2017/09/01 - 2017/09/17
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minivelo2956さん
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いよいよ定年を迎えるにあたり、会社の定年前休暇制度(2週間+お小遣い)を利用して何か有意義な事をしてみたい、単なる旅行ではなく、何か目的のあることをしてみたい。折しも、仕事上の必要性から始めた英会話の勉強。そんな時、素敵な英会話教室に出会いすっかり虜になってしまった。優しく気さくなスタッフ、そして何よりもフレンドリーでモディベーションの高い先生方と勉強仲間、全員がファミリーみたいな素晴らしい英会話教室に出会った。その存在が、長年やってみたかった海外語学留学に向けて、私の背中を押してくれた。そして、一番後押してくれたのは、かみさんと2人の娘たち、その歳で短期留学なんてちょっと素敵じゃん。長年、会社に貢献してきたご褒美なのだから、自分のしたい事をした方が良いよ。なんて、心に沁みた。
そんなこんなで、私はこの歳にも関わらず、2017年9月1日~17日、マルタ共和国の英語学校に約2週間の短期語学留学をすることになった。
普段文章といえば、プレゼン資料や業績報告書とかビジネスライクなものばかりで、到底文学的なセンスなど持ち合わせていないが、爺さんが身をもって体験した希少なポンコツ珍留学をメイドの土産、じゃない、じゃない、冥途の土産に、徒然なるままに書き綴ってみたいと思う。
今回は、マルタの3連休初日の「勝利の日」(マルタの祝日)の観光の模様を・・・何やら波乱の予感。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 観光バス 船 徒歩
- 航空会社
- ターキッシュ エアラインズ
- 旅行の手配内容
- その他
-
今日はマルタ共和国のナショナルホリデー:勝利の日(Victory Day)。日本マルタ友好協会の資料によれば、この日は、マルタ語では、Jum il-Vitorja(ユム・イルヴィトーリャ)といい、
・1565年、オスマン帝国による大包囲戦が終結
・1800年、およそ2年続いたフランス軍の占領終結(実際には9月4日)
・1943年、イタリアの降伏(当時マルタはイギリスの統治下)
以上、3つの出来事を記念した祝日だそうです。
当然、学校はお休み。コミノ島(Comono Island)のブルーラグーン(Blue Lagoon)にお出かけの日だ。ネットやガイドブックで見ると絶対行くべき場所のようだ。まるで船が中に浮いているような感じ。それほど澄んでいて、しかも遠浅で船の影が白い海底に写り込んで、空中に浮かんでいるように見えるのはそのためだ。波もなさそう。チョー楽しみだ。
今日に備えて昨日は早めに就寝した。ちょっと気がかりは、記憶が定かではないのだが、夜中に、まどを叩く激しめの雨音が夢見心地ながら聞こえていたような。この部屋のカーテンは完全遮光仕様みたいで、昼間でも閉めると真っ暗になる。なので、朝なのに部屋の中は真っ暗で、外の様子も全く分からない。恐る恐るカーテンを開けてみる。と、夢ではなかった。窓には、次々と雨跡が筋になって流れている。やっぱ雨だったのね。昨日まで、連日、雲ひとつないピーカンだったのに。マルタの夏、神。だったのに。やっぱマルタにも雨は降るのね。でも、よりにもよって、3連休の初日に降らなくても良いのに。ましてや、この旅のハイライトとも言える、ブルーラグーンの予定日に。きっと、神様が浮かれ気分のジジイに今回の旅の主目的、英語留学、を思い出させるために敢えて、お休みの日を選んで雨を降らせて下さったんだ。そうに違いない。ならば、今日は、これまでの授業の復習と予習をする日としよう。マルタ共和国のお祝いの日に英語のお勉強。なんかいい感じ。そうと決まれば、朝まだ早いので、2度寝しよう。なんか、ホットしている自分がいる。やっぱ、一人で初めての所に行くって、ちょっと勇気がいる。しかもブルーラグーンには大型船では無く、小舟というかさほど大きくない船で向かうのだ。冷静に考えると、乗り物酔いの激しい私にとっては、かなりの冒険だ。残念なような、安心したような、複雑な心境。
