2015/12/20 - 2015/12/20
64位(同エリア204件中)
naoさん
古代律令国家の成立とともに、小高い山に囲まれた奈良盆地の東側を南北に縦断する、上ツ道(かみつみち)、中ツ道(なかつみち)、下ツ道(しもつみち)の、大和三道が整備されます。
その一番東側を通る上ツ道を礎として、時代の変遷とともに一部道筋を変更しながら奈良の猿沢の池と桜井を結ぶ奈良上街道は、京都や大坂方面から奈良を経て伊勢神宮へ向かう参詣道の一部として重要な役割を果たしてきました。
JR桜井線と近鉄天理線が相互に乗り入れる天理駅の南側に広がる天理市丹波市町は、六斎市が盛んになった室町時代中期に奈良上街道沿いに発達した市場町で、江戸時代になると伊勢津藩により宿場町としても整備されます。
ちなみに、宿場町時代の名残の枡形は今も町の北側に残っていますが、宿場町によく見られる町並みの中央部を流れる水路は、近年暗渠化されてしまいました。
奈良上街道沿いに連なる現在の丹波市の町並みには、虫籠窓や格子を備えた伝統的な町家とともに、中ほどにはこの町のシンボルになっているかつての魚市場の陽屋根(ひやね)の一部が残されており、趣きのある町並みを楽しむことができます。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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天理駅へやって来ました。
駅前広場では、「光と音」をテーマにライトアップイベントが催されていて、光のトンネルやツリーが夜の訪れを待っています。 -
天理駅にはJR桜井線と近鉄天理線が相互乗入しています。
こちらがJR側で・・・ -
こちらが近鉄側になります。
では、駅の南側にある丹波市へ向かいます。 -
国道25号線の丹波市町の交差点です。
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丹波市町は、古代大和三道の一つ、上ツ道(かみつみち)を礎として奈良の猿沢の池と桜井を結ぶ、奈良上街道沿いに広がっています。
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では、国道25号線の南側に続く丹波市の町並みを、北側から歩き始めます。
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天理市の汚水枡の蓋。
中央の市章は、市制施行の母体となった6か町村を示す円を組み合わせて、「天」の字と市の花である「梅の花」を表現しています。 -
この町家はいろいろ手を加えられていますが、袖卯建や虫籠窓など、伝統的なしつらえを垣間見ることができます。
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こちらの町家はほぼ建築当時の姿を留めています。
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玄関横の柱に残るほぞ穴が、残っている外格子が繋がっていたことを教えてくれます。
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2階の荒壁に残る鏝キズは、上塗りの漆喰を喰い込ませて接着性を良くするための下仕事かと思われます。
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こちらは蔵主さん自らが酒を仕込んでいる造り酒屋です。
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元々、天理駅の一つ南のJR長柄駅の辺りが出身地だそうで、そこの「白堤(しろとり)神社」から銘柄の名前をいただいたんだそうです。
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また、「白堤神社」は日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀っていることから、焼き討ちにあった日本武尊が窮地を脱したときに持っていた「草薙の剣」をラベルに入れておられます。
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大きなムクリのついた大屋根を持つ町家です。
大屋根以外にも、幾重にも屋根が架けられたこの町家は・・・ -
鬼瓦にも細かい細工が施されています。
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外格子があっても、目隠しの簾は必要なんですね。
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この町家は、真昼間だと云うのに、雨戸を閉め切っています。
お留守なんでしょうか・・・。 -
ここが宿場町時代の枡形です。
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枡形に面して、真っ白な漆喰壁が眩しい、伝統様式でしつらえた呉服屋さんがあります。
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2階の壁に埋め込まれた鍾馗様。
鬼を踏みつけています。 -
真っ白な漆喰壁のアクセントに、曲木が埋め込まれています。
山で自然に曲がった木を探されたんでしょうね。 -
枡形を南側から見た光景です。
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こちらの写真を撮っていると、この家の奥様がたまたま出てこられて、いろいろお話をお伺いすることができました。
この町家、築後290年経つんだそうです。 -
「文化財に指定したい」とのお話もあるようなんですが、あえてお断りになっておられるんだそうです。
たしかに、文化財に指定されるといろいろと制約があって、何をするにも大変なのは判るんですが・・・。
内部の写真は省きますが、いずれにしても貴重な建物を拝見させていただきました。 -
この町のシンボル、陽屋根(ひやね)が見えてきましたが、手前東側の脇道にも風情ある町並みが続いているので、先にそちらを歩きます。
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袖卯建のある町家。
袖卯建があるくらいですから、昔はこの辺りも町家が建て込んでいたんでしょうね。 -
太い格子が特徴的な町家には煙出しの越屋根が設けられています。
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見えている広い道路は国道25号線です。
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この町家の先に、天理市のコミュニティバスの停留所がありました。
国道25号線の東側にも良い町並みがありそうなので行ってみます。 -
信号を渡って東側の町並みにやって来ました。
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名栗仕上げの駒寄せをしつらえた町家があります。
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駒寄せのある部分は建築当初の姿ですが、タイルが張られた部分は後に増築されたようですね。
