2017年９月、日本代表の応援ツアーを利用してサウジアラビアへ③（6万人のアウェー戦）

2017/09/05 - 2017/09/06

９月５日はワールドカップ・アジア最終予選のサウジアラビア戦です。８月31日のオーストラリア戦で負けたり、引き分けていたら緊張感たっぷりの究極のアウェー戦となったところですが、豪州に完勝したことで６大会連続でＷ杯出場が決定。ある意味、気楽な気持ちで臨める一戦です。ということで、応援ツアーの人たちも基本的にリラックスムード。午後３時半の集合時間まで、思い思いに過ごします

日程は以下の通りです
９月３日　ＰＲ421　羽田→マニラ　　　　　
　　４日　ＰＲ662　マニラ→ジェッダ　　　旧市街など観光
　　５日★サウジアラビア代表vs日本代表戦（午後８時半キックオフ）　
　　６日　ＰＲ663　ジェッダ→マニラ　　　出発までモールなど観光
　　７日　ＰＲ424　マニラ→羽田　　　　　マニラでトランジット、観光

エリア ジェッダ(サウジアラビア)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 3.5
• グルメ: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 観光バス 徒歩
• 航空会社: フィリピン航空
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）

午前中は街めぐり。ホントはあまり暑くならないうちに出発しようと思っていたけれど、ぐずぐずしてしまい気が付けば９時半過ぎ。日も上がって外の気温はかなりのもの。外に出たとたんに眼鏡が曇ってしまう

とりあえず海岸沿いに歩いてみるか。どこまで行けるか分からないけど。左に見えるのはインターコンチネンタル・ジェッダ

インターコンチネンタル ジェッダ バイ IHG ホテル

何だか立派な建物。GAZZAZって何？　調べてみると、ジェッダを拠点とする高級デパートらしい。とはいえ、こんな時間では人影もありませんが

何のオブジェ。鷹狩りに使う鷹かな

当たり前だけど、こんな昼日中に歩いている人間なんて一人もいません

たまに出稼ぎ労働者と思しき人が水撒きやらの作業をしているのを見かけるくらい

幅広い道、遠くに見える高層ビル。サウジアラビアというよりフロリダあたりじゃないかと錯覚してしまいそう。んっ、巨大国旗が見えてきた

歩き始めて25分ほど、ビル越しに見える巨大国旗をちょっと拡大してみる

なんだかんだで巨大国旗が目の前に。ここまでホテルから35分ほど、2.5キロといったところだろうか。大した距離歩いてないはずだけど、Ｔシャツは汗でぐっしょり

道路越しにヤシの木を入れて

もう少し進んでみようか。ホントは前夜にバスの中から見た城壁まで行きたいけど、さすがに無理か。スマホの地図で確認してみるとまだ半分くらいしか歩いていない

入り江にかかる橋を渡って

振り返ってみると巨大国旗とちょっと面白い特徴的なビルが一つのフレームに納まっている。ところで何のビル？　ってグーグルマップで調べてみると、政府関係の庁舎らしい。もしかして撮影したらまずかった！　かな

さて橋を渡ってみると、落ち着いた感じの渋いモスクが

Mosque Mohammed Hassan Farsiというモスクらしい。反対側に回ってアップで撮れば良かったのだけれど、暑さで気力がだんだんなくなってきて……

正確な気温は分からないけれど、40度を超えていたんじゃないかな。乾燥した国での40度超は何度か経験あるけど、湿度の高い40度はかなりきついわ

ん、もしかして反対車線を走っているのは路線バスかな。歩き方に書いてあるオレンジと白ではないけれど。個人の旅だったら一度くらいバスに乗ったんだろうけど

ただ今10時30分過ぎ。ホテルを出てから45分か。12時に仕事でジェッダにきている会社の先輩と会う約束しているし、そろそろ戻るとしますか。海の生き物を描いたオブジェが何とも言えないな

荒れ地の向こうに高速道路が走る。建設中の建物はビジネス、それともマンション。膨大な原油を埋蔵するサウジ。原油価格が低迷しながらも建設ラッシュは続く。でも10年後、20年後は？　どうなっていくのだろうか

