2017/05/28 - 2017/05/28
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ベームさん
オルセー美術館の後モンパルナスのホテルに戻り一休みしてから再び出かけました。セーヌの左岸、カルチェ・ラタン、パンテオン、中世博物館方面です。
写真はパンテオン。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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オルセー美術館から最寄りのソルフェリーノで地下鉄12号線にのり一旦ホテルに帰りました。
パリは地下鉄網が充実していて便利です。駅間が短いので駅数が多くても時間が掛かりません。 -
元気回復、今度は地下鉄4号線でサン・ミッシェルまで。
右手にノートルダム大聖堂とドーブル橋。 -
サン・ミッシェル橋を渡ればシテ島です。
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サン・ミッシェルの泉。
恋人たちの待ち合わせ場所になっています。渋谷のハチ公前みたいなもの、といっても長年行ったことはありません。今でも待ち合わせ場所なんでしょうか。 -
サン・ミッシェル大通りを南に進むと中世(旧クリュニー)博物館があります。ここ辺り一帯はカルチェ・ラタンです。
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中世博物館。
建物の起源は14世にブルゴーニュのクリュニー修道院がパリの拠点として建てた修道院長の邸宅です。15世紀に大幅に改築され今の姿になりました。
敷地内には1世紀から3世紀にかけて造られたローマ時代の浴場跡があります。 -
ヨーロッパの中世(一般に5世紀から15世紀末まで)美術品約2万3千点が所蔵されています。すなはち絵画、彫刻、宝飾品、ステンドグラス、タピスリー、家具など。
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ロバでエルサレムに入城するキリスト。
死を覚悟してエルサレムに入ったキリストは、最後の晩餐、ゲッセマネの園の祈りを経てユダヤの総督ピラトに捕えられゴルゴダの丘で十字架に架けられました。 -
鎖に繋がれたキリスト。
1480年頃。木。 -
聖母と幼子。
1300年頃。イル・ド・フランス出。 -
聖母マリアと幼子。
1400年頃。石灰岩。パリ出。 -
悲しみの聖母/ピエタ。
14世紀末。ザルツブルク出。 -
ピエタ。
1400年頃。イングランド、ノッティンガム出。 -
タラスコンのピエタ。
1457年頃。アヴィニヨン出。 -
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洗礼者ヨハネ。
14世紀後半。シェナ出。 -
古いステンドグラス。
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12~13世紀のステンドグラスの破片。
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各地の聖堂から集められたステンドグラスの断片です。
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ローマ浴場の跡も展示室に使われています。
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ロマネスクのキリスト磔刑像。
1200年頃。オーベルニュ出。 -
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アダム。
1260年頃。パリのノートルダム大聖堂にあったもの。 -
ローマ時代の冷水浴場の跡です。
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いよいよ博物館の至宝「貴婦人と一角獣」の部屋です。
6枚の連作タピスリーで、パリでデザインされ15世紀末頃フランドルで織られました。
6枚は「味覚」、「聴覚」、「視覚」、「嗅覚」、「触覚」、「我が唯一の望み」の寓意を示しているとされています。織り込まれているのは貴婦人の外に一角獣、獅子、猿、鳥、ミル・フルール(千の花)などです。絹と羊毛の染糸で織られています。
照明を落とした小さな部屋の四方の壁に掛けられています。 -
1841年、文化財保護官だった作家プロスペル・メリメ(著にカルメン、コロンバなど)が地方の城に埋もれているのを発見、ジョルジュ・サンドがその美しさを賛美したことで有名になりました。1882年にクリュニー美術館(今の中世博物館)に収められています。
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「味覚」。
侍女の差し出す皿から菓子をとる貴婦人。左右に幟を持ってはべる一角獣、獅子。足元には猿がいます。
説明はWIKを参照させていただいています。 -
同部分。
菓子皿に手を伸ばす貴婦人。左の指にはオウムがとまっています。 -
拡大。
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「聴覚」。
風琴を弾く貴婦人とふいごを動かす侍女。 -
同部分。
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貴婦人の足もと。
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「視覚」。
