2018/04/09 - 2018/04/09
872位(同エリア2152件中)
naoさん
兵庫県姫路市林田町は、慶長19年(1614年)の大阪冬の陣で、後に新宮藩主となる伯父の池田重利とともに功績をあげた建部政長が1万石の大名に取り立てられ、新たに林田藩を起こした陣屋町で、陣屋の南側に武家屋敷を配置し、鳥取から島根へ至る因幡街道(出雲街道)に沿って町人町を形成しています。
現在の林田町には、林田藩の歴史的な文化遺産で、兵庫県下に唯一現存する藩校「敬業館」が伝えられているほか、厨子二階建てに虫籠窓や千本格子をしつらえた旧大庄屋の三木家住宅やヤヱガキ酒造の長谷川家住宅の重厚な商家をはじめ、伝統的な町家が点在する町並みが続いています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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林田にやって来ました。
県道435号線に面して長大な長屋門を構えるこちらの豪邸は、この地方の大庄屋を務めていた三木家の住宅です。 -
播磨国英賀城主の三木氏を祖先とする三木家は、天正8年(1580年)の豊臣秀吉による播磨侵攻で落城した際の城主の弟、三木定通が林田村に移り住んだもので、江戸時代を通じて林田藩の大庄屋を務めました。
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建築年代が江戸時代初期と推定されている建物群は、大庄屋の建物では兵庫県下で最古の遺構だと言われています。
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平成10年に長屋門の解体から始まった保全工事は、可能な限り建築当初の建材を再利用して復元されたため、建物の工事が完了したのは平成20年で、平成22年から一般に公開されています。
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周囲を白漆喰塗の土塀で囲まれ広大な敷地には、主屋、長屋門、米蔵、内蔵、新蔵が配置されています。
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三木家住宅の南に広がる町並みにも・・・
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かつての茅葺屋根を鉄板で覆った建物が点在しています。
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こちらも土塀で囲まれた大きなお屋敷です。
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のどかな田園の中に、かつて茅葺屋根だった建物が隣り合っています。
良いタイミングで鳥が上空を横切って飛んで行きました。 -
かつて茅葺屋根だったどちらの建物の下屋が・・・
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本瓦葺きの屋根になっています。
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お屋敷の正面には長屋門が設けられています。
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葉桜の背後にも、かつて茅葺屋根だった建物が見えています。
では、県道435号線に戻ります。 -
こちらは三木家住宅のお向かいにある町家です。
この辺りには、かつて茅葺屋根だった町家がたくさん残っています。 -
姫路市の汚水桝の蓋。
亀甲模様の中央に市章を配したシンプルなデザインです。 -
こちらは寛政6年(1794年)に林田藩七代藩主建部政賢が創建した藩校「敬業館」です。
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創建当初は聖廟、講堂、練武場、文庫などの建物が併設されていたそうですが、現在はこの講堂のみが残されています。
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「敬業館」は、藩士の子弟のみならず町人にも入学が許され、身分の区別なく授業が行われていたと言われています。
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現在は姫路市立林田中学校の敷地になっている陣屋跡には、当時の町の様子を描いた貴重な絵図がレリーフとして設置されています。
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こちらの豪壮な建物は個人医院のお屋敷です。
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さすがにこれだけのお屋敷ですから、長屋門が設けられています。
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現在の医院の建物側から見た主屋の様子です。
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因幡街道に面して「段医院道」の道標も立てられています。
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近寄っても逃げもしない、とても人懐っこい猫ちゃんです。
カメラを向けると、じっとこちらを見てくれました。 -
因幡街道の町並みです。
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1階の下屋に幕板を下ろした町家です。
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キリッと眉を引き締めた鍾馗様。
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スピーカーが取り付けられた火の見櫓。
現在は火の見櫓というより、広報塔としての役割が主になっているようです。 -
かつて茅葺屋根だった町家です。
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棟飾りには細かな手仕事が施されています。
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虫籠窓のある町家です。
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全くそれらしい雰囲気を感じさせない自転車屋さんです。
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こちらの町家は、建築当初の木製建具がそのまま残されています。
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ガレージとして使われている町家。
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白漆喰塗の土塀のある町家では・・・
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土塀の屋根越しに石塔が見えています。
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幾重にも重なる屋根が架けられた町家です。
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主屋の部分には虫籠窓も見えています。
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因幡街道に清々しい新緑を見せる町家です。
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ひと際目を引くこちらの建物は、徳川第4代将軍家綱の時代の寛文6年(1666年)に創業したヤヱガキ酒造の蔵元、長谷川家のお屋敷です。
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長谷川家所蔵の家系図をひも解くと、何と、初代は藤原鎌足までさかのぼるそうで・・・
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鎌足から数えて33代目の子孫が酒造業と材木商を開いたのがヤヱガキ酒造の始まりだそうです。
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ちなみに社名の「ヤヱガキ」は、明治14年(1881年)に新たに生まれた酒の銘柄名「八重墻(やゑがき)」によるもので・・・
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この銘柄名は、出雲の国で八俣遠呂智(ヤマタノオロチ)を退治した建速須佐男命(たけはやすさのおのみこと)が詠んだ、『八雲たつ 出雲やゑがき つま隠みに やゑがきつくる そのやゑがきを』にちなんで名付けられたものだそうです。
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ヤヱガキ酒造では、中国山系に源を発する林田川の伏流水や酒米として名高い山田錦を使って、今も350年の伝統を守った手造りの美味しい日本酒を作り続けておられます。
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長谷川家のお向かいにある、丸窓が特徴的なこちらの建物も・・・
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ヤヱガキ酒造に関連する建物のようです。
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ヤヱガキ酒造の工場群です。
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浅黄色の土壁が特徴の町家です。
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趣きのある千本格子を残し点在して改修された町家です。
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名栗加工の駒寄をめぐらせた町家です。
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駒寄の内側には、伝統的な千本格子や出格子を見ることができます。
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因幡街道の町並みです。
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廃屋と化してしまったかつての茅葺屋根の町家が、寂しげに佇んでいます。
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廃屋の先の分岐点には、「たつの」などの文字が読み取れる道標が立っています。
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林田の町並みの外れに立っている石標に別れを告げて、家路に着きます。
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