ときどきタクシーがクラクションを鳴らしてくる。乗らないかって。歩き始めて１時間弱。乗る気はないものの、さすがにバテたかも

この辺の空き地はそのうち再開発するのかな

このあたりだったっけ。一台のタクシーがドアを開けて水を渡そうとしてくれた。確かに相当汗かいてたけど（笑）

ヤシの木が生い茂りまるでリゾート沿いの道路のよう。アラビア語とモスクでサウジだと思い出す

本日対戦するサウジアラビア代表？　何て書いてあるのかな。アラビア語が分かる人教えて

ってことで、帰りはペースを上げて11時30分くらいにホテル着。急いでシャワーを浴びて着替え、旅行会社の車を借りて先輩が泊まっているホテルへ。しかし、周辺には目ぼしいレストランがないということで、再び海岸沿いに戻ってきたりして（笑）。紅海がまぶしい

さすがに正午前後では暑すぎて人通りはなし

お昼の礼拝時間と微妙に重なる時間帯。昼休みをとっているところが大半で食事処がみつからない（マックも昼休み中）。その中で見つけたのがクラウンプラザ内にあった日本食レストラン「SAKURA」。あまり海外で日本食って食べないけれど、目ぼしいところもない。サウジで日本食ってのも話のネタになるかってことで決定

クラウン プラザ ジェッダ バイ IHG ホテル

ランチのスタートは13時だったけれど、10分前に行ったら店内に入れてくれた。メニューはセットの弁当が8種ほどに丼ものなど単品もいくつか。弁当はだいたい115サウジリアル（3500円）といいお値段。まあ、サウジだし仕方ないか。味噌汁がスープ扱いでメインの前に出てくるのには違和感あるけど。そうそう、このレストランでは日本サッカー協会の方々も食事されてました

私が頼んだSAKURA　BENTO　Ｂ。刺身、天ぷら、照り焼きチキン、ツナサラダ、漬物、そばが盛られた弁当です。思いのほか、しっかりした日本食。ジェッダは港があるせいか、刺身も悪くない。量は半端なく、ちょっと食べきれない。あとエビアンのボトルが30リアル超と料理に比べてかなりの高額なのにはびっくり。ちなみに食事代は先輩におごっていただきました。ごちそうさまです

午後２時半ごろ、一度ホテルに戻って休息。で、3時半にロビーに集まって出発です。途中、早めの夕食に向かいます（試合開始が遅く、終了後ではレストランが開いていないとのこと）。で、食事をいただいた場所というのが先輩が泊まっていたAl Bustan Hotel。ここでもバイキングです

とはいえ、さすがにランチを食べ終えてから1時間ちょっとでは……。軽く味見と飲み物だけいただきます

試合のチケットはEチケットです。日本のサポーターは１区画でまとまっての観戦。一応指定席になってますが、区画の変更などもあって結局は自由席になりました。サウジアラビア側はそもそも席なんて気にしてない。観客は入口でチケットをもらい、ゲートを通過するとその場でチケットを捨てている。良い席は早い者勝ちってことみたい

ホテルのロビーに飾られた国王、皇太子の写真。左から現国王のサルマン、初代国王のイブン・サウード、そして右が国王の実子のムハンマド皇太子。この日のサウジアラビア戦は皇太子がチケットをすべて買い上げて無料です（日本のサポーター分も。本来は1200円ほどだったらしい）

