2017/05/10 - 2017/05/11
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鯨の味噌汁さん
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旅の3日目。
朝から激しい雨の音で目を覚ます。
きょうはトビリシからエレバンまで、乗合タクシーで移動だ。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- タクシー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
イルカホテルの302号室はビルの屋根裏部屋になっていた。
眺望がないくせに、雨音だけは完璧に聞こえる。
天井でティンパニを叩かれてるみたいなもんであって、寝るどころではない。ううううう安宿はツライぞよ。 -
雨の合間をついて、宿を出発。ライターをなくしたので、隣の24時間スーパーに寄る。
すると、レジに座っていたのは、滝クリをうんと若くして、かつパツキンにした感じの娘さんであった。ちょっとビックリするくらいの美形である。さすがジョージア、名高い美女の産地だけのことはあるわい。 -
ここはひとつ、サウジアラビアの副皇太子になって、
「ライターと一緒にキミも包んでくれたまえ」
なんて言いそうになる(⇒言わんけど)。
小銭入れからジャラジャラ取り出すと、5円玉が転がり出た。
滝クリがキョトンとそれをつまみ、
「ヤパン?」
そうだよー、と言いながら50円、10円と並べてみせる。
すると、きゃっきゃと喜んでいる。
ううう、そのしぐさも可愛いぞ。でも高校生くらいだな。
「見て見て。あたし、いろんな国のお金、コレクションしてるんだー」
なんて言いながら、自分の小銭入れを出し、
「これはロシア、これはウクライナ、これはアゼルバイジャン…」
コインを並べ出した。
みんな近場の国だ。
とゆうわけで、ヤパンの小銭を全部あげちゃう鯨の味噌汁である。
ちなみに
「写真がぜんぜん違うだろ!! 」
とゆうご指摘があるかもしれないが、そこで一枚撮らせておくれ、というほど厚かましくなれないのが汚物系チューネンなので諦めるように。 -
油張り(アブラバリ)駅の集合場所に到着すると、20代とおぼしき東アジア人の女性が立っていた。
高校の同級生だったケイコさんにそっくりだ。一瞬娘さんかと思ったくらいだ。
垂れ目、白い肌、ちょっとだけしゃくれたアゴ。
このテの顔は、実はエチゴの女性の一典型である。
美人というより表情に愛嬌があってモテるタイプですね。
話しかけると、ケイコ(⇒以降この名前で行きます)はフィリピン人だった。明らかに東アジアの顔だから、華僑系か。 -
お客さんはワシ、ケイコ、ジョージア人のおばさん、イラン人のおじさん、アルメニア人の青年の5人。
クルマはミニバンだ。車内の共通言語は英語。国境を越えて行き来する連中だから、英語はある程度喋れるらしい。もっともケイコの国では公用語なんだけどね。
ケイコとイラン人はほぼネイティブ、他の2人も日常会話には不自由しない感じだった。つまりはガチの進学校2人、フツーの進学校2人、地域最底辺校がワシ、てな配置である。
秀才の中に馬鹿がいっぴき混じってる感じで、まことに遺憾である。 -
トビリシからエレバンまでは250キロ、およそ5時間。
ジョージアはコーカサス山脈の南、平原にひらけた国だ。どこまで行ってもよく整備された牧草地と農地が広がっている。
山脈からの雪解け水で水の苦労もなさそうだし、平野は耕作に適した沖積層だろう。いわゆる「肥沃な三日月地帯」のすぐ北だから、世界でも早いうちに農業が始まった地域なんだろうな。 -
が、国境が近づくと明らかに景色が変わる。山が深くなり、クルマは細くて傷んだS字カーブを気息奄々で登って行く。深い霧が現れ、やがて驟雨になる。ジョージアは草原の国、一方のアルメニアは山の国であるらしい。
信州や飛騨にある「高地集落」が現れては消える。 -
2時間ほど走ると、アルメニアとの国境だった。
パスポートコントロールでは、ワシとケイコだけがビザが必要だった。
申請用紙に書き込んで提出すると、若い係官が
「アルメニアかジョージアの通貨で支払え」
それまで陽気にしゃべっていたケイコが困った顔になり
「全部使っちゃった。ドルしかないわ」
「ワシ持ってるよー」
財布にラリが残っているので差し出すと、
「わー助かる、これドルでいくら?」
「アバウト10ダラー」
すると、横で見ていた国境警備兵がニヤニヤしながら、
「なんだい、ヤパンとフィリピンで、お前らパートナーかよ」
そそそ、そうにゅう仲ではありません。(⇒いいまつがい)
さてはお前ヒマだな。仕事しろ。
「ワシと彼女はトラベルフレンドなのだ」
「そうよ、今朝から友達になったのよー」
ケイコがニコニコしながらゆう。
おおお、トモダチ認定されたぞ、うれちい。
これでどうやらワシの株が上がったらしく、ケイコは車内でワシに優しくなった。
ワシのヨチヨチ英語を辛抱強く聞き、なおかつ自分のことも話し始める。
両親は華僑で、大学を出てオフィスワーカーをしてるんだそうだ。
うーん、おそらく、お国ではエリートなのネ。
日本にも興味があって、いずれ「友達がオミセで働いてる」東京へ行きたいという。
