2017/07/07 - 2017/07/17
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ミズ旅撮る人さん
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2017年7月に、旧ユーゴスラヴィアの5か国を11日で周遊するツアーに参加しました。
第22回は、クロアチアの首都ザグレブの街歩きです。前編でイェラチッチ広場・ドラツ市場・衛兵交代を見て来ました。
後編では、聖母被昇天大聖堂・ロトゥルシュチャク塔・聖マルコ教会・石の門などを見て歩きます。
途中、老舗洋菓子店ヴィンツェクでケーキをいただいたり、世界一短い交通機関ウスピニャチャに乗ったりして、街歩きを満喫しました。
旧ユーゴスラヴィアの旅の最後です。丘の上のゴルニィ・グラード地区では去年のクリスマスに訪れた際に見つけた、最高のビュースポットを紹介します。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 交通手段
- 観光バス 徒歩 飛行機
- 航空会社
- カタール航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- クラブツーリズム
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聖母被昇天大聖堂(Katedrala)。この写真は2016年冬の物ですが、2017年夏と修復個所などは変わっていません。
左側にかつての城壁が残っています。この城壁に張り付くように小屋がありますが、これは無料の公衆トイレです。
この大聖堂前広場で衛兵交代が行われました。ザグレブ大聖堂 (聖母被昇天大聖堂) 寺院・教会
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かつてザグレブはグラデツ(現ゴルニィ・グラード)とカプトルという2つの町に分かれていました。
そのカプトルに1094年、司教座が置かれてすぐに大聖堂の建設は始まりました。 -
ゴシック様式の大聖堂の建築が進められていた13世紀末、タタール人がザグレブ近郊に侵攻しました。
そのため街を守る城壁の建設に重点が置かれ、大聖堂の完成は17世紀になりました。
その頃には、バロック様式に変わっており、数々の祭壇にバロック様式の特徴がよく見られます。 -
16世紀初頭にはオスマン・トルコ帝国の侵攻から街を守るために、ルネッサンス様式の城壁が建設されました。
現在、城壁は取り壊されそのほとんどが姿を消してしまいましたが、一部がここに残っています。 -
1880年に起きた地震に伴う大火災により、大聖堂を含めた街の大部分が大きな被害を受けました
ドイツ人建築家ヘルマン・ボレーがネオ・ゴシック建築で再建し、現在のように2つの塔をもつ姿となりました。
正面玄関の上部を飾る彫刻は、「聖母被昇天」の図で、聖母の上に描かれるイエスと神と思われます。 -
開園時間は、月~土 10:00~17:00 、 日・祝 13:00~17:00(ミサ中は見学不可)です。
衛兵交代を見たのが13時ちょっと前だったので、ちょうど良かったです。 -
19世紀の再建時は、建築資材や資金が不足していたため、尖塔に使われた資材は質の悪い砂岩でした。
その結果、数十年のうちに尖塔は劣化してしまいました。
20世紀後半になって、丈夫な石灰岩で新たに修復されることとなり、現在も修復作業が続けられています。
ここにかつての尖塔の一部を展示して、寄付を募っています。 -
主祭壇です。聖母子像の背後をぐるっと聖職者たちの座席が囲み、その上に見事なステンドグラスが飾られています。
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この主祭壇の主役は、実はこの聖母子像ではありません。だからなのか、随分とお粗末な聖母子像です。
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ザグレブの大司教であったアロイジエ・ステピナッツ(Alojzije Stepinac)の棺です。
第二次世界大戦後に戦争犯罪人の烙印を押され、軟禁されたまま死去しました。 -
その後クロアチアが独立した1991年以降、ステピナッツ大司教の有罪判決はクロアチア新政府により取り下げられ名誉が回復されました。現在は殉職者として人々の信仰を集めています。
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主祭壇を囲むステンドグラスです。
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中心の絵柄はもちろん「聖母被昇天」です。
聖母は人間なので、自ら昇天することは出来ません。イエスが迎えに来て昇天させるので「被昇天」となります。 -
ザグレブの大聖堂の主祭壇は、ステピナッツ大司教が安置される前は、どうだったんでしょうね。
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主祭壇の向かって左側の壁です。石材の模様もそのままの壁に直付けされた像。これは、結構気に入っています。
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右脇にある祭壇。聖母子像が安置されています。
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長い年月をかけて建てられた大聖堂は、装飾も多岐に亘ります。
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イエスのそばには、よく「INRI」と書かれています。
ラテン語表記「 Iesvs Nazarenvs Rex Ieudaeorvm」の頭文字を示したものが「INRI」です。
「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」という意味で、十字架に架けられた時のイエスの罪状書きです。 -
こうした小品もあります。
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こうして見ると聖母子像ばかりですね。
