宮島１日観光

2016/08/24 - 2016/08/26

これまでの旅行記はほぼ仕事がらみだったのだが、
今回の広島旅行はまったくのプライベート。
かねてから厳島神社に行きたいと言っていた娘と、
「広島は行ったことがないわね」という義母を連れての旅行である。

ANA旅作で航空券とホテルを手配して、ルートは去年の出張時の
『広島3.5時間観光』　http://4travel.jp/travelogue/11077930
をほぼトレースした。

エリア 宮島・厳島神社(広島)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: ANAグループ JRローカル 私鉄
• 旅行の手配内容: 個別手配

東京は快晴。
横浜に住む娘と義母とは、10:00に羽田空港で待ち合わせ、
11:35のANA677便で羽田から広島へ。

広島は空港から街中までの距離が長いのが困るのだが、
今回も空港シャトルバスで約1時間かけて市内へ。

空港のシャトルバスの広島バスセンターの入っている「そごう」の隣、
リーガロイヤルホテル広島はすでにチェックイン可能だという。
部屋に荷物を置き、平和記念公園に向かう。

なお、ここは結婚式なども行える大きなホテルで、
ところどころがえらくデコラティブだ。

リーガロイヤルホテル広島 宿・ホテル

平和記念公園の前の橋を、広島電鉄の路面電車が通る。
ホテルは県庁前なので、路面電車好きなら
紙屋町西から原爆ドーム前まで一駅だけ乗ることも可能だが、
今回はパス。
でも、便利な路線ではある。

広島電鉄 (電車) 乗り物

平和記念公園の北端に位置する原爆ドーム。

原爆投下の爆心地に近かったため、完膚なきまでに壊れている。
原爆ドームと時折比較されるベルリン大空襲跡の
カイザー・ヴィルヘルム記念教会は内部でコンサートなどが行われるため
何度か訪れていたのだが、壊れた建物は、悲しくて、美しい。

原爆ドームに悲しさと美しさを感じるのは、廃墟マニアだけではないだろう。

原爆ドーム 名所・史跡

バスセンターからホテル、原爆ドーム、
平和記念公園の位置関係はこんな感じ。

テレビで式典の様子が中継される、原爆死没者慰霊碑。

娘は、「よく式典で中継されているのはどこ？」と探していたが、
カメラの入る場所に立って、同じアングルで見て初めて、
「本当にここなんだ」と、実感したようだ。

考えていたよりも、一回り以上小さい。

平和記念公園 公園・植物園

広島平和記念資料館は去年に引き続き改装中のようだ。
入館料200円（大人料金）。
思いのほか並ばずに入場できて一安心だったが、
入り口付近の展示物の前は、観光客で渋滞していた。

現役のオバマ米国大統領のサインとパネルがあった。
が、元米国大統領の写真や、米国の著名人のサインはほかにもある。
日本の現役総理が靖国神社に行きにくいのと同じように、
いろいろな政治的な配慮や縛りがあったのかもしれないな。

広島平和記念資料館 美術館・博物館

三歳の男の子の遺品。
一瞬にして焼けてしまった三輪車。

戦争下で、軍事拠点が空襲にあうのは仕方ないとも思うが、
非戦闘員の家や子供も亡くなってるんだ、と実感する。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

