2017/05/15 - 2017/05/17
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鯨の味噌汁さん
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7日目。旅も終盤だ。
ツーリストインフォのお姉さんたちのお言葉通り、本日も大雨である。
そういえば、黒海沿岸の土地は「温暖・湿潤」なんて書いてあった。
「それ、雨の日が多いってことやん!!」
今さらながら気づく鯨の味噌汁である。(もっと早く気づけよ)
とゆうわけで、とっととトルコを目指すことにする。
トルコは過去2回来たことがあり、ある程度の勝手は分かっている。
文字もアルファベッドだから少なくとも地名は読めるはずだ。(ジョージアもアルメニアもナゾの文字だった)
目指すはトラブソン郊外のシュメラ僧院だ。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
雨の中、てこてこ歩いてバスターミナルに到着。
トルコ黒海沿いの町、トラブソンへのミニバスを探す。
おー、これだこれだ。
アルファベットだからワシでも読めちゃうではないか。
地名を連呼しなくても行先が分かるなんて、なんてステキなんだ。 -
右に黒海を見ながら、ミニバスはひたすら西を目指す。
国境を越えるまで土砂降りが続いたが、トルコに入ると雨はやみ、少しづつ青空がのぞいてきた。
途中で治安ケーサツが乗り込んでくる。ミニバスの全員が、慣れた様子で身分証明書を提示する。
ワシもパスポートを差し出すと、
「おまえはいいやー」
なんて感じでスルーされた。
東アジア人はチェックの対象外なのか、それとも
「ハゲに悪人なし、ヅラに善人なし」
とゆう格言がこの国にあるのか。 -
午後4時、トルコ・トラブソンのオトガル(バスターミナル)に到着。
その場でウロウロしていると、お兄ちゃんがサササッと近寄ってきて、
「どこに行きたい?」
えーと。今着いたばかりなんですけどね。そういえば、ワシ、次はどこに行きたいんだっけ。 -
改めて地図を広げて考え込む。
あすはシュメラ僧院、あさってはネムルトを目指すのなら、次の町はマラテヤかアドゥヤマンだろう。
マラテヤからイスタンブールまでLCCが飛んでいるらしいから、やっぱりマラテヤかなぁ。
「マラテヤ!!」
「おお、だったらこのバスだ」
お兄ちゃんはワシをバス会社のカウンターに連れてってくれる。これはオトガルではよくある商売であって、彼はバス会社からいくばくかの紹介手数料を貰っているらしい。
バスはあすの17:00発、翌朝5:00にマラテヤ着だそうな。
12時間か。トルコはやっぱり広いや。
夜行バスは眠れないタチなのであんまり使いたくはない。
だけどこのままイスタンブールまで行って旅を終えるのももったいないぞ。
トルコ東部に来る機会はそんなにないはずだし。
とゆうわけで、エイヤでマラテヤ行きのチケットを購入する。 -
いつの間にか、天気はすっかり回復した。町の中心部であるメイダン公園までドルムシュで移動し、広場でホテルを探す。適当なところに飛び込み、
「黒海が見える部屋は空いてるか」
「あるぞ。70リラだ」
1リラ32円だから、2000円ちょっとか。
前回トランジットでイスタンブールに泊まったとき、1リラは50円、といったところだったけど、政情不安とテロの脅威、さらには難民問題でトルコリラはここのところダダ下がりであるらしい。 -
あすはシュメラを見て、そのあとマラテヤに向かうことが決まっているから、きょうはゆっくりしよう。
とゆうわけで宿に荷物を起き、トラブソンの町を歩き回る。
海沿いの高台にアヤソフィアが建っている。 -
イチオシ
入場料タダ、とゆうことで中に入ってみると、こりゃまた見事なフレスコ画が残っていた。
-
平日の午後、とあって観光客は少なく、かわりに地元の小学生たちがキャアキャア走り回っている。
おお、かわいいではないか。
あと5年もしたら、水もしたたる美少女に仕上がっているであろう。 -
明けて8日目、満を持してツーリストインフォメーションに飛び込む。
「シュメラに行きたい。どのバスに乗ればいいのか」
対応に出たお姉さんが、気の毒げにゆった。
「シュメラはメンテナンス中で、中には入れません」
あっと驚くタメゴローーーーー!!