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聖母被昇天大聖堂になくてはならない絵は、正面玄関を入って、左側の壁にあります。
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その反対側には、「グラゴール文字」と呼ばれる“スラブ語圏最古”とされる文字が刻まれています。
現在ロシア語などで使用されているキリル文字の原型になったとされる文字です。 -
この大聖堂は、石像などよりもステンドグラスが秀逸です。
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色の鮮やかさ、多様さには脱帽です。
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天気のいい日で良かったです。
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縦に長いステンドグラスは、一番下に紋章や、由緒来歴を示した絵柄が配されています。
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文字は大抵ラテン語などで、内容を伺い知ることは出来ませんが、たまに名前らしきものが見えるので、注意して見ると思わぬ発見があるかもしれません。
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他の物とは、かなり違うので目に付くこの像は、主祭壇に向かって左側にあります。
ステピナッツ大司教とイエス・キリストを描いたレリーフで、クロアチアの彫刻家イヴァン・メシュトロヴィッチによる作品です。 -
珍しく聖「母」子ではありません。結構新しい感じがしますが・・・
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こちらの像は「八端十字架」を持っています。正教が礼拝する十字架で、8つの角を持つことからこう呼ばれます。
イエスが十字架に処せられた時に、同時に二人の罪人も裁かれました。
イエスから見て右側の罪人は悔い改めて、天国へ行き、左の罪人は罪を悔いることなく地獄へ行きました。
イエスはその両者の中央にあって天秤(量り)の役割を果たしたことを意味するため、十字架の下部に斜めに一本添えられているのです。
上の短い横棒は、「罪状書き」の札を表しています。先程の「INRI」です。
カトリックの教会に何故、正教の十字架なのかな? -
バロック様式の説教壇。
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こちらはすばらしく精巧な造りで、1880年の地震や火事にも耐えたと思われます。良かった。
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正面玄関の真上にあるパイプオルガン。
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大聖堂の見取り図です。
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大聖堂を出て、広場の交差点を渡ります。真っすぐ行くとドラツ市場、左手に下って行くとイェラチッチ広場に行きます。
イェラチッチ広場から北側は丘になっていて、かつてのグラデツ地区が一番高くなっています。
これから、そのグラデツ地区を目指します。 -
イェラチッチ広場に戻って来ました。ここから西に延びるイリツァ通りは、ザグレブのメインストリートです。
広場では、鳩に手乗りで餌をやっているおじさんがいました。 -
イリツァ通りです。青いトラムがやって来ます。ザグレブには欠かせない存在です。
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Primorska Banka 古い銀行の建物の玄関が凝っています。
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両端を挟まれて窮屈そうな2階建ての洋菓子店が老舗ヴィンツェク(Vincek)です。
ヴィンツェク (イリツァ通り店) スイーツ
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入ってすぐのショーウィンドウには、アイスクリームとケーキがずらっと並んでいます。
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店の奥には、喫茶コーナーがあります。ケーキを買う時に中で食べると言えば、お皿に載せて渡してくれます。
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割と大きめですが、甘さは控えめなので、楽に食べられます。
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持ち運ぶと倒れるのを見越してか、ケーキは倒した状態で渡されます。
向きが反対だったので、写真を180度回転させたら、なんだか妙な写真になりました。 -
ヴィンツェクのすぐ隣の道を入ると世界一短い公共交通機関と言われるウスピニャチャがあります。
右上にはロトゥルシュチャク塔が見えます。ウスピニャチャ その他の交通機関
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全長66mというケーブルカー。標高差30.5mを55秒で運行しています。
1890年運行開始当初は蒸気機関で動いていました。 -
ウスピニャチャの切符です。30分券や一日券などを持っているなら、トラムと共通券なので、そのまま乗れます。
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上の駅をでて、左は散歩道になっていて、ずっと行くと階段を下って、イリツァ通りに出られます。
ストロスマエル プロムナード 散歩・街歩き
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途中に階段があり、Art Parkに降りられます。幼稚園なのかと思った・・・