ホテルからバスに乗って3,40分。スタジアムが見えてきた

午後５時25分、キング・アブドゥッラー・スポーツシティに到着。2014年完成のスタジアムは6万人超を収容する巨大なもの

サウジのサポーターも続々到着

一応、日本とサウジのサポーターの入場ゲートは分かれていますが、中に入ると導線が分かれてるってほどではなかったりして

ただいま午後5時43分、試合開始まで３時間近くある。駐車場もそれほど混んでないようだけど、続々とやってきそう

観客席の入りも３，4割ってとこかな。RUSSIA　2018かあ、サウジにとっては2006年ドイツ大会以来の出場がかかる。気合入るでしょう

日本のサポーターはこの区画に集合。ほかのツアーの方たちや在留日本人の人たちも集まってくる。在留日本人の方からは「サウジのお菓子」もいただきました

開始2時間前、だいぶ観客席も埋まってきました。しかし暑いわ、気温は30度を越え、湿度も80％くらいはありそうで……

午後6時40分、日本代表が一度ピッチへ。当然、ブーイングとなりますが

でも、ピッチとスタンドが近くて見やすい。こんだけ大規模でみ易いスタジアムって日本でもあまりない。しかし、暑いので売店でペプシを購入。確か８リアルだったような。まだ試合が始まっていないので特別な規制はないよう。ふだんは男性専用のスタジアムにも一部のトイレは女性専用に。ただ「女性がトイレに行くときは男性が付き添うようにしてください」との声にはびっくり。女性が一人で出歩く習慣がない国だからか。まあ、入り口までなんでしょうが

午後７時45分、代表が再び登場。豪州戦で予選突破を決めたこともあり、選手は大幅に入れ替え。本田や岡崎が先発です

サウジの選手登場には大歓声。サウジといえば、ドーハの悲劇で日本が出場を逃した1994年米国大会が印象的。初出場のサウジがアジア勢で2度目となる決勝トーナメント進出。何よりベルギー戦で5人抜きのスーパーゴールを決めたオワイランは衝撃的だった。あの時はアジア枠は2で本大会も24チームだった。それが2032年大会では48にまで拡大されるなんて

代表戦ならではの国歌演奏、気分が盛り上がる

ここまでの対戦成績は日本の８勝１分け３敗。印象深いのはトルシエが監督した時の４－１で完勝した試合かな。あと広島で開催されたアジアカップで１－０で勝って優勝したとき。さて13度目の対戦はどうなりますか

気温が32度を超える場合に設定される給水タイム。プレーしてる選手も大変です

何度か決定機があったものの、どこかちぐはぐなところもあって前半は０－０

63分、ノーマークのフハド・アルムワッラドに決められて失点。スタジアム全体が揺れるような歓声。しかも、すべてが野太い男の声だから迫力が半端ない。アウェーだ

日本のサポーターは……

本日の観衆は62165人。入場無料とはいえ、ごくわずかな日本人を除けばすべてサウジアラビア人（しかも男性のみ）。アウェー感は半端ない

終盤になるとお約束というか、露骨な時間稼ぎも。中東らしい

タイムアップ、反撃及ばず０－１

１２年ぶりのＷ杯出場を決めて歓喜に包まれるスタジアム。他国がＷ杯出場を決める場面を見るのは初めて。これも面白い体験かも。まあＷ杯出場をすでに決めていたからこそ、言えるんだけど

重要なのは来年の本大会、どれだけ今のチームから積み上げることができるか

試合終了直後は混乱を警戒して「日本のサポーターの方は着席していて下さい」と支持されていたものの、勝ったサウジのサポーターは上機嫌。危険はなさそう、ってことでサウジのサポーターに混じり退場です。「ロシア、ロシア、ロシア」って声をかけられるというか、絡まれるけどみな陽気。スマホで自撮りしたり、はしゃぎまくる

ライトアップされたスタジアムが美しい。このスタジアムは「The Jewele」（宝石）の愛称でも知られているそうです

実はバラバラでスタジアムから退場したもので集合に手間取った。まあ、それでも遅くならずに戻れたから良しとするか。もし日本が勝っていたら、サウジのサポーターがすべて帰るまで帰れなかっただろうし

テンションマックスの少年たち。そういえば、ほかのツアー参加者がバスの運転手に「おめでとう」って声をかけたら、「shit」ってかえってきたらしい。彼はインド出身だそうで「サウジは嫌い」って言ってたらしい。出稼ぎで中東（サウジアラビア）に来ている人たちの難しい立場を表しているようで複雑な気持ち。

6万人のアウェーに圧倒された翌朝、サウジを離れる日です。前夜はホテルの部屋に戻ると、部屋の掃除してなくてあんぐり。とりあえずシーツの交換だけはしてもらったけど。いい加減というか。で、ホテルの朝食バイキングはこんな感じ。パンの中にピタがあるのが中東らしいかな

