東京国際フォーラムでニッポンのお正月を楽しもう!~J-CULTURE FEST(後編)源氏物語の世界の行幸シーンの模型・吹抜屋台で見る寝殿造・国宝『源氏物語絵巻』立体具現&王朝料理~行幸の饗宴─平安時代のご馳走─
2018/01/03 - 2018/01/03
1991位(同エリア2886件中)
まみさん
2018年新春、東京国際フォーラムで元旦2日と3日限定で開催されていたイベントと展示の写真をまとめた旅行記の後編です。
ロビーギャラリーの展示は、実はこちら側から始まりだったようです。
もう見終わったかと思って帰ろうと思ったときに見つけて、見逃がさなくて本当によかったと思います!
だってこれまでの展示の中で、とりわけ私の好みの展示でしたから。
源氏物語の華やかな宴のシーンを再現した人形、吹き抜けで上から観察できた寝殿造、等身大の源氏物語人形たち、そして平安時代の食事@
<バレエ観劇の後に、知らずにやって来て思いがけず楽しめた東京国際フォーラムの無料のJ-CULTURE FEST「ニッポンのお正月を楽しもう!」の旅行記のシリーズ構成>
□(前編)宮廷文化・今昔物語~十二単の変遷・等身大宮廷装束・平安の色彩染料とかさね色目・大正御即位式模型&神社まで再現された日本の伝統文化勢揃いの正月テーマパーク
■(後編)源氏物語の世界の行幸シーンの模型・吹抜屋台で見る寝殿造・国宝『源氏物語絵巻』立体具現&王朝料理~行幸の饗宴─平安時代のご馳走─
「J-CULTURE FEST にっぽん・和心・初詣」公式サイト
http://j-cf.jp/2018/
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 私鉄
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
地下鉄有楽町駅側の東京国際フォーラムの入口
今回のJ-Culture Festの宣伝がありました! -
有楽町駅側の入口にあった正月テーマパークの写真
実は元旦より前にこの宣伝を目にしていましたが、ぴんと来ていませんでした。 -
ロビーギャラリーの展示のつづき
私は東京駅側からアクセスしたので、反対側から見学していたようです。
地下展示スペース(ホールE)の見学を終えて、さあ帰ろうと有楽町駅方面に向かったとき、ロビーギャラリーの展示には、まだ続きがあることに気付きました!
「『源氏物語』六條院1/4寝殿
『源氏物語』は今から遡ること千年前、平安時代に紫式部によって記された、54帖にわたる日本が誇る長編小説です。
このたびの展示では、数多くある場面の中から、源氏が35歳の8月に落成した邸宅・六條院を舞台とした「六條院行幸」の場面を1/4サイズの寝殿模型で具現します。
源氏を取り巻く複雑な人間模様が繰り広げられた六條院。展示では、紫の上が住まう春の御殿において催された冷泉帝の六條院行幸の場面を御覧いただきます。」
(公式サイトより引用)
http://j-cf.jp/2018/gallery/ -
ものすごく好みの模型だった六条院行幸の模型の解説
こういう模型の全体を撮るのは難しいですが、一部を切り取って写真を撮るのは大好きです!
それにズームして撮ったことで細部に気付くこともありますし、肉眼とは違う目線で見られるので楽しいです。
だからきりがないくらいです。
ただ、わたし的に惜しかったのは、建物にいる方々に見せるための宴のシーンなので、舞台の上の人形がみんな後ろ向きだったことと、女性の人形たちの半分は頭がなかったこと(笑)。
十二単の衣装部分だけでも十分様子が分かったし、それはそれで面白かったですけど。 -
源氏物語の登場人物の相関図
六條院行幸が行われた源氏39才の時点でのごく一部の人物相関図ですが、分かりやすいです。 -
ここで展開れていた行幸の演出・祝いの舞の説明
説明の一部がちょっと切れていることに気付かなくて、あしからず。 -
池の上の楽隊たち
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池で鴨狩り@
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奥の御殿には、遊興を楽しむ光源氏・冷泉帝・朱雀院
源氏の息子の夕霧や、親友の頭中将もいました。 -
御殿にいる登場人物たちの図解
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御殿の中は、向かって左が光源氏、中央が実は光源氏の息子の今上帝である冷泉帝、右が光源氏の兄の朱雀院
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光源氏たちのすぐ前で舞が披露されている
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その舞台の右脇
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舞台の左脇で控えていた舞人たち
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宴の方を眺めずに御簾の方を向いている公達たち
ほんとはちゃんと宴の方を見ていたと思いますけど~?
