2017/01/12 - 2017/01/12
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LP1989さん
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2017年 最初の京都は、平安神宮に続いて、
一般公開が 定着しつつある京都迎賓館へ。
京都迎賓館は、海外からの賓客に対し、
歴史的・文化的側面も含めた対日理解を醸成するため、
歴史的・文化的資産の蓄積が大きい京都の地に
国の迎賓施設として建設された。
開館時期は、2005年4月。思っていた以上に歴史は浅い。
-
平安神宮から、京都迎賓館まで 徒歩移動。
やっとのことで 京都御苑の敷地(南端)に着いたが、
京都御苑は 縦(南北)に長い。
北方向に進めど 進めど 迎賓館は まだ向こう。
おまけに 砂利敷の地面が快足歩行を阻む。・・・ああ、もう! -
迎賓館に辿り着いた。スロープを下りた先の地下ゾーンに案内される。
以下の具合で 内覧前の諸手続を行なう。
1.空港の保安検査同様の持ち物検査を受ける。
2.参観料金を支払う。
3.一定規模以上の荷物は、館内持ち込み禁止のため
コインロッカーに預ける。
(現実問題、余分な荷物は、内覧時に邪魔になるだけ。)
4.開始時間まで地下で待つ。
(ちなみに 地下の様子は、撮影禁止) -
参観時間になったので、ガイドの後をついて、地上へ。
目に付いた松の木が、きれいに まとまっていること。 -
正門。 海外からの賓客は、車列を組んで、ここから入って・・・
-
ここ 正面玄関前に車をつけて、迎賓館長の出迎えを受け、入館する。
今回は、一般公開のために、玄関前に傘立を設けている。
更に 両脇に下足入れのロッカーが立つ。
(我々が スリッパに履き替える。)
これから見学する身で 言うのも何だが・・・ちょっと殺風景だな。 -
この正面玄関の扉は、樹齢700年の欅の一枚板。
取っ手に刻まれた装飾も見事。 -
本格内覧へ。
天井が右傾斜しているのは、
右側に存する庭園に意識を向けさせるための仕掛け。
床に敷かれた ねずみ色の絨毯が参観者の通路。
絨毯の幅が行動可能範囲。
この絨毯から 足も 手も 頭部も はみ出してはダメ。
スリッパを脱いで、素足(靴下)で絨毯に触れるのもダメ。
指先で絨毯にタッチするのもダメ。
ちょっとでも違反したら、容赦なく 大声で注意される。 -
最初に案内された「聚楽の間」
晩餐会や 大臣会合が行なわれる際、ここに随行員が控える。
ロビーに相当する。
ここ 聚楽の間には窓がないので、
安楽椅子に明るい赤の布地の織物を用いている。
他の見学者や 床の絨毯をを写すことを嫌って、端っこを撮ったが、
実際の 聚楽の間は、もっと広々としています。 念のため。 -
聚楽の間の調度品
上:花籃(はなかご)は、
人間国宝 (故)早川尚古斎の作「重ね編剣菱紋花籃」
下:飾り台(漆、螺鈿、竹工芸)
客を迎える際は、ここに花をいけて、歓迎の心を示す。 -
続いて、案内された「夕映の間」の最も典型的な利用シーンは
中央に必要最小限の椅子等をセットした大臣会合等の会議。
他には、立礼式の お茶のおもてなし、
晩餐会の待合室としても使用される。
幅広の正面奥の障子の向こうのゾーンは・・・ -
庭になっている。
-
両脇を飾る 縦 2.3m×横 8.6mの壁画は 日本画家 箱崎睦昌の下絵を元に
綴織り(つづれおり)と呼ばれる技法を用いて制作された織物。
部屋に入った左手(東側)の壁画は、
京都の東にそびえる比叡山を月が照らす様子を描いた「比叡月映」 -
対する 右手(西側)には
京都の西に連なる愛宕山に夕日が沈む様子を描いた「愛宕夕照」
両脇の壁画 「愛宕夕照」の「夕」と 「比叡月映」の「映」の字から
この部屋を「夕映(ゆうばえ)の間」と名づけた。
例えば、大臣会合での利用シーンを想像すれば・・・
部屋の中心の限られたゾーンに 椅子、テーブル類を寄せて、
向き合う視線の先に この特大の壁画があるのだから、
優雅というか、贅沢というか・・・。 -
両脇の特大壁画だけではない。
出入口方向に目をやれば、この通りの庭園。
各間が 廊下を介して、庭園を囲む配置になっている。 -
続いては、京都迎賓館の中で最も大きな部屋、「藤の間」
この部屋の利用シーンは、洋食の晩餐会や 歓迎式典。
或るときは、長方形のテーブルを櫛型に並べる。(最大60名規模)
また或るときは、円卓を配置する。(最大120名規模) -
奥の 一面を占める 縦 3.1m×横 16.6mの壁画も綴織り。
日本画家 鹿見喜陌(しかみ きよみち)の下絵を基にして制作。 -
特大の壁画を別角度から
-
端に置かれた円卓テーブル、椅子、食器類・・・
私の生活とは、遥か別次元の逸品ばかりなのだが、
じっくり眺めるのも忘れ、他の箇所に夢中になってしまった。 -
部屋の左奥の可動式の扉は、舞台扉。
扉の中が 舞、能、琴の演奏、雅楽等を
披露するための舞台になっている。
そして、舞台扉の上部の装飾が 巧みな光沢を放っている。
純金箔やプラチナ箔を数枚焼き合わせたものを貼り付け、
種々の紋様を描き出す「截金(きりかね)」という技能による。
(今回の「藤の間」参観のおかげで「截」という字を初めて知った。) -
天井を占める照明機器のデザインも見事。
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床面を見ると 絨毯の一部が 斑点状になっている。
決して、シミ・汚れではない。 藤の花びらが舞う様子を表している。 -
打って変わって、小スペースの和空間、桐の間。
桐の間は、これまでの部屋と違って、部屋に入ることができない。
その代わり、この通り、実際の使用シーンに 最も近い状態を見られる。