10日間の予定で旅をしており、最後にイスタンブールから帰るのだそうな。
なななな、なんとゆう偶然。
ワシと旅程がまんま重なっているではないか。イスタンブールから飛ぶ日までいっしょだ。
であれば、二人で旅をするのも悪くない。そうにゅうする・しないはこの際置いといてだ。
どうせ宿はドミトリーだし、タクシーは割り勘が効く。
イスタンブール空港で「今日よりは書き付け消さんサオの露」(⇒少し間違い)などと吟じつつ別れればヨイ。
…なんてこともチラと頭に浮かんだが、だがしかし。
もし、ケイコがナイスな日本人中年であるワシに惚れてしまい、あなたと別れたくない、飛んでイスタンブールよ、夜だけのパラダイスよー、なんてことになると、大変罪深い話であるから、
「東京に来たら遊びにおいでー」
名刺を渡し、エレバンの街角で右と左に別れたのだった。
なんだか東京で会える気もする。会えない気もする。会えない方に1000点。 -
さて。ケイコと再会を約束して別れ、とゆうかホントは約束してないけど気分はしたことにして、ヨロヨロとエレバンの宿にたどり着く。
とりあえずメシを食わねばならん。 -
宿の前の坂道をトコトコ降りて行くと、わらわら人が集まっている一画があり、なんだなんだと見に行くと、エレバンの中央市場だった。
メインは午前中なんだろうが、午後遅い時間になってもなかなかの賑わいだ。
観光客用のお土産屋さんなんぞは出ていないから、正しく市民の胃袋をまかなってるんだろう。 -
30年前ここはソ連だったせいか、クワスも売っていた。一杯100ドラム。4ドラムで1円だから、25円ってところか。
乗合タクシーの移動はトイレが厳しいと聞いていたので、オシッコの近いワシは前夜から水分を抜いていた。(⇒実際は2度トイレ休憩があった)
体全体がカラカラだったのでものすごくおいしく感じる。いわゆる「甘茶」ってヤツですね。 -
市場の雰囲気は、ややイスラムに近い。
とはいえキリスト教国だから肉類はブタもOKだ。 -
今、一番のしゅんはイチゴであるらしい。日本みたいに選別はしない。
ドカンと「一山いくら」で売っておる。すごいなー。 -
東アジア人は珍しいのか、それとも当地でデブハゲはモテるのか、カメラ片手にぷらぷら歩いてると、元アルメニア美人のおばさんたちに、やれチーズ食ってけ、ハム食ってけ、イチゴ食ってけ、おっぱい揉んでけ、といろんなのを差し出される。(最後だけウソですね)
-
その度にありがたくいただく。なんだかデパ地下にホームレスが紛れ込んで試食だけで昼飯成功、なんて感じである。
しあしまぁ、市場のおばちゃんたちはみんな元気で陽気で、かつ、
「昔はさぞやオトコを"ちぎっては投げちぎっては投げ"してたんでしょうなぁ!!」
なーんて感じの元美人ばっかりではないか。よきかなよきかな。 -
イチオシ
建物の外に出ると、鶏が10羽くらい、脚をヒモにくくられて、カゴの上に雄々しく屹立していた。
どれも著しく人相が凶暴であって、来るべきオノレの運命を察知してるらしく、盛んにトキの声をあげる。それがまた聞くからに凶悪だ。
「俺様は、肉になりたくないコッコーーーーーー!!!!」
うんうん。気持ちはわからんでもない。でも威張ってゆうなよ、そんなこと。 -
こうゆう市場は、えてして周囲に安くてうまい店があるものだ。
ウロウロしてると、通りを一本隔てて、鶏を丸ごと串にぶっ刺し、直火でローストしている屋台を見つけた。つまりはさっきの鶏の一日後の姿ね。 -
じゅうじゅう煙が上がって、見るからにうまそうだ。
お客さんが1羽丸ごと買ってゆく。夕食のオカズなんだろう。
奥を覗くと、食事用のテーブルもある。瓶ビールも置いてあるぞ。
うん、ここだここだ。ここでいいぞ。(⇒井之頭五郎ふうに) -
青いエプロンの若女将に声をかける。
「ハーフサイズで欲しい」
「ノン。ウチは一羽売りよ」
うーん推定1キロか。いけるかな。牛ならいけるだろうけど。
「食いきれないよ」
「余ったら包んであげるわ」
「分かった、じゃあ挑戦する」
なんとか身振り手振りで意味が通じる。 -
若女将は頷き、スパスパ手際よくローストチキンをさばき、生野菜を添え、春巻の皮の馬鹿でかいのと一緒に持ってくる。
奥の席のおっさんは、肉と野菜を皮でぐるぐる巻いて、食っていた。
どうやらそれが、アルメニア風ローストチキンの食しかたらしい。ゴーカイだなぁ。 -
ここはマネマネ作戦だ。
生タマネギと青物のサラダを肉に添え、春巻で包み、タレをつけて、ガバっと食いつく。
げげげ。うんめー、ものすごく、うんめーーー。(⇒ここだけエチゴ弁)
皮はパリパリで、醤油に似たバーベキューソースが染み込んでいる。
肉は「筋肉食ってます」みたいな感じ。 日本の鶏とは別もんの味だ。脂っぽくないのにシットリしてるぞ。
これならいくらでも食える・・・と最初は思ったけれど、鶏って意外と食えない。ちょうど半分、ビール2本飲んだところでギブアップし、半分を夜食用に包んでもらう。
夫婦で来れば全部食えただろう。こうゆうところは一人旅はきつい。いろんなメニューが試せないしね。
ちなみにお値段は瓶ビール2本もあわせて5000ドラム、1200円ほどであった。
物価を考えればなかなかのご馳走なんだろう。
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