2017/12/24 - 2017/12/24
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junxさん
BACC (バンコク・アート・アンド・カルチャー・センター = バンコク芸術文化センター) とクイーンズギャラリーを観てきた。
館内の写真が多いが、いちばん最後のほうに帰り道の街歩きのカットも何枚か入れてみた。飽きたら飛ばしてそちらを見てほしい。
類似スポット MOCA (バンコク現代美術館) については、別記事 https://4travel.jp/travelogue/11306290 をご覧いただきたい。
BACCはBTSシーロム線の終点ナショナル・スタジアム駅至近にある。スクンビット線との乗換駅で大きなショッピングエリアのひとつでもある隣のサイアム駅から歩いても、ものの10分程度。美術の企画展や音楽その他のイベントがメインのようだ。
いつもそうなのかはわからないが、私が訪れたときは全て無料で観ることができた。それなりに先鋭的なアートシーンをカバーしつつもオープンな雰囲気で、普通の人々にコンテンポラリーアートの世界に触れてもらいたいという意図が感じられる。もっとも、コンテンポラリーアートとは関係無さそうな王室メンバーの写真展を並行して開催しているところが、タイらしいところ。
ゆっくり観てもまだ日が高く、帰るには少し早い。そこでもう1箇所、シリキット王妃殿下美術館、通称「クイーンズギャラリー」にも脚を延ばしてみることに。場所はずっと王宮寄り、タノン・ラチャダムヌーンという大通りを挟んでマハカーン砦の反対側。民主記念碑が間近に見えるあたりだ。
こちらは入館料50THBを取るが、民間のアートギャラリーと同様にあまり知られていない作家の作品を展示し、かつ展示作品の販売も行う。これは若手作家の育成が第一の目的であるためで、優れた美術作品を来館者に見せることが主たる目的のいわゆる美術館とは少々趣が異なる。
5フロアあるうち1~4階が展示フロア。ただし私の訪問時に作品がまともに展示されていたのは4階だけで、1階から3階までは展示の準備作業中、しかも同じアーティストまたは同じグループの作品と思われる作品ばかりで見るべきものが少なかった。イベントで使われることもあるようだが、そうでなくてこの規模と内容なら、入館料は無料が妥当だろう。
コンテンポラリーアートが好きならBACCやMOCAはまずまず楽しめると思う。でも観光目的でバンコクを訪れる人に普段のクイーンズギャラリーはオススメできない。気に入った作品があれば購入したいという人でもなければ、時間の無駄だろう。といいつつ、私自身はあまり時間の無駄とは感じなかった。まあ予想の範囲内。
コンテンポラリーアートの層の厚みを感じられるとは到底言えないバンコクだが、それでも幾人かの注目に値するアーティストがいることは確かだし、若い世代を育成しようとする意志の表れを感じ取ることができた。こんな休日を過ごすのも楽しいものだ。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 交通手段
- 高速・路線バス 船 徒歩
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BACCのロケーションはパトゥムワン交差点の角という一等地。写真は3階ほどの高さのペデストリアンデッキからの眺めで大きく見えないが、実際はそれなりに大きな建物。
バンコク芸術文化センター 博物館・美術館・ギャラリー
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吹き抜けに沿って螺旋状の通路があり、その壁際も展示スペースになっている。
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プミポン前国王とシリキット王妃の次女シリントーン王女の写真展。
言語学の学位を持ち欧米言語や東南アジアの複数の古語に精通するほか、情報技術の進展への貢献からITプリンセスとも呼ばれる才媛だそうだ。 -
王室行事などの他は動植物や昆虫といった題材が多く、被写体を広角で正面から捉えた力強く素直な構図がお好みのようだ。
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1フロアのほとんどを占める展示で点数はかなり多い。写真撮影は原則自由で、作品をバックに記念写真を撮る人もいる。出展者も来館者も大らかだ。
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別のフロアでは、プミポン前国王ご自身の手になる写真展が開かれている。
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こちらも点数が多い。いわゆる作品ではなく、ほとんどはスナップの類だ。
前国王の威徳やその人柄を表すように、産業育成や公共の利益への思慮が伝わるものや、市井の人々の視線と交わりあう眼差しを感じさせるようなショットが多い。愛犬家だったそうで、王宮内で撮られた犬の微笑ましい写真もある。 -
メインの企画展「Early Years Project #2」。選ばれた10人の若いアーティストたちにそれぞれスペースを与えての展示で、彼らには先達の指導と資金が提供されるらしい。さらに2018年春には特に優れた2名を国際芸術研修基金に推すとも記されていた。
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学生や家族連れなどいろいろな人たちが訪れている。この手の展示にしては来場者が多い感じがする。
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Alisa Chunchue のインスタレーション作品 OVERDOSE。青白いライティングの一室を使った展示。
タイ語としての読み方に確信が持てないので、これ以降のアーティスト名は英文字表記を引き写す。(例えばchは英語におけるchの発音と同じではないはず。) -