この状態で公開されるのは、決定的要因がある。
中央の座卓は、漆一枚仕上げの豪華仕様にして、全長12メートル。
こ~んな長い物を いちいち出し入れするなんて、
面倒でやってられないよね。格納場所にも、困るだろうし。 -
和の晩餐室としての桐の間は、最大収容 24名まで
直前の洋式晩餐室の藤の間が 60~120人規模だったのとは対照的。
その限られた参加者に対し、京料理が提供される。
そして、正座に慣れていない外国人のために
足元を掘りごたつ調にしている。 -
京料理が調理されるのは、ここ 和厨房。
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着座目線の奥には、掛け軸。
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反対側は、この通りの庭園ビュー。
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座椅子の背面には、蒔絵による「五七の桐」が描かれている。
この五七の桐は、明治以降、日本国政府の紋章として使用されている。
また、ここ京都迎賓館の紋章でもある。
各座椅子ごとに(背面の五七の桐の)色遣いを
巧みに変化させているので、
計24点揃う座椅子に、一つとして同じ物、被る物はない。 -
食事の間は、芸妓や舞妓の舞、琴演奏が披露される。
ちょうど撮影位置が、彼女たちの舞台の位置になる。 -
そんな宴を演出する舞台照明が、この通り、天井脇に埋め込まれている。
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舞妓、芸妓が登場する部屋に ふさわしく、
女性が顔を隠す仕草で使われる大翳の扇(林 美木子 作)も
掲げられている。 -
障子には、素材紙の継ぎ目を利用して、
巧みで 規則的な縦線を設けている。
この技法を「石垣張り」と呼ぶそうだ。 初めて、知ったわ。 -
桐の間の脇の通路も、演出が抜かりない。
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庭園の池の中央を渡って、東西を結ぶ「廊橋」
室内からの庭園ビューでも、時折 登場していた。 -
廊橋の出入口付近の天井の端には、隠し彫りで昆虫が描かれている。
渡る前の手前の天井に描かれた蝶。
ガイドなしの見学だったら、気付かずに 通り過ぎただろう。 -
これは、コオロギ? バッタ?
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渡り終えた先の 向こう側の天井端に描かれた この昆虫 何だろう?
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向こう側の天井端にもう一つ描かれた昆虫。
これは どう見ても トンボ。 -
楼橋を渡りながら、池を眺める。
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その池には、大きくて色鮮やかな鯉が泳ぐ。
サイズといい、柄といい、今まで見た錦鯉とは別次元かも。 -
廊渡を渡り終わろうとする右手に 和舟。
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日本ならではの舟遊びを堪能してもらうための和舟。
最初に乗った人は、2011年11月に来日したブータン国王夫妻。 -
見学時間は、約1時間だったが、あっという間だったな~。
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迎賓館から出たところで 16時近い。
もう御所には入れないので、周りの雰囲気だけ味わうことに -
御所の東面、南寄り箇所の建春門
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御所を囲む長い築地塀。
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南面の建礼門。 ここを通過できるのは 天皇と外国の国家元首だけ。
両脇を固める木が、よいアクセントになっている。 -
御所を囲む築地塀には、勿論 五本線が走る。
塀の上に小屋組を設け、瓦屋根を被せている。
塀の角、屋根の交点では、屋根の三角ゾーンに懸魚。 -
西面、南寄り箇所の宜秋門。
公家衆が通った門なので、公家門とも呼ばれる。
写真だけで振り返ると 建礼門と区別がつかない。
正面から見て、両脇に松が揃っていないので、宜秋門だと判った。 -
御苑の西面を南北に走る烏丸通に出て、家路に着く。
この門は・・・ -
中立売御門。脇に駐車場が設けられているので、
この門が車両通用口になるようだ。 -
南進した次の門が、蛤御門。
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この固有名詞を聞いたことない人は いないだろう。
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道路を挟んだ西向かいの護王神社
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足腰の守護神なので 表門に足腰の大御守がある。
そして、拝殿には鮮やかな酉が描かれている。 -
西面の最も南側の門、下立売御門。
今回は、これまで。
改めて、御所を本格的に訪れるのは、
相国寺の特別拝観の時期が いいだろう。
それより、来月の訪問先に悩む。
行きたい所はいくらでもあるが、2月に相応しい場所が浮かばない。
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