関心ある女房に会えるチャンスはなかなかないので、これ幸いと御簾越しのコミュニケーションを楽しんでいたのかしら。 -
公達たちが欄干に垂らしていた布の演出について
ふだんはあんなにカラフルだったり模様が入った華やかなものを下に重ね着していたわけではないようです。
宴の時だけに許された公達のおしゃれらしく「1日晴れ」。
そして、こちらは古典文学などでなじみがありましたが、女房たちが御簾の下からかさね色目を見せて演出する「打出」についての解説もありました。 -
御簾から十二単のすそがちらりと出たおしゃれなシーン
源氏物語や枕草子で知った、御簾から布が出ているシーンってこういうのかと、視覚的に改めて納得できました!
これを「打出」と呼ぶことは初めて知りました。 -
御簾の中から宴を見る女房たちの人形に頭がない!
はじめ、頭だけ御簾の外に出しているのかと思ってしまいました。
違いますよね@ -
宴とは関係なく、奥の部屋で読み物をしていた女房
源氏物語でも読んでいたのかもしれません。 -
吹き抜けで作られた模型なので、上から覗けるようになっていた@
2箇所から覗けるようになっていました。
「寝殿造 吹抜屋台
吹抜屋台とは、平安・鎌倉時代に描かれた絵画に見られる技法の一つです。室内を描写する時、視点を斜め上方に置き、天井を描かずに柱と襖、几帳などだけで室内をのぞき込むように表現したもので独特の発達を見た画面構成法です。『源氏物語』を描いた『源氏物語絵巻』にもこの技法が用いられています。
天井を描かない吹抜屋台の構図を、ここでは上空から見た寝殿造の様子を御覧いただきます。」
(公式サイトより引用)
http://j-cf.jp/2018/gallery/ -
上から眺めた寝殿造の一部・その1
模型のそばに足台が2カ所あって、上から見やすいようになっていました。
黒い格子の庇が開いている状態です。
「源氏物語絵巻」はまさにこのように吹き抜けの状態で描かれていて、本来なら見えない登場人物たちが見えるという手法になっています。 -
女房たちの食事シーン!?
次の解説を読むと、饗宴のときの食事のようです。 -
平安時代の食事の解説
朱塗りの台盤に食事が用意されているのが、饗宴のときの特別の振る舞われ方のようです。
ふだんはどうしてるのかな。 -
かさね色目の解説
源氏物語や枕草子によく出ているので、なじみがありますが、人形で視覚的に見られたのはすばらしかったです。 -
早春の紅梅を表した「梅かさね」
人形には頭がありませんが……というか、きっと台だけなのだと思いますが、頭部がない方が、かさねが分かりやすいです。
一番内側は群青色が見えています。 -
梅かさねの解説
実際に重ねられた色が並べられていて、分かりやすいです。 -
初夏の卯の花かさね(向かって左)と花橘かさね(右)
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卯の花かさねの解説
写真にあるような白い卯の花は私のお気に入りの花の1つです。 -
花橘かさねの解説
こちらは実の色も重ねたようです。 -
紅・紅葉かさね(くれない・もみじかさね)
間に青緑系の色合いが入っているところなど、紅葉の色あいを引き立てて、素敵です。 -
紅・紅葉かさねの解説
「満佐須計装束抄」という本に記載されているかさね色目のようですが、いわゆる手引き書みたいなものだったのかしら。 -
ロマンチックな雪の下かさね
かさねの下の色合いのおかげで、雪をイメージする1番上の着物の白さが引き立ちます! -
雪の下かさねの解説
雪の下に紅梅と新芽の色合いをイメージする色合いだなんて、さすがに平安の人たちは情緒に長けています! -
四季通用できる、松かさね
前編の旅行記に等身大の松かさねの衣装が並べられた写真を載せました。
赤いのは雌花の色のようです。 -
松かさねの解説
色の図解のところで、向かって一番左の一番下に着用する色が紅で、向かって一番右が蘇芳(すおう)色。
なんとも繊細な色の違いです。 -
幼い姫君に遊びながら文字を教えているシーン
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衣装をととのえている女房
かごの下に火鉢か何か入れてあって、布を暖めて、いわゆるアイロンがけをしているのかもしれません。 -
髪をすいているシーン
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着付けを手伝うシーン、あるいはこちらも髪をすいているシーンかな
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上から眺めた寝殿造の一部・その2
こちらからだと、庇が開いている様子も分かりやすいです。 -
等身大サイズで具現化された源氏物語のシーン
国宝とは!
