2016/07/17 - 2016/07/18
634位(同エリア801件中)
jokaさん
富士登山の三日後、初の山泊り登山へと出発です。
これまでも泊りがけで山に行くことはありましたが、すべて“その日のうちに下山して宿泊は街で”というパターンでした。
去年の磐梯山登山以来の会社の先輩Hさんとの遠征登山である今回も、当初は“一ノ沢登山口〜大天井岳〜燕岳〜中房温泉”あるいは“一ノ沢登山口〜常念岳〜蝶ヶ岳〜上高地”のいずれかを強引に日帰りして松本に泊まる予定でした。
それが、Hさんが物置から10年以上前に(キャンプ用に)買ったダンロップのテントを引っ張り出してきたことから話は急展開をみせ、旅行三週間前にわたしがテントを購入するに至って山小屋泊をすっとばしての初テント泊挑戦が決まった次第。
「テント泊なんて2、3年後かな」と思っていたため、テント購入後に慌ててその他のテント泊装備を買い集める大忙しの日々が始まりました。
最低限の基本装備は揃えることができたものの、細かい便利グッズは間に合わないものも多く最後までバタバタ。
テント設営の練習も外で行う時間が無かったため室内で、しかも一度きり。
野外で見かけると小さく見えるテントも室内ではびっくりするほどの存在感で狭い部屋を目いっぱい使ってぎりぎり立ち上げることに成功。
ちなみにHさんは「重い!」との理由でダンロップテントを諦め、新規にテント購入。もとのダンロップ製と500gも違わないことを考えるに、単にわたしがあれこれ選んでるのが羨ましくなっただけと思われます……
そんななんやかやありつつも、持ち前の“ケセラセラ”精神でなんとか出発当日を迎えたわたしたちですが、現地での予想以上の荒天でまたもや予定変更。
ここでも生まれながらの"なんくるないさ〜"魂で乗り切ったのでありました……
- 同行者
- 友人
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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仕事終わりにHさんとともにやってきました竹橋駅前の毎日新聞社ロビー。
山登りをする人にはお馴染み、“毎日アルペン号”の出発地点です。
ロビーに面したコンビニで明日の朝食を買って時間を潰すことしばし。 -
22時半に受付開始、22時45分出発です。
アイマスク&耳栓の熟睡キットのおかげもあってか目的地まで一度も目を覚ますことがありませんでした。 -
4時30分、一ノ沢登山口に到着。
予想していたよりずっと立派な施設でびっくり。なによりトイレのきれいなことに感動です。 -
Hさんは今日のために60Lのザックを新調。わたしは屋久島でも使った45Lのザックにパンパンに詰めてなんとか凌ぐことにしています。
日焼け止めを1回分ずつラップに包むなどの努力をしたHさんで13kg、めんどくさがりのわたしは15?の荷重です。それでも通販で買ったランタンなどの小物類があちら側の不手際で間に合わず、否応なく1〜2kg程度軽くなっているのですが……
テン泊に慣れてくればもう少し余分な装備を削って軽量化できるはず!なのかな?
とはいえ、不便な思いをしてまで2、3kgを削る意味が正直まだよくわかっていないので、つらい思いをして身に染むまでは細かい努力をする気ゼロだったりします。 -
登山届を提出する際にもらった北アルプス登山マップ。
一ノ沢登山口には今シーズン50部程度しか割り当てられていないというけっこうなレア品。
管理人さん曰く、「表に出しておくと一日でなくなっちゃうから、言われた時だけ渡すようにしてるんですよ」とか。 -
朝食を食べたりしてゆっくり準備をしたため、出発は5時10分になりました。
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山の神様にご挨拶。
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序盤は登りも緩やかでハイキング気分で進めます。
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6時44分、笠原沢通過。
第一休憩ポイントと考えていた王滝ベンチを目指して歩いていたら、いつの間にか通り過ぎてしまっていたみたいでした。
目印を見逃す名人のわたしにはよくあることです…… -
名前の通り沢を身近に感じられる清々しいルートです。
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胸突八丁手前で一休み。
ここまで陽が射したり雨がぱらついたりのはっきりしない天気が続きます。 -
なかなか挑発的なネーミングですね。
身構えて登ると肩透かしを食らうことになります。 -
胸突八丁を過ぎたあたりから雨が強くなりました。
Hさんはレインウェアの上下を着用。もちろんザックカバーも。
めんどくさがりのわたしはザックカバーだけといういつものスタイルで前進です。 -
7時32分、最終水場。
ここより上では、飲料水はすべて有料となります。 -
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こんなふうにして飲む水が美味くないわけがない!
