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琵琶湖の西、比良山系の標高900mほどに位置する関西屈指の高所湿原「八雲ヶ原湿原」は、比良ロープウェイやリフトが運行されていた頃は、家族連れも訪れる自然の山上庭園だった。<br /><br />リフトとロープウェイの山上駅があった北比良峠から湿原にかけては、尾根と谷を辿る回遊コースがあるが、そのコース沿いの断崖には、風雨の浸食作用によって形成された花崗岩の天巧磨崖仏がある。高さ10m、巾20mに及ぶ巨大さ。崖が浸食作用で六体の仏像のようになっており、昭和41年に当時の滋賀県知事が「天巧磨崖仏」と命名するまでは「六体観音」と呼ばれていた。<br /><br />北比良峠に登る際、普通は正面谷から「ダケ道」を辿るのだが、リフト山麓駅跡から比良川の上流・神爾谷(じんじのたに)を登るコースの方が見所は多い。それは「神爾滝」と総称される四つの滝や奇岩怪石沿いを通るから。<br /><br />四つの滝の内、二番目の「二の滝」で記念写真を撮ったが、熊手のような形状で岩を削って落下するその写真は、最大の滝、雄滝(四の滝)よりも迫力が感じられる。<br />因みにその添付の記念写真では、光の当たり具合で私の顎がバナナマンの日村のようになっているが、当時は今と比べるとスマートだった。<br /><br />神爾谷コースは山道ルートと沢登りルートがあるが、山麓駅から谷に分け入り、雄滝まで遡行した後、山道に合流した。雄滝までは各所に巻き道もあり、沢登り装備なしで遡行できる。谷は伏流になっている箇所があり、最も川幅が狭い部分は3cmほどになっていた。そういう谷の変化も見ていて楽しい。<br /><br />滝の落差は二の滝で13m、雄滝で18mだが、兎に角どの滝も水量が多く、周囲に轟音を轟かせおり、メジャーな八池谷の八淵滝(総称)とはまた違った迫力と魅力がある。<br /><br />登山道はダケ道に合流するやや手前はザレ場となっていて、風雨によって浸食されて尖った奇岩怪石が林立しているが、ここを「蟻地獄」と言う。ここにも船形地蔵のような形状の岩がある。<br /><br />湿原は安雲川の支流・明王谷のそのまた支流・奥ノ深谷の源流、八雲池周辺に広がっており、春にはショウジョウバカマやイワナシ、初夏にはシャクナゲやベニドウダン、盛夏にはトキソウやカキラン、サワギキョウ、食虫植物のモウセンゴケ等が花を咲かせる。<br /><br />ダケ道から北比良峠に上がって、八雲ヶ原湿原を右回りに回遊して、天巧磨崖仏を往復した後、北比良峠からリフトに乗って下山したと思う。<br /><br />現在、公共交通機関利用時のアプローチとしては、JR比良駅からタクシーを呼んで「リフト前」バス停跡へと行くのが最適だろう。タクシーで10分程、バス停跡から八雲ヶ原湿原までは3時間少々ほどだったか。<br />コース図やコースガイドは<br />http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=43888

沢を登って山上の湿原や自然の浸食磨崖仏へ

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1994/05/19 - 1994/05/19

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19

マローズ

マローズさん

琵琶湖の西、比良山系の標高900mほどに位置する関西屈指の高所湿原「八雲ヶ原湿原」は、比良ロープウェイやリフトが運行されていた頃は、家族連れも訪れる自然の山上庭園だった。

リフトとロープウェイの山上駅があった北比良峠から湿原にかけては、尾根と谷を辿る回遊コースがあるが、そのコース沿いの断崖には、風雨の浸食作用によって形成された花崗岩の天巧磨崖仏がある。高さ10m、巾20mに及ぶ巨大さ。崖が浸食作用で六体の仏像のようになっており、昭和41年に当時の滋賀県知事が「天巧磨崖仏」と命名するまでは「六体観音」と呼ばれていた。

北比良峠に登る際、普通は正面谷から「ダケ道」を辿るのだが、リフト山麓駅跡から比良川の上流・神爾谷(じんじのたに)を登るコースの方が見所は多い。それは「神爾滝」と総称される四つの滝や奇岩怪石沿いを通るから。

四つの滝の内、二番目の「二の滝」で記念写真を撮ったが、熊手のような形状で岩を削って落下するその写真は、最大の滝、雄滝(四の滝)よりも迫力が感じられる。
因みにその添付の記念写真では、光の当たり具合で私の顎がバナナマンの日村のようになっているが、当時は今と比べるとスマートだった。

神爾谷コースは山道ルートと沢登りルートがあるが、山麓駅から谷に分け入り、雄滝まで遡行した後、山道に合流した。雄滝までは各所に巻き道もあり、沢登り装備なしで遡行できる。谷は伏流になっている箇所があり、最も川幅が狭い部分は3cmほどになっていた。そういう谷の変化も見ていて楽しい。

滝の落差は二の滝で13m、雄滝で18mだが、兎に角どの滝も水量が多く、周囲に轟音を轟かせおり、メジャーな八池谷の八淵滝(総称)とはまた違った迫力と魅力がある。

登山道はダケ道に合流するやや手前はザレ場となっていて、風雨によって浸食されて尖った奇岩怪石が林立しているが、ここを「蟻地獄」と言う。ここにも船形地蔵のような形状の岩がある。

湿原は安雲川の支流・明王谷のそのまた支流・奥ノ深谷の源流、八雲池周辺に広がっており、春にはショウジョウバカマやイワナシ、初夏にはシャクナゲやベニドウダン、盛夏にはトキソウやカキラン、サワギキョウ、食虫植物のモウセンゴケ等が花を咲かせる。

ダケ道から北比良峠に上がって、八雲ヶ原湿原を右回りに回遊して、天巧磨崖仏を往復した後、北比良峠からリフトに乗って下山したと思う。

現在、公共交通機関利用時のアプローチとしては、JR比良駅からタクシーを呼んで「リフト前」バス停跡へと行くのが最適だろう。タクシーで10分程、バス停跡から八雲ヶ原湿原までは3時間少々ほどだったか。
コース図やコースガイドは
http://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=43888

旅行の満足度
4.5
観光
4.5
交通手段
高速・路線バス JRローカル 私鉄

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