心地よい2度寝。目が覚めたのは7時半。あれ。明るい。えっ。晴れてんじゃん。さっきの雨って、南の島にありがちな、スコール的な一時的なもの。でもここは、マルタ。熱帯でも亜熱帯でも無く。地中海性気候じゃん。雨は普通の雨だよね。などと訳の分からないことが次々に頭を過る。さっき、意を決して、予定通り出かけていれば、今頃、コミノに向かうボートの上。酔い止めを飲んで、快適な船旅をしている最中だったよなぁ~。また、いつもの悪い癖、たらればの仮定法過去のジュクジュク後悔。そんないつもの自分に自己嫌悪。たられば言っても時間の無駄。ここは前向きに現状を受け入れて、これから何をするのが一番いいか考えてみよう。さっきは、雨だったので、選択肢としては、宿舎で英語のお勉強しかなかった。で、それを自分に納得させるために、本来、英語の留学のために来ているのだから、それこそが、本来やるべき事と理由付けしていた。でも、今は、雨は止んで、雲はまだはれないものの、時折雲間から日もさしている。お出掛けする選択肢も復活。折角のマルタ。お勉強はいつでも何処でもできるが、マルタにはそうそう来る機会は無い。ここは、出かけて色々見聞を広めよう。そうと決まったら何処へ行こう。予定通りコミノ。でも今からだと午後になってしまうかも。午後は混むし、海も濁ってしまいがちと聞いている。それに雨は止んでいるが、お天気は曇り。折角のブルーラグーンがブルーでなくなっているかも。では、明日の予定のゴゾ島(Gozo Island)観光は?ゴゾは早朝に出かけてホップオンホップオフバスで終日掛けてじっくり巡りたい。なら、昨日学校の事務室で買ったマルタ本島のサウスルートのホップオンホップオフバスはどうだろう。ここで見たいのは、スリーシティーズ(Three Cities)、マルシャスロック(Marsaxlokk)の港、ブルーグロット(Blue Grotto)だけだ後はオープンエアの2階席でマルタの風を感じながら景色を眺めて走りたい。なら、今からでも十分だ。そのプランに決まった。そうと決まったら行動あるのみ。シャワー、朝食、髭剃り、お出掛け準備。 -
サウスルートは一番近くの乗り場はバレッタ(Valletta)のようだ。バレッタの乗り場は3箇所。始発のウォーターフロント(Waterfront Terminus)と先日トイレを教えてもらったマルタエクスペリエンス(Malta Experience & Frot St.Elmo)前、そしてシティーセンター(City Center)前。バレッタのバスターミナルからはシティセンターが一番近そうだが、やっぱ、始発から乗るのが良いだろうと思い、ウォーターフロントに決定。
ここでホップオンホップオフバスについて少し説明しておいた方が良いですよね。えっもう説明済みだっけ?ま、いいか。覚えてる人はいないだろうから。もう一度、おさらい。ホップオンホップオフバスはザックリ言ってしまうと、ロンドンバスの2階の屋根がないバスで、マルタでは、3つのルートを走っています。マルタでは、というのはこのバス、インターナショナルにさまざまな都市を走っているようです。
ロンドンとかシドニーとかバンクーバーとか、イギリスがオリジナルのようなので、主にブリティッシュコモンウェルスの国々で走っているのかも。anyway、マルタでは2社のバスが走っていて、共にルートは同じだ。まずは、今日これから乗るサウスルート。マルタ本島の南西側、バレッタ発で直ぐお隣の古のスリーシティーズ、人気の漁師町マルサシュロック、ダイナミックな岩の門と青い海を小舟で巡るブルーグロット、後は、いくつかの遺跡を巡って、バレッタに戻る。で、また、同じコースを繰り返し巡回する。乗客はどこで乗っても(ホップオン)、どこで降りても(ホップオフ)、自由で、一度専用のチケットを買えば一日中乗り降りし放題。同じコースを数台のバスが走ってっているので、30分位の間隔で次のバスが来る。なので、ちょっと気になった所で降りて、好きな時間観光して次のバスで次の目的地に向かうことができる。