手鏡を持つ貴婦人とそれに映る顔を見る一角獣。 -
同部分。
鏡に一角獣の顔が映っています。一角獣は恋に落ちた男性を表すと云われます。これなどはまさにそうです。 -
同、絵葉書。
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「嗅覚」。
花輪を編む貴婦人と花の入った籠を持つ侍女。貴婦人の後ろで猿が花の匂いをかいでいます。 -
部分。
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同部分。
貴婦人の後ろの猿が花をつまんで匂いを嗅いでいます。 -
「触覚」。
ユニコーン/一角獣の角に触れている貴婦人。 -
部分。
恋に落ちた男は愛する女に手なずけられるものです。 -
同、絵葉書。
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「我が唯一の望み」。
こういった貴重なものでも剥き出しで展示され、フラッシュさえ焚かなければ写真も撮れるのです。 -
テントの上部に A mon seul desir/我が唯一の望みに、と書かれています。
貴婦人は侍女の持つ小箱にネックレスを入れているのか、小箱から取り出しているのか。
謎の多いタピスリーのようです。 -
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同、絵葉書。
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暖炉。
もう少し館内を見て回ります。 -
礼拝堂の天井。
フランボワイヤン様式のヴォールド。 -
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タピスリー。
1520年頃。 -
華麗なタピスリー。
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中世博物館を出てソルボンヌ通り。
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ソルボンヌ広場とソルボンヌ大学の礼拝堂。
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通称ソルボンヌ大学。正式にはパリ第3、第4大学。
13あるパリ大学の内ソルボンヌの名を冠するのは第1とこの第3、第4大学です。 -
パリの歴史 ラ・ソルボンヌ。
大学の起源は12世紀、ヨーロッパ最古の大学の一つ。
1254年に神学者ソルボンヌが貧困学生のために学生寮を作ってからラ・ソルボンヌと云われるようになった。 -
サン・ミッシェル大通りとソルボンヌを挟んで南北に走るサン・ジャック通り。
この通りは古代ローマ以来2000年以上の歴史を持つ由緒ある通りで、シテ島からロワール川のオルレアンに通じる街道のスタート点でした。 -
サン・ジャック通りとソルボンヌ。
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サン・ジャック通りの左手、スフロ通りの先にパンテオンが聳えています。
この辺り一帯は小高い丘になっていて、512年にパリの守護聖人聖ジュヌヴィエーヴが葬られた教会があったことから聖ジュヌヴィエーヴの丘と呼ばれていました。
451年、フン族がガリアの地に攻め込んできたとき、聖ジュヌヴィエーヴはガリア人を叱咤激励し先頭に立って戦い、パリの地を守りました。それ以後聖ジュヌヴィエーヴはパリの守護聖人となります。 -
その教会が9世紀に再建され(聖ジュヌヴィエーヴ修道院教会)、さらにルイ15世のときより大きなものに建て替えられたのが今のパンテオンです。
しかし完成が1789年フランス大革命の時に当たり、革命側はこれを教会とは認めず無宗教のパンテオン/汎神殿と名付け、ルソー、ヴォルテールなどフランスの偉人を祀る霊廟となりました。 -
横にあるパリ第1大学。
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パンテオンを後回しにして、その先にあるサン・テチエンヌ・デュ・モン教会に行きました。
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この教会には聖ジュヌヴィエーヴの聖遺物が納められていて、今でも聖ジュヌヴィエーヴを崇拝する人たちの参拝が絶えません。
右に建っているのは名門リセ・アンリ4世校、鐘楼はクローヴィスの塔。間の通りがクローヴィス通り。この先に12世紀末から13世紀初めに造られたフィリップ・オーギュストの城壁跡があります。 -
サン・テチエンヌ・デュ・モン教会。
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左:聖テチエンヌ。
右:聖ジュヌヴィエーヴ。 -
身廊。
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渡り廊下の様なものはジュベと云い、身廊と内陣の仕切る高廊。
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ジュベ。
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優美な姿です。
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聖ジュヌヴィエーヴの祭壇。
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聖母マリア礼拝堂。
