◆緑風渡る初夏の達沢不動滝

2016/06/21 - 2016/06/21

☆今月２度目の訪問となる裏磐梯そぞろ歩き。
今回は定番中の定番“五色沼”と滝好きや写真愛好家に断トツの人気を誇る“達沢不動滝”を訪ねました。
まずは一年半ぶりに猪苗代町中ノ沢温泉にほど近い“達沢不動滝”へ。

達沢不動滝は『日本の滝百選』には選ばれていない福島県猪苗代町にあるローカルな滝ですが、
全国の滝マニアからはその秀麗な美しさかからとても人気のある滝で、
度々TVや映画の撮影地にもなっている隠れた名瀑です。
梅雨入りしたものの、おりからからの雪不足、雨不足で
水量はやや物足りなかったものの
早朝の訪問だったので観光客は一人もおらず、撮影も誰に気兼ねすることなく、のんびりマイナスイオンに癒されてきました(^^♪。
猪苗代や裏磐梯にお越しの際はぜひ足を運んでみてください。

エリア 猪苗代(福島)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 自家用車 徒歩

☆猪苗代町　達沢不動滝ルートマップ

※Yahoo地図に加筆
http://map.yahoo.co.jp/maps?lat=37.55777110&lon=140.10476890&ac=07408&az=&z=13&id=&fa=pa&ei=utf8&p=%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%9C%8C%E7%8C%AA%E8%8B%97%E4%BB%A3%E7%94%BA%EF%BC%88%E8%80%B6%E9%BA%BB%E9%83%A1%EF%BC%89

猪苗代町内や福島市方面から達沢不動滝へはまず中ノ沢温泉を目指します。
国道１１５線から福島県道２４号(中ノ沢・磐梯熱海線)を中ノ沢温泉＆母成峠方面に曲がります。

☆達沢不動滝　ルートマップ拡大図

※国土地理院地図に加筆
http://maps.gsi.go.jp/?z=16#14/37.602264/140.220952/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0l0u0f0

中ノ沢温泉街入り口の脇道を右折します(目印は御宿万葉亭の看板)。
ほぼ１本道なので問題ないと思いますが、途中“リゾートインぼなり”を左手にやり過ごし、達沢集落を通り抜けます。
ほぼ突き当たりに『達沢不動滝』への標識があるので、そこを左方向に進みます。その先は達沢不動滝入り口の無料駐車場までダート道を５分ほどです。

☆達沢不動滝遊歩道

ダート道の行き止まりが達沢不動滝の入り口で無料の駐車場(約１０台)があり、少し手前にも５台くらい停められるスペースがあります。
紅葉シーズンの週末はけっこう混雑するようです。
駐車場の傍らには無料トイレもあります。
駐車場からはご覧の川沿いの道を７，８分歩きますが、平坦な道なので老人子供でも大丈夫です。

☆達沢不動滝遊歩道

☆駐車場から徒歩７，８分で達沢不動尊の山門に到着です。
不動明王は仏教（密教）ですが、なぜか山門は鳥居だし、注連縄もあるし・・・。
神仏習合の見本みたいですね(^_^;)。
でもこの宗教の寛容さが今の平和日本を築き上げているのかも。

☆山門をくぐり抜け、不動尊の社を右手見て進むと不動明王像や明王の象徴、“剣”が祀られた祭壇があり、すぐ前方に達沢不動滝が見えてきます。

【不動明王】とは(大辞泉より)

五大明王・八大明王の主尊。大日如来の命を受けて魔軍を撃退し、災害悪毒を除き、煩悩(ぼんのう)を断ち切り、行者を守り、諸願を満足させる。右手に利剣、左手に縄(羂索・けんさく）を持ち、岩上に座して火炎に包まれた姿で、怒りの形相に表す。両眼を開いたものと左眼を半眼にしたものとあり、牙(きば)を出す。せいたか・矜羯羅(こんがら)の二童子を従えた三尊形式が多い。不動尊。無動尊。

☆達沢不動滝

滝のすぐそばまで木製のスロープがあるので、ご年配の方や幼児でも滝つぼ近くまで降りられます。

安達太良山系船明神山(1667m)に源をもつ不動川(達沢川)から流れ落ちる滝は高さ１０メートル、　幅１５メートル。水量はさほど多くはありませんが鬱蒼とした森の中、黒い一枚岩から簾のように流れ落ちる清らかな滝は絵も言われぬ美しさです。

