和歌山 クンクンカンカン旅行記

2017/06/24 - 2017/06/24

山の風、海の風、和歌山のあっちこっちに様々な香りが満ち溢れています。
たとえば醤油の香りに包まれる湯浅のまち。
山裾の農家の軒先には、夏野菜の新緑のかおり。
クンクン、海辺伝いに遠回り南下のたび。
紀伊の町まち、それは都会の熱気にあえぐ人々がときに求めたくなる自然の香りを探してたどり着くところ。

エリア 御坊・印南・日高川(和歌山)

• 交通手段: 自家用車

はじめは雑賀崎(さいがさき)。イタリアのアマルフィに似ていると言われる海辺の町。
湾を囲い込むように急峻な斜面に家々が立ち並ぶ様は実は極めて日本人的。

和歌山駅から西へ車で走ること30分ほどの海辺。
雑賀崎の朝は靄がかかっていました。潮の香りを身体中で吸い込みました。

雑賀崎(奥和歌浦) 自然・景勝地

街並みのてっぺんに行くと。

さあ、これから雑賀崎をあとにします。海岸沿いを南下。

有田市を越えると、湯浅の港。
醤油の香り漂う港町。醸造された醤油は船によって江戸まで運ばれていました。

湯浅醤油(有) 名所・史跡

湯浅の街並み

醤油の匂いに包まれて歩く湯浅の町もミズベ。
醤油は日本人の文化です。この香り、匂いは我々の五臓六腑に染み渡ります。

角長醤油資料館 職人蔵 美術館・博物館

醤油樽、その存在が旅の気持ちを盛り上げてくれました。
なんとなく不思議な魅力。

蔵では醤油が作られています。味わい深い模様が浮かんでいます。醤油は日本の文化。醤油がなければ刺身も鰻の蒲焼きも成り立たないのです。すき焼きも醤油があってこそ。

単なる路地にも深みを感じるのです。

角長醤油資料館 職人蔵 美術館・博物館

湯浅醤油の起源

つくづく思うのです。我々日本人は醤油に頼り切った生活をしていることを。もし鍋に醤油が無かったら、いや味噌があるではと反論の向きもあるでしょう。では究極の質問、マグロ、魚の刺身に醤油が無かったら？これほど生魚を食べなかったかもしれません。

醤油ワールドを行ったり来たり。

細い路地にはアジサイ咲く、梅雨の合間。

時はいつから止まっているのでしょうか。
トマス電球？

次は御坊の町へ南下しました。

御坊駅 駅

御坊市は日高川沿ってひらけた製材の町

舞妃蓮の郷という蓮池が御坊駅近くにあったので行ってみました。
蓮は8割方開花していました。何とも気品ある美しさでした。

はすの香りは、太古から続いています。

はすはじめてひらく。
ハスは咲く時にポンっと音を立てるそうです。
興味をそそります。聞き耳を立ててしまいます。

ハスを堪能してから、御坊駅へ

カンカンと踏み切りがなると、遠くレールを通じて列車の音が聞こえてきました。しばらくすると、1両のディーゼル車が顔を見せました。御坊の駅に向かう紀州鉄道の列車。
紀州鉄道線はJR御坊駅から西御坊駅までを結ぶ約3km弱の路線です。

御坊駅で折り返して、JR線から分かれて左に大きく曲がり、御坊の市役所方面へ向かいます。

のーんびり。

ここには小さな花が咲いていました。
植物はどうして綺麗な花を咲かすのでしょうか。

紀伊御坊駅に到着した列車。

ディーゼル列車がゆっくりと通り過ぎると、軽油の匂いが残っていました。

この列車の残り香が好きなんです。

紀伊御坊駅
かなり立派な建物でした。

紀伊御坊駅 駅

紀伊御坊駅に保存されている古い車両。
昭和の時代には大分の耶馬溪で活躍していた気動車です。
大分から引っ越してきて和歌山で余生を送り異国で暮らす老兵。

今でも走り出しそうです。走り出してくれそうです。

紀伊御坊駅から西へ2駅、紀州鉄道の列車は終点「西御坊駅」へ着きました。

西御坊駅 駅

列車は西御坊駅で折り返して御坊駅に再び向かいます。

西御坊駅の周辺街並み。

西御坊駅 駅

列車はJR御坊駅へ行って戻るとここで約40分くらいお休み。
1時間に1往復だけ。西御坊駅とJR御坊駅を片道約8分で結んでいます。

西御坊から先は何年か前に廃線になっていました。
かつてはこの先にもう１つ駅があったようです。
レールだけが寂しく残っています。

日が沈みかけてきました。
大阪まで帰る途中に、ひと風呂。海南にあるきのくに温泉へ。

きのくに温泉 温泉

風呂上がりには対岸のネオンが待っています。
温泉の香りでリラックス。

海南の川、夕暮れ時には繁華街の電気が灯り始めました。

川沿いのネオン

たそがれ、一日の終わりにネオン。でも、お酒は大阪に戻ってから。