新潟下町の小路めぐりと、からくり人形の実演（新潟市）

2016/03/05 - 2016/03/05

新潟下町（しもまち）は、川と港と海に囲まれた信濃川河口流域のことを言い、湊町として栄えてきたところです。

下町には古い建物や町家が残り、いくつもある小路を歩いて楽しむことができます。
旧小澤家住宅では、期間限定の「からくり人形の実演」を見ることができ、日本のものづくりの原点を感じます。

この旅行記は、古町通から出発し、下町小路をめぐり、旧小澤家住宅、湊稲荷神社、みなとぴあ、信濃川河口、萬代橋、メディアシップを訪れます。

表紙の写真は、片桐小路にある赤い煙突のある古い建物です。

エリア 新潟市(新潟)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス 新幹線 JRローカル 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

古町通に残る長屋の建物

古町通9番町付近です。

佐藤菓子店

大正7年創業のお菓子屋さん。自家製甘納豆が自慢です。

吉野活版所

大正5年の木造モルタル3階建の建物です。

建物中央の屋根付近にメダリオンが飾られています。

新潟絵屋（にいがたえや）

新潟絵屋は画廊です。

大正期の町屋を改装した、柱、欄間、土壁、格子戸のある「家のような」展示室です。

大橋屋本館

慶応2年（1866年）に鮮魚仲買商として創業し、その後仕出し業を経て昭和6年から料亭を営む老舗料亭です。

匠らの高度な技術と遊び心あふれた造作の木造三階建て本館は特徴ある料亭建築で、国登録有形文化財の指定を受けています。

大橋屋本館のある東堀通（旧片原通）は、かつて道の中央に堀が通り、舟で荷を運んでいました。

片桐小路

本町通と東堀通を結ぶ片桐小路です。

17世紀末に信濃川と並行した5本の通り、そして通りと通りをつなぐ小路が整備されました。

青空に煙突がのびるお店

お店は本町通りと片桐小路に面しており、今は営業していません。

鳩が並んでいるような赤い煙突

以前、蒲鉾をつくっていたお店です。

独特の形をした煙突から蒲鉾の匂いが漂っていたのですね。

渡辺益二商店

上大川前通にある明治19年創業の納豆・味噌・麹製造のお店です。

昭和初期の木造2階建て「せがい造り」の建物です。
「せがい造り」とは、重い屋根雪に耐えるために通常よりも梁を突き出し、これにより軒を支えると共に、深い軒先をつくることで強い風雨や陽射しをさえぎる効果も持つ、機能的伝統工法なのです。

片桐邸

上大川前通と御祭堀に面している片桐邸です。

江戸時代より魚問屋として、現在も魚関係の会社を営んでいます。

旧小澤家住宅

明治期に廻船業・廻船問屋を営み、みなとまち新潟で成長した商家小澤家の店舗兼住宅です。

主屋が上大川前通に面しており、せがい造り・窓付き雨戸・張り出し二階といった新潟の町家らしい姿です。

観覧料は200円、休館日は月曜日です。

長い通り土間

玄関を入ると主屋の部屋があり、通り土間の先に道具蔵が続きます。

では、中を見学します。

町ごとの職業

江戸時代には町や店ごとに売買できる商品や仕事が決まっていました。

茶の間

囲炉裏があり、家族の団らんと接客の場でした。

華やかな着物姿

綺麗な風呂敷で瓶を包んでいます。

昔ながらのシンガーミシン

からくり人形

今日3/5は、「越後大郷からくり館」館長の日根 之和（ひね ゆきかず）さんにより、からくり人形の実演が見られます。

ゼンマイやひもを引っ張って動かす伝統のからくり人形。製作には高い技術が必要で、日本のものづくりの原点ともいわれています。

日根さんは江戸時代の古文書から、からくり人形を再現した職人です。
現在70歳代で、現役時代に公立高校で理科と数学の教師として教鞭をとり、その後、県立自然科学館に勤務し江戸からくりを紹介した経歴の持ち主です。
素晴らしい第二の人生を過ごされています。