そのためにこの町に来たんですが。
ホテルもとったんですが。 -
「アウトサイドを見物することはできるけど」
うーむ。
「 中には入れないから、観光客はベリーリトルよ」
むむむ無念だ。
まことに無念ではあるが、ここまで来て見ないで帰るのも悔しい。
それによく考えたら、モンサンミッシェルも鎌倉大仏もアダルトビデオも、内部突入とゆうか挿入とゆうか、それはいわば二義的なものであって。本質は「まず鑑賞」が重要なのだ。(⇒なにをゆうてるか自分でもようわかってない)
とゆうわけで、お隣のツアー会社を訪ねる。
「ツアーは30分後に出る。シュメラはアウトサイドだけ」
うん知ってる。
「さらに馬のケツ岬と、ネコのキンタマ洞窟と、ロバの耳村も回って160リラ、ぜんぶで9時間だ」
抱き合わせ商法か。ワシは馬のケツもネコのキンタマもロバの耳も興味ない。それに9時間もかかったら次の移動ができん。
かくなるうえは、シュメラ僧院に一番近い町・マチカまで バスで行き、そこでツアーを探すしかないか。
くそ~、やってやろうじゃないか。
で、バスの乗り場を探し、やっとの思いでマチカへ。小さな通りがひとつだけの町。通りを往復してツアーバスを探す。が、ソレらしいのは止まっておらず、いるのはタクシーだけ。ちなみにトルコのタクシーは全部黄色。白タクはいない。
やむなくタクシーのオフィスで交渉。聞けばタクシー貸切は60リラの統一料金だそうな。
「ただし改修中だ、中には入れない。それでもいいか」
ええいしつこい。知っとるわ! -
とゆうことでタクシーに無事収まり、峡谷の奥深くまで30分ほど走る。
周囲は霧になり、やがて雨になる。黒海沿岸の土地は湿潤な気候で、日本とよく似ている。緑も深くて、なんだか新潟の湯沢あたりを走ってる感じだ。 -
タクシーはどん詰まりで止まり、コレデモカ、とゆうくらい高いところを指差してドライバーがゆった。
「シュメラ」
霧の向こうの断崖に、古い僧院がへばり付いていた。
周囲の断崖には霧がかかり、水墨画の世界だ。
イスラムって、本来は異教徒に寛容な宗教で、オスマントルコも
「税金払えば、なに拝んでもええよー」
みたいな感じだったそうな。だから町にはキリスト教徒もユダヤ教徒も仲良く暮らしていた。
新大陸で異教徒を人間扱いせずにバンバン殺したキリスト教に比べれば、いくらかマシじゃないかと思うんだけど、それでも
「イヤなものはイヤ」
って、こんな山の中まで逃げてきたわけか。
フレスコ画はまたいつか見にこよう、とタクシーに乗り込む鯨である。 -
マチカまで戻り、例によって町をぶらぶらする。シュメラ僧院観光の拠点ではあるが、なにしろ改修中であるから、町に観光客は少ない。
そういえばタクシーの運ちゃんは「イスタンブールからのバスツアーがほとんどで、この町は素通りさ」なんてゆってたな。そのぶん、町を歩いてるのは普段着の人たちだ。
腹が減ったのでパン屋をのぞくと、かわいらしいお嬢さんが一人で店番をしていた。
これがまた、失禁ものの美少女である。どどど、どうしてくれよう。(どうもならんけど)
とりあえず、カメラを指さし、
「へっへっへ、写真撮らせろよ写真」
「いやですわー、はずかしいわーーー」
「ヨイではないか、ヨイではないかーーー」 -
イチオシ
最後は観念して、恥ずかしそうにカメラに収まる。
パンもちゃんと写してあるから、ワシの良心に一点のやましさもない。(当たり前田のクラッカー)
それにしてもここらへんは美女の産地だ。イスタンブールとは微妙に配合が違うんだろうなぁ。 -
さて、次に目指すのは ネムルトだ。
山頂に首だけの石像がマヌケに鎮座する世界遺産。多分トルコでもメジャーな観光地だろう。
駄菓子菓子、じゃなくてだがしかし、やはり公共交通機関はない。
まず 夜行バスで500キロ離れたマラテヤまで移動し、ドルムシュ(小型バス)を乗り継いでキャフタまで行き、そこからタクシーを使う。ああめんどくさ。そもそも出来るのかよそんなこと。 -
17時、バスはトラブソンを出発、12時間の行程だ。
で、隣に座ったのは20歳の学生だった。ヨチヨチの英語を話す。
日本人だ、とゆうと、目をキラキラさせて、シュタッとスマホを取り出し、
「私のモバイルはソニーです。ソニーはすばらしー。高いけど、すばらしー」
ワシ並みのヒドイ英語で話しかけてくる。