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ロトゥルシュチャク塔は、ウスピニャチャの斜め前にあります。城壁の一部として建てられました。
ロトルシュチャク塔 建造物
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ウスピニャチャの駅に向かって開いているインフォメーションセンターのドアを入ると、奥に受付があって、塔に上ることが出来ます。
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ただ、階段を上るだけでなく、こうした中世の雰囲気を持つ小部屋などを見学することが出来ます。
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3階部分には、大砲が置かれています。この大砲は、現役なんです。毎日正午に空砲を鳴らしています。
かなり大きな音がするということですが、今回11時からイェラチッチ広場近辺にいますが、わかりませんでした。
半年前にも来ましたが、聞いた覚えがないので、傍にいたらということなんでしょうね。
そばに日本語で説明書きがありました。「1876年、正午に大砲を発砲させて、市中の教会の鐘突きに時刻を知らせようということで、ザグレブ市は大砲を購入することを決めました。
1877年元旦に最初の一発が発砲されました。
はじめ大砲は、グリチ3番地の王立気象観測所の最上階に設置されていました。(中略)1914年、戦争が布告されてから、上部命令で大砲は使われなくなりました。(後略)」
この後も、歴代の大砲について説明されています。 -
ロトゥルシュチャク塔からの眺めです。東側を見ると、聖カタリーナ教会と、その後ろに聖母被昇天大聖堂が見えます。
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南東側を見ると、イリツァ通りとザグレブ・アイと呼ばれる展望台を持つ高層ビルが見えます。
日本人にはただのビルにしか見えませんが、ザグレブの旧市街唯一の16階建ての近代的ビルディングです。 -
南西側。こうしてみると、確かに旧市街だけでなく、新市街にも高層ビルはあまり見られません。
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北西側。遠くの山々と緑が一層のどかさを、いや増します。
グラデツと呼ばれた中世の街並みが広がっています。 -
北側。まっすぐに聖マルコ教会への道が続いています。
さあ、塔を降りて聖マルコ教会を目指しましょう。 -
ロトゥルシュチャク塔のそばにある聖カタリーナ教会。中には入れません。入り口からちょっと覗けるだけ。
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もし、クリスマスマーケットのシーズンに聖カタリーナ教会を訪れたなら、是非、右脇の鉄の門の中にお進みください。
先には広場があって、クリスマスマーケットが開かれています。マーケット自体は飲食中心ですが、お目当てはこの眺めです。 -
抱えて持って帰りたいようなスノードーム!
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最高の額縁が用意されています。
2016年のクリスマスマーケットの様子は、旅行記になっています。
「クロアチア・ザグレブのクリスマス1~3」でどうぞ。 -
聖マルコ教会へと続くCirilometodska通りにある聖シリル・メトディウス教会(Saint Cyril and Methodius)。
隣にナイーブ・アート美術館があります。 -
ナイーブ・アート美術館です。
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クラシックな車が走っていました。観光用?
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聖マルコ広場です。左(西)側には首相官邸があります。
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右(東)側には国会議事堂があります。
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首相官邸と国会議事堂の真ん中に、この聖マルコ教会はあります。
聖マルコ教会は、ロマネスク様式で建てられ、14世紀には礼拝堂とアーチがゴシック様式で建設され、19世紀末にヘルマン・ボレによりネオ・ゴシック式に改築されました。
屋根に描かれた二つの紋章が特徴です。向かって左がクロアチア・スラヴォニア・ダルマチア王国の紋章で、右がザグレブ市の紋章とガイドブックには書かれます。
しかし、正確にはグラデツの紋章です。グラデツの紋章の背景を赤から青にしたものがザグレブ市の紋章です
イェラチッチ広場にある電光掲示板に、青いザグレブ市の紋章があるので、比べてみてください。 -
西側に玄関はありますが、中に入ることは出来ません。
中には、クロアチアの有名な彫刻家イヴァン・メシュトロヴィッチの作品が飾られているそうです。
聖母被昇天大聖堂にあった像の作者です。 -
北側から見た聖マルコ教会の塔です。
ハンガリーの首都ブダペストにあるマーチャーシュ教会のジョルナイ焼のタイルで覆われた屋根を思い出しました。あちらはオレンジ色と緑が鮮やかでしたが、タイルの雰囲気は似ています。 -
石畳の坂道を降りて行くと、正面に建物が建っています。行き止まりかと思いますが、観光客がどんどん歩いて来ます。
建物の真ん中に通路があるようです。これが「石の門」です。かつては、城壁の門でした。石の門 史跡・遺跡
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「石の門」の前には、小説「宝石商の娘」の主人公ドラの像があります。
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「石の門」という名前ですが、通りは左に曲がっていて、曲がり角に礼拝所があります。
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1731年の火事で城門が焼け落ちた時にも、無傷で残ったそうです。以後、門は石で造られました。
