山と音楽を楽しむ１５日間、ミュンヘンからウィーンへ③

2016/09/22 - 2016/09/25

ミュンヘンを経由してインスブルックへ向かい１５日間の山と音楽を楽しむ旅が始まる。
登山家ヘルマンブールの生まれ育ったインスブルックとその近郊の山々、最深部に氷河を抱えいくつものトレッキングルートのあるシュテューバイ渓谷、ウィーンと並ぶ音楽の都ザルツブルク、ここからザルツカンマーグートヘ入り、シャーフベルク鉄道のあるザンクトヴォルフガング、有名なハルシュタット、保養地バド・イッシュルから登るカトリン、そして最後の目的地ウィーン。シューベルトが生まれ育ち、ベートーベンが最後の弦楽四重奏を作曲し、モーツアルトの終焉の地ウィーン。

初めて知る未知の山でのトレッキングを楽しみ、いくつかの巡礼路を見つけ、お城の中でこの地にピッタリの音楽を聴き、クリムトやエゴンシーレの生きた街を散歩する。

写真はホーエンザルツブルク城塞の音楽会場、お城の一番上にある、さほど大きくない部屋で、窓からはザルツブルグ市内を一望することができる。

＜＊＊＊＊＞夫の言葉
≪＊＊＊＊≫妻の言葉
（＊＊＊＊）二人以外の言葉

エリア ザルツブルク(オーストリア)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 3.0
• ホテル: 3.5
• グルメ: 3.5
• ショッピング: 3.0
• 交通: 3.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス タクシー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

■２２日ー１２時過ぎインスブルックに戻りウィーン行きの電車に乗り込むー

１４：５８ザルツブルグ着、駅前のタクシーでアルトシュタットホテルカーセラーブロイへ向かう。
予約したこのホテルは旧市街の中にある古いホテルで、今夜音楽会の開かれるホーエンザルツブルク城のケーブル乗り場に一番近くてリーズナブルな金額なのだ。
予約した部屋はシャワーだけの平均的なツインだったが僕らはそろそろバスタブにつかりたかった。

ーこのお風呂　何なの？ー

フロントで僕らはお願いする。

＜バスタブ付きの部屋へ変更してくれますか？＞
（ジュニアースウィートS3が空いているわ。４０ユーロ加算されます）
＜１日？＞
（いいえ、２日分です）

勿論OKだ。だが、重厚な扉を開けて中に入った時、僕らは風呂の置いてある場所に驚いてしまう。１０ｃｍ位の高さのあるタイルの上に３人くらい入れそうな大きさのバスタブが広い寝室の一画を占めている。しかもバスタブはジャグジー付きだ。

街の概要やザンクトヴォルフガングへのバス停の場所も知りたいので、都会用のさっぱりした服装に着替えて駅までの道を歩いて戻る。
途中の公園の中にあるカフェテラスで珈琲と美味しそうなスパゲッティを１皿頼み休憩、それから駅前の本屋でザルツカンマーグートの地図を購入し、帰りは別の道を歩いて戻る。

ーホーエンザルツブルク城塞でのディナー

久しぶりに山の格好から、僕は黒のブレザーに、妻は短い袖のスーツに着替えて
ホテルから４～５分の距離にあるケーブル乗り場に向かう。
この時間に城へ上るのはディーナーの席を予約した方々だろう。
切符は買わずにバウチャーだけを見せてケーブルに乗り込む。

城塞から少し離れたレストランに着いたのは１０分前くらいだが、２０人くらいの人たちがすでに並んでいる。
少し待って、ザルツブルグ市内が一望できる窓脇の席に案内される。
ワイン、スープ、サラダ、メインの魚と肉、最後が写真のデザート。

≪こんな贅沢をしていいのかしら≫

１時間半ほどでディナーを終え、お城の上の音楽会の開かれる会場へ向かう。

ーホーエンザルツブルク城塞でのステキな音楽会ー

正装に着飾った地元の人たち、僕らのような音楽好きの旅人、キット金持ちのアメリカ人、地方から都会へ出掛けてきたオーストリア人、音楽会が始まるまでしばらくの時間があり、最上階にあるだろうこの部屋の窓から静かに広がる夜のザルツブルクを見渡す。
すぐ前に広がるザルツブルグ市内、その中心を流れるザルツァッハ川、その先に続く名前の分からない低い山々、僕らはしばらくここが旅先であることを忘れてこの雰囲気に溶け込んでしまう。
モーツアルト、ハイドン、バッハ、ヨハンシュトラウス、耳慣れた室内楽を楽しむ２時間はアッという間に過ぎてしまった。