トルコに何しに来た、トルコのどこが好きか、仕事はなんだ、家族は何人だ、なぜ足が臭いんだ、デブでハゲなんだ、などとあらゆることを聞いてくる。ええいほっといてくれ。 -
どうやらトラブソンの大学から実家に帰省する最中らしい。
バスは夕暮れの山塊をぐいぐい登って行く。
どこまでいっても深い山と森が続く。とんでもなく高いところに家が建っている。
「あれは何を作ってるのか」
「ティーだ」
なるほど。ここらへんは紅茶の一大産地なんだという。 -
が、そのお兄ちゃんが、バスの「小休憩」と「大休憩」を教えてくれるのはありがたかった。
のんびり雲古なんぞしてて、置いていかれたらシャレにならん。
深夜0時近くになって、
「今度はロングの休憩だ。食事をとろう」
と誘われる。 -
オトガルの食堂はどこもビュッフェ形式だ。深夜にもバスは到着するからちゃんと営業している。
ワシがロールキャベツとライスを選び、だだだだだーーーーーっと2分くらいで食ってしまうと、ボー然として
「マイファーザーより食うのが早い、初めて見た」
あきれらた。
えーと、「はや飯はや糞、武士のたしなみ」は英語でどーゆーんだっけな。
「サムライ・マスト・ドウ・ファストイート・アンド・ファストトイレ」
ヘンな顔をされたので、通じなかったと思われる。 -
深夜1時、その兄ちゃんが降りていき、ああよかった、これで一眠り出来るワイ、さー爆睡爆睡、オナラ もちょっとしちゃおうかな、などとコーモンを緩めかけたら、後ろの席に座っていた40歳くらいのおっさんが、 やはり眼をキラキラさせて、
「隣に座っていいでしょうか、私は日本人が大好きです」
なんて言いながらドスンと座り、さっきの青年と全く同じ内容を、よちよち英語で聞いてきた。
いいかげんにしろ。 -
でもって、国際交流なのかモーホーなのか、じゃっかんのナゾを残したまま バスは夜明けのマラテヤに到着したのであった。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- mistralさん 2017/06/19 15:48:11
- これぞ一人旅!
- 鯨の味噌汁さん
こんにちは。
ジョージア、アルメニアの一人旅
始まったと思っていましたら、すでにトルコに
入っておられて!
たまっていました旅行記をイッキ読みしました。
これぞひとり旅!というような旅をされてますね。
翌日はおおよそ、あのあたりまでたどり着けば、
と思われて、それが見事に実現されていて
感動ものです。
トルコに入るとオトガルなど聞き慣れた単語も出てきて
一緒にホッとしていました。
秘密結社のお仲間、奥様との旅のご予定もあるので
しょうね。
mistral
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2017/06/19 16:28:05
- RE: これぞ一人旅!
- mistralさん、
こんにちは、いつもおてがみありがとうございます。
>始まったと思っていましたら、すでにトルコに
>入っておられて!
>たまっていました旅行記をイッキ読みしました。
なにしろ「早撃ち鯨」ですので早いのがトリエでございます。
あーでもまだ3日ばかり残ってますが。
日記はもう書いてしまってるんですが、写真選ぶのがメンドーですよねー。
(⇒大した写真は撮ってないのにエラそう)
>これぞひとり旅!というような旅をされてますね。
>翌日はおおよそ、あのあたりまでたどり着けば、
>と思われて、それが見事に実現されていて
>感動ものです。
かーちゃんとの旅行でも、だいたい「矢印4本」とかの旅程、ありまつ。
今回ほどいい加減ではないけど。(やや反省)
やっぱもうちょっと事前に調べていかないと、しっぺ返し食らいます。
>トルコに入るとオトガルなど聞き慣れた単語も出てきて
>一緒にホッとしていました。
そうそう。なぜだかホッとしますよね。
あれは、「オトガルまで行けば、イスタンブールに24時間で行ける」とカラダが覚えてるせいですよね、きっと。
>秘密結社のお仲間、奥様との旅のご予定もあるのでしょうね。
あい。かーちゃんとは秋に出かける予定を組んでます。あんまり一人で行ってると怒られるし(笑)
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