2015-16年　年またぎ兵庫の旅(14)　四天王寺と大阪城

2016/01/05 - 2016/01/05

2015年年末から2016年年始にかけて兵庫県の播磨摂津地域を巡る旅．
7日目(1/5)は最終日はおまけの大阪市街散策．
淀屋橋から堺筋本町まで歩いた後は地下鉄で四天王寺へ．その後大阪城を回ってこの旅は終了．
四天王寺及び大阪城は14年ぶりの訪問となった．
大阪から8時間かけて久慈に戻る．

エリア ミナミ（難波・天王寺）(大阪)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 3.5
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 15万円 - 20万円
• 交通手段: 新幹線 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

堺筋本町から地下鉄中央線と谷町線で四天王寺夕陽ヶ丘まで移動．
地上にあがり300mほどで大阪市天王寺区夕陽丘町の勝鬘院．
593年聖徳太子による創建と伝わる．
本尊は愛染明王で，別名愛染堂とも呼ばれる．四天王寺の別院．
写真は薬医門．切妻造，本瓦葺．

愛染堂勝鬘院(愛染さん) 寺・神社・教会

勝鬘院金堂(本堂)．薬医門奥正面，境内中央に建つ．
江戸前期の建造，入母屋造，本瓦葺，大阪府指定文化財．
本尊愛染明王を安置する．

愛染堂勝鬘院(愛染さん) 寺・神社・教会

勝鬘院塔婆．本堂裏側に建つ．
1597年建造，三間多宝塔，本瓦葺，国重要文化財．

愛染堂勝鬘院(愛染さん) 寺・神社・教会

勝鬘院をあとにし四天王寺に向かう．
途中横断した谷町筋で見えたあべのハルカス．

勝鬘院から南東へ400ｍほど，四天王寺に着く．
2002年以来の参拝．前回は天王寺駅から歩いたと思う．
境内北西の中ノ門を潜り，境内へ入っていく．
木造四脚門，切妻造，本瓦葺．

四天王寺元三大師堂．境内北西端の霊苑に隣接する．
1618年建造，木造一重，寄棟造，本瓦葺，国重要文化財．
本尊元三大師，弘法大師，文殊菩薩，普賢菩薩，如意輪観世音菩薩，不動明王を安置する．

四天王寺 寺・神社・教会

四天王寺元三大師堂蟇股の彫刻．

四天王寺 寺・神社・教会

四天王寺大黒堂．元三大師堂東側．
正面入母屋破風向拝が大きく突き出ているのが目にとまる．
木造二重，寄棟造，本瓦葺．
本尊は三面大黒天．

四天王寺 寺・神社・教会

四天王寺英霊堂．大黒堂東隣．
1906(M39)年，当時世界一の大梵鐘が吊られる大釣鐘堂として建造．
大戦時に梵鐘が供出されたのを機に戦没英霊を奉祀する英霊堂と改名された．
木造一重，入母屋造妻入，本瓦葺．

四天王寺 寺・神社・教会

境内東側の本坊へ．写真は四天王寺本坊西通用門．
1623年建造，木造四脚門，切妻造，本瓦葺，国重要文化財．
ここを潜ることはできなかった．

本坊北側に庭園拝観受付があるようなので移動．
受付を済ませると五智光院．
大日如来を本尊とする．授戒灌頂会を修する道場で灌頂堂ともいわれる．
徳川家代々の位牌も納める．
1623年建造，木造一重，入母屋造，向拝三間付，本瓦葺，国重要文化財．

庭園側に入ってくると本坊客殿．
一部改修工事が行われていた．
庭園の拝観時間は8:30〜16:00(冬季)，拝観料\300．無休．

四天王寺本坊庭園瑠璃光の池．
奥に薬師の滝．

四天王寺本坊庭園内に建つ八角亭．
1903(M36)年建造，木造平屋建，桟瓦葺，国登録有形文化財．
第5回内国勧業博覧会の小奏楽堂として建築されたものを移築したと伝わる．
平面八角で，庇柱吹き放，窓に色ガラスをはめている．

四天王寺 寺・神社・教会

四天王寺本坊方丈．庭園西側に建つ(有料拝観区域)．
1623年建造，木造一重，入母屋造，本瓦葺，国重要文化財．
天海が四天王寺執務の際に居住したとのこと．その際は現五智光院前の敷地に建つも1900(M33)年現在地に移築されている．

