2018/01/20 - 2018/01/20
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Weiwojingさん
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久しぶりに長崎に出掛けた。長崎に来たら、かねてから訪ねてみたいと思っていた遠藤周作の小説『沈黙』の舞台となった外海 (そとめ)へ行ってみた。
ここは交通が大変不便で、長崎からバスで1時間半ほどかかり、バスの便は直通バスは2時間に1本、途中乗り換え便で1時間に1本程度しか走っていない。まさにやっと辿り着っいたといった具合である。
最初に訪れた遠藤周作記念館から出津 (しず)文化村まではバスの便が良くなく、すでに出た後であった。次の便まで1時間は待たなけれなならない。そこで歩いてみた。30分くらい歩いた。出津文化村では同じく徒歩しか方法がなかったので、ずっと歩き通した。
ここはフランスからやって来たカトリック教会のド・ロ神父が長いこと宣教を続けると共に村の人々に様々な生活の手段を教え、自立できるよう援助したところである。
- 旅行の満足度
- 5.0
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長崎駅前からバスに乗り外海に向かった。1時間半位走ると、突如海が見えてきた。ここは黒崎海岸である。
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バスは海がよく見える高台を走り、海沿いの道にはわずかな集落があり、そこには人家が連なっていた。かつてはキリシタンが潜伏していた集落だったのだろうか。山陰に隠れるように家々がある。
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道沿いにはあちこちでスイセンが咲いていた。この辺は一足早くすぐ春がやって来たものと思われる。
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バスを道の駅「夕陽が丘そとめ」で降りた。ここに来るまではあまり観光客の姿を見かけなかったが、この道の駅に来たら車がたくさん停めてあり、かなりの人がいたのには驚いた。
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道の駅前の広場で人なっこいネコが近づいて来た。小生の足元に座り、しばらくじっとこちらを見ている。
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アンテナにトンビが止まり、ピーピーという独特な声で鳴いていた。他にも空を飛び回る仲間がいた。この鳥を見たのは初めてである。
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ここで降りたのは「遠藤周作文学記念館」があるからである。今回是非とも訪ねてみたいと思ったところである。
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先ずは記念館の写真を撮った。それから中に入る。
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エントランスホールのステンドグラスが美しい。
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かつての周作の書斎を再現しているコーナーがある。長いこと彼はこのデスクで様々な作品を完成させたのである。
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海外で出版された作品の一部が紹介されている。
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これらも周作の『沈黙』を紹介している海外の新聞や評論で、大きな評判を呼んだことが窺える。
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マザー・テレサがかって周作に送ったメッセージが日本語に訳され紹介されている。
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遠藤周作の生涯をたどった展示室 1。彼の生い立ちから死に至るまでの過程が詳細に書かれている。
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周作の文学と長崎をテーマにした展示室Ⅱ。
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生涯にわたる文学活動が詳しく紹介されている。
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遠藤文学の長崎県での足跡を紹介した資料がある。まだほんの一部しか訪れていないので、今後訪れてみたいと思う。
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見学を終えて、外に出てみた。記念館の外には穏やかな外海を見渡すことが出来る。
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記念館から出津文化村を目指した。バスで行くつもりであったが、ところがバスの便が極端に悪く、1時間くらい待たなければならなかった。やもう得ず歩くことにした。海沿いの道を30分以上歩いただろうか。やっと文化村に着いた。先ずは「外海歴史民俗資料館」へ行った。
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ここには外海の先人たちの遺産や暮らしぶりまたキリシタン関係の豊富な資料が展示されていて、先ずは1階の外海の生活用具や民間資料の展示を見て回った。
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昔の生活の様子が再現されている。
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海との関わりを示す道具類が数多く紹介されており、昔から漁業の盛んな土地であることを示している。
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漁をする上での船や魚篭など様々なものを見ることが出来る。
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これまで草鞋(わらじ)を見たことはあったが、こんなに間近でみるのは初めてである。
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2階に上がってみた。ここには切支丹関係の資料が多く展示されていて、初めて目にするようなものばかりであった。
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この博物館で展示されているキリシタン遺物は正に貴重で、一級品ばかりである。
これは「石彫 聖母子、預言者像」が描かれた(ほとんど確認できないが)祈祷用具の「聖龕(せいがん)」で、長方形のパネルを4枚続きにして蝶番でつないである。出津地区のキリシタンが伝承していたと伝えられている。 -