ペットボトルも満タンにして出発。
そうそう。ペットボトルと言えば、今回からナルゲンボトル&プラティパスデビューの予定でしたが、先ほども書いたように通販サイトの不手際で間に合わず…
かわりにHさんの知り合いのつてにより激安で購入できた登山用ウォッチが腕に光ってます。
腕時計をするのは十数年ぶりなのでとても新鮮♪
圧迫感が苦手なのと、それゆえすぐ外してしまい、出先で何度もなくしかけたことがあるため、ずーーーっと持っていませんでした。
すぐに時間がわかるってとても便利だなあ。スゲー煩わしいけど。
が、もともと機械類にはまったく興味がないため使いこなそうという気などさらさらなく、最上位機種を購入したにもかかわらず時計以外の機能は眠ったまま。
ごめんよ、スントくん……
半額とはいえ安くはないお金を払って買ったので、山登りの時ぐらい煩わしいのを我慢して装着してみようと思います。
たぶん…なるべく……気が向いたら……… -
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やっと稜線が見えてきました。
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8時13分、常念乗越到着。
この頃には雨は本降りで、半袖Tシャツ一枚のわたしは完全に濡れ鼠。
周囲を見てもこんな格好の人は誰一人いないので、さすがに空気を読んでレインウェアを着ることにしました。
あー、めんどくさ。 -
常念小屋
出発しようとしている遅発ちの小屋泊まりの人たちと悪天候から逃れるため小屋に入る登山者が錯綜して小屋は大混雑。
加えて清掃や本日の受け入れ準備のため小屋を空にしたい小屋のスタッフが追い出しにかかっているもんだからバタバタは最高潮に……
そんな喧騒をすり抜けて、土間部分に紛れ込んで素早くレインウェアを着用。
今年頭に新調して以来、まともに使用するのは(特にパンツ)初めてです。
めんどうだけどちょっと嬉しい♪常念小屋 宿・ホテル
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イチオシ
計画では常念小屋にザックをデポして常念岳をピストンで踏むつもりでした。
が、眺望も望めないこの状態と初テント泊でこの先どの程度の疲労が見込まれるのかわからないことを考慮して登頂は断念。
このまま大天井岳を目指すことに。
8時35分です。 -
思っていたよりけっこう厳しい登りだな〜
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レインウェアに叩きつける雨のバチバチという音。
真横から吹きつける風のビュービューという音。
なかなか賑やかな山行です。 -
ガスガスです。
眺望はもちろん、時には10m先も見えなくなるぐらいでした。
横殴りの雨も健在で、フードを被っていないとすぐに耳の中が水でいっぱいになるほど。 -
それでもこういう岩場歩きはアルプスっぽくて楽しいな(^^♪
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心が折れかけている人の顔を久しぶりに見ました……
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ここだけ雪が残るってのも不思議。
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常念乗越は写メの右外にあるはず。
こうして見るとそれなりの距離を歩いてきたことがわかります。
辿ってきた稜線が一目でわかるっていうのはいいもんですね。 -
見えてきました。
思ったよりずいぶん遠かった……
相変わらず雨はザーザー風はビュービュー。 -
11時35分、本日の宿泊予定地、大天荘に着きました。
こちらは本館(旧館)の談話室。
“山小屋”という言葉から想像するよりかなり小ぎれいです。
隅の書籍コーナーには山関係の漫画や雑誌がぎっしり。『神々の山嶺』や『岳』に混じって『サバイバル』が置いてあるあたりがニクい。大天荘 宿・ホテル
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まだ利用者も少ないため、ひとまず廊下のストーブでレインウェアを乾かしておいてつづきの新館へ。
新館はさらにきれい。 -
ゆったりとした食堂。
悪天候かつ時間も早いため人もまばら。 -
大天荘名物インディアンランチとご褒美の生ビール。
ここが標高3000m近いことを忘れてしまうような豪華なビジュアルです。
生ビール800円も場所を考えれば十分納得の値段だけど、インディアンランチ(チャイ&フルーツ付)の1200円は思わず耳を疑うお得プライス。街のおしゃれカフェなら同じぐらいの価格設定の所がいくらでもあるでしょう。
素晴らしい企業努力だと思います。 -
美味〜〜〜〜〜〜〜♪♪♪
Hさんは山菜うどんでした。 -
食後、くつろぐHさんを食堂に残して館内を探検。
こちらはフロント。
宿泊、テント泊の受付のほか、Tシャツや手ぬぐいといったお土産やジュース、アルコール、カップ麺、おつまみなどの販売も行っています。 -
新館2階
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これが山小屋での一人分スペース。基本的にどこの小屋でも混雑時には小さ目の布団一つ(一畳)に二人で寝なくてはいけません。
もちろん空いていればもっと広い場所を使うこともできますが…
見知らぬ人と一つの布団を共有しなくてはいけないことを考えると、混雑期の山小屋泊はわたしにとってはかなりハードルが高いようです。 -
閉塞感が少ない分、まだこちらのタイプの方がましかも。