四天王寺 寺・神社・教会

四天王寺本坊方丈の内部．
広い内部空間．

四天王寺 寺・神社・教会

境内中央に戻り六時堂．
1623年建造，木造一重，入母屋造，本瓦葺，国重要文化財．
昼夜6回にわたって諸礼讃をすることから六時礼讃堂とも呼ばれる．
四天王寺の創建は593年，聖徳太子によると伝わる．
周辺地域に付く天王寺の名の由来である．

四天王寺 寺・神社・教会

四天王寺石舞台．六時堂前に位置する亀の池の上に架かっている石橋に組まれた舞台である．
1623年建造，石橋及び石造高舞台，木造高欄付．
住吉大社の石舞台，厳島神社の板舞台とともに日本三舞台である．

四天王寺太鼓楼．石舞台南東側に建つ．
西側北鐘堂と相対峙して伽藍の両耳をなす．元は時を知らせる太鼓を鳴らす堂だったが，再建時に北鐘堂と同じ黄鐘調の鐘を設けた．
本尊は虚空蔵菩薩．
袴腰付，切妻造，正面突出付，本瓦葺．
鳩が飛び立つ．

四天王寺北鐘堂．石舞台南西側に建つ．
正式には黄鐘楼という．鐘が天井裏にあり見ることができないそうだ．
袴腰付，入母屋造，正面突出付，本瓦葺．

四天王寺西重門．中心伽藍拝観の受付となる．
拝観時間8:30〜16:00(冬季)，拝観料\300，無休．
中心伽藍を参拝する．

四天王寺 寺・神社・教会

四天王寺中門．中心伽藍南端．正面は外部から見ることが可能である(無料)．
両側に仁王像を安置する仁王門である．
1963(S38)年建造，鉄筋コンクリート造一重，錣屋根，本瓦葺．
入母屋造と異なり段差が付いている．
棟上に鴟尾が乗る．

四天王寺 寺・神社・教会

四天王寺中門安置仁王像(阿形像)．
那羅延金剛力士．

四天王寺 寺・神社・教会

四天王寺中門安置仁王像(吽形像)．
密迹金剛力士．

四天王寺 寺・神社・教会

四天王寺金堂．中門北側に五重塔(修復中)があり，その北側に建つ．
1963(S38)年建造，鉄筋コンクリート造二重，錣屋根，本瓦葺．
本尊救世観音菩薩を安置する．

金堂 (四天王寺) 寺・神社・教会

四天王寺講堂．
1963(S38)年建造，鉄筋コンクリート造一重，錣屋根，本瓦葺．
内陣は中央を境に東を冬堂，西を夏堂と呼ぶ．冬堂には現世の人々の悩みや苦しみを救う十一面観世音菩薩，夏堂には来世極楽に人々を導く丈六阿彌陀如来を祀る．

四天王寺 寺・神社・教会

四天王寺五重塔相輪．
最上層に立つものを改修に際し地上に降ろされ公開していた．
五重塔は39mあり，そのうち相輪は12mあるとのこと．

四天王寺 寺・神社・教会

四天王寺南鐘堂．中央伽藍南東側に建つ．
正式名称は鯨鐘楼．
八角円堂，本瓦葺．

続いて境内南東側の聖霊殿(太子堂)に向かう．
聖霊殿の区域は築地塀で囲われている．
この門よりその区域に入る．

四天王寺聖霊殿前殿．
1954(S29)年建造，入母屋造妻入，本瓦葺．
大きな向拝が付くのが目に付く．
聖徳太子孝養像(十六歳像，秘仏)を祀る．
背後の北側には奥殿がある．1979(S54)年建造，円堂(屋根八角)．
聖徳太子摂政像を祀る．

四天王寺南大門．
境内の最南端に建つ四天王寺の正門．
近年の再建のようである．
三間一戸楼門，入母屋造．

四天王寺阿弥陀堂．中央伽藍の南西に建つ．
1953(S28)年末寺の三重県国束寺本堂を移築したもの．
宝形造，本瓦葺．

四天王寺西大門．中央伽藍西重門の正面西側に建つ．
1962(S37)年松下幸之助の寄進による再建．
極楽に通ずる門の意味から極楽門とよばれる．
三間一戸楼門，入母屋造，本瓦葺．

四天王寺 寺・神社・教会

四天王寺石鳥居．極楽門よりさらに西側．境内西側の入口にあたる．
1294年建造，石造明神鳥居，島木木製銅包，貫柱間，額束及び額銅製，国重要文化財．

四天王寺はここまで，地下鉄谷町線に再度乗り大阪城へ向かう．

四天王寺 寺・神社・教会

谷町四丁目で降りて大阪城へ向かう．
追手口から入る．
最初に見えるのが大手門．
1628年建造，1848年頃改修，高麗門，本瓦葺，国重要文化財．
両側の塀が改修中だった．