次に、ノースルート、これもマルタ本島を巡るのだが、島の北東部、マルタ初日に間違えて乗ってしまったバスの行き先だった、島の北部のリゾート、ブッギバ(Bugibba)が始発で、サンジュリアン(St. Julians)、メディナ(Mdina)などを巡る。
そしてもう一つはゴゾ島ルート。これについてはゴゾ島観光の巻で、おさらいしますね。 -
ということで、今日はバレッタのウォーターフロント発のサウスルートに乗る。って、毎度のバレッタのバスターミナルに着いたが、ウォーターフロントの行き方がわからない。宿舎を出る前に、ガイドブックで確認したはずなのに、大体の方向はわかるものの、実際に来てみると微妙に道の数が違っていたり、方向が違っていたり、あれ、この道が、ガイドブックに書かれていた道なのかな~?で、聞いてしまったほうが確かなので、キオスクにたむろしている、マルタバス(マルタ・パブリック・トランスポート)の関係者らしき人たちに聞いてみる。それにしても、ここに来るたびに、あの人たちキオスクにいつもたむろしてるな~。マルチーズワーキングスタイル?
あそこにオベリスクが見えるだろ。そっちに向かってしばらく行くと右に折れて下る道に出るから、道なりに坂を下って行くとウォーターフロントだよ。でも、今日は祝日だから、お店お休みだよ。良いんです。ホップオンホップオフバスに乗るんで、乗り場に行きたいんです。あ、だったら、すぐそこのシティーセンターのところにも乗り場、あるよ。
ありがとう。でも、始発から乗りたいんで。相変わらず、態度は塩対応なのに、お願いにしたことに対するホスピタリティは神対応だ。ツンデレはマルチーズ気質なのかも。
教えてもらった道を歩いていると、ホップオンホップオフバスが私を抜かして行く。言われた通りシティーセンターに行っていればあれに乗れたのかも、でも、乗りたい2階のオープンエアの席はいっぱいみたいだったし、ここはやっぱり、始発からで正解。ヘアピンカーブを曲がると海沿いの道となり、ウォーターフロントらしくなってきた。しばらくいくと2台のホップオンホップオフバスが停車しているのが見えてきた。さすが始発、出発時間までまだあるので2階席にはまだ2、3人しか座っていない。しかし、ここでジジイの性(さが)、尿意が!確実に乗る前に排泄しておかないと危険だ!バスの脇で受付してるおっさんにこの近くにトイレがあるか聞いた。オッサンは暫く考えて、一番近いのは上の公園の公衆トイレだね。あの右側の建物の脇を入ったところにエレベーターがあるからそれで上まで上がると公園があるからそこに公衆トイレがあるよ。サンクス。お礼を言って言われた方に向かう。右手の建物にトンネルの入り口みたいなところがあり上にバラッカリフト(Barrakka Lift)と書いてある。そこを潜って進むと、バレッタ城壁がすぐ間近に。60mはあるだろうか。見上げるほどだ。エレベーターの側に小洒落たオヤジが立っていて、1ユーロです。そこの自販機でチケット買ってください。この人、ボランティア?まさか、これだけがお仕事じゃないよね。自販機あるし。