こちらは『原爆の子の像』のモデルである、佐々木禎子の遺品。
２歳で被爆、小６で白血病を発症し、1年後に亡くなった。

病床で、針を使ってとても小さな折鶴を折っていたそうで、
精密でキラキラしたセロファン製の鶴は、
恐ろしげな遺品の並ぶ資料館の中では、場違いなほどに綺麗だ。

折鶴の横の年表が、空襲の怖さだけではなく、被爆の怖さ、
原爆（放射線）の恐ろしさを物語る。

平和記念公園 公園・植物園

資料館を出ると、少し日が傾きかけていた。
（これは５時半ごろ）

平和記念公園内の、原爆死没者追悼平和祈念館、
平和の灯、原爆の子の像などを見て歩いたが、
資料館の展示物のショックが大きくて、義母も娘も無口になっている。

おりづるタワー（2016年7月オープン）のおみやげ物を眺めてから、
ホテルに戻る。

*おりづるタワーの展望台からは、原爆ドームの内側が見下ろせたらしい。
*1700円と入場料は高いのだが、時間に合わせて行くべきだったか。

国立広島原爆死没者追悼平和祈念館 美術館・博物館

ホテルの客室（２５階）からの夜景。
東向で、原爆ドームなどは見えなかったが、美しかった。
翌朝、右手に海が見えることも確認した。

ツインの部屋にベッドを足してもらう形の３人部屋だったが、
元々のものとほぼ同じ大きさ･デザインのベッドは快適だった。
それだけ広い部屋だったのだな……

リーガロイヤルホテル広島 宿・ホテル

ホテル１階のオールデイダイニング・ルオーレで夕食。
フィレステーキやローストビーフなどのメインを選び、
後はビュッフェで好きなものを運ぶ。
元々が5000円位のコースだが、予約をしたからかキャンペーン中だからか、
19％オフ。さらに宿泊客だから、15％オフ。
３人で１万円以内というのはとてつもなくリーズナブルだ。

ビュッフェで「アボカドクリームとサーモンのオードブル」
「ゴルゴンゾーラチーズと蜂蜜のピザ」に、娘が惚れ込んでいた。
カレー等もあったのに、制覇できなかったのが心残りのようで。

ダイニング ルオーレ グルメ・レストラン

翌朝は、8時30分の広島世界遺産航路（平和記念公園発）
で、宮島に向かう。（昨年と同じルート）
羽田空港から予約を入れていたのでＯＫだったが、満席だ。
片道2,000円。

朝ごはんのサンドイッチ類を持って乗船した。

ひろしまリバークルーズとひろしま世界遺産航路 乗り物

55分かけて宮島に到着。

干満のサイトを見て、この時間なら大鳥居に歩いていけるかも、
と、急いで厳島神社に向かう。
干満時刻表　http://www.miyajima.or.jp/sio/sio08.html

大鳥居までは、海岸線を歩いて10分くらい。

厳島神社 寺・神社・教会

砂浜を歩いて、大鳥居のすぐ下まで行ってみる。
大鳥居の足に藤壺がついて、その間に賽銭の5円玉がはまり込んでいる。
下の方には牡蠣もくっついている。

水辺には水鳥がいて、見ると浅い水の中に小さな魚やヤドカリが大量にいた。

厳島神社に到着。拝観料と宝物館のセット料金で500円。

大鳥居の干潟は遮るものがなく、炎天下で暑かったのだが、
回廊に入ると涼しい海風が流れてきて心地よかった。

回廊や能楽堂の美しさは、いまさら言うまでもない。

厳島神社 寺・神社・教会

奉納された酒や、寄付金（献上金）の木札も、
回廊の一部になっているようで綺麗だった。

観光客たちもゆっくり歩き、適度な混雑で快適だった。
ただ、水中花火の時などはとてつもなく混むのだろうな。

厳島神社の回廊を出て、
甲冑や刀が納められている宝物館を回ってきたら、
人力車引きのお兄さんが、「大聖院がお勧めだ」と教えてくれた。
ルート説明などもしてくれて、ありがたい。
（人力車には乗らなかったのに……）

船着場でもらった地図だと、中央の厳島神社から、
右上のほうに、山に登っていく感じになる。

大聖院の仁王門まで、厳島神社から５分くらいだろうか。
緑の中の参門が厳島神社とはまた違った美しさだ。

大聖院 寺・神社・教会

本殿に上がる階段。
石段の手すりの摩尼車（筒を回転させると教典を読んだのと
同じ功徳があるとされる）を回して上る。

途中、鐘堂で鐘をついたり、わき道があったりするので、
80代の義母でも、見かけほどきつくなく上がって行けた。

狸（法衣を着ているから狸坊主か？）の焼き物があった。

狸が持っているガラス玉に、仏像が入っていて、
ありがたいものだというのはわかるのだが、
とても愛嬌のある表情をしている。

頂上に到着。
日よけの布やよしずがありがたい。
また、風鈴は、涼をとるためのものなのだな、というのがよくわかる。


風鈴の横で長寿羅漢茶というお茶の無料サービスがある。
少し癖があるが美味。

「弥山小坊主の会」、という一団の小学生が来て、
本堂（観音堂）は修学旅行の休憩所みたいになっていた。
小学生と同様、本畳に横たわって涼んでいる外国人旅行客がいる。