大阪城大手門城内より．まさに高麗門である．
両側の塀もこちら側からは見ることができる．
大阪城塀，江戸末期の建造，本瓦葺，国重要文化財．
大手門南方塀：矩折延長60.0m，銃眼9所，石狭間14所．
大手門北方塀：延長21.5m，銃眼3所，石狭間7所．

大阪城多聞櫓(渡櫓)．
大手門と共に枡形を形成する．現存唯一である．
1848年建造，矩折一重(一部櫓門)，本瓦葺，国重要文化財．

大阪城 名所・史跡

大阪城多聞櫓(続櫓)．大手門正面側になる．

大阪城 名所・史跡

多聞櫓(櫓門)を潜り左側には千貫櫓と塀(多聞櫓北方塀)．
塀は江戸末期の建造，延長20.3m，銃眼3所，石狭間6所，本瓦葺，国重要文化財．

大阪城千貫櫓．堀側より．
1620年建造，二重二階，本瓦葺，国重要文化財．
乾櫓とともに大阪城最古の遺構とされる．

旧大阪陸軍兵器補給廠正門．
戦前は陸軍の用地だったのでその遺構も残る．
現在は公園の管理事務所．

大阪城六番櫓．南側の外堀に面して建つ．
かつては一番から七番までの櫓があったが戊辰の役，先の大戦で焼失．
一番と六番のみが残る．
1628年建造，二重二階，本瓦葺，国重要文化財．

大阪城 名所・史跡

大阪城六番櫓を外堀側から．

大阪城 名所・史跡

大阪城一番櫓．南側外堀面に残るもうひとつの櫓．
1630年建造，二重二階，本瓦葺，国重要文化財．

天守閣に向かう．
南側の内堀，空堀である．

大阪城桜門．ここから先が本丸となる．
1887年建造(陸軍大阪鎮台による再建)，高麗門，本瓦葺，国重要文化財．

大阪城 名所・史跡

大阪城桜門枡形・蛸石．
城内最大の石であり108tあると推定されている．

本丸内を進んでいくとレトロな建築が．
旧大阪市立博物館で戦前は陸軍第四師団司令本部だった建物．
1931(S6)年建造，鉄筋コンクリート造地下1階地上3階建，ロマネスク様式．
博物館は2001年閉館(大阪歴史博物館に機能移転)している．
いい建物だが天守閣とはマッチしない．

大阪城金蔵．旧陸軍第四師団司令本部北側に建つ．
1837年建造，土蔵造一重，寄棟造，本瓦葺，国重要文化財．
現存唯一の徳川幕府の金庫である．

大阪城 名所・史跡

大阪城天守閣．
徳川期の天守が1665年に落雷により焼失して以来天守の無い状態だったが，1928(S3)年昭和天皇即位記念の大阪城公園整備事業として整備され，1931年完成した．
鉄骨鉄筋コンクリート造8階建，国登録有形文化財．
内部は博物館となっている．
開館時間9:00〜16:30，入館料\600．休館12/28〜1/1．
時間の都合で中に入らず．

大阪城 名所・史跡

大阪城金名水井戸屋形．
有料区域の小天守台にある．切妻の屋根が僅かに見えた．
新大阪駅で余裕があったので入っておけばよかった．
1626年建造，木造一重，切妻造，本瓦葺，石造井戸枠含，国重要文化財．

大阪城 名所・史跡

北側内堀を挟んでの大阪城天守閣．

大阪城 名所・史跡

大阪城煙硝蔵．国内唯一の江戸期の火薬庫遺構だそうだ．
西の丸庭園内にある．京橋口側から行けるとの想定で歩いていたが，入れず．
下調べが足らなかった．
京橋口の枡形の石垣上から屋根と後方の壁のみ確認した．
1685年建造，石造一重，寄棟造，本瓦葺，国重要文化財．

大阪城 名所・史跡

京橋口から大阪城を離れる．
こちらにも枡形には巨石がある．
左側が城内二番目の巨石肥後石．

大阪城乾櫓．城の北西に建つ櫓．
外堀側より．西の丸庭園内から近寄れるようだ．
1620年建造，矩折二重二階，本瓦葺，国重要文化財．
千貫櫓とともに大阪城最古の遺構とされる．

大阪城ここまで．造幣局方面に向かう予定も疲れと時間に余裕を持たせるために梅田に戻り，新大阪へ向かう．

14:30発のぞみ168号で東京へ向かう．久慈の家に戻ったのは8時間後たっだ．
相当疲れるも楽しい1週間だった．

新大阪駅 駅