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

達沢不動滝には男滝と女滝がありますが、この写真の滝を一般的に達沢不動滝と呼んでいます。
女滝は男滝の左手前の森の少し奥に見えます。

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

達沢不動滝は２００７年のNHK大河ドラマ『風林火山』(内野聖陽主演・山本勘助役)のオープニング映像としても使われ、当時はあの美しい滝は山梨の何処にある滝ですか？と問い合わせが多かったそうす。
山梨が舞台の風林火山でまさか福島県の滝の映像が使われているとは、視聴者は思いもよりませんよね。

※当時の映像
http://www.dailymotion.com/video/xyvu9u_%E9%A2%A8%E6%9E%97%E7%81%AB%E5%B1%B1_shortfilms

↑滝の映像は中ほどに登場します。

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

達沢不動滝は水量は少ないのですが、一枚岩をほぼ均等に流れ落ちる簾(すだれ)のような滝で、スローシャッターで撮影するとシルクのような流れをうまく表現できます。
水量が少ない上に滝壺は落下した岩石で仕切られているので、滝のすぐ近くでも流れが穏やかで所々で“逆さ不動滝”が見られます。

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

滝の傍らではミズタビラコ（水田平子/ムラサキ科キュウリグサ属)が咲いていました。
ミズタビラコは本州〜九州に分布し、ブナ林など広葉樹林の渓流沿いや谷筋などの水分の多い場所に自生します。草丈は１5〜30cmほど。茎の頂端から１本あるいは２本のサソリ型花序をだし花は下の方から次々と咲きます。
全体に田んぼ雑草のキュウリグサに似ますがキュウリグサの花径は２ｍ弱ですが、ミズタビラコは花径は3mmと大きいので直ぐ見分けが付きます。

☆ミズタビラコ（水田平子/ムラサキ科キュウリグサ属)

花序はムラサキ科の花の特徴であるサソリ型で、サソリの尻尾のようにくるっと丸まっています。

☆達沢不動滝　ミズタビラコ（水田平子/ムラサキ科キュウリグサ属)　

☆達沢不動滝

達沢川は大雨後でなければ年中水量が少ない川なので長靴を持参すれば川を渡ったり、川の中からも滝を撮ることができます。

☆達沢不動滝

撮影は早朝７時頃。
晴天の時は滝に直射日光が差し込むので
ハレーションを避けたいなら早朝がお薦めだし
滝虹を期待するなら昼前がいいと思います。

☆達沢不動滝

右岸からの撮影。
滝にかぶさるようなモミジが
逆光気味に透けて見えるので緑がより鮮やかです。

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

ここにも逆さ不動滝が見えていました。

☆達沢不動滝　女滝

右岸の奥には女滝があります。
年中水量の少ない滝ですが雨不足の影響で尚更貧弱な流れです(^_^;)。

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

達沢不動滝は右岸からも左岸からも撮影できますが
右岸は滝の真横の高い位置まで登れるので
また違った表情の滝が撮れます。

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

まるでモアイ像のような滝の岩盤。

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝とズダヤクシュ（喘息薬種/ユキシタ科ズダヤクシュ属）

滝の傍ら右岸ではズダヤクシュも咲いていました。
ズダヤクシュは北海道から四国、および中国、ヒマラヤの深山の湿った林床に生え、温帯のブナ林や亜高山帯の針葉樹林内に多い。長野県で喘息(ぜんそく)のことを「ずだ」といい、本種を喘息の薬として用いることから喘息薬種の名が付いたそうな。

☆達沢不動滝とオオハナウド(大花独活/セリ科ハナウド属)

滝の少し下流ではオオハナウドも咲いていました。
オオハナウドは近畿(高い山)以北〜北海道に自生し
仲間のハナウドと花は瓜二つ(独活二つ？)ですが名前のようにハナウドより草丈が大きく育ちます。
でも大きさは個体差があるので草丈だけは判別できません。　
ハナウドは暖地系でオオハナウドより少し小形で、基部の葉は５小葉が多い。
オオハナウドは基本的には３小葉です。

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝

☆達沢不動滝


達沢不動滝の写真ばかりで恐縮です(^_^;)。
この後に向かう五色沼と同じ旅行記でもいいのですが
どちらも写真が多かったので別々の旅行記にしました。


最後までご覧くださりありがとうございます。
ではこのあと『五色沼編』でお会いしましょう。