他のシーンもあるのか、ふだんはいったいどこにあるのか、それも興味ガリア増す。
「国宝源氏物語絵巻 立体具現
『源氏物語絵巻』「柏木 一」の場面を等身大サイズで具現化します。
絵巻に描かれた二次元の平安王朝の世界を、調度品・装束を三次元で立体的に具現することで360度から『源氏物語絵巻』の世界を学んでいただく展示です。
装束の展示では、出産を終えた女三宮の白装束、仕える女房達は色彩豊かな十二単、視覚的に通過儀礼による装束の違いを御覧いただきます。
調度品は女三宮の背面に描かれた御帳台を実物大で再現、平安時代の天蓋付のベッドを御覧ください。」
(公式サイトより引用)
http://j-cf.jp/2018/gallery/ -
源氏物語の「柏木 一」の場面の主な登場人物の関係図
源氏物語を読んでいると、女三宮って、あまりにも深窓の令嬢として育てられたせいで、あまり考えなしで、うかつなお姫様と思っていましたが、大事に育てられすぎた22才といえばそんなものだろうと、この相関図を見ていて、改めて思いました。 -
女三宮に使える華やかな衣装の女房たち
写真だと、六條院の行幸の人形たちと大きさの違いは分かりませんが、これは等身大でした! -
出産を終えた女三宮が垣間見える
向かって左にいる白い衣装の男性は光源氏です。
その向かいには、女三宮の父の朱雀院もいました。 -
源氏物語「柏木 一」の立体再現の解説
まさにこの絵巻の絵のとおりに再現されていました! -
平安貴族の天蓋付きのベッドだった御帳台
中が見えるように帳(とばり)が巻き上げられていますが、就寝時には下ろされていたろうと思います。
前編の旅行記では、大正天皇の即位の礼の模型の写真を載せましたが、御帳台は後に天皇や皇后の御座台として象徴的なものになりました。 -
古典で馴染みの「几帳」の解説
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女三宮の白装束にみる平安時代の出産についての解説
この等身大の立体再現では、女三宮は出産後で体調が優れないので、出産時の白装束のままで、まわりの出産を手助けした女房たちは、白装束から通常の華やかな装束に着替えた後のようです。 -
女三宮と光る源氏と朱雀院の等身大の人形たち
不義の子を産んだ女三宮が、光源氏の冷たい態度に苦悩し、まだ22才の若さで出家を望んだりしたので、朱雀院があわててやってきたようです。 -
白い几帳と琴と屏風
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光源氏と朱雀院来訪のときに近くに控えていた女房たち
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実物大の牛車の展示もあり!
中には入れませんでしたが、コスチューム着想実演の人たちがそばに立って記念撮影をしていたりしました。
「実物大牛車
牛車は、牛に引かせた二輪車です。人が乗る車体の基部から前方へ2本の轅を伸ばし、その先につけられた軛を牛の首にかけて引かせます。
車体は前後が開いていて、後ろから乗って前から降ります。
『源平盛衰記』という軍記物語では、木曽の山中に生まれた木曽義仲が、都で牛車の乗り方・降り方の作法を間違ったため、京中の人々の笑い者になったという逸話が記されています。」
(公式サイトより引用)
http://j-cf.jp/2018/gallery/ -
牛車から十二単のすそを見せているところ
これもおっしゃれ~!
この衣装の方は、移動の間、もそもそ動くことはできなくて窮屈そうだなぁと思いましたが、牛車の中は4人乗りなので、たぶんあまり身動きできる余裕はなかったのだろうと思います。 -
牛車を横から眺めたところ
奥では、十二単の着付け体験が行われていました。 -
牛車の解説
最大4人まで乗ることができたことや、身分の上下による席順など、知りませんでした。興味深かったです! -
牛車の種類の解説
これによると展示されていたのは一番豪華な唐車だったようです。 -
王朝料理とか、昔のご馳走とか、興味津々!