前日に巡礼客の団体がチェックイン。ということで朝食会場にも多くの巡礼者が。だいたい巡礼を終えた人たちって、３，４日ジェッダを観光するらしい

きょうもメッカの様子をライブ中継中

サウジアラビア・リアル札。250リアルをキャッシングしたけど、ここまで使ったのは車代100とスタジアムで買ったコーラ代８のみ。初日に飲んだノンアルコールビール代は、ナシーフハウスに行かなかったこととチケット代が無料になったことの埋め合わせで旅行会社が払ってくれた（差額が大きいですけど）

さてマニラに戻るＰＲ６６３便は午後３時40分発。旧市街の観光は初日に終えたのでサウジ最終日はモール２つを巡ることに

まずやってきたのが近代的なレッドシーモール。オープンして間もないらしく、一部のテナントは開店準備中だったりします

エラフ ジェッダ ホテル レッド シー モール ホテル

で、近代的なショッピングモール。何か欲しいものはというと難しい。ってことで、お土産として買ったのが

スタバのマグカップ。35リアル（約1000円）

涼しげな噴水。まだ午前中なので人はまばらだけど

最上階はフードコート

このALBAIK、ジェッダで人気のファーストフードらしい。前日の試合までの自由時間、車をチャーターして異教徒が行ける限界までメッカに近づいたツアー参加者が是非ってことで立ち寄ったのが、ここらしい

でもって、より庶民的なモール・オブ・アラビアへ

といっても、特に買うものも見当たらず

スーパーで何かないかなと探してみるも、ＵＡＥ製だったり、クウェート製だったり。サウジ製のお菓子でもあればお土産にしてもいいのだけれど

この星のオブジェは少しイスラムらしいかな

男子トイレのマーク

さすがに最新のモール。トイレも清潔

で、モールを出た後でランチボックスとした渡されたのがALBAIKのチキンセット。チキン４ピース、ポテト少々にパン。これで一番小さいセットなんだとか。しかし、バスの中では食べにくいなあ

チキンだけでも量多すぎだろう、って突っ込みを入れたくなるところ。さらにフィッシュにポテトのおまけつき。さらにコーラなど炭酸、マンゴなどジュースにミネラルウォーターも。サウジの人ってどんな胃袋してんの！　何とか頑張って、チキンとフィッシュは食べたけど、さすがにポテトとパンは残してしまった。食いすぎ～！

空港着は午後１時少し前。十分余裕をもってチェックインですが、またも大量に荷物を預ける人が多くて時間がかかってふう。出国審査は特に問題なし

さて余ったサウジリアルを再両替しとかないと。結局、250リアルをキャッシングしたけどほとんど使わなかった。ロビーにも買いたいものない。8リアルでコーヒー飲んだくらい。そうそう、メッカの絵葉書とか写真集とかあれば買いたかったけど、そういうものもないし。が、両替所には細かい外貨なし。基本的にドルは20ドル、ユーロは50ユーロしかない。注意が必要です

さて15時10分テイクオフ。短い滞在でしたがサウジアラビアとお別れです

おまけ）
2018年1月から「アラビアの道－サウジアラビア王国の至宝」東京国立博物館の 表慶館で開催されているので、寄ってみました

展示品の撮影は自由でした。入り口で前3500～前2500年頃の人形石柱がお出迎え　

オアシス都市ダーダーンに栄えたリフヤーン王国の男性像。サウジの地にこんなものが残っていたとは意外。顔がなかったりしているのはイスラムの偶像崇拝排撃のため、それともそれ以前の戦争で破壊されたのでしょうか

ギリシアの影響が明らかなヘラクレス像（右上）やエジプトなどの影響がイシス＝テゥケー像（右下）。不毛な砂漠が国土の大部分を占めているけれど、オアシス都市は東西文化交流の重要な地域だったということが良く分かる

そしてイスラム教の時代へ。アラビア語の記念碑

９世紀、メッカで亡くなったアブドゥッラーの息子アッバースの墓碑

非イスラム教徒は足を踏み入れることができないメッカのカーバ神殿の扉。オスマントルコ時代の1635,36年に奉納されたものだとか

そしてカーバ神殿を覆うキスワ

こちらも非イスラム教徒は入場不可のメディナの預言者モスク、シリア扉のカーテン