2016/04/15 - 2016/04/15
163位(同エリア364件中)
naoさん
大阪と奈良を結ぶ竹内街道は、日本書紀の推古天皇21年(613年)の条に、「難波(なにわ)より京(飛鳥)に至る大道を置く」と記されたルートと符合することから、日本最古の官道といわれています。
かつてこの大道を通って大陸に赴いた遣随使や遣唐使は、大陸から中国や朝鮮の優れた文化をもたらし、飛鳥文化を花開かせます。
和銅3年(710年)に飛鳥から奈良の平城京に都が移った後、自治都市として栄えた堺と大和を結ぶ道として再び脚光を浴び、竹内街道の礎が整います。
奈良県葛城市竹内は、国道166号線の大阪と奈良の府県境にある竹内峠を越えて最初に現れる竹内街道の町で、峠から続く坂道の両側には、虫籠窓、出格子をしつらえた重厚な民家が軒を連ねる、静かで落ち着いた町並みが続いています。
かつて河内平野から奈良盆地にかけては、両端に卯建をあげた急勾配の茅葺屋根と、一段下がった緩い勾配の瓦屋根で構成される「大和棟造り」の民家が多く見られた所で、数は少なくなりましたが今もこの町並みに見ることができます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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大阪の太子町から国道166号線の竹内峠を越えて、ずっと続く下り坂の道を下りてくると、道路際にお地蔵様が祀られています。
この辺りでは、竹内街道と国道166号線が重なるように同じルートを通っています。 -
お地蔵様を過ぎて、煙出しの越屋根のある民家の辺りまで来ると竹内の町並みはもうすぐです。
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この民家の屋根の棟をよく見ると、弧を描く道なりに建物を曲げているのが判ります。
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奈良盆地の遠景に目をやりながら国道166号線をさらに下ると・・・
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茅葺屋根を鉄板で覆った民家が見えてきました。
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竹内街道は、この先で国道166号線と別れます。
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国道166号線の北側にある菅原神社の参道が、国道際に口を開けています。
これは参道入口に立っている常夜灯です。 -
ここが国道166号線と竹内街道の分岐点で、竹内の町並みへの入口になります。
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竹内の町並みに入ると、すぐに「大和棟造り」の民家が現れました。
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今は鉄板で覆われていますが、急勾配のかつての茅葺屋根と、一段下がった緩い勾配の瓦屋根で構成される、「大和棟造り」の特徴がよく判ります。
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急な坂道が続く竹内の町並み。
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こちらの「大和棟造り」の民家は・・・
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妻面に家紋が入っています。
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おっと、茅葺屋根の上で亀さんが遊んでいるのを見落とすところでした。
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こちらの「大和棟造り」の大屋根には、今も茅葺屋根が残されています。
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ここから見ると、茅葺屋根と瓦葺きの本卯建の関係が理解できます。
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以上、本格的な「大和棟造り」の民家でした。
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お城のような石垣が民家を支えています。
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この長大な民家の連続する屋根が、うねるような甍の大波小波を表現しています。
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大波小波に囲まれた中で、煙出しの越屋根が産声をあげたばかりの波のように感じられます。
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脇道から見た町並みの様子。
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こちらの民家も、幾重にも重なる甍の波を作っています。
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2階の壁を分断するかのように、出格子の窓が嵌め込まれています。
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2階部分は、高さにも変化を持たせています。
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旧当麻町の汚水枡の蓋は、二上山、當麻寺の双塔と香藕園の牡丹がモチーフになっています。
ちなみに、現在の葛城市は当麻町と新庄町が合併して生まれました。 -
小さな民家の中に、この地域の民家の伝統様式が凝縮されています。
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かわいいムラサキハナナが、この町並みに爽やかな風を吹かせています。
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ここにも鉄板で覆われた「大和棟造り」の民家がありました。
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荒壁の荒々しい表情に魅せられます。
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竹内の町並みです。
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こちらの民家の塀の上では・・・
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恵比寿様が微笑んでいます。
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恵比寿様が見守るこちらの建物の裏庭には、松尾芭蕉ゆかりの綿弓塚が立てられています。
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綿弓塚は、松尾芭蕉が竹内に滞在した時に詠んだ「綿弓や琵琶に慰む竹の奥」にちなんで名づけられたそうです。
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こちらの建物は、かつて造り酒屋だった民家を改装して休息所にしたもので、芭蕉にまつわる資料などが置かれています。
裏に観光客用の駐車場があるので、車を停めさせていただきました。 -
建物内部の様子です。
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囲炉裏に掛けられた鯉の自在かぎが風情をたたえています。
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土間の片隅には、平成25年に日本最古の官道敷設1400年を記念する行事で使われた行燈が置かれています。
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靴脱ぎ石の代わりに曲線状に敷かれた熨斗瓦。
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右端の柱に立てかけてあるのが綿弓です。
綿弓は綿花から不純物を取り除くための弓形の道具で、その音は琵琶のような音色を奏でるそうです。 -
庭に植えられた芭蕉の木は、決して洒落ではありませんよね・・・。
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こちらが綿弓塚です。
松尾芭蕉が竹内に滞在したのは1684年のことですが、この綿弓塚は1809年に立てられたんだそうです。
では、町並みへ戻ります。 -
側溝に板石を渡して橋にしています。
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大きな虫籠窓のある民家は、向かいにある路地から見ると・・・
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額縁を見るような効果が得られます。
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手前の下屋の部分はどういう使い方をされているんでしょうか・・・。
いざという時には格子が開くようになっているのかも知れませんね。 -
アラカシやナンテンの吹き寄せの生垣は、芽出しを終えた新緑がまぶしいですね。
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吹き寄せの生垣がある民家は、一部をギャラリーにしておられるようです。
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「歴史国道 竹内街道」の標識が立っている民家は・・・
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幾重にも重なる屋根が、複雑な外観を見せています。
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小さなお堂の前には、大峰山上の常夜灯と道標が立っています。
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大峰山山上ヶ岳は、修験道の祖、役行者(えんのぎょうじゃ)が開いたと伝えられている修験道発祥の地で、古くから修験道の聖地と崇められています。
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こちらの民家のお庭に通ずる門には、見事な一枚板の扉が付けられています。
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さて、竹内の風情ある町並みもこの辺りまでなので、ここから引き返します。
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国道166号線との分岐点からずっと下ってきたので、折り返してからは上りが続きます。
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こちらのお宅の方が彫られたのか・・・
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かわいい石像が玄関先に鎮座しています。
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先ほどのアラカシやナンテンの吹き寄せの生垣です。
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白い小さな花弁を透かして町並みを見てみました。
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さて、綿弓塚までもう一息・・・。
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