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本館2階
屋根裏っぽさが強く蚕棚を彷彿とさせますが、清潔感がありそれほど嫌な感じはしません。
むしろ空いていれば居心地いいと思います。 -
とはいえここで見知らぬ4人が寝ることを考えるとやっぱり無理かも…
このスペースに一人ならなんとか我慢できそうですが。 -
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こちらは洗面所。
両脇に男女それぞれのトイレがあります。
臭いもなく、街の公園のトイレなんかよりずっときれいに使われていて驚きました。
大天荘スタッフの企業努力はほんとに素晴らしいの一言です。
これだけがんばっていれば利用者も気を配るようになりますよね。 -
館内散策を終え、談話室に移動。
まったりしながら15時まで粘ってみました。
それでも窓の外はガスっているうえに激しい風が。
設営中のテントもバタバタたなびいています。
Hさん「もういいんじゃないですか?」
わたし「ですよね」
この瞬間、初テント泊→初山小屋泊が決定したのでした。
ここまで担いできたあの重さは何のためだったんだ………
さっそくフロントにて夕食付8300円(ぐらい)を申し込みました。ちなみに二食付きだと9800円、素泊まりは6200円です。
案内されたのは談話室に面した三畳(6人用)の個室『槍』。このまま誰も来ないことを祈りつつ、夕食まで談話室で備え付けの漫画や雑誌を読んだりおしゃべりしたりしてのんびり過ごしました。 -
夕食は17時から。
ハンバーグとサバの味噌煮から選ぶことができます。二人とも迷わずサバを選択。
ご飯とみそ汁はおかわり自由という十分すぎる内容。
標高3000mの世界でキャベツの千切りを食し、生ビールを嗜むことができる幸せをかみしめながらいただきました。 -
ご飯、みそ汁とも三杯ずついただいて満腹です。
この日は三連休の中日にもかかわらず悪天候のため大天荘の利用者が少なく、けっきょく個室を二人で利用することができました。
まあ、それを見越しての山小屋泊への変更だったわけですが。
午後遅くに到着した方の話を漏れ聞くと、そのかわり登山口に近い常念小屋や燕山荘の混み具合は半端なかったらしいとのこと。
特に常念小屋には大天荘泊を予定していて諦めた団体客が大挙押し寄せたらしく、地獄のようなありさまだったとか……… -
食後、疲労困憊のHさんはそのままお昼(夕?)寝。
到着時、フロントで「夕方からは天候が回復する予定です」と聞いていたわたしは漫画版『神々の山嶺』を読みながら談話室で粘ることに。
原作を読んだのは20年近く前。ほとんどストーリーを忘れていて楽しく読めましたよ。
全5巻のうちあえて4巻までで止めておきました。
18時過ぎ、ふと外を見ると青空が。
Hさんを起こして外に出てみました。
初めて目にする槍ケ岳の雄姿。 -
今日歩いてきた尾根がよく見えます。
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テン場も空いています。
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明日歩く予定の稜線もくっきりと。
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陽が落ちてきたので大天井岳へ向かいます。
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大天井岳は大天荘の裏山といった感じで、サンダル履きでも登れる距離です。
山頂まで10分弱。 -
途中で振り返ってみた。
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山頂には、すでに夕陽待ちの人たちが何人も。
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つい一時間前までは大荒れの天候だったので、まだ付近には厚い雲が残っています。
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標高2922mからの夕陽。
ちなみに大天井岳のこの日の日の入りは19時17分。
現在18時57分です。大天井岳 自然・景勝地
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ちょうど日の入り時刻の写メ。
現地では日の入り時刻なんて気にしてなかったので、山頂で20分ほど過ごしてからすでに大天荘付近まで下りてきていました。 -
刻一刻と移ろう夕陽の色彩。
写メではとうてい伝えきれません。 -
日没直後のこの時間帯の夕陽は得も言われぬ色合いで、それはそれはステキでした。
なんでこんなところに写りこんでしまったのか自分でも意味不明… -
夕陽を浴びて薄紅色に染まる東の空。
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そろそろ小屋に戻りましょう。
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一旦部屋に戻ってから食堂へ。
夕食後の食堂は談話室として21時まで開放されます。
チーズケーキやホットワインなんてメニューもあったりして、まるで小洒落たバーのようです。 -
惜しくらむべきは、そんな素敵な空間に野郎同士がたむろしている点でしょうか。
カップルで訪れたら盛り上がらること間違いなしです! -
持参した鍛高譚ワインと甘塩トマトで乾杯(^^♪
明日の朝も早いので20時過ぎには就寝。
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