2016/04/21 - 2016/04/22
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Weiwojingさん
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岡山の旅を終えて、鳥取に来た。1泊だけし、次の日には東京に戻った。地元の人は、「鳥取市は観光すべきところは少ない。東京から来られるなんて、珍しいですね」と言われたが、確かに大きな観光地はない。しかし、小さいながらも素晴らしいところは種々ある。この「仁風閣」もその一つである。
東京に戻る最終日にゆっくり時間を取って「仁風閣」と鳥取城址を見学した。「仁風閣」は、1907年(明治40)5月に完成したが、鳥取池田家第14代当主池田仲博公爵が宮内庁内匠頭であった片山東熊博士に設計を依頼し、彼の後輩の橋本平蔵が監督して竣工された。
完成と同時に、この年の5月に時の嘉仁皇太子殿下(後の大正天皇)が山陰地方を行幸される際に宿舎として使用された。そのため各室が御座所、謁見室等の名称で呼ばれているのはそのためである。
- 旅行の満足度
- 4.5
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鳥取駅方面から「100円循環バスくる梨 緑コース」に乗り10分もしないで、県立博物館・鳥取城祉入り口に到着する。ここで降りればすぐ目の前に仁風閣がある。
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しばらく歩くと、遠くに白亜の洋館が見えてきた。ここが今回の鳥取訪問でまず訪ねてみたかったところである。鳥取は砂丘も有名であるが、時間的に限られているので、今回は除外したが、もちろん時間の余裕があれば行くこともあり得る。
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門を抜け、仁風閣入口へ向かった。建物はフレンチ・ルネッサンス様式を基調とした白亜の木造瓦葺2階建てである。
仁風閣は鳥取城祉の扇御殿跡に建てられた14代当主池田仲博箔策の別邸であった。 -
白い建物が青空に映え、大変美しい。
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正面ファザードのぺデイメントの櫛形円形部分には池田家の家紋である「揚羽蝶」の浮彫紋を星型に収めた六花紋で飾っている。仁風閣が池田家の別邸であることを物語っている。
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色々な角度から建物を撮ってみたが、この角度からの写真が一番気に入った。左側の
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螺旋階段のある塔屋で、角尖の塔を突出させて、この建物の特徴を出している。
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ここは2階にある「謁見所」で、嘉仁皇太子が滞在中に地元の名士の方々と会見(謁見)された部屋である。
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「御座所」も2階に設けられている。御座所というのは皇太子が使われた居室のことである。
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こちらも「御座所」で、広々とした部屋にはわずかな家具が置かれているだけである。隅の方にコーチがある。皇太子はここでしばしばお休みになられたのであろう。
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大変美しい螺旋階段がある。現在では上り下りは出来ないが、欅の6枚の厚板をつないであり、その美しさは見るべき価値がある。
この螺旋階段にはご覧のように支柱がない。 -
2階から見た螺旋階段は変化に富み、実際に歩いてみたいと思ったほどである。しかし、使用することはできないので、ただ見るだけにとどまった。
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ダングステン電球を使ったシャンデリア。
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これは池田家の家紋で、「揚羽蝶」を表しているが、その浮彫紋を星型に収めた六家紋である。
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皇太子が食事をされた「御食堂」で、ここにもコーチが置かれている。
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壁紙が見事である。
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14代当主池田仲博伯爵(1877年、明治10〜1948年、昭和23)の若き時の肖像写真。
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同じく仲博の肖像写真であるが、大正末から昭和初期に撮られた写真で、50歳ころのものだと言われている。
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仲博夫人の池田亮子は1924年(大正14)の関東大震災の折、鎌倉の別荘で崩壊した家屋の下で亡くなった。39歳であった。この写真はその年の4年前に撮られたものである。
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洋館のバルコニーで撮影された池田仲博の家族写真(1919年、大正8)である。後列中央にいる長男が数年後に病気で亡くなられたそうである。
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1917年(大正6)に撮った8人の子供たちの写真。仲博は写真を撮るのが好きで、よく家族の写真を撮っていたそうだ)。
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仲博夫人亮子と3人の娘たちとの写真。
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徳川家最後の将軍・徳川慶喜の写真が紹介されていたが、彼は鳥取池田家とつながりがある。慶喜は池田家12代慶徳の弟で、14代仲博の父親になる。
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小さな部屋にぽっんと便器だけが置かれている。小さな部屋と言っても優に4畳半はあるくらいのところで、ここが当主のトイレであった。使用後は別なところに運ばれて、処理されるようだ。
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仁風閣にはどの部屋にも暖炉が設けられていて、それぞれデザインが異なり、興味深い。
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当時の人力車のレプリカがある。
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階段部分。