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祭壇。
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聖ジュヌヴィエーヴの棺。
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パンテオンに戻りました。
コリント式の円柱は新古典主義様式。 -
中に入りました。
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巨大な空間が広がっています。
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ドームの真下です。
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フーコーの振り子。
1851年、物理学者フーコーは地球の自転を証明するためパンテオンで公開実験を行った。
ドームの天井から67mのワイヤーで28㎏の錘を吊るしたという。写真中央に金色の錘が写っています。左右に動いていました。 -
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地下の廟所。
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地下のクリプタには偉人の棺が並んでいます。
ヴォルテール。 -
ヴォルテールの棺。
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ルソー。
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ルソー。
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ジャン・ジョーレス。
社会主義者。第1次世界大戦勃発前夜に熱狂的愛国者に暗殺された。 -
左ユゴー、右ゾラ、奥デュマ・ペール。
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ゾラ。
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ユゴー。
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ヴィクトール・ユゴー。1802~1885年。
アレクサンドル・デュマ・ペール(父ペール)。1802~1870年。 -
エミール・ゾラ。1840~1902年。
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他にキュリー夫妻、アンドレ・マルローなど多くの偉人が眠っていますが、疲れていたので途中で帰りました。
日本では公けには軍人、政治家が祀られるのに対しフランスでは文人、学者が尊崇される、風土の違いを感じます。 -
帰りはRER、ルクサンブール駅から。
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車両の下を覗くとゴムタイヤみたいです。
今日も良く歩きました。足の指が腫れてきてバンドエイドを貼って凌いでいます。
明日も一日パリ、国立近代美術館/ポンピドー・センターなどを見に行こうと思います。
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この旅行記へのコメント (2)
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- コクリコさん 2017/07/22 17:26:07
- お帰りなさい!
- ベームさん、お久しぶりです!
長い旅行でお疲れになったと思いますが、日本の暑さにも参っていらっしゃるのでは?
私はこの暑さでフランス旅行のプランがはかどっていません。
でも、短い滞在のパリではパンテオンとサンテティエンヌ・デュ・モン教会には行くつもりです。
そして少女の頃のジュヌヴィエーヴが429年にオーセールのサン・ジェルマンに会ったといわれている20区にあるシャロンヌ村にも!
サント・ジュヌヴィエーヴの追っかけみたいですね。
クリュリニー美術館は大好きな美術館のひとつです。
一角獣のパティスリーも素晴らしいですがたくさんあるロマネスク美術も素朴で気品があって良いですよね。
ピエタ像も多くてベームさんのコレクションのピエタの写真が増えましたね!
クリュニー美術館には3回ほど行っていますが、その頃はまだ写真あまり撮っていなかったので少ししかありませんが、ベームさんの撮られた写真で覚えている展示品がたくさんあって嬉しかったです。
- ベームさん からの返信 2017/07/23 11:18:45
- RE: お帰りなさい!
- コクリコさん、
お早うございます、といってもう昼近くです。メッセージ有難うございました。
コクリコさんの今年のフランスはこれから、夏なんですね。
カルチェ・ラタン地区は賑わしくはありませんがゆっくり回りたい所ですね。中世美術館なんかもっと時間を掛ければ新たな発見があると思います。貴婦人と一角獣の部屋が暗く良い写真が撮れないのが残念です。
サン・テチエンヌ・デュ・モン教会では聖ジュヌヴィエーヴの遺物箱があったそうで見落としてしまいました。
今ブルターニュの旅行記を書いています。コクリコさんの何年か前の詳しい旅行記が参考になります。
では夏のフランス愉しんできてください。
ベーム
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