2017/11/03 - 2017/11/11
100位(同エリア278件中)
クリスさん
4回目のスペイン。今回タラゴナ県には立ち寄らなかったが、仏領カタルーニャを含めたカタルーニャ地方のロマネスクの教会を訪ね歩く。
【旅程】--------------------------------------------------
11/3(金)~11/11(土) 7泊9日
1日目 羽田→バルセロナ(カルドナ泊)
2日目 アルティエス
3日目 フォア
4日目 アルジュレス=シュール=ラメール
5日目 アルジュレス=シュール=ラメール
6日目 ベサルー
7日目 ペラタリャーダ
8日目 ペラタリャーダ→バルセロナ→フランクフルト→羽田
9日目 帰国
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ヴァルスの村を管轄しているミルポア(Mirepoix)の町。前回旅行記のヴァルスからは12km東になる。町の東側にある市門から町中に入って行く。
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ミルポアの町は日本でいう所の条里制、井桁構造の街づくりになっている。
ミルポアという名の由来は「魚をみる」ミレは動詞「見る」でポアは「ポアソン」魚を意味する。町の紋章には魚の絵がはいってるが、町の周辺エ川(Hers-Vif)に魚が豊富だったという事からきた。 -
この日は、11月6日の月曜日。この町では毎月曜日に大きなマーケットが開催される。
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町の中心マルシェル=ルクレール広場(Place Maréchal Leclerc)。方形の広場を囲むように木組みの家並みが続き、開いた南側にはカテドラルが建っている。
木組みの家の一階部分はポルティコになっていて雨に濡れずに行き来が出来る。 -
屋台は広場にも、またポルティコに沿って出来ているので、周囲をキョロキョロしながら進んでいく。
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この日は寒波のせいで気温があがらなかった。この町の郵便局で絵葉書を日本に出したが、中にあった温度計で外気温が4℃。寒いねという言葉が聞き漏れてくる。
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中世都市の面影を残す木組みの家。この町はフランスの最も美しい村に選ばれても不思議ではないくらいだが、人口が3,000人以上になる。規定外(2,000人を上回らないという規定がある)なので選ばれていないのだ。
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広場の南側に見えるのはサン=モーリス=大聖堂(Cathédrale St Maurice)。16世紀のゴシック様式の聖堂である。
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この聖堂は驚くべきことに全体が1つのアーチ構造で出来ている。中柱がないのだ。
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大きな空間を要しステンドグラスからの採光により明るい内部空間が演出されている。
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パイプオルガンは南ドイツ製で19世紀の物で、オリジナルの状態が保たれている。設置されてから一度も修復されていないそうだ。
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12世紀のミルポアはカタリ派の巣窟だった。1209年に十字軍を率いるシモン・ド・モンフォールにより陥落。領主は追放されミルポアはシモン・ド・モンフォールの部下に与えられた。
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1279年エ川(Hers-Vif)の洪水により町は大きな被害を受け、その時にバスティードを参考に町の再建を行ったのでバスティード形状の町になったと説明文にある。
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広場に戻って、話を進めよう。
バスティードというのは12世紀から13世紀にかけ南西フランスに現れた防衛的な新都市の事である。 -
周辺の農村から住民を集め都市を築き、地方領主からの勝手な税徴収から住民を守るとともに、市場機能を活かし商業の活発化を行い国税の増収効果を狙ってトゥールーズ伯レイモン7世が考え出したとされている。
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ミルポアは、新都市とは違いそれ以前からの町なので都市形状といわれ区別されているようだ。
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いろいろ美味しそうな物がたくさん並んでいるよね。
さて、日本語でミルポアと検索すると料理用語が出て来る。17世紀ミルポア公爵であったガストンピエールという軍人の料理人が考案した野菜スープストックをミルポアと呼ぶようになったという。 -
美味しそうな揚げ物を見つけて一つ買ってみた。
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うっかり名前をメモるのを忘れてしまったので、何という名前かわからない。野菜のみじん切りを卵ベースで固めたオムレツのような物で美味しかったとだけ。
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こちらの屋台のチーズは試食させてもらって、あまりに美味しかったので土産として持ち帰った。
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さて、この町の見ものは木組みの家の軒送り。
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14,5世紀の家が多いが、こういった軒送りの彫刻はこの町ならでは。
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ロマネスクの人頭彫刻を思わせる作りだ。
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こちらはポルティコ内。
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柱の下支えの部分にも同様な彫刻がある。
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こんなポルティコの下でお茶を飲んだり。
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買い物したり。
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俺たちみんな見てるんだぜ、と思わせるような表情がなんとも言えないよね。
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惜しむらくは、石の柱頭彫刻と違って木製のもは差し替え修復が難しいので元の姿からの劣化を防ぎようがないという所かな。
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この旅行記へのコメント (4)
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- shinkaiさん 2017/12/14 01:42:32
- ミルポア
- ああ、やっとミルポアに到着! ここは先にちょっと拝見した時から良いなぁ!と思いました。
家並の造りも、木の梁が下から見えるポルティコも、木の梁が見える外側の壁も、軒の木の顔が並んだところも、とても素晴らしいですねぇ!!
真ん中に四角い広場があって、それの3方を家並が取り囲み、後は聖堂ですか、それも面白いですね。 それ以外にももちろん今は町が外にも広がっているのでしょうね?
市の賑わいも良いですねぇ! あれこれ眺め、ちょっと美味しそうなのを見つけて食べ、試食したチーズも美味しくて買われる、こんな楽しみが出来た町の様子は、拝見する方も楽しくなります。
教会の内部の大きなアーチも壮観! こういうのはロマネスクでなくとも見た価値がありますねぇ!!
こういう町は市の日も良いですが、平日の姿もゆっくり見てみたいものですね。
- クリスさん からの返信 2017/12/14 18:51:47
- RE: ミルポア
- ここは、宿泊をフォアにするかミルポアにするかで結構悩みました。
広場の全景は屋台が邪魔で、平日の方がいいでしょうね。
それと実は買い物が出来た町は今回ここだけだったんです。買いたい物があまりないという事もあるかもしれませんが、歳をとるとそういう志向も変わってくるかな。
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- マリアンヌさん 2017/12/12 04:36:45
- ミルポワ
- ここもオクシタニアで読んだ街ですね。
カタリ派がるシモン・ド・モンフォールによって陥落させられた地ですね。
大聖堂のアーチ構造が素敵です。
そして木組みの家と軒送りっていうんですか?素晴らしいです。
ノルマンディーなどでも木組みの家は見たことあるけどこんなのは無かった気がします。ホント柱頭のようで楽しいです。
貴重なものを見せて頂きありがとうございます。
マリアンヌ
- クリスさん からの返信 2017/12/12 18:06:11
- RE: ミルポワ
- ミルポア伯はモンセギュールに篭って最後まで戦った領主なんですよ。
普通バシリカ様式三廊構造のゴシック聖堂が多い中で、この構造を持ったのはこことジローナの大聖堂の2つだけなんですって! 見るまで私も知りませんでした。
木組みの家はドイツやイングランドでもいろいろ見てきましたが、とても変わってますよね。バスティード形状というのも良かったです。バスティードの町というのは見てみたいですね。
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