黄色い法衣の写真は、ダライ・ラマ法王が訪れた時のものだそうだし、
何でもありのお寺さんだ。　

この本殿の下には「戒檀巡り」があって、
かろうじて仏画を見える明かりのみの暗闇の中、壁を手探りして進む。
別のお寺さんで歩いたことがある、という義母は、さくさく進んでいく。

大聖院 寺・神社・教会

本当は弥山登山までしたかった娘は、摩尼殿や大師堂まで上っていった。
さすが１０代・剣道部、限りなく元気だ。

摩尼殿からの眺めと、大師堂の数珠を引っ張って回してみたそうだ。

一願大師 名所・史跡

正面階段の横に、お地蔵さんの並んだ小路があったので、
帰りはそちらを通ることにする。

緑の木陰が心地よい。

お地蔵さんたちは、帽子をかけて立っていたり、座っていたり、
干支の動物と遊んでいたり、みんな表情があってかわいらしかった。

上から来ると小路の入り口がわかりにくいのだが、
正面の階段の上り終わりに近くに、左手に入る赤い橋があって、
その奥に目立たない形で下り階段がある。

お地蔵さんの道を降りると、仁王門の横に出る。
すぐそばのお寺カフェ『六角茶屋』に入ってカキ氷をいただいた。

時間をかけてお茶やコーヒーをドリップしているようで、
こだわりがあっておしゃれな喫茶室だ。
でも、……お店の入り口には、何と書かれているのか達筆すぎて読めない。

上ってきたときとは別の道、滝小路を通って厳島神社の周りに降りる。
白壁のかっこいい、宮島で最も古い町並だ。
今も人が住んでいて、観光地なわけではない、とのことだが、
時々、好意で内覧させてくれるらしい。

滝小路　 名所・史跡

時にはヨーロッパみたいに窓に花を飾っている家がある。
ここにも鹿がいる。鹿たちは穏やかで人懐こくて、奈良の鹿よりもすれていない。

滝小路　 名所・史跡

海岸に戻ったが満潮の時間にまだ間があったので、
『お食事処てんしん』で、牡蠣丼を食べた。
中国人観光客が多く、店員も中国語を話すお店で、サービスも……　

いや、丼は牡蠣がたくさん入っていて、とても美味で、
コストパフォーマンスも悪くなかったです。

てんしん グルメ・レストラン

午後の２時過ぎ、今度は満潮の厳島神社へ。
朝に購入したチケットが有効で、入り口で見せたら再入場できた。

朝よりは混んでいたが、それでも風が心地いい。

厳島神社 寺・神社・教会

大鳥居は水の中に建てられているようにしか見えないし、
回廊の下の水の深さも、そこを泳ぐ魚（20cmクラス！）も、
なんとも非現実的な空間になっている。

水の反射が、赤い柱を照らすのも夢のような光景だ。

満潮時間を待っていてよかった♪

義母が少し疲れたというので、
店（昨年、牡蠣をいただいた「とりい」さん）で待って貰い、
娘と二人で五重塔と千畳閣に上る。

五重塔はともかく、千畳閣は宮島で一番のお勧めスポットだ。
入場料は100円。何を見るでもないのだが……良い場所です。

豊国神社(千畳閣) 名所・史跡

義母が疲れている様子なので、休み休み道を戻る。

表参道商店街の入り口（桟橋側）近くのやまだ屋さんは、
休憩用の座席や、化粧室、フリーの冷茶があって助かった。

やまだ屋 宮島本店 グルメ・レストラン

帰りは大型のフェリーで宮島口まで行き、
ＪＲ広島駅経由、タクシーでホテルまで戻る。

青い海の中の、赤い鳥居は、遠目にも映える。

宮島フェリー 乗り物

ホテルで少し休んだら義母も持ち直したようだが、
大事をとって夕食はパスするというので、娘と二人で近場のレストランに行く。

娘は私が去年話したのを覚えていたようで、広島に行ったら
お好み焼きと、『ふわふわオムレツ』を食べると決めていたようだ。
そごうの中の『サロン卵と私』。
どうやって作るのかわからないが、ここのスフレはふわっふわだ。