手術台に横たわるのはアーティスト本人のようだ。
社会環境の激しい変化。その流れに合わせて生きようとする身体と時の関係。そうした考察に加えて、病気という状態についての個人的な体験が影響したという。 -
来場者は自由に動き回って観察することができる。
床に置かれた器具と薬品類から延びるチューブが不気味だ。来場者たちは何か怖いものを見るかのように、やや遠巻きに見ていた。 -
Kanich Khajohnsri の ARIA TRANS-FORM。
もとは個人に属しながらバンコクの公共の空間を無秩序に占有する「モノ」の展開と変化、それらが公共の景観に挿入されるありさまを作品として再構成したもの。
意図はわかるが、生身のバンコクはもっと乱雑で凄いことになっている気がしないでもない。 -
取っ散らかりついでに来館者の行く手をも阻もうと試みる。(笑)
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Suhaidee Sata の SYMBOLS OF VIOLENCE。
ココナッツ繊維で作られた銃列が中空にぶら下がり、あるいは壁から生えて来場者を狙う。 -
簡単に燃えてしまう素材を選ぶことで、武力による政治的混乱の収拾が虚しいものであることを示そうとする。最近の南部3県での事態を念頭に置いているという。
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Waret Khunacharoensap の作品 212301505579。
床に配置された何かの競技用らしいコートの断片と、糸電話を手に半袖の軍服を身に着けた一対の審判の像で構成されている。 -
スポーツとは心と体の健康を満たすためのものと誰もが思っているが、審判と空間に依存しているという事実に気づかない。ルール、規範、伝統といったものに縛られた現実世界の縮図こそスポーツであると、彼はこの作品で主張している。
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Yingyod Yenarkarn の I TRY TO MOVE FORWARD。
壁際のオブジェのほか、空中に吊るされたスピーカーや床に置かれた一連のラグマットから構成される。 -
この作品はアーティスト自身の兵役体験から生まれた。狭い空間でプライバシーを剥奪され決められた動作の繰り返しを強要される日々のなか、自由を得ようとあえぐ心理を再現したそうだ。
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Tanaphon Inthong のインスタレーション作品 I-D 1229900394905。
壁2面を含む大掛かりなスペースに展開されるモノに仕込まれたネオンサインや再生音から成る。 -
希望、家族、友人たち、そして芸術の目指すところ。そういった抽象的で曖昧とした記憶を表現する詩的で暗喩的な作品だという。
ビジュアルな要素がインスタ映えするのか、作品とともに写真に収まろうとする来場者が多い。 -
Jarasporn Chumsri の INSTREND。
油彩とそれらの制作シーンを切り取ったかのような一室から構成される。 -
作者はSNSを人々の体験領域を拡張する新たな仮想空間と捉え、とくにこの作品では映像という言語を通して視覚を媒介するインスタグラムにフォーカスしている。
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油彩は部屋の奥だけでなく手を触れることができる距離の壁にも展示されている。
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明らかに何人か飛ばしているが、私の興味に従った結果なのでご容赦いただきたい。
下階にはカフェや物販店に並んでガラス張りのスペースがいくつかあり、そこにも多数の作品が展示されている。 -
アーティスト名や作品名はほぼタイ語のみで記されていて、残念ながら把握不能だった。何も考えずに見て回る。
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作品を身に纏ってクルマの屋根に乗る写真が添えられている。そのアクションを含むインスタレーションということだろう。
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日常的なモノからことごとく機能を取り去ったオブジェの群れ。
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似た表現でも、こんなふうに光を使うとにわかにポップな印象を纏う。
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ちょっと場違いに見える具象的でグロテスクな作品もさりげなく混じっている。
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BACCからクイーンズギャラリーへと移動。都心の幹線は例によって激混みで身動きがとれない。ルートさえ合えば、サンセープ運河のエクスプレスボートが便利だ。
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パンファ橋で降りる。クルマとは違った風景が楽しめるのもボートの良いところ。
Mahatthai U-Thit Bridge 建造物
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クイーンズギャラリーはバンコク銀行内に併設されている。もともとは銀行が所有する建物だ。
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シリキット王妃の肖像画が飾られた1階フロア。ここも展示スペースなのだが、数点の作品(実質的にはひとつの作品)が床置きされているだけ。
