2015/11/29 - 2015/11/29
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たびたびさん
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国宝の十一面観音は全国に七体あって、それは今回の向源寺のほか、観音寺、聖林寺、六波羅蜜寺、室生寺、道明寺、法華寺。(道明寺と法華寺は秘仏で公開時期が限られているのでまだ見たことはありませんが、それ以外は全部見ています)
この中で一番有名なのは、たぶん、フェノロサとの逸話もある聖林寺でしょう。最初に見た時は、正直言えば、無骨な男性のような風も感じられて、少しがっかりしました。観音という言葉からして、優美な美しさを期待していたからだと思います。その後、ちょっと見方を広げてくれたのは和辻哲郎。仏は人間ではない。仏像は人間の姿を借りて仏を表わしたものであるというのです。当たり前のことなんですが、その通りですよね。そうして、次に見た時は、この像の持つ確かな仏の存在感を感じてとても感銘を受けました。この像は人間の姿はしているが、人間とは全く違うもの。仏なんて誰も見たことはないのですが、これがまさに仏だと確信できるような圧倒的な存在があったのです。
ただ、好きか嫌いかと言われれば、それは別。一番好きなのは京田辺市の観音寺。木心乾漆十一面観音立像で像高172.7cm。奈良時代8世紀の作ですが、整った美しさがあって、その美しさに浸るのには予備知識なんか全く必要ありません。内陣に入って、仏のまじかで対面できるのも嬉しいこと。これまで何度も見ているし、誰かを案内する時はここが最優先となっている大好きな観音像です。
十一面観音だけじゃなくて、国宝の観音像に広げれば、法隆寺の夢違観音に
百済観音、薬師寺の観音菩薩、唐招提寺の千手観音、東大寺の法華堂不空羂索観音などは、これらも文句なしのスーパースター。表情の穏やかさや体のひねりといった面白さに豪華さやスケールの大きさなどなど、それぞれ明快で個性的なインパクトがあって、これも解説の必要はない観音像でしょう。
しかしながら、今回の向源寺はこうした観音像に比較しても、その頭抜けた美しさがすばらしい。衝撃的なんですよね。見た瞬間に体が震えるような感覚がありました。ところで、たぶん、現代人の我々が感じる美しさにはほとんどの場合、幾分かリアリティの要素が含まれます。鎌倉時代の仏像や興福寺の阿修羅像などが典型でしょう。それに対し、この像はあくまで想像の世界なのに、それらリアリティによる美しさを持つ像にも決して引けを取っていないんです。
さらに言えば、ギリシャやローマの神々は完璧な人間の美しさの向こうに存在します。東洋の仏の表現とは正反対なのですが、それでも向源寺の観音像はこれだけの圧倒的な美しさを備えられたということですから、そういう意味で私の既成概念を見事に打ち砕いてくれたわけです。まだまだフロンティアはある。これからの旅にも改めて勇気を与えてもらったような気もしました。
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福井県の旅を終えて、最後は高月。武生から今夜の宿がある長浜に到着です。
もう日が暮れて午後八時前でしたが、開いていたのは藤本屋。 -
もう100年以上の歴史がある老舗和菓子屋さんのようですが、長浜でここまで遅くまで開いているのは珍しいでしょう。
田舎饅頭をいただきまして、ホテルで食べました。うーん、悪くはないんですが、これだけ食べてどうという評価は失礼でしょう。
いずれにしても、観光客が集まる場所とは離れているので、観光客には縁遠い場所のような。地元に愛されて続いてきたお店だと思います。 -
今夜の宿はビジネスホテルいずみ。長浜駅からの道は一本道なんですが、けっこう歩きます。観光地からは離れるので人気はないんだろうと思っていたのですが、土曜日ということもあってか、満室だそう。車で来る人なら問題ないし、やっぱり安いからでしょうか。しかし、フロントの対応などしっかりしているし、気持ちよく泊まれました。
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翌朝、高月に向かいます。商店街もまだ閑散としています。
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ところで、長浜駅を出てすぐの駅前広場にあるのは、秀吉 三成 出逢いの像。
鷹狩の途中、のどの渇きを覚え地元の観音寺に立ち寄った豊臣秀吉が、石田三成を見出した「三献の茶」のシーンです。
汗をかいた秀吉に対し、一杯目は大きな茶碗にぬるいお茶をなみなみと、二杯目は少し熱いお茶を茶碗に半分ほど、三杯目は小さな茶碗に熱いお茶を入れて出した気配りは、三成の非凡な才覚を示す逸話ですが、その真骨頂はどんな逆境でもくじけない忠誠心の方だと思いますが、秀吉がそれをどれくらい評価していたのかはあまり注目されていないかもしれませんね。 -
