2017/03/09 - 2017/03/23
849位(同エリア10342件中)
tadさん
ナショナル・ギャラリーの写真を振り返っている。というか、今年の3月に撮影して以来、ちゃんと見直していなかった。このところ、トピックごとにまとめているが、今回はボッティチェッリを取り上げたい。ロンドンにはコートールド美術館のボッティチェッリをやはりこの3月のロンドン訪問で撮影したものを旅行記で紹介した。それは、サヴォナローラ出現以後の神秘主義的な生真面目な作品で、いささか精細を欠く作品だと思った。
フィレンツェのウフィッツィ美術館の「春」と「ヴィ―ナスの誕生」を見た人なら大抵、ボッティチェッリは好きになるのではと思うくらい、あの作品の現物を現場で見ると、取り込まれてしまう。1975年1月3日だったか、初めて見た時に、すっかり参った。絵画でこれほど、参るかと思うほどだった。精神的に打たれたのはフィレンツェの大聖堂そのものと、当時その中に置いてあったミケランジェロのピエタ像であったが、あの頃のフィレンツェでの美術作品によるショックの連発の一つが、ボッティチェッリだったのだ。
ただ、ボッティチェッリは、その後、あちこちで見たが、意外と、納得しない作品もある。彼自身が、怪僧サヴォナローラの出現以降の対応で、それまでの官能的でさえあった女性美の表現が、急に禁欲的になってしまった。当時の思想背景を追求した書で、神秘主義的な傾向が急速にフィレンツェで広まったこととの関連がしばしば述べられているが、ボッティチェッリは、自身でもかなりそれまでの官能的な作品を処分してしまったと、どれかの本で読んだことがある。
で、ナショナル・ギャラリーの作品は、私がこの3月に行った日には、有名な「ヴィーナスとマルス」の絵が展示されていなかった。残るは3点で、一つは弟子のフィリピーノ・リッピとの共作である。今回、その共同作品は、少し調べてみたが、ボッティチェッリの師であるフィリッポ・リッピの息子のフィリピーノ・リッピが描いた部分の手助けをボッティチェッリがしている。息子のほうは、ボッティチェッリの弟子になったのだが、元の師の息子の描いている作品の手助けをしたのは、面白い。息子のリッピはボッティチェッリより12才年下なのだが、、。
その共同作品と同じころの1470年から75年にかけて描かれた130.8cm の円形のThe Adoration of the Kings(キリストの誕生を祝いにかけつけた王たちの場面を描いたクリスマスに用いられる絵)の写真をまずあげる。一般的にはこの時代の方が生き生きした作品を生んでいる。
今回、見た3枚は同じキリスト生誕のテーマの作品ばかりだ。ボッティチェッリ自身の時代背景による変化が表れているという意味で比較してみるのは興味深いと思った。
- 旅行の満足度
- 5.0
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最初の一枚はこの円形の絵の部分拡大。
絵のサイズは130.8 x 130.8 cmナショナルギャラリー 博物館・美術館・ギャラリー
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中央部分の拡大。聖母マリアが誕生したキリストを抱き、王たちが賛美しにくる場面。
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もう一度最初の写真を上げる。この中に左下のほうにこちらに顔を向けている青い服の青年がいる。これはボッティチェッリ自身だろう。他の絵でも登場の仕方が同じだ。ナショナル・ギャラリーのホーム・ページでもその説明はないが、もはや自明の理なのであろう。
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1470から75年の作の解説。
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これはボッティチェッリの1501年の作品。サヴォナローラが登場した後の神秘主義的作品。
サイズは108.6 x 74.9 cm -
聖母マリアと誕生したキリストの場面だが、1470年ごろの作品とは設定があちこち異なる。
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1501年の作品の解説。
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この解説は次にあげる1470年の共同作品のもの。12才年下の弟子のフィリピーノ・リッピとの共同作だ。
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サイズは50.2x135.9cm。この絵もキリストの誕生を祝うものである。3枚とも同じテーマだが、相当に異なる内容となっている。
リッピとの共同作品で、、1470年の製作とされている。
右側の聖母マリアやキリストを取りまく大きく描かれた人物はすべて弟子のリッピが描き、左側の背景的に小さく描かれた人物が師であるボッティチェッリが描いたそうだ!
サイズは50.2 x 135.9 cm -
上の絵の右半分。大き目の人物はすべてリッピの作。
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上の絵の左半分。大き目の人物以外の、背景的な小さめに描かれた人物は師のボッティチェッリが描いたという不思議な作品。
ボッティチェッリの師がフィリピーノの父であるフィリッポ・リッピであったことと関係があるのかも。。 -
これはフィリピーノ・リッピが単独で描いた、同じキリスト誕生の場面の1480年の作品。
57.5cmx85.7cm
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