エレベーターは見上げるほどの高さのバレッタの城壁に沿ってガラス張りの近代的なエレベータータワーが立っていて城壁とは遥かに上で渡り廊下で繋がっている。中世の石造りの城壁と現代の鉄骨とガラス張りのエレベータータワー。この相入れない2つの建造物のコラボレーションは嫌いじゃない。世界遺産の城壁を傷つけることなく観光の利便性を高めたい。そうした相反する要求を満たすための苦肉の策だったのだろうけど、返ってそれが、不調和の調和を生み出す結果となったのだと想像する。エレベーターには私と老夫婦の2組。エレベーターは野球のホームベースのように5角形で前面の2面が三角形のように突き出ていてその2面がガラス張りで景色が見えるようになっている。上昇すると対岸のスリーシティーズや手前のグランドハーバー(Grand Harbour)、そして先ほどのホップオンホップオフバスのすぐそばの港に停泊している豪華客船も見えてきた。30秒ほどで頂上へ。渡り廊下を渡ると、もう何度か来ているアッパーバラッカ公園(Upper Barrakka Garden)のテラスだった。ここに繋がっていたのか。これまでこのテラスには公園側から来たことがあったが、こんなところにエレベーターがあったなんて初めて知った。テラスは人で溢れていた。アッパーバラッカガーデン 広場・公園
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皆んなテラスの欄干から下のサルーティングバッテリー:The Saluting Battery(祝砲隊)の広場を見下ろしている。人が幾重にも重なっているのでちゃんと見れなかったが、下の広場では何がしかのセレモニーが執り行われているようで下にも大勢の人が集まり、彼らに向かって誰かが演説していた。そして、海に向かって並んでいる大砲が放たれる。
The Saluting Battery 博物館・美術館・ギャラリー
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いかんいかん。のんびり見ている場合ではなかった。用を足してまたエレベーターへ。此処(公園側のエレベータ乗り場)にはチケットの自販機や見張りのオヤジはいない。今度は小さな子供を2人連れた家族と乗合に。地上に着くと出口は入り口とは反対方向にゲートがあってそこには人がいない。登って降りて来る人は良いけど、帰りだけエレベーターを利用しようと思えばただで乗れちゃうじゃん。結構アバウト。このゆるさ、好きだわ~。
The Saluting Battery 博物館・美術館・ギャラリー
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急いで、バス乗り場へ。間に合った~。さっきのオヤジにお礼を言って、学校で買ったチケットを見せて、いざ、バスに乗り込む。2階のオープンデッキへ。まだ、空いていた。左右に2列づつ青いプラスチック製の椅子が並んでいる。右側の外側に陣取る。バスはいざ乗り込んでみると結構年季が入っている。錆びて塗装が所々落ちている状態で赤く上塗りしている感じ。きっと長年走って来たロンドンバスを買い取りルーフトップに加工して、リノベーションしてんだろうな。バスの側面にはちょうど頭の高さくらいに、安全のためか、銀色の金属のパイプがぐるりと渡されている。壁面には音声観光ガイドのイヤホンジャックがあって言語選択ボタンとボリュームコントロールが付いている。日本語も含め結構な数の言語に対応している。ポーランド語もある。これ、いろんな言語を切り替えてみるのも楽しいかも。此処で、イヤホンとWIFIのパスワードをゲットしていないことに気づき、下の運転手の元に。すると階段の登り口にパスワードが張り出されていた。また、イヤホンも藁のバスケットに沢山積まれていた。一つもらって、上に戻る。言語選択はもちろん英語。WIFI設定もうまく行った。カメラ、ビデオの準備をして、出発準備は整った。
12:00PM。いよいよ出発だ。走り出すと風が気持ちいい。ウォーターフロント脇の建物の色とりどりのマルチーズバルコニーが流れて行く。これまで歩いて見てきた目線より大分高いところからの景色はとても新鮮だ。乗客の皆さんの髪も風に泳いでいる。ブロンド、黒髪、赤毛色々な色の髪が靡いている。様々な人種が一つのバスに乗り合わせて美しい風景を堪能している。美しい風景を愛でる感動は万国共通、人種問わず。今、その感動をこのバスに乗り合わせた全員が共有している。一期一会を大切にせねば。と、訳のわからんことを思いつつ、バスは走る。 -