では、奈良上街道の町並みへ戻ります。 -
奈良上街道へ戻って来ました。
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2階手摺内側の雨戸が通常より狭い幅で作られています。
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道路の真ん中に一部残されているかつての魚市場の陽屋根は、この町並み独特の風情を醸し出しています。
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この町家は、白漆喰壁の大きな虫籠窓が印象的です。
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道路を縦断するコンクリート構造物は、暗渠化された宿場町当時の水路跡のようです
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防火用水を備えた町家は、入母屋造りの重厚な建物です。
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この光景は実に個性的ですよね〜。
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こちらはこの町の氏神様、市座神社です。
左手に僅かに見える恵美須神社では、のぼりからも判るように、毎年1月7日と8日に商売繁盛を祈願する八日えびすが開かれます。 -
虫籠窓にバリエーションを持たせた町家。
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この町家の玄関は、格子戸とガラス戸の二重になっています。
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陽屋根のある北側の町並み。
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こちらの町家の玄関も二重戸です。
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黒漆喰壁が精悍な印象を与えています。
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名栗加工の外格子の町家は、2階が大きな格子窓になっています。
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左手に浄国寺が見えてきました。
本堂の屋根に鯱鉾が載っています。 -
石積の上に立派な土塀をめぐらせた町家です。
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この辺りは、道路沿いに水路が流れています。
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見事な長屋門を構えた町家です。
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長屋門に続く土塀の屋根には大黒様が鎮座しています。
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左右の出格子窓のデザインに変化を持たせた町家。
大きな横長の虫籠窓が堂々としています。 -
太い丸太を使った駒寄せは珍しいもので、あまり見たことがありません。
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黒漆喰の壁に開けられた、白い縁取りの窓が外観にメリハリを与えています。
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まるでお隣と双子のようによく似た町家です。
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風情ある町並みももう少し先で終わるので、ここから引き返します。
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北側の町並みの光景です。
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樋の錺枡に手の込んだ細工が施されています。
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浄国寺の辺りまで戻って来ましたが、この西側にも良い町並みがあるようなので、そちらに向かいます。
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浄国寺の角の交差点を西に歩いて来ました。
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この辺りにも、袖卯建や虫籠窓のある・・・
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伝統的な町家を見ることができます。
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古い町並みを歩くとよく見かける町家が見えてきました。
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こちらは、かつての茅葺屋根を鉄板で覆ったもので・・・
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煙出しの越屋根も備えています。
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この辺りには、同じように茅葺屋根を鉄板で覆った民家が何軒か残っています。
では、この辺りで引き返します。 -
奈良上街道に戻る途中の、厳島神社参道の入口に常夜灯が立っています。
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こちらが厳島神社の石標です。
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石標から南に延びる参道の先に社殿があります。
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拝殿前の阿形の狛犬と・・・
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吽形の狛犬。
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境内にある毘沙門堂。
さて、京都や大坂方面から奈良を経て伊勢神宮へ向かう参詣道の一部として、重要な役割を果たしてきた奈良上街道沿いに広がる丹波市の町並みは、かつての市場町や宿場町の名残を留める趣きのあるもので、楽しい時間を過ごすことができました。
それにしても、道路の真ん中に残っている陽屋根には独特の個性を感じました。
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