
2016/11/22 - 2016/11/22
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LP1989さん
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古都京都への関心が湧いてきた昨今、
京都市内の一番最初の訪問先に選んだのは東寺。
幼少期、下りの新幹線で 祖父の居る大阪に向かう度に、
京都を発車した直後の左側車窓に現れる五重塔の
視覚的インパクトが強烈だった。
だから、私にとっては、東寺こそ 古都京都を象徴する存在。
今回の初拝観では、勿論、五重塔も目当てなのだが、
講堂内の立体曼荼羅に代表される彫像の数々に期待を寄せた。
この秋(2016年秋期)の特別公開のラインナップは、
【宝物館】 東寺の明王像「怒りと祈りの仏」
【小子房】 「堂本印象画伯障壁画」公開
【国宝五重塔】初層の特別拝観
【灌頂院】 師資相承の密教儀式を執り行う道場公開
「紅葉ライトアップと夜間特別公開」 ・・・etc
(但し、観智院は 修復工事のため、公開休止中)
割と近場の京都とはいえ、貴重な訪問機会を活かしたいので、
これらの催しの期間が重なる日を選んで、今回の拝観となった。
-
慶賀門から入って、歩みを進めると
瓢箪池の向こうに五重塔。 -
拝観する順番を 確固たる意志で決めていなかったので、
先ずは、目の前の食堂へ。 -
この日は、或るデジカメブランドの15周年記念として、
様々な角度から撮った東寺の写真、計130枚を 10箇所近くに分けて、
スライドショー調で紹介する写真展が開かれていた。
言うまでもなく、私の撮った写真とは、画質、視点が別次元。 -
食堂内(撮影禁止)では・・・
入った ほぼ中央に十一面観音菩薩が安置され、
右側のゾーンは 東寺の四季を収めた写真展の会場。
左側は 納経所(朱印所)及び 写経スペース。
私が拝観したとき、お一人が写経に励んでおられたが
過度に騒々しくはなかったとはいえ、
人々の声・物音で 集中力が削がれたりしないのかね~。 -
拝観受付の前に 北大門へ。
鎌倉時代前期に再建され、1601年の修補を経て、現存する重要文化財。
この近くに観智院があるのだが、修復工事のため、公開停止中。
本堂の五大虚空蔵菩薩を拝観するのは、2017年以降の機会ということに -
券売所で 五重塔初層内部、金堂、講堂、宝物館、小子房を
拝観できる「共通券」を手に入れて、中に入る。
そして、いきなり講堂へ。
立体曼荼羅の拝観は、今回の旅のメイン同然なので
最後に残しておくつもりだったが、
講堂が 入場口(券売所)から、一番近かったので、
そのままの勢いで 最初に拝観してしまった。 -
講堂内に一歩踏み込んだ途端、視界に飛び込んでくる密教空間
立体曼荼羅の彫像群に圧倒された。あちこちで感嘆の声があがっていた。
このときのために 五智如来 五菩薩 五大明王 四天王 梵天 帝釈天の
計21の彫像の配置を予め、手帳に控えていったのだが、
現地リーフレットに配置が明記してあった。(嗚呼、無駄手間。)
私観では 右手前隅の持国天の存在が際立っていたな~。 -
講堂の立体曼荼羅で いきなり お腹いっぱいになった後は、
天竺様と和様を折衷した入母屋像の建物自体が国宝の金堂へ。
現存する金堂は、豊臣秀頼が発願し、
片桐且元を奉行として、再建させた。 -
金堂に入り、桃山時代の仏師・康正による薬師三尊を拝む。
(立体曼荼羅で びっしりの密教ゾーンの講堂とは対照的に)
広いスペースに ゆったりと安置される顕教空間。
中央に安置される本尊の薬師如来坐像、
両脇に侍る日光菩薩像、月光菩薩像に加え、
薬師如来像の台座周りを固める十二神将の存在が光る。 -
巧みな変化が見られる金堂の側面。
屋根が何重にも設けられている。
屋根の隅には龍や小鳥が模られている。 -
東大門
カッコ書きで「不開門」と併記されているのは、
単に現況を示すのではなく -
南北朝時代、足利尊氏が
新田義貞の猛追から逃れたエピソードに裏打ちされていた。 -
そして、東寺の象徴、五重塔へ
四度の焼失を経て、現存する塔は、
1644年 徳川家光の寄進により、再建された。 -
初層内部で金剛界曼荼羅を拝む。
・心柱を大日如来に見立て、
その周りに阿閦 宝生 阿弥陀 不空成就の四如来。
・四如来の脇を固める八菩薩。
・四天柱に描かれた金剛界曼荼羅。
・扉の内側に描かれた護法八方天、扉の左右の柱に描かれた 八大龍王。
・周囲の壁の上段に描かれた真言八祖像、下段に描かれた蓮池。
・天井、長押まで隈なく飾る文様。
狭小スペースながら、実に見応えたっぷりの濃密空間。
時が経つのを忘れて、首が痛くなるほど じっくり拝観。 -
五重塔 退場口
隠し撮りしたつもりは ないが、南を向く宝生如来像の姿が。
五重塔(初層内部)拝観の後は有料エリアの外へ。 -
敷地内北にある宝物館へ
入場時、展示目録をもらえるが、前後期に分け、展示替えを行う都合上、
目録記載の総てを展示していないので、実際の展示物との照合を要した。