やがて、バスはスリーシティズに入る。セングリア:Senglea(旧イスラ:Isla)、ビットリオーザ:Vittoriosa(旧ビルグ:Birgu)、コスピークア:Cospicua 。此処はとても地理的に面白い形状をしている。湾というか港というかが、深く陸地に切り込んだ地形、細長い半島が3つ湾を挟んで連なっている。その一つ一つの形はまるでバレッタのミニチュア版のよう。位置的にはバレッタ南側面(ちょうど先程出発したウォーターフロントのあたり)に垂直方向に3本の矢が正に突き刺さろうとしている。そんな感じの位置関係だ。
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バスがビットリオーザに入ると、目の前に数え切れないほどのヨットとクルーザーが見えてきた。どれもゴージャス。ビットリオーザ・ヨット・マリーナ(Vittoriosa Yacht Marina)だ。
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マリーナ越しに対岸のセングリアの美しい家並みと勝利の女神教会(Our Lady of Victories Church)の3つの特徴的な鐘楼とドームが絵画の世界に紛れ込んだような、現実離れした美しさだ。あまりの美しさに、予定していなかったが、まず、此処で途中下車することに急遽決定。次のバスが13:05だから40分程度観光できる。取り敢えずこの場の美しい風景を堪能しよう。しばし、マリーナのベンチに腰掛けて景色を愛でる。正面には、マリーナ越しのセングリアの街並み、その奧には勝利の女神教会の中央のドームとその両端の2つの鐘楼がレジデンス越しに頭を見せてくれている。そして、右手に目をやればセングリアとこちら岸の聖アンジェロ砦の合間に見えるヴァレッタの城壁。左手には 無原罪の御宿り教会(Immaculate Conception church )の尖塔と連なる丘。そして、後ろには、荘厳なセントローレンス教会。360°絵になる風景。暫くここの景色を堪能して、マリーナに沿って歩いてみる。
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それにしてもゴージャスなヨットというかクルーザーばかりだ。中には漢字の船名のヨットもある。ゴージャスヨットの中でもとびきりゴージャスだ。オーナーファミリーだろうか、モデルのような正に絵に描いたようなセレブ感満載のファミリーがデッキのテーブルを囲んでランチしている。
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マリーナの岸側は中世のレジデンスをリノベーションした、オシャレなレストラン。野外席が人で埋まってる。皆んな幸せそうにランチを楽しんでいる。
そういえば昼時だ。腹減った~。でも、飯食ってる時間ね~。次のバスに乗らないと、後のスケジュールがこなせないんだなこれが。ここは我慢して、次のマルサシュロックで美味しい魚介を食おう。取り敢えずもう少し先まで行ってみよう。太鼓橋のような、というか、ベネチアのようなというか橋の部分が盛り上がっている橋を渡ると、辺りの様子は一変する。右前方に大きな城壁その内部への門のアプローチとしてかなり幅広いスロープが城壁の中ほどの門まで続いている。中世の騎士たちが馬や馬車で往き来したであろう絶妙な角度。スロープをてっぺんまで登って見た。 -
