」には、現在52羽(内、今年巣立ったヒナは7羽)飼育されている。9月にも放鳥が予定されている。 -
2日目の早朝、トキの森公園付近の田んぼで、10羽ほどのトキとサギが群れていた。
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トキは、ドジョウ、サワガニ、カエル、タニシ、昆虫など、もっぱら動物性の餌を食べる。1年中ほぼ同じ場所で暮らすが、非繁殖期には群をつくり集団で行動する。
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新穂地区の広大な田園地帯。
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3日目の早朝、トキの森公園付近の田んぼの畔(あぜ)で、15羽が観察された。
稲が伸びて田んぼに入れない季節は、畔をエサ場にすることが多い。
田んぼでは草刈機のエンジン音が響き渡る。除草剤を使わず、トキのエサ場を守っている。昨日トキがいた付近も草刈りをしており、トキは見られなかった。 -
道路から車中で観察していたが、警戒心は強く別の車が通ると飛び立ってしまう。
図々しい生き物なら、絶滅することはなかったかもしれない。 -
環境省では、「2020年(平成32年)頃に佐渡島内に220羽のトキを定着させる」という目標があるようだ。
島内には350羽程度生息しているが、放鳥に頼ることなく自然に繁殖できる環境が整いつつあるので、トキ保護の在り方も変わってきてもよいかもしれない。
(参考)「トキ野生復帰ロードマップ2020」
https://www.env.go.jp/press/102285.html -
休耕田のハスの群落。
参考までに、トキ保護等の予算を調べてみた。
・環境省のトキの保護等の予算の総額は、約1.3億円。
その内約半分は「トキ保護増殖事業」で、環境省の「特定野生生物保護対策費」の80%を占めている。残りの20%は、タンチョウ、ツシマヤマネコ、ウミガラス、ミヤコタナゴの保護増殖事業で、トキの予算が圧倒的に多いのがわかる。
(環境省平成31年度歳出概算要求書より)
・佐渡市の「トキ推進費」は、約1.7億円。他にも農業振興費として多額の予算が注ぎ込まれながらトキは保護されている。
(平成28年度佐渡市一般会計歳入歳出決算書より) -
トキの森公園の隣には違和感のある煙突。土木資材の工場か。
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マンホールもトキのデザインのものがある。
トキの森公園近くの新穂(にいぼ)横町地先にて
「佐渡市の誕生」平成16年(2004年)
両津市、相川町、佐和田町、金井町、新穂村、畑野町、真野町、小木町、羽茂町及び赤泊村が合併した。各地区にはそれぞれ異なるマンホールが残っている。 -
3日目、昇竜棚田のある岩首集落を訪れる。
旧佐渡市立岩首小学校の中に岩首談義所がある。
携帯電話も通じない?迷った挙句たどり着くと、佐渡棚田協議会の会長と元スタッフの懐かしい知人が出迎えてくれた。普段はほぼ会長一人で活動の拠点を運営しているらしいが、善意だけで続けていくのは難しいこと。
https://sadotanada.com/ -
集落からは上に田んぼがあるようには思えない、会長の軽自動車で麓から急坂を上っていく。
まず目に入ったのは、紫色のミソハギ(この辺りでは彼岸花という)や野菜が植えられた畑。農家の高齢化で休耕田が増えている。 -
50年前には800枚あった棚田は、半分以下に減っている。
一番小さい棚田は、ご飯2杯分しか取れないようで、高齢でもう止めるという。 -
この棚田は、アウトドア用品メーカー「Snow Peak」が今年オーナーになり、社員研修で田植えをした。岩首では、企業のCSRとしては初めてという。
また、食育に力を入れている3つの保育園が、給食に使う米を農協より高く買ってくれるという。
負担の大きい棚田を農家だけで維持してくのは難しい。今後このような新しい取り組みはもっと増えてもよいと思うが、なかなか進まないのはどうしてだろうか。 -
等高線に沿った曲線が美しい。地形に合わせて棚田を造っている。造成して直線にした方が作業効率はよいが、崩れやすいという。
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稲わらを干す棚。
岩首では、田植えは各農家で行うが、収穫は集落でまとめてする。
兼業農家はGWに田植えをすることが多く、既に稲穂がだいぶ実ってきて、9月上旬には稲刈りをするという。
湧水は水源に近いほど冷たく、稲の成長が遅いので、田植えの時期も変えている。 -
標高300mほどの見晴台で小休止。海も望める。棚田は標高470mまであるが、高い所ほど負担が大きいため休耕田が多くなる。高い所に減反分を割り当てている。
幕府に納める年貢としても、負担の大きい棚田米は高く評価されたらしい。 -
田んぼは水が命だが、水源は湧水だけで豊富とはいえず。ここ1ヶ月雨も降らず、水不足という。なんとこの日の夜に大雨が降ったのだが・・・。
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午後から小倉千枚田に向かう。
「小倉川ダム」は、渇水で水位はかなり低い。堤体の下の方にも草が生えている。 -
「小倉ダム」も水位がかなり低い様子。ダム湖の愛称は「朱鷺湖」。
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小倉千枚田は、小佐渡の標高400mの山の中で、約5haの広さに、田んぼは1.5ha。
江戸時代初めに、高所で急こう配の場所によく作ったものだ。しばらく荒廃田となっていたが10年前に復活させた。 -
「小倉千枚田管理組合」を中心にオーナー制をとっていて、区画ごとにオーナーの看板が並んでいる。
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湧水とため池「坪山堤」の水で、水路は豊富に流れている。
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急こう配で区画が細長く、農機具も入らない田んぼもある。
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それぞれの田んぼに豊富な水が流れているが、水路の維持も大変そう。
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4日目朝、トキ交流会館付近で3羽のトキが観察された。
休耕田に水を張ってトキのエサ場としているものか。 -
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両津野球場付近の田園。
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雨上がりの早朝、山から水蒸気が立ち上がる。
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トキのすむ田園にも清掃工場の煙突がそびえる。(両津クリーンセンター)
3年前から焼却はせず、佐渡クリーンセンター(佐和田)に搬送する中継施設となっている。来年度には建物を残して煙突を解体する予定がある。(佐渡市両津クリーンセンター公害防止協議会より)
景観のためだけに莫大な解体費用をかける市の姿勢がうかがえる。
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