結果的に 照合作業のおかげで 一つ一つを じっくり味わうことができた。
今回の展示テーマの「怒りのかたち」を表す三つの明王像、
①国宝 五大尊像 大威徳明王
②不動明王像(室町期の方)
③孔雀明王像 ・ ・ ・ を中心に 数十点の寺宝を拝観。 -
御影堂に到る門
本来なら、ここから最初にお参りするべきだったけど・・・ -
空海の住房であった国宝 大師堂は、
前堂、後堂、中門の3部分からなる複合仏堂なのだが、
大がかりな保存修理中の現状では、その様子を視認できない。
大師堂では、建物そのものだけでなく、
本来なら 前堂に安置される弘法大師坐像(制作年:1233年)も、
国宝指定されている。 -
大師堂の保存修理は、2019年12月までの長期に及ぶ。
具体的には、大師堂自慢の檜皮葺の屋根を葺き替える。
実に慎重 且つ 繊細な作業になるから、時間も手間もかかるだろうね。 -
大師堂が修理中のため、向いにプレハブの仮御影堂が設けられている。
この仮堂に安置されている弘法大師像は、
国宝の大師像ではなく、江戸時代に造られたイミテーション。 -
大師堂の南に存する毘沙門堂。
-
正面には、毘沙門天の真言 「オン・ベイシラ・マンダヤ・ソワカ」
毘沙門天は、ここではなく、宝物館に安置されているので、既に見た後。
宝物館でじっくり見た毘沙門天は 「国宝 兜跋(とばつ)毘沙門天立像」
両足を地神が支える姿が印象的だった。 -
小子房入口
「堂本印象画伯障壁画」の公開期間なので、鑑賞を兼ねて拝観。 -
門をくぐった先の唐破風
-
中に入って、堂本印象が色々な生物を描いた襖絵を見た。
絵心がなく、美的感受性が乏しいので、
チラ見同然の早送り見学になりそうだったが、
三人のガイドが役割分担して、解説してくれたおかげで
いい具合に興味を湧かせてもらい、各作品を「鑑賞」させてもらった。 -
牡丹の間からスタートして、時計回りに
瓜の間、枇杷の間、鷲の間、雛鶴の間、勅使の間の順に
堂本印象の世界に浸る。
例えば、瓜の間に描かれた襖絵は、
瓜の実と葉っぱだけが描かれているように見えたのだが、
ガイドのヒントにより、
駆けるイタチ&瓜に寄りかかるイタチの姿を発見した。
牡丹の間から雛鶴の間までは、淡色で描かれた水墨画の世界。
最後の勅使の間だけは、金色の襖に 極彩色で
「萩に鷺」 「渓流に鶴」 「日輪山嶽」が描かれていた。
襖絵は、二条城や熊本城の本丸御殿などで見る機会はあったのだが、
ガイドに解説してもらって、じっくり見たことはなかったので、
今回、小子房で過ごした時間は、実に貴重だった。 -
一見地味に見える灌頂院は、密教で最も重要な儀式を行なう道場。
その儀式は 頭から水を注ぎかけるスタイル。これを「灌頂」と呼ぶ。
灌頂道場の現存例は 日本で ここだけ。 -
灌頂院(かんじょういん)も特別公開期間 真っ只中だったが・・・
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残念! 時間切れで灌頂院は拝観できず。
より冷静に考え直せば・・・
もっと のんびり拝観していたら
危うく、小子房(:券売所で拝観料支払済)まで
時間切れで拝観し損ねるところだった。 -
閉門時間の 午後5時まで 結構 時間は残っているのだが、
南大門の係員が じわじわと門を閉め、退場を促すような雰囲気。 -
人の姿が居なくなったタイミングで 南大門は 閉門となった。
まだ4時40分なのにね~。 どうやら、門は早めに閉めるらしい。 -
とりあえず、午後5時にて閉門。
1時間半のインターバルを経て、夜間ライトアップが待っている。
6時20分頃、(夜間入場口の)慶賀門に戻ってきたら
既に数十メートルの行列を形成していた。 -
夜の部に再入場。
水面に映る木々を横目に中へ進む。 -
瓢箪池に映る五重塔。
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木々の向こうの五重塔
左の大きな木は、樹齢120年の不二桜。
桜の時期なら、爽快ショットだろう。
東寺の立地(アクセス)条件なら、
他のスポットで京都を堪能した後の〆で夜桜見物もいいかもね。 -
瓢箪池に映る葉と かすかに色づいた葉
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僅かながら 赤く染まった葉も あった。
-
金堂 及び 講堂は、夜も開放されており、拝観可能。
もう一度、味わいたくなって、両方とも拝観。
(少しは、夜間の入場料の元を取れたかな。) -
ライトアップでは、どうしても五重塔偏重になってしまうな~
中からも、外からも、
新幹線や高速バスの車窓からも、圧倒的な存在感だからね。 -
初めての東寺は、昼&夜で大満足の拝観となった。
今回、修復中だった大師堂、観智院、
更には、時間切れで見られなかった灌頂院は、
次回以降の楽しみに。
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