城壁にはアーチ型の門が口を開けていた。間近で見るとマルチーズライムストーンの上品な淡いハチミツ色がなんともうつくしい。特にアーチの周りの5角形の装飾は、まるで金沢のキメの細かい高級落雁のようだ(例えがいちいちジジイですな)。目を海の方に転じると、かなり高くまで登って来たので、視点が鳥瞰的になって、より美しさが実感できる。対岸のセングリアは河岸沿いの坂道が全て建物と一体化した石造りのアーケードになっていて、道路の傾斜に合わせて明かり取りのアーチ型の窓が斜めに連なっている。あー。あの中の道ってどうなってるんだろう。行ってみたい。右にはバレッタの城壁と街並み。さっきまでいたアッパーバラッカ公園とその下の祝砲隊広場が思いのほか近くに見える。砦の入り口を潜って見る。内部は薄暗く、左手に砦の内部につながる上りのスロープが続いていた。砦の中はそれなりに広そうだ。次のバスまでおよそ15分ちょっと今日は見ている時間がなさそうだ。またにしよう。スリーシティズは対岸のセングリアにも行ってみたいし、この聖アンジェロ砦も含めビットリオーザの街ももっと散策してみたい。1日かけて色々歩いてみたい場所だ。
元来た道をバス停まで引き返す。ビットリオーザウォーターフロントのバス停はマルタバス(MPT:Malta public Transport)のバス停ではなく、ホップオンホップオフバスの乗降場所だ。聖アンジェロ砦 建造物
-
ほかに観光トレインの停車場でもある。この観光トレイン、タイヤの着いた機関車と客車が4輌くらい連なったコテコテの観光アトラクションだが、マルタではなかなか侮れない。いくら湿気のない風が心地いマルタでも、炎天下の街中を長時間散策するのは、かなりしんどい。その点、この観光トレインは座りながらにして見所をバッチリ回ってくれるスピードも軽いジョギング程度のスピードなので、十分に景色を堪能できる。で、一通り見て回った上で、気に入ったところだけ後で自身で回れば良いのだ。次回は絶対に乗ろう。
バス停でやきもきすること約20分、15分遅れで次のバスがやって来た。私はここに定刻の5分前に着いたのだが、定刻になっても来なかったので、あの時刻表は単なる目安で、実はもう来て、行ってしまった後ではないかとか。実は乗車場は降車場とは違うところにあって、定刻通りに行ってしまったのではないかとか、心配していたのだ。そっか~。このバスもマルチーズタイムなのね~。でも、後半の方のバス停での遅れなら未だしも、始発から2つ目のバス停なのに、この遅れって。
バス2階席は満席のようだったが、ここで数人が降車したので、必然的に数人分の席が空いて、丁度座ることができた。バスはロータリーをぐるりと周りセントローレンス教会の前を通って元来た丘を駆け上がる。暫く市街地を走ると畑が目立つように。カントリーサイドはロータリー式の交差点が多く、あまり信号がない。これもヨーロッパの国の特徴だろうか。やがて、小高い丘から次の目的地マルサシュロックが見えてきた。バスは一気に丘を下って行く。風がだんだん冷たくなって来た。日差しもなく寒いくらいだ。 -
14:00マルサシュロック着。バス停は道から少し脇に入った広場のようなところだった。ここで、大半の乗客が降りた。
バス停のそばの防波堤に行って、360°見渡して見る。確かに、良く旅行誌やネットのマルタの紹介ページで見かける光景だ。ん~。でもどこか違う。カラフルじゃない。何が違うんだろう。そうだ。空の色、海の色。今日は空は一面どんよりとグレイで、海もそのせいか青くない。黒っぽい感じ。マルサシュロック湾 海岸・海
-
マルタ特有のカラフルで可愛らしい配色の漁船の数も心なしか少ないように思える。気を取り直して湾曲した海岸線を歩いて見る。この街は小さな湾を囲むように市街地が形成されているので、対岸に見える市街地の外れまで4、500mくらいしかない。海岸線には多くのレストランがテントを張って営業している。もう14時を過ぎているが、どの店も客でいっぱいだ。皆んな、美味しそうな魚介とワインを楽しんで談笑している。見ていると、道路を挟んで反対側に実際のお店があり、料理はそこから運ばれている。お腹は空いているはずなのに、不思議と空腹感がない。テントが途切れたあたりから折り返して、今度は道路を挟んで反対側のお店が連なる側の歩道を戻って見る。実はこちらの歩道にも各お店が野外席を設けていて、その脇をまたは、店によってはその間を歩行者用に通路として空けている。なんて自由なんだ。