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ひとまずエレベーターで4階まで上がってみた。フォーカスが来ていない失敗写真だが撮影時に気づかず、展示室全体はこれ1枚しか無かった。展示の様子のご参考まで。
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アーティスト名も作品名もタイ語なので特定できない。作品に振られた番号は部屋に置かれたカタログの価格表に対応している。
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部分。
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落ち着いたトーンが良いと思ったが、それもそのはず。
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天然素材だけで描かれている。
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現実の彩度を削ぎ落として柔らかな世界になった。とりたてて何ということもない風景画だけれども、心落ち着くものがある。
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タイの一面、それも今のバンコクを凝縮したような構成が気に入った。スマホの虚像が鏡越しに拡大している。
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安っぽいラインストーンとこれ見よがしの化粧は、今日を生き抜くための見せ掛けの姿。リアルでプライベートな暮らしは、その背後にある。
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1階から3階まで吹き抜けになっている。
2階、3階ともまともな展示は無いに等しく、何人かの関係者が作品を組み立てたり移動したりと作業中。1階の展示同様、VWビートルの車体パーツを組み合わせたシリーズのようだ。 -
これも同じシリーズに属する作品のようだが、ペイントされたロッカー箱が異彩を放つ。ペイントは裏側へと続く。
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クイーンズギャラリーには長居せず、日暮れまで気ままに散歩を楽しんだ。
バンコクの運河には美しい橋がいくつもある。ここはロップ運河。中華街のはずれ、電気街で知られるバンモーの近くだ。 -
運河と旧い建物の美しい調和。強い西日の照り返しで白飛びしてしまった。バスはいつものようにドアが開けっ放しだ。
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チャオプラヤー河岸まで出てみた。ワットカラヤナミトルがシルエットになっている。
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ヨッピマン花市場にほど近い青果店で。25THBの小ぶりなやつが意外とおいしい。
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市場をとり囲む一辺に残る商家建築。歴史的な建物を目にすると、じっくりと観察してしまう癖がついてしまった。
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建物内部の柱もアーチを描いている。
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道の両側とも歴史的な建物だが、その片方はさらに2棟に分かれている。何と呼ぶのか知らないが、端部には立派な塔屋風の表壁を持つ一室が備わる。
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塔屋の装飾を見る。いつ頃のものだろうか。
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蔦が絡まるように渦を巻く造形は20世紀前半の建造物によく見られる。
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軒のアーチは実用性をほとんど顧みず、どう見ても装飾を主目的に作られている。花弁があしらわれた鎖状の梁など徹底的に凝ったデザインだ。
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フアランポーン駅まで中華街に沿った道を辿ることにした。激しい渋滞でバスもタクシーもどうせ役に立たない。屋台を冷かしながら歩くのも悪くない。
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安くておいしい屋台を探すコツのひとつはモーターサイのおじさんが立ち寄る店を選ぶこと、のような気がする。
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日が暮れると涼しいとさえ感じる季節。ふと見上げれば、紺碧の空に架かる三日月。
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フアランポーン駅を通りかかるといつも、用も無いのにホームに立ち寄ってみたくなる。
ファランポーン駅 (国鉄 ) 駅
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いちばん奥の特急ホームに今夜はなんと、イースタン&オリエンタル・エクスプレスが入線していた。シンガポールとバンコクを結ぶ豪華な国際列車だ。この列車のことは、またいずれ。
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