それが口に合うかどうかは別として(笑)。
少なくともここに展示されていた平安時代のご馳走は、素材の味をそのまま生かした料理であり、味付けはしていないようなのです。
ただ、塩・酢・しょう油・酒につけて食べることができたなら、それで十分味がついて食べやすくなかったかしもれません。
「王朝料理 行幸の饗宴――平安時代のご馳走――
平安時代の食事は、素材の味をそのまま生かした料理が多く、味付けはしていませんでした。そのため、調味料である塩・酢・醤・酒につけて食べます。
ここでは、『類聚雑要抄』という平安末期に成立した故実書をもとにして、江戸時代に絵図に起こした『類聚雑要抄指図巻』から、保延3年(1137)9月、崇徳天皇が仁和寺法金剛院御所に行幸して競馬を御覧になった時の酒肴と御膳の献立を紹介します。」
(公式サイトより引用)
http://j-cf.jp/2018/gallery/ -
天皇の食事の芳から見渡したところ
やまもり、てんこもりです@
とはいえ、全部食べ切らなくて、残すこともあったでしょうね。 -
王朝料理・行幸の饗宴─平安時代の御馳走─の解説
日本人は伝統的に食事や料理についての関心が薄く、食事や料理について正面から述べた文学や史料がほとんどない、というのは、言われてみるとそうかも。
食べるということは原始的な本能に基づくものなので、おくゆかしさから、真っ正面からあまり見つめなかったのかもしれません。 -
天皇の御膳・その1:四種の菓子と巣・塩の模型
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「天皇の御膳・その1:四種の菓子と巣・塩」の解説
-
天皇の御膳・その2:四種の干物の模型
こちらに肉・魚類がありました。
アワビなんてすばらしい食材ですが、干物なんですね。 -
「天皇の御膳・その2:四種の干物」の解説
保存のため、干物なのでしょう。
いくら天皇でも、新鮮な肉や魚には縁がなさそうでした。 -
天皇の御膳・その3:酒と器
-
天皇の御膳その4:五種の酒肴の模型
いわば酒のつまみですね。 -
「天皇の御膳その4:五種の酒肴」の解説
こちらもすべて干物です。
タコも美味しそうだなぁと思ったのですが、生タコではなく干物のタコは食べたことがないです。 -
天皇の御膳その5:二種の酒肴と一種の菓子の模型
この生菓子は美味しそうです! -
「天皇の御膳・その5:二種の酒肴と一種の菓子」の解説
こちらは生アワビでした!
菓子の方は、生栗でした。生栗は食べたことがないです。 -
天皇の御膳その6:一種の酒肴と二種の菓子の模型
酒肴は、菓子との組み合わせで3種類ありましたが、全部出たわけではなく、選択肢が3つということかしら。 -
「天皇の御膳その6:一種の酒肴と二種の菓子」の解説
こちらのキジの肉も生ものです。 -
殿下の御膳その1:酒肴五種と酢・塩の模型
関白のごちそうは、四角い台盤で供されました。 -
「殿下の御膳その1:酒肴五種と酢・塩」の解説
天皇の膳と違って、箸は一組でした。 -
殿下の御膳その2:盛菓子六種の模型
これはなかなか美味しそうなものぞろいに見えました。 -
「殿下の御膳その2:盛菓子六種」の解説
お餅系のお菓子です。
味付けはどうだったのかしら。 -
「大臣の御膳その1:酒肴四種と酢・酒の模型
左大臣・右大臣・内大臣のための御膳です。 -
「大臣の御膳その1:酒肴四種と酢・酒」の解説
種類や数や盤への置きや器は違うけれど、中身は天皇のものとも殿下のものとも共通していました。 -
大臣の御膳その2:交果物(まぜくだもの)の模型
天皇や殿下と中身は同じでも、量はだいぶ違いました。 -
「大臣の御膳その2:交果物」の解説
3種類でちょっとずつですね。 -
上達部の御膳その1:酒肴四種
苦行の御膳で、1つの高杯にすべて盛ってありました。 -
「上達部(かんだちめ)の御膳その1:酒肴四種」の解説
天皇の御膳のあのてんこもりに比べると、ぐっと量が少ないです。
これではおなかいっぱいにならなかったのではないかと思います@ -
上達部(かんだちめ)の御膳その2:酒盃と堤(ひさげ)の模型
-
「上達部(かんだちめ)の御膳その2:酒盃と堤(ひさげ)」の解説
堤は天皇のものと違って柄は長くないです。手しゃくだからかな。 -
上達部(かんだちめ)の御膳から眺めたところ・その1
庶民の私の目から見ると、天皇の丸い台版よりも、四角い方が食べやすそうですし、1つの皿にいくつか盛った方が、彩り豊かで美味しそうに見えます@ -
上達部(かんだちめ)の御膳から見たところ・その2
これでほんとにおわりだと思ったのですが、あとで会場でもらったチラシを見てみたら、ガラス棟1階の東京駅側には、江戸城の模型や、ヨーロッパの城との比較や変遷などの解説の展示もあったようでした。
おわり。
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