この開放的な雰囲気、好きだな~。そうこうするうちにマルサシュロックパリッシュ教会の入り口のところまで、昼食もとらないまま戻って来てしまった。結局、入り口角のCOSTA COFFEEで無性に飲みたかったキャラメルフラッペとスコーンを買って、テラス席で暫し休憩。ここのフラッペはインスタ映えしそうなコテコテ装飾系ではなく、スタバチックなまともなフラッペだった。そういえば、このCOSTA COFFEEて、今通っている英会話学校の先生がイギリス版のスタバだって言ってたっけ。イギリスにはいたるところにこのCOSTA COFFEEがあって、時々、無性に飲みなくなるって、マルタにも結構な数があるみたい、パーチビルのショッピングセンターにもあったし、バレッタにもあたよね。さすがイギリス連邦(British commonwells)。
COSTA COFFEEで今日のこれからのプランを確認しているうちに時間が来たので、バス停に戻ったら、今度は既にバスが来ていた。
天気のせいだろうか。バレッタやビットリオーザで満員だった車内はかなり空席が目立つ。
2階席に陣取ると、とうとう恐れていた雨がぱらついて来た。とは言っても、まだ、ポツリポツリという感じで2階席の乗客は誰も下に避難しようとしない。バスが走り出すと、先程歩いた海岸沿いの道をグルリと巡り、すぐに登りに、家々の間の道から湾の全景が見えて高みに登るごとに、視界が広がっていく。美しい。晴れた日に見たかったな~。
やかて、バスは大きな通りに。雨がだんだんと強く大粒になって来た。一人また一人と1階の車内に退避を始めた。今や残っているのは、先頭に陣取っている老夫婦と2つ前の席にいるブロンドのお姉ちゃん、そして、私だけになった。道は平坦になりバスは飛ばす。それもあって雨風が横殴りで容赦なく我々を襲う。皆んな濡れ鼠だ。何か此処まで来たら、皆んな意地になって留まっているように思える。私も下に避難する機会を失ってしまったような感じで、ひたすら、強烈な嵐の洗礼に耐えていた。寒い!昨日までとは打って変わってこの天気。何故か、みんなから奇声と笑い声が。笑わないとやってられない。暫く意地の?我慢比べが続いたが、雨風は益々強くなるばかり。堪らず、老父婦がリタイア、やっと取っ掛かりが出来た。私もそれに続いて車内へ、結果的にこの勝負?ブロンド美人の勝利に!?車内に戻った我々に拍手と歓声が。勇者の帰還だ~!ちょっと待って、本物の勇者はまだみんなのために上で戦っているよ。ワオ~!凄え~!我々全身びしょ濡れの負け犬は風邪を引かないように身体を拭かないと。ブルーグロットで機会があれば泳いでやろうと思っていた私は幸いなことにタオルをいくつか持って来ていた。老夫婦に持ってきたタオルを。ありがとう。ご親切に。でも、あなたが拭きなさい。いえいえ、何本かもって来ているので使ってください。
バスは次の目的地、ブルーグロット(青の洞門)に。一応降りてみよう。と、乗降口へ。一瞬外に出掛けたが、此処はそれこそ真下が海の崖なので、とんでもない雨風で、とても出られたもんじゃない。到底観光なんて騒ぎじゃない。渋々元の席に戻ると、いつのまにか本物の勇者が帰還していた。上では後ろ姿しか見れなかったが、ブロンドのロシア美人だった。勿論、取って置きのタオルを差し出して、貴方こそ真の勇者です。ありがとう。でも、流石に初志貫徹できなかったわ。寒過ぎ~。乗客中から歓声と拍手が上がった。何故か、車内に不思議な一体感が生まれている。これもこの嵐のお陰。思うような観光は出来なかったけど、この一期一会の方が価値がある。この旅行は人との繋がりを凄く感じてる。人との繋がりに国境はないんだな~。おまけに、バスに乗って嵐と格闘なんて滅多に出来ない希少な経験も出来たし、観光は次回以降のお楽しみ袋に入れられたしね。バスはあと何箇所かのバス停に停車したが、この嵐では誰も乗降する人はなく。バレッタまでバス内はパーティー状態。バレッタは、乗車したウォーターフロントよりもシティーセンターの方がMPT(マルタ公共交通:マルタバスです。)のターミナルに近いので、皆んなこちらで降車。運転手さんもバス停に乗車待ちの人がいなかったので、若干バス停よりターミナル寄りに停車してくれた。みんな旅の安全と再会を誓って解散。