でも、東京にも同じチェーン店が、あるんだが。

サロン卵と私 そごう広島店 グルメ・レストラン

娘が宮島で探し回っていたおみやげ物。
表参道商店街で、何件か回ってやっと見つけていた。

もみじ饅頭のお酒で、チョコレートもみじ饅頭味のお酒、
あんこのもみじ饅頭味、抹茶もみじ饅頭味のお酒、と。
牛乳に混ぜてカクテルみたいにして飲むらしいが……

宮島表参道商店街 (清盛通り) 市場・商店街

26日朝。義母もよく眠れたせいか、完全復活だ。

チェックアウトがゆっくり（11時）なので、モーニングを食べに行く。
好みの具材をオーダーして、目の前でオムレツを焼いて貰う。

和食も洋食も選べて、こちらもビュッフェタイプ。
ホテルの朝食なので、2000円（宿泊割引15％）はリーズナブルなのだが、
ディナービュッフェが結果的に3000円くらいだったのを考えると、
なんだか疑問だ（苦笑）

ダイニング ルオーレ グルメ・レストラン

ホテルに荷物を預けておいて、広島城へ向かう。
リーガロイヤルホテルからは、これも徒歩で５分くらい。

広島城 名所・史跡

広島護国神社などを通り過ぎて、天守閣に向かう。

石垣と木造の壁、漆喰と瓦の屋根のコントラストが、特徴的で珍しい。

広島城 名所・史跡

広島城の入館料は300円ほどで、各階層の展示物を見ながら
階段で上までいけるようになっている。
ただ、非常に暑い。扇風機を全開で回していたので、エアコンの不調だったのかも。

それでも、展示物を見ながら、最上階の天守閣まで登る。
周りに高い建物があるので、遮られてはしまっているが、
昔はさぞかし見晴らしの良い場所だったのだろうな。

義母と娘は、そごうでおみやげ物のもみじ饅頭を大量購入したあと、
上階の『雅』というお好み焼き屋さんに行く。
整理券を発券してもらうシステムで、常に混んでいたが、
中に入ってみると、広くておしゃれで、混んでいるのも納得する。

焼きうどんと、広島焼きのお好み焼きを頼んで、３人でシェアする。
朝食から時間がたっていなかったので、ちょうどよかった。

みっちゃん総本店 雅 そごう広島店 グルメ・レストラン

広島空港リムジンバスで広島空港に向かうが、
16:45ANA682（広島→羽田便）は遅れていたようで、
再び、空港でもみじ饅頭を試食したり、きびだんごを見たり。

ANA機のエンジンの整備のために、何便か欠航していたので、
満席はもとよりキャンセル待ちやらなにやら混み合っていたようだ。
荷物は預けてしまったので、のんびり搭乗。

ずっと天気がよかったのに、ここで雨が降り始めた。
晴れ女は義母なのか娘なのか。


あ。富士山が見えた。

この旅行記へのコメント （3）

• zooeyさん 2016/09/14 23:15:00

  母娘旅

  母娘３人で旅行なんて素敵ですね〜。
  
  私も３０代になって初めて母と２人きりで台湾に旅行に行ったのですが、旅行中は母がものすごく年老いて小さく見えたり、若々しく子供のようにはしゃぐ姿を見たり・・・。何だか不思議な気持ちになりました。
  また母親と一緒に旅行に行きたくなりました〜！

  Zebraさん からの返信 2016/10/17 18:38:38

  RE: 母娘旅

  こんにちは。
  
  返信が遅れちゃってすみません。
  
  実母ではなくて、義理の母なので、
  また、もともと旅行が好きな人なので、
  単に友達と行くような感じで気楽でした。
  
  すでに80overなので無理はさせられないのですが、
  広島で味を占めたのか、
  北海道にも娘と一緒についてきました。
  でも、仕事時間が長くて、娘を放置するのもなんだったので、
  来てくれて助かりました。
  
  次はどこに行こう、と、娘を一緒に
  私の出張先をサーチしているようです。
  
  
  
  

• Zebraさん 2016/08/29 09:51:43

  旅行金額集計

  本文に書くのもなんなので、備忘録的に。
  高いのか安いのかわからんけど。
  
  ●羽田/広島往復航空券＆リーガロイヤル広島２泊（食事なし）：￥42,000
  　　　　（参考までに、新幹線の往復：￥36,000）
  ●その他交通費（自宅ー羽田＆広島−宮島、タクシー含む）：￥3,500
  ●食費、入館料他：約￥10,000
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　合計、￥5,5500＋お土産代など