「十字架付きのコンタツ(ロザリオ)」
コンタツの珠は黒色の木製で、大珠6個、小珠は37個あり、前者には彫刻が施されている。十字架は真鍮製で、表にはINRI(ユダヤ人の王 ナザレのイエス)、裏には”SOVENIR DE LA MISSIN”(宣教の記念)の刻銘があるヨ―ロッパ製である。 -
「十字架付きのコンタツ(ロザリオ)」
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「聖母子像」
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「マリア観音像」
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「十字(クルス)観音像」
中国製で、清朝期(1636~1912) のものと推測される。 -
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「外海潜伏キリシタン文化資料館」のポスターがあったが、このような資料館があるのを初めて知った。訪れてみたいと思ったが、場所もわからず、時間もなく、今回は断念した。
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風見鶏が風になびいていた。
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ここは「憩いのパビリオン」という場所で、ド・ロ神父が所属したフランスのパリ外国宣教会の庭園に現存する建物や写真を参考に造られたものである。
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ド・ロ神父と子供の像がある。彼はこの地で長いこと村人のために宣教と自立のための手段として様々なことを教えた。
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ド・ロ神父の宣教届という文書が残されている。
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ド・ロ神父が中国から取り寄せたキリスト教関係文書。
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「旧出津救助院」を見学した。屋根に十字架が彫られている。
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「ゆうこう」という名前の果実が売れている。初めて見るものだ。
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2階に上がると、礼拝所になっていているが、かっては働いていた女性たちの寮であった。
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シスターが見学者にオルガンを弾いて、賛美歌をいくつか紹介してくれた。
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見学が終わり、そろそろ昼食でもとりたいと思ったが、全然食堂らしきものがなく、旧出津救護院のスタッフに尋ねところ、ヴォスロールというこの店を教えてくれた。しかし、この日は営業していないということであったが、特別にお願いしてランチを用意してくれた。
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この日はスパゲティしか用意できないとのことで、お任せすると、しばらくしてこのような料理が運ばれてきた。
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この地方で採れた「ゆうこう」を使った調味料を出してくれたが、どれもかなり辛かった。試しに、少しスパゲティに少しつけて食べてみた。
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飲み物にレモングラスティーを頼んでみた。畑から摘んでくると言われて、すぐこのようなものを用意してくれた。
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右側のまんじゅうをサービスしてくれた。
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出津教会
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教会の前にある高台から写真を撮ってみた。ド・ロ神父が建設に携わり、村人の協力で完成した。
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教会堂という西洋の建築に和の要素を取り入れた作りが随所に見られる。
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教会の内部は簡素な造りで、他の場所で見てた教会とはずいぶん異なる。
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祭壇の部分。
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マルコ・ ド・ロ神父像が教会の裏庭にあった。
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もう一人、ド・ロ神父像の隣に中村近藏の像があつた。彼はド・ロ神父の片腕として長年この教会で尽力された人物であった。
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教会の脇に信徒会館と書かれた木造の建物がある。
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教会の裏道を通ってキリスト教墓地へ行ってみた。
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徒歩10分くらいで、墓地に着いた。急な斜面に作られた墓地は、十字架やキリスト像が設けられていて、普通の墓地とはいささか異なる。
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ド・ロ神父の墓がある。彼はこの地で亡くなり、この墓地に埋葬された。
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大きな十字架像があった。
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朽ちかけた木の十字架が墓石の上に置かれている。
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外海の海に正に沈もうとしている夕陽はこれまでもこれからも変わることない。この地の人々を見守り、慰め、励ましてきた。
この地を訪れて、人々が持ち続けてきたキリシタンの信仰は今や風前の灯となり、形骸化しているのに気が付いた。しかし、その影響はわずかながらもあちこちで見ることが出来る。
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