バスを降りると物凄い雨風が容赦なく打ち付ける。雷鳴も聞こえてくる。更に状況が悪化しているようだ。ターミナルまでダッシュしたいが、サンダル、嵐、マルタストーンの歩道、とツルツル要素満載なので、迂闊に走ろうもんなら、すってんころりん確実状態なので、慎重に早足。ターミナルには、バス待ちの人が溢れていた。時間は未だ3時。帰りの時間には未だ早い時間だが、この嵐では観光どころではないと、皆んな、早めに引き揚げる。ターミナルには、ターミナル全体をカバーする固定の屋根は無く、A1~A15まであるバス停2、3箇所置きに配置されているキオスクのような売店に付属している簡易的な屋根があるのみ。当然、それぞれ売店の幅しか無いので多少縦長になっているのでバス待ちの人は少しはカバー出来るようにはなっているものの、流石に大人数はカバーしきれない。元々、雨よけというよりも日除けの意味が強いのだと思う。今、ネコバスのモデルと言われる旧マルタバスで有名なトリトンファウンテンロータリーは、今まさに、改修工事中で閉鎖されているので、きっと完成後はそちらにメインターミナルが移りパーマネントの屋根もできるのでは無いかと思う。(2018春にこの改修工事は完了したが、ターミナルは今のままだったようだ。)宿舎のあるスウィイ方面行きのバス停は一番遠くのA15。行ってみると案の定屋根から人が溢れている。私は万一に備えて折り畳み傘を持って来ていたので多少は濡れずに済んでいるが、屋根からあぶれている人でも傘をさしている人は少なく皆んなずぶ濡れでも平気そうだ。通勤電車並みの混雑になって来たが、隣にお婆さんがいて、必然的に私の傘の中に押されて入ってきた。お婆さんの方に傘を差し出すと。ありがとう。とお婆さん。それにしても、嵐はさらに激しさを増し、時折、稲妻と雷が轟音を立てるようになってきたが、誰も文句やネガティブなことは言わない。皆んな雨に濡れながらも肩寄せ合って談笑している。自然現象なんだから仕方ないでしょ。こういう寛容さ好きだな~。彼らにとっては当たり前のことなのかもしれないけど、辛抱できない私からしたら、偉いよね~。この寛容さを世界中の人たちが持てたらいいのにな~。
やがて、ルート16のバスが来た。やり~!こんな天気の日には宿舎のすぐ前まで行ってくれるこのバスは有り難い。まさに理想のバスが来てくれた。でもどういうわけか、我々が待っているA15ではなく、隣のA14に止まった。え~。そっちもあり~?慌てて移動16番目当ての人が結構いたようでバスの入り口に乗客が大挙押しかける。隣のお婆さんも16番に乗るらしいので、我々はまるで親子のようにアイアイ傘で乗車口に。皆んな並ばないので、入り口付近はごった返している。だが、不思議。なぜか混乱なく皆んな譲り合っている。お年寄り、赤ちゃん連れには特に優しい。混沌の中にも秩序と思いやり。なので我々、にわか親子、偽装親子?が乗降口に近ずくと、まるでモーゼの十戒が如く人混みが左右に割れ、乗降口に繋がる道が出来た。
スーパー?ターリンヤカードのお陰もあって、すんなり乗車、席にも座れた。バスは超満員、まさに通勤ラッシュ状態だが、皆んな此処でもにこやかに談笑している。やがて、バスが走り出すと激しい雨が屋根や窓を叩きつける。まだ3時半なのに、外は薄暗くどんよりとした雲が凄いスピードで流れて行く。海岸線の道路に差し掛かると、海は大荒れで、波しぶきの白い飛沫が歩道にまで上がっている。昨日までのお天気が嘘のようだ。
バスが宿舎前のアサンに着いた時には雨はまだ降っていたが大分小降りになって空も少し明るくなって来た。明日はゴゾ観光。晴れて欲しい~!マルサシュロック湾 海岸・海
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