長浜駅から高月駅に到着。高月総合案内所は、高月駅に隣接する観光案内所なんですが、
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観音巡りをするために、ここでレンタサイクルを借りました。
結局、西は赤後寺。東は浅井歴史民俗資料館辺りまで足を延ばすことができて、ちょっときつかったですが、利用価値は大きかったと思います。 -
まずは、大円寺へ。ただ、大円寺というよりは高月観音堂の方が一般的な呼び名でしょう。高月周辺の観音巡りだと高月駅からはここが一番近いので、ここから回りはじめるのが普通のコースです。
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総合案内所で事前に連絡を入れてもらっておいて訪ねると地元の方がお堂を開けて待っていてくれました。
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本尊は、十一面千手観音立像。
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イチオシ
端正な面持ちの仏像ですが、敢えて言えば、ちょっと平易な印象かも。
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少し困ったようなたれ目気味の顔つきは柔和と言った表現じゃないと失礼かな。
丹念に作られた千手と衣服の文様も律儀ながんばった感があると思います。 -
もう一つ、面白い像があるよということで見せてもらったのは、断食姿の釈迦像。
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骨と皮になっても気力を失っていない、釈迦の精神力の強さを表現しています。
なお、こうやって写真は自由に撮らせてもらえます。 -
大円寺(高月観音堂)の隣りにあるのは、神高槻神社で、境内も続いています。
天平年間に、こちらにあった槻の巨木に天児屋根命が降臨されたとの伝承も。多分、そこから高槻となって、その後、高月と名前を改めたということです。 -
高月駅から回り始めた観音巡りですが、途中途中に道案内があって、高月観音堂の後は、この浄光寺にも寄ってみます。最澄ゆかりの寺で、本尊の十一面観音像を安置していますが、特別公開の時期だけ拝観できるとのこと。ただ、公園のような空地のような中に本堂がポツンと建っているので、すぐにここが浄光寺だとは分からないかもしれません。
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続いては、向源寺。例の国宝十一面観音像を見ようと訪れたのですが、それがあるのは飛び地境内の渡岸寺観音堂なんですね。向源寺自体は、門を入っても人けもなくて、境内はコンクリート敷きの殺風景なもの。観光できるような場所ではありません。
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向源寺の十一面観音と言われるんですが、実際はこの渡岸寺観音堂。向源寺の飛び地境内という関係です。
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さて、国宝十一面観音は日本全国に七体あるのですが、その中でも最も美しいという観音像はいかがでしょうか。
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ここが入口で、手前で拝観料を払います。
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本堂から上がるんですが、安置されているのは左手の建物です。
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受付にあった写真や
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観音堂の入口にあった写真を載せますが、これではなかなか感動は伝わらないかなあ。
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イチオシ
ただ、どちらにしても。。私の今までの一番のお気に入りは京田辺市にある観音寺の国宝観音像だったのですが、一番美しい観音像という評価はまさしくその通りかもしれません。
薄暗い部屋の中に浮かび上がった像は予想していたよりも、大きな姿。中心である顔の側面の面と頭にこんもりと乗ったいくつかの面のバランスが素晴らしいし