2016/03/17 - 2016/03/18
209位(同エリア583件中)
naoさん
春の「青春18きっぷ」の利用開始を待ち兼ねるように、3月17日から18日にかけて石川と富山を訪れました。
旅の行程
3月17日 金沢 : 長町武家屋敷跡、にし茶屋街、ひがし茶屋街
3月18日 高岡 : 山町筋、金屋町
慶長14年(1609年)、加賀藩2代藩主前田利長によって開かれた高岡は、金屋町の鋳物、木町の木材・薪炭、桧物屋町の指物・塗り物など、町人の業態に応じて居住地を指定し、租税の免除や諸々の特権を与える政策を講じて保護育成を図りました。
高岡の町が誕生して以来の商業の中心地で、旧北陸道沿いに延びる山町筋は、明治33年(1900年)の大火の後、奇しくも大火の前年に制定されていた富山県の建築制限規則に従って建てられた、耐火性に優れた重厚な土蔵造りの町家が連なる町並みで知られています。
土蔵造りとは、土蔵のように外壁を土と漆喰で厚く塗籠めて耐火構造にした建物のことで、当時の世相を反映して、洋風建築の要素が加味されているのが山町筋の土蔵造りの特徴の一つといわれています。
山町筋の町家を細かく見てみると、屋根の箱棟、雪割り瓦、シャチ、軒の出を支える出桁、防火性を考慮して漆喰を塗籠めた2階窓の開き戸など、一口に土蔵造りだけでは片付けられない、多くの特徴を備えています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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この旅二日目の目的地、富山県高岡市に着きました。
高岡市の玄関口である高岡駅は、北陸新幹線開業に伴い、JRの経営から分離されたJR北陸本線の運営を引継いだ、「あいの風とやま鉄道」の駅として営業しています。 -
高岡駅の正面コンコースから、雪を冠った立山連峰が望めます。
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高岡駅から山町筋の町並みへ向かう途中で見かけた町家。
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通りの案内標識には、高岡大仏のモチーフがあしらわれています。
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歩道際の側溝のグレーチングに、高岡市の市章が見えます。
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山町筋の町並みへやって来ました。
では、山町筋の東側から町歩きを始めます。 -
虫籠窓を潰してしまったんでしょうね、2階半分を増築されています。
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明治33年(1900年)に大火に遭遇した山町筋は、大火の前年に定められていた富山県の建築制限規則により、耐火性に優れた重厚な土蔵造りの町家が特徴となっています。
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棟を飾る突起状の瓦は、屋根に積もった雪を切るためのもので、「雪割り瓦」と呼ばれています。
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西側の町並みを見通した光景です。
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交差点の角を占める、重厚な雷紋の箱棟が載った町家カフェです。
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カフェの向かいにある町家は和洋折衷様式になっていて・・・
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窓廻りに洋風の装飾がなされています。
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町並みの中に、重厚な土蔵造りの密度が濃くなってきました。
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歴史の重みを物語るかのような看板です。
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町並みの中に面白い町家を発見しました。
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屋根の上にガラス張りの小屋が突き出ています。
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何か曰くのある特殊なものかと思っていたら、単なる明かり取りの天窓だそうです。
ちょっと拍子抜けしました。 -
こちらは土蔵造りのまち資料館です。
この施設は、元々綿糸や綿布の卸業を営んでいた高岡でも屈指の商家の建物を改装したものだそうです。 -
「はんぶんこ」と、控え目な名前がつけられたこちらのお店は・・・
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「ものづくりを軸にしたテーマパーク」を標榜しておられるセレクトショップです。
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東側の町並みを振り返ったところです。
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金文字の看板が、それとなく仏壇屋さんであることを推察させてくれます。
仏壇に金箔は欠かせませんからね・・・。 -
明かり取りの天窓を設けた町家がありました。
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それでなくても重厚な町家ですが、大屋根の箱棟や1階屋根のふきどめがより一層際立たせています。
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こちらのお宅は、狭い間口に対して、奥行きの深い敷地形状をしています。
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いわゆる「うなぎの寝床」というやつですね。
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漆喰を塗籠めた2階窓の分厚い開き戸は、防火性に優れた構造になっています。
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庭木に雪吊りが施されています。
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凝ったデザインの箱棟の両端で、シャチが跳ねています。
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西側の町並みです。
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こちらは、高岡を代表する商家の菅野家住宅です。
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明治33年(1900年)の大火の後に建てられた主屋は、山町筋の町家が持つ個性的な特徴を身にまとっています。
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こちらの町家のふきどめには・・・
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鯉の滝登りをモチーフにした細工瓦が使われています。
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菅野家住宅の向かいには、山町筋を訪れる方のためにトイレや無料駐車場を備えた山町筋防災施設があります。
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こちらの町家は明り取りの天窓を取り払ったような痕跡が見られます。
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この辺りで山町筋もほぼ中間点のようです。
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1階が格子ではなく、大きなガラス戸が嵌められた町家です。
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こちらは、白と黒の2軒のお宅のようです。
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こちらは、綿糸などの卸商で財をなした筏井家住宅です。
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大屋根の箱棟に使われている瓦は、筏井家の「井」をモチーフにしておられるのではないかと推察されます。
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筏井家住宅を西側から見た光景です。
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「薬肆(くすりし)」と大書された看板を掲げているのは薬屋さんです。
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ちなみに、「肆」という字は時々見かけますが、「店」という意味です。
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文字通り、和洋折衷の町家です。
屋根の箱棟にシャチと、和の部分は本格的なしつらえになっています。 -
交差点の一角を占める和菓子屋さん。
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土蔵造りの町並みの中に、煉瓦造りの銀行が見えています。
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こちらの和洋折衷の建物は明治38年(1905年)に建てられたもので、現在は仏壇屋さんが営業されています。
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建物正面を飾る、唐草模様のアーチ窓がモダンな印象を与えています。
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小じんまりとした町家の中にも・・・
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山町筋の町家に共通する、多くの特徴が散りばめられています。
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先ほど見えていた煉瓦造りの銀行です。
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この建物は県内唯一の本格的西洋建築で、大正3年(1914年)に高岡共立銀行本店として建てられたものです。
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東京駅を模したとされるルネッサンス様式の建物は、現在は富山銀行本店として使用されています。
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煉瓦と花崗岩を組合せたこの建物は、近代洋風建築の著名な建築家、辰野金吾氏が監修したそうです。
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建物正面の屋根の上には・・・
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緑青が鮮やかな、銅板葺きの尖塔が配置されています。
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こちらは、毎年5月1日に行われる「高岡御車山祭」に関する歴史や文化を紹介する高岡御車山会館で・・・
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平成27年4月にオープンされました。
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実物の御車山が展示された館内では・・・
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最新の映像技術を駆使して、祭りの疑似体験ができるそうです。
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こちらは、高岡漆器を扱っておられるお店です。
高岡漆器は、慶長年間に始まったと伝えられ、その技法は御車山にも使われているそうです。 -
土蔵造りの町並みに、それほどの違和感もなく溶け込む煉瓦造りの銀行。
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「食の安全・安心」は重要ですからね。
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三者三様の町家が並んでいます。
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水色の外壁が爽やかな町家です。
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東側の町並みを振り返った光景。
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町並みの中には、ガス灯をあげた町家もあります。
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いよいよ山町筋の西端までやって来ました。
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交差点の角に建つこの黒塗りの町家の北側にも、土蔵造りの町家があるので行ってみます。
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1階下屋の屋根を金属板で葺いたこちらの町家は、佐野家住宅です。
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2階窓の開き戸には銅板が張られ、緑青のお化粧を身にまとっています。
では、この旅最後の目的地へ向かいます。
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