2015/12/20 - 2015/12/20
51位(同エリア166件中)
naoさん
古代律令国家の成立とともに、奈良盆地の中央部より東側を南北に縦断する、上ツ道(かみつみち)、中ツ道(なかつみち)、下ツ道(しもつみち)の、大和三道が整備されます。
その一番東側を通る上ツ道を礎として、時代の変遷とともに一部道筋を変更しながら奈良の猿沢の池と桜井を結ぶ奈良上街道は、京都や大坂方面から奈良を経て伊勢神宮へ向かう参詣道の一部として重要な役割を果たしてきました。
JR桜井線柳本駅東側の、奈良上街道沿いに広がる天理市柳本町は、中世には楊本庄と呼ばれる興福寺大乗院の中心的な荘園として繁栄し、また、近世には織田信長の子孫、織田尚長の領地として藩邸や武家屋敷を構える町場が整備されました。
元々、織田尚長は現桜井市にあたる大泉村に居を構えていましたが、柳本藩主となったのを機に、寛永年間(1624年〜44年)に柳本に陣屋を移したもので、現在の柳本小学校付近に藩邸や武家屋敷があったそうです。
奈良上街道沿いに連なる現在の柳本の町並みには、虫籠窓や格子を備えた伝統的な町家が軒を連ね、かつての繁栄ぶりを彷彿とさせる町並みを見ることができます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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JR桜井線柳本駅へやって来ました。
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2000年から無人駅になった柳本駅は・・・
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ICOCAカードを前提に運営されています。
世の中進歩したもので、紙の切符の時代ではあり得ません。
では、駅前広場に車を停めさせていただいて町歩きを始めます。 -
駅前広場から奈良上街道へ至る、駅前通りの町並みです。
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主屋と一体になった塀の中には坪庭がしつらえられているようです。
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玄関廻りの開口部を覆う、晒し葺の庇が特徴的です。
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奈良上街道の町並みにやって来ました。
先ずは北に向かって歩きます。 -
ベンガラ塗りの名残を留める町家があります。
煙出しの越屋根、虫籠窓、格子などの伝統的な様式を全て身にまとっています。 -
煙出しの越屋根をシルエットで・・・。
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この先には、風情ある町家が連なっています。
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軒下の看板から察するに、こちらは薬屋さんのようです。
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こちらは造り酒屋さんです。
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軒先の杉玉がそれを教えています。
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晒し葺きの立派な門構のお屋敷は旧庄屋さんのお屋敷だそうです。
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控え目な2階の虫籠窓に比べ・・・
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1階には多彩な格子窓が配置されています。
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町並みの外れを東西に通っている県道51号線に出ました。
見えているお堂は、ここから850m余り東側にある長岳寺の飛び地に建っている「五智堂」です。 -
「五智堂」は、中央の太い心柱で建物を支える、珍しい造りなんだそうです。
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では、ここで折り返して南側へ向かいます。
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土蔵と一体となった町家の出窓は、持ち送りが支えています。
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先ほどの造り酒屋さんの辺りまで戻って来ました。
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造り酒屋さんの建物をよく見ると、手前と奥で屋根の勾配が変わっています。
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造り酒屋さんの先の脇道を西へ入った町並みです。
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赤い実のなったクロガネモチにCDが吊り下げられています。
実を食べられないよう、鳥除けにしているんでしょうね・・・。 -
瓜型の虫籠窓が良い風情を醸し出しています。
では、奈良上街道の町並みへ戻ります。 -
造り酒屋さんの酒蔵です。
そろそろ夕暮れ時を迎えようとしています。 -
奈良上街道と駅前通りの交差点にある、「山の辺の道」を示す道標。
JR柳本駅も「山の辺の道」への最寄り駅として使われているんでしょうね。 -
「山の辺の道」の道標から東側は、かつての柳本藩の大手筋だった通りです。
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織田信長の子孫、織田尚長が柳本藩主となったのを機にこの地に陣屋を移したもので・・・
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この辺り一帯には、藩邸を取り囲むように武家屋敷が建ち並び・・・
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小規模ながらも城下町の様相を呈していたようです。
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こちらは、かつての武家屋敷で・・・
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外壁には狭間が開けられていたそうです。
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こちらの長屋門も、武家屋敷を彷彿とさせる威厳を感じます。
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町並みの屋根越しに夕焼け空が燃えさかっているのが見えています。
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このシルエット、戴き〜・・・!
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こちらは武家屋敷の北側に面する黒塚古墳です。
黒塚古墳は4世紀初め頃の前方後円墳で、1997年の発掘調査により、画文帯神獣鏡1面、三角縁神獣鏡33面など、多数の副葬品が見つかっています。
ちなみに、この周濠は柳本藩陣屋の内濠や外濠として使われていたそうです。 -
そんな歴史的な背景を知ってか知らずか、周濠を鴨が泳ぎまわっています。
では、奈良上街道へ戻ります。 -
奈良上街道へ戻って来ました。
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「重厚な」と形容するのがふさわしい、虫籠窓や格子を備えた伝統的な町家です。
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見越しの松の長い枝を、屋根の上の架台が支えています。
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2階が格子窓になっている町家です。
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町の東側にある伊射奈岐神社参道の常夜灯。
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常夜灯の礎石に刻まれた石工の名前。
「佐保庄」と云う地名は、JR柳本駅の一つ北側の、JR長柄駅の辺りに今も見ることができます。 -
かつての茅葺屋根を鉄板で覆った町家です。
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面白い町家を発見しました。
右手の出窓と下地窓が、人の鼻と目のように見えませんか。 -
西の空が紅色に染まってきました。
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西日を受けて、町家にほんのり淡い紅色がさしています。
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柿の実のシルエット。
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柿の実越しに、西日を受けながら漂う雲。
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その柿の実は、この大きく枝を広げた柿の木のものです。
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初冬の雲が紅色に染まっています。
では、車を停めさせていただいている柳本駅へ戻ります。 -
町並みの上を筋雲が渡って行きます。
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柳本駅へ戻って来ると、クリスマスツリーのイルミネーションが煌めいています。
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そろそろクリスマスですね〜。
では!
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