安芸三原　知将小早川隆景が新高山城郭内にて亡父母毛利元就と妙玖院の法会を催した匡真寺が前身で三原城築城の西側防御を兼ねて配した『宗光寺』散歩

2017/01/07 - 2017/01/07

泰雲山・宗光寺（そうこうじ、広島県三原市本町）は毛利元就の三男隆景（たかかげ、１５３３～１５９７）が養子先の小早川家拠点であった新高山城（にいたかやまじょう、広島県三原市本郷町）に在城した天正５年（１５７７）、父元就の七回忌と母妙玖尼の三十三回忌の法会を催すため城内に創建した雲門山匡真寺（きょうしんじ・臨済宗）が前身で、隆景が瀬戸内海支配権を確立すべく臨海地の三原に新城を定めるのに伴い現在地に移転、後に慶長５年（１６００）福島正則（ふくしま・まさのり、１５６１～１６２４）が広島入城した後漕洞宗に改め寺号を宗光寺と改称した経緯があります。

三原観光協会ＨＰで紹介されている宗光寺の説明では下記の通りです。

「宗光寺

泰雲山宗光寺は天正５年（１５７７）小早川隆景が親の毛利元就夫婦を弔うため高山城内に建てたものですが、（雲門山匡真寺）三原城築城の際、城下の西側を守る砦も兼ね、この地に移されました。石門を入り土壁に囲まれた広い石段を登ると、桃山風の重厚荘、豪快な構えの山門があります。この山門は小早川家代々の居城であった新高山城の城門をここに移したものと伝えられ、四足門の切妻造り、本瓦葺きの桃山時代の建築で、昭和２８年（１９５３）に国の重要文化財に指定されています。福島正之の墓、浅野忠長（城主２代）の墓などがある。」

エリア 三原(広島)

• 交通手段: 高速・路線バス JRローカル 徒歩

宗光寺・山門

ＪＲ三原駅北口から旧西国街道を徒歩約１５分進むと右側に長い参道を配した宗光寺の山門が視野に入ります。

宗光寺山門（国重要文化財指定）

山門に関する説明では「小早川隆景が築いた新高山城から移築したとされるが、規模・細部意匠から、福島氏が現在地に新築した可能性が高い」と記載され新高山城付設の山門説を否定していますがいずれにせよ国重要文化財に指定されています。

宗光寺山門・説明板

宗光寺・鐘楼

宗光寺・本堂

宗光寺・本堂

宗光寺・本堂（全景）

宗光寺・本堂

宗光寺塔婆

宗光寺塔婆・説明板

宗光寺・境内

宗光寺・境内

本堂から山門方向を捉えます・

新高山城郭にあった旧匡真寺（きょうしんじ）跡

宗光寺の前身はかつては新高山城郭にあった匡真寺（きょうしんじ）で小早川氏の菩提寺として天正５年（１５７７）、亡父毛利元就の七回忌、亡母妙玖尼の三十三回忌に際し匡真寺を建立し、法会を盛大に催したそうです。

匡真寺（きょうしんじ）跡説明板

匡真寺（きょうしんじ）跡境内風景

説明板によれば旧匡真寺は東西４１ｍ、南北７２ｍに及ぶ広大な寺域だったそうですが今では境内と思われるエリアには何一つ遺構は見当たりません。

旧匡真寺跡庭園

境内と思われるエリアには庭園を思わせる雰囲気が残っているようです。