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道を挟んで反対側には、礼拝する人のためのベンチがあります。
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道は直角に曲がって「石の門」を抜けます。ここからはグラデツの町の外になります。
中世の人々は、朝、ここから畑に向かい、夕方帰って来て、この門をくぐったのです。 -
「石の門」から坂道を少し下ると、花に囲まれた像があります。聖ユライ(ゲオルギウス)の騎馬像です。
騎馬像の背後を左に下る階段を降りて右に曲がるとラディチェヴァ(Radiceva)通りです。そのまま坂を下り切るとイェラチッチ広場に出ます。Estatua de S. Jorge モニュメント・記念碑
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ラディチェヴァ(Radiceva)通りを下って行きます。
ラディチェヴァ通り 散歩・街歩き
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半年前に来たばかりなので、勝手知ったるザグレブの町。路地の階段を抜けて行きます。
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「魔女の家(勝手に命名)」も健在。
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大好きな路地。また来たよ。
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ザグレブ市の紋章が入ったマンホールの蓋。
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イヴァナ・トカルチチェヴァ (Ivana Tkalcica)通り。飲食店が集まっています。
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ミニのグループが歩いて行きます。夏だなあ。
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ここに来れば、食いっぱぐれはなし。
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小さな広場に、マリヤ・ユリッチ・ザゴルカの像があります。クロアチア初の女性新聞記者・小説家。
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路地の先に聖母被昇天大聖堂が見えます。
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手前の地面に置かれたボードに描かれた風景も、この付近です。
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この道を歩いていたら、是非とも注目して欲しいのがこの卵。ザグレブのシンボルである赤いハートが描かれた春。
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こちらは冬。
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そして秋。銅像ばかりでなく、こういうモニュメントっていいなあ。
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聖マリア教会。その向こうはドラツ市場です。緑地に金のラインの目立つ塔を持つ教会です。
聖マリア教会 寺院・教会
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イェラチッチ広場に戻って来ました。
イェラチッチ総督の騎馬像 モニュメント・記念碑
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イェラチッチ広場に戻って来ました。集合時間まであと少しあったので、広場の近くにあるハーブ製品の店に行ってみました。
「アロマティカ」です。ナチュラルコスメというだけあって、店内には期待したようなハーブの香りはほとんどしません。
いくつかの製品の香りを試してみましたが、一般的に土産物屋で売っている様な強い香りの物はありませんでした。
ガイドブックには、日曜は20時まで営業と書かれていましたが、15時に閉店しました。 -
イェラチッチ広場に面した百貨店ミュラーにも行ってみましたが、こちらも15時閉店でした。
地下にある食品売り場でお土産を探していたら、突然「閉店」という声があちこちから挙がり、外に誘導されました。
日曜日に店が開いていても閉まるのは早いことが多いようです。バスはザグレブの町から空港に向かいます。 -
三色のクロアチアの旗と、青いザグレブ市の旗が交互に並んでいます。空港まではもうすぐです。
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ザグレブ空港(正式名称: Franjo Tudman / フラニョ・トゥジマン空港)。
2013年より建設が始められていた新ターミナルが2017年3月21日に完成。
今回完成した新ターミナルの広さは約65,000 ㎡、旧ターミナルの約4倍もの広さです。
去年、降り立った空港は、ターミナルの前は広い公園のような何もない場所でした。あまりに何もないので、呆気にとられたものでした。今度からはここに着くのですね。
旧ユーゴスラヴィア5か国の旅も終わりです。長い11日間でした。
結論から言って、前半が暑い国での旧市街散策、後半が涼しい国での自然堪能コースで、反対周りでなくて良かったです。
ただ、訪問国の数を増やしたいだけのために、無理に訪れた感のあるモンテネグロ、特に首都のポドゴリッツァは余計でした。
国境越えが時間が掛かってたいへんな国同士なので、なるべく訪問国は少なくした方がベストだと思います。
長らくお付き合いいただきありがとうございました。
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