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2階ホールに「仁風閣」と書かれた文字があるが、これは皇太子に随行して来られた東郷平八郎の直筆で、彼によって命名されたものである。
平八郎の筆跡は決して上手と言ったものではないが、正確な筆さばきがうかがえ、小生は彼の文字は大変好きである。 -
2階ベランダ部分。広々としていて、大きな窓ガラスがあり、外の庭園を一望することが出来る。
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2階から見た玄関屋根部分と前方に入り口が見える。最初この入り口に気ずかずに裏門から入ってしまった。
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畳が敷かれた「御寝室」は、この仁風閣で唯一の和室で、ここに造られた暖炉が大変興味深い。
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これがその暖炉である。暖炉の左右に描かれている絵を見ていただきたい。
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このような大和絵風の絵が描かれていて、暖炉の飾りにこのようなものが施されているのは初めて見た。
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再度外に出て、今度は正面玄関とは反対側の方へ回ってみた。
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こちら側には「宝隆院庭園」と名付けられた日本庭園が広がる。11代藩主池田慶栄の逝去により、未亡人となった宝隆院を慰めるため、1863年(文久3)12代池田慶徳が作った回遊池泉式庭園である。
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池を中心に回遊出来るように作られていて、池や中島周辺の石垣は京風の手法を感じることが出来る。
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小さな滝まで設けられている。
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1907年(明治40)5月20日、嘉仁皇太子殿下(後の大正天皇)が来られた際にお手植えになった松の木がかなり大きくなっている。
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庭の一角に和風茶室建築の建物がある。これは「宝扇庵」といい、池田慶徳が先代の慶栄の夫人を慰めるために庭園と共に造られたものである。
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そんなに大きな建物ではない。
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仁風閣の見学を切り上げ、鳥取城祉へ向かった。仁風閣の山側のすぐそばにあり、歩いて行くことが出来る。
この城門は「西坂下御門」で、1867年(慶応3)に造られたが、1975年(昭和50)の台風で崩壊し、その後復元されたものである。 -
唯一再建された城門の扉にこのような立派な装飾が残されている。
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今では城壁だけが残り、訪れる人もなくひっそりとしている。4月上旬の桜の季節にはこの辺りは見事な桜の花で覆われるようだ。
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鳥取城址は久松山の急峻な地形を背景に、戦国時代の山城を起源にした城址である。防衛性の高さや山頂からの優れた眺めから、「日本にックレなき名山」と評され、織田信長は「堅固な名城」と評した。
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天守跡まで行ってみたいと思ったが、道中かなり険しい道が続くようなので、途中で諦めた。そんな道の途中に可憐な花が咲いていた。
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城内には城の石垣の調達をする石切場があり、ここから切り出された石がかなり多く使われているようである。
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城址から眺めた仁風閣。
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仁風閣は周囲の緑の木々に囲まれて、その白い建物が一段と美しく映えている。
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夕方ライトアップされた仁風閣は一段と美しさを増している。この美しさはいつまで見ていても飽きない。
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仁風閣の周辺ではさらに暗闇が増し、池に写る建物はなお一層輝きを見せた。この風景を目に収めて、帰路を急いだ。
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この旅行記へのコメント (2)
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- 尚美さん 2016/07/02 13:03:37
- 岡山〜鳥取の旅、これなら私でも行けるかも
- Tamegai様
いつも美しい建物を紹介して下さるTamegaiさんの旅行記のファンです。
真似してみたいと思っても、もっと勉強してからじゃないと無理だなと感じています。
岡山と鳥取でしたら、住んでいる神戸からは遠くなく、比較的馴染みもあるので、行ける気がします。
仁風閣は、特に宙に浮いたような螺旋階段と、ライトアップされた姿の美しさに感動しました。
今後も知らない場所や建物の紹介をよろしくお願いします。
尚美
- Weiwojingさん からの返信 2016/07/02 23:25:10
- RE: 岡山〜鳥取の旅、これなら私でも行けるかも
- 尚美様
いつも見ていただき、同時にご投票も賜り、ありがとうございます。今回の岡山・鳥取旅行はかねてから行きたいと思っていました。図らずも、フィリピンから一時帰国して、時間的に余裕があったので、早速行ってきた次第です。
鳥取の仁風閣は整備・保存状態がよく、大いにその美しさを堪能できました。尚美さんも機会があれば、神戸からそんな遠くありませんので、ぜひ行かれてみてはいかがでしょうか。
これまで尚美さんのポーランドやブルガリアのアール・ヌーボー様式建築レポートを興味深く拝見していますが、何分まだ訪れていないので、実際に見ていません。そのような理由で、もう少し勉強し、理解が深まるようになったらコメントなり意見を述べることが出来るのではないかと思っています。
本日はまずお礼まで。ありがとうございました。
Tamegai
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