音楽会が終わってケーブルで下の街まで降りる。
降りた先の広場で開かれている秋のフェスティバルはまだたけなわであった。

≪フェスティバルを見るのは明日にしましょ≫
＜OK＞

フェスティバル会場をほぼ半周してホテルへ戻る。

■２３日ーザルツブルクカードを購入して市内見物ー

ホテルの朝食を終えて都会用の服装に着替え、フロントでカードを購入する。

＜モルゲン、２４時間用のザルツブルグカードを２枚ください＞

ここではザルツブルグカードをホテルでも買うことができるのでインフォメーションへ行く必要がない。
カード右上のお城がホーエンザルツブルグ城塞、その中央の一番上の階が音楽会場だろう。僕らの泊まっているホテルは城塞の下の高い建物の横あたりだろうか。

ーザルツブルグ ミュージアムのポスタ①　AUSSTELLUNG　Entartete　KUNST－

美術館も記念碑もモーツアルトの生まれた家も、ほとんどの観光スポットが旧市街にあるのでホテルを出ると観光客がいっぱい歩いている。

≪昨日の夜の静かさはどこへ行っちゃたのかしら？≫

僕らもその流れに沿って歩き始める。
まずモーツアルトの家へ行こうと考えて、このあたりだろうと見当を付けたのだが見当たらない。
モーツアルトの足跡の残る場所を見つけるのは難しそうなので、僕らが始めに選んだ場所は、中庭のような先を入った場所が入り口となっている大きなザルツブルグミュージアムだ。
最初に目に飛び込んできたのはザルツブルグで開かれた退廃芸術展でのポスタ。

＜僕も一枚欲しい。オリジナルでなくてもいいよ。＞

だが、誰も欲しがらないのだろうか？複写さえショップには置いていなかった。

ーザルツブルクミュージアムの小冊子②ー

甲冑や古い絵画、写真のような様々な冊子類も面白かったが、この博物館の楽器コレクションの展示フロアーは僕らにとっては予想していなかった収穫であった。

ーザルツブルクミュージアムの楽器コレクション①クラビコードー

全ての楽器の脇に２台のヘッドフォンが置かれており、数分から１０分くらいの長さの楽曲を自由に聴くことができるようになっている。

≪とても素晴らしいわ≫
＜さすがザルツブルグだね＞

ーザルツブルクミュージアムの楽器コレクション②笛ー

様々な笛が置かれている笛の展示スペース。
リコーダ、フルート、バッグパイプのような楽器

ーザルツブルクミュージアムの楽器コレクション③クラビコードー

やはり、クラビコードやフォルテピアノのような現在にも続く伝統的な楽器のコレクションが多く展示されており、昔のままのモーツアルトのソナタを聞くことができる。

ーザルツブルクミュージアムの楽器コレクション④不思議な楽器ー

ギターのようなヴァイオリンのような？
こんな楽器の曲も聞くことができる。

ほかにもどうやって弾くのかさえ分からないような楽器がたくさん展示されている。

ーザルツブルクミュージアムの楽器コレクションフ⑤フォルテピアノー

子供のころのモーツアルトはこんな楽器で演奏していたのだろうか？

ーザルツブルクミュージアムの楽器コレクション⑥不思議なバイオリンー

このヴァイオリンはすべてが金属でできている。
面白いがあまり美しい音色とは言えない。

≪甲高い色で疲れるわ≫

ーザルツブルクミュージアムの楽器コレクション⑦、ツイター

オーソンウェルズの第三の男にも使われているツイター、
この映画の最後のシーンはウィーンの墓地で撮影されたそうだ。

ーザルツブルクミュージアムの楽器コレクション⑧不思議なバイオリンー

中心に笛が埋め込まれているバイオリン、一度に両方の楽器を使えるわけではない。

ーザルツブルクミュージアムの楽器コレクション⑨クラビアー

一番現代に近い形のクラビアーだろうか。
奇異な感じを受けない。

ーザルツブルクミュージアムの小さな展示スペースー

別のフロアーには５０ｃｍ四方ぐらいの大きさの箱が上下４段、左右１０列くらいに置かれているだけの場所があり＜なんだろうと＞ノブを引いて箱を開けてみた。きっと無名な作家の意思表示のスペースなのだろう。
本が飾られていたり、アート作品のようなあるいは詩集のような本が置かれていたり、来館者の一言が飾られているスペースまであった。
妻もそのスペースに一言を追加する。

＜筆を持って来ていれば良かったのにね＞

ーザルツブルクミュージアム工芸作品の展示されている別のフロアー

この部屋は部屋全体が工芸作品のようになっている。
箱根の象嵌細工を知る日本人には、ものすごく感心してしまうほどのものではないような感じがする。

-ザルツブルクミュージアムのセルフサービスのカフェー

歩き疲れてしまったので珈琲を飲みながら少し休む。
ベランダで飲むこともできるように作られているが日が陰り始めている。

≪もう外は寒いわ。どこかで何か食べましょ≫

ここから先の道はなぜかモーツアルトの足跡の残る場所が次々に現れる。
途中の小さなカフェでケーキと紅茶で簡単に済ませる。

-ザルツブルク・カテドラルー

このカテドラルを最後にホテルへ戻る。