弓射り童子（ゆみいりどうじ）

実演開始時刻より前に、微妙な調整しているところを拝見します。

これは、からくり儀右衛門作の弓射り童子の複製です。

まず、弓を手にとります。

矢をかまえて、弓を引きます

的をめがけて

矢を放ちました

見事に的の中心に当たりました。

あれっ、箱の中に河童がいる･･･

河童くんが一生懸命働いています

弓射り人形の動きは、この河童くんがハンドルを回していたのです。

これには、ビックリ！

蟹の盃台（からくり人形）

蟹が盃を載せて歩き、お客が盃を取り上げると止まります。
蟹なので横歩きします。

この実演を見る時間がなく、いずれ「越後大郷からくり館」を訪ねたいと思います。

木製筋交い

建物内の見学を続けます。

筋交いは、地震の横揺れや強風など水平方向の力に対抗するものです。

道具蔵

生活道具を収納していた蔵です。

古今雛

蔵の中に展示されています。

享保雛

天然ガスの管

天井に吊るされた管は、大正時代中期から昭和30年代にかけて、新潟市内では家庭用の燃料として使われていた天然ガスの配管です。

小澤家では昭和初期に屋敷の裏に天然ガス井戸を掘って使用していました。

和風庭園の雪吊り

お庭を散策できます。

湊稲荷神社

小澤家を後にし、享保元（1716）年創立とされている湊稲荷神社にお参りします。

「みなとぴあ」の近くにある神社です。

向き合うこま犬

ここのこま犬はなぜか向き合っています。

ちょっと目を離したすきに、そっぽを向くこま犬

けんかしたのかしら？？

こま犬が動いた〜！

実は･･･

「願懸け高麗犬」といって、台座の上の像を回すことができます。

自分の願い事を心に念じながら、男の人は向かって右、女の人は左の高麗犬を回して祈願します。

かっちんは、間違って女の人用の「願懸け高麗犬」を回していました（笑）

税関庁舎

新潟市歴史博物館の「みなとぴあ」に来ました。

新潟運上所（現在の税関）庁舎は明治2年に建てられ、開港5港当時の税関として現存する唯一の建物です。

地元の大工が西洋建築を見よう見まねで造った建物で、「擬洋風建築」と呼ばれています。

石庫（いしぐら）

新潟運上所の保税倉庫として建てられた建物です。

現在の建物は復元されたものです。

旧第四銀行住吉町支店

昭和2年に建てられた銀行建築で、この地に移築復元されました。

外壁に花崗岩を積み、正面入口には4本のイオニア式の列柱が並び、その奥にアーチ状の窓が見えます。

博物館本館

現在の博物館本館は、鉄骨鉄筋造の3階建てで、二代目市庁舎にならって、現代工法でのモルタル仕上げを施しました。

新潟西港の素晴らしい景色

佐渡汽船が佐渡島に向かって、信濃川河口の新潟西港から出航しています。

朱鷺メッセ

2003年にグランドオープンしたコンベンションセンターとホテルなどからなる超高層ビルです。

「みなと・さがん」と呼ばれる信濃川沿いの緑地を萬代橋に向かって歩いています。

漁船の集魚灯

信濃川河口に係留しているイカ釣り漁船です。

新潟島

朝から歩いている信濃川と日本海に挟まれた地域は「新潟島」と呼ばれています。

信濃川の洪水から新潟市を守るため、1972年に信濃川のやや上流から日本海に注ぐ関屋分水路が開通し、島のようになりました。

メディアシップとレインボータワー

新潟のランドマークタワーと言われている「カーブの建物が美しいメディアシップ」と「彩りのあるレインボータワー」が見えます。

萬代橋（ばんだいばし）

信濃川にかかる萬代橋は三代目の橋で、アーチの美しさと石づくりの重々しさが調和しています。

国の重要文化財に指定されています。

では、萬代橋を渡りメディアシップへ向かいます。

メディアシップのロゴ

「帆に風をうけて進む北前船」をモチーフとした建物外観のカーブを組合せ、海に漕ぎ出す「メディアシップ」を表現しています。

青空映えるメディアシップの建物

メディアシップは新潟日報社の本社機能を核に、オフィスや商業施設、文化施設が入る地上20階の高層ビルです。

では、最上階の展望フロアへ上がります。

信濃川と朱鷺メッセ（展望）

新潟平野が360度見渡せます。

新潟の中心街古町（展望）

ランドマークタワーのNEXT21が見え、砂丘がある松林の向こうは日本海です。

享保雛

20階の「そらの広場」では、江戸時代の享保雛や古今雛が展示されています。

古今雛

ぶっかけ寿司

新潟駅に戻り、駅コンコース内の日本海庄やで夕食にします。

ぶっかけ寿司こぼれ盛りと新玉ネギサラダ、生ビール等で旅のしめです。

新潟の町めぐりを1日かけて歩きましたが、まだまだ見どころがある新潟です。