2016/07/11 - 2016/07/13
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鯨の味噌汁さん
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7月11日、スイス2日目。9:30ジュネーブ発の列車でツェルマットまで移動する。
ジュネーブを出ると、列車はしばらくの間レマン湖を見ながら東をめざす。
ニヨン、ローザンヌ、モントレー、名前しか知らない街を通り過ぎ、フランス国境近くをかすめながら南に進路を変え、山峡に入っていく。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
氷河が作った谷があちこちにあり、山塊が始まる。
平地は乏しく、斜面はびっちりと葡萄畑だ。「耕して天に至る」はなにもアジアだけの風景ではないのだな、なんてことを考える。 -
配偶者によると、この辺り、ローマ遺跡があちこちにあるのだという。
とゆうことは、カエサルもこの谷を通ったのかしら。
ローマ軍が通ったあとに、葡萄畑が残ったのかもしれないね。 -
谷は次第に狭まり、鉄道と自動車道が川沿いを並行して走る。アルプスの山塊がおおいかぶさるように近づいてくる。
-
フィスプ駅で乗り換え。
ここから盲腸線がツェルマットまで延びている。 -
山の中を分け入るように単線が続く。谷は深く狭まり、空は鋭角に切り取られていく。
葡萄畑は終わり、谷の底、それから山の斜面に家々が固まっている。
どこかで見た風景だなー、と思ったら、群馬の吾妻線に似ていることに気づく。
どちらも谷の奥を目指す盲腸線だ。 -
一見、人跡まれなる風景だけど、アルプスって意外に古くからヒトが住んでいたらしい。
25年ほど前「アイスマン」と呼ばれる成人男性のミイラが、アルプスの氷河の下から発見され話題になった。
5000年前を生きたこのオッサンは、すでに青銅器を持ち、パンを食べ、敵の矢を受けて傷ついた戦士だった。
つまりは、その頃アルプスには、すでに青銅器文明が存在していたことになる。
同じ頃、日本はまだ縄文の黎明のさなかだった。 -
13:13、ツェルマット着。
ここでの目的はただひとつ。この目でマッターホルンを見ることだ。
鯨だけではない、マッターホルンを見るためだけに、世界中から観光客が押し寄せる町なのだ。
インフォメーションで地図を貰い、駅からてこてこ、ホテルに向かって歩く。
賑やかな駅前通りで、日本人の団体さん3組とすれ違った。いずれも20人くらいのグループで、これからハイキング、という恰好をしておられる。
さらにレストランの看板には「日本語メニュあります」と書いてあった。さらにさらに、ホテルのロビーにたどり着くと、日本人の団体さんがロビーじゅうに折り重なって出発準備をしていた。
関西方面からの方々らしく、ベタベタの大阪弁、しゃべってはる。ここはホントにスイスなのか。天神橋筋商店街じゃないのか。
とゆうわけで、ツェルマットは前後左右、どこを見ても日本人なのであった。
推定平均年齢73歳。どうやらマッターホルンは、日本人ジジババの聖地であるらしい。
天国が近づくと高いところに行きたがるのかしら、なんて感想が浮かぶ。あーわれながら不謹慎である。 -
天候は曇り。町の通りから見るマッターホルンは、頭頂部をすっぽり雲に覆われ、そう簡単に見せないわよ、という風情である。
高校生の初デートでビキニにはなったものの、バスタオルで隠してオトコをイライラさせる処女みたいなもんである。
ガイドブックには「綺麗なマッターホルンを見たいのであれば現地に3泊しなさい」なんてことが書いてある。
ちなみにワシらは2泊の予定。しかもその2日間の天気予報は「雨」と「豪雨」なのである。だめじゃんそれ。 -
薄曇りの中、とっとと近場のスネガ展望台にケーブルカーで向かう。
このケーブルカー駅、夏なのにキンキンに寒い。
宿を出たときは曇りで蒸し暑かったから、半袖、雨具ナシで出てきたわれわれは、なんとなーくイヤな予感のまま乗り込む。 -
しかし、ついてみると。
おおおおおお、いきなり絶景。
マッターホルンも全裸とはいわないが、ピーチクのさきっぽだけ隠した週刊現代の「檀蜜グラビア」みたいではないか。
ふごーふごー(鼻息)
よよよよよ、よいではないかよいではないかー。 -
しかしまー、すごいところにカフェがあるがな。
標高も高いけど、値段も高いに違いない。
とゆうわけでスルーし、ツェルマットへと歩き始める。
アー気持ちいい。
そーらーは青空―、ふたりはわかーいーーー、てなもんです。 -
しかし、しかし。
歩きだして30分後、一天にわかにかき曇り、カミナリがドカドカ鳴り出し、シャレにならんイキオイで雨が降り出す。
ハイキングどころの騒ぎではない。
足元はジャージャー水が流れ、そのままワシらもレマン湖まで「どんぶらこっこ・すっこっこ」と流されそうだ。 -
ツェルマットを出たときは薄曇りだったから、雨具なんぞは持ってきておらん。よって上から下までずぶ濡れだ。
とゆうわけで、雨の中を1時間半歩き、ほうほうの体でツェルマットの町まで逃げ下った。
初日は大惨敗である。どうしてくれよう。 -
この村は、マッターホルン以外、ウリはなーんもないところである。
温泉も沸いてないし遊園地ももない、レストランは高い。
ついでにお土産物も高い。
このホルスタインなんて179CHF。
芸者の衣装、ぽっくり下駄、番傘さして背中にスシ。
雨が降ったら、こげなオミヤゲをウインドーショッピングせねばならん。
かんにんや、おじちゃんかんにんやでーーー(⇒意味不明) -
宿に戻って着替え、夕方の街をぶらぶらしてると、ドイツ名物焼きソーセージの屋台を発見した。
ジュネーブはフランス語圏だけど、ツェルマットはドイツ語圏なのだ。
これワシ大好物なんです。ビールに合うの。1本くださいな。
が、お店のお兄ちゃんは冷たく「フィニッシュ」。
えー!だってそこにまだ積んであるじゃん。
「これは明日の分。焼いたのは売り切れ」
がーん。
もう胃袋と脳みそが「焼きソーセージとビール」モードなのに。
諦めきれず、通りを幾つか探したが、焼きソーセージの屋台は出ていない。無念である。
ソーセージ 求めさまようよう ツェルマット 、こかんのむすこ 立たずもあらなん。(大江味噌汁匡房) -
などと嘆き悲しんでいるうちに、ふと中空に気配を感じ、顔を上げると、町の南、山の向こうに、マッターホルンが見え始めた。
どうやらワシがソーセージに興味を移したので、油断して雲のバスタオルを取り落としたらしい。 -
あまつかぜ雲の通い路ふきとじよ、乙女の姿しばしとどめん。
・・・まんまだなこりゃ。
と、隣を歩いていた日本人のジジババ団体のガイドさんが
「みみみみみ、見えましたーーー」
と天空の一点を指差す。
すると団体さんが、まるで朝日に向かうオンドリのように、いっせいにトキの声を上げるではないか。
「おお見える」
「ここまでた甲斐がありました」
「もう死んでもいい」
うんうん。
いっそのこと、この際みなさま氷河にトツゲキし、そのままアイスマンになって5000年後に発見されてはいかがでしょう、などと妄想する鯨の味噌汁であった。
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この旅行記へのコメント (4)
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- ほいみさん 2017/10/21 22:39:41
- マッターホルンは女性だったのか
- こんなに面白いマッターホルン日記なのにコメントが無いのが不思議。みなさん、飲んでたコーヒーをPC上に吹きこぼしちゃったんだろうか。
私も70歳になった母をツェルマットに連れて行ったら、朝日に輝くマッターホルンを見て、上記の団体さんみたいなことを言ってました。帰国後割と直ぐに、心臓発作を起こして病院に担ぎ込まれましたけどね。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2017/10/22 16:22:05
- それは親孝行をなさいました!
- ほいみさん、
お手紙ありがとうございます。
お母さま、そのまま天国に行かれかけたのですね。それはめでたいようなめでたくないよーな。
実は鯨宅の老母(83歳)も「鯨や、あたしゃ死ぬ前にイタリアに」とか抜かすので、死んだら連れてってやる、アドリア海に散骨しちゃる、といじめてます。
- ほいみさん からの返信 2017/10/23 10:37:50
- RE: それは親孝行をなさいました!
- いやいや、直後に人工弁を取り付ける手術を受け、84歳まで生きましたよ。しかもスレスレ寿医療でタダみたいなもの。手術した後は、こちらが怖くなって海外旅行には連れて行って上げられませんでした。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2017/10/23 10:47:58
- 親を連れての海外旅行
- ほいみさん、
>人工弁を取り付ける手術を受け、84歳まで生きましたよ。
おおお、それは失礼いたしました。
>手術した後は、こちらが怖くなって海外旅行には連れて行って上げられませんでした。
そうなんですよねぇ。
ここ(4T)でも、ご両親と海外旅行、とゆう日記をよく拝見いたします。
ワシもいつか、なんて思ってるうちに、母は要介護になってしまいました。
母は若いころカトリック教会の幼稚園で教師をしていたそうで、そのときの神父さんが全員イタリア人だったんだそうです。
「いつかイタリアに」と思ってるうちに80を越してしまいました。
いくらかでも回復したらツアーで連れてってやろうかなと思うてますの。ワシの「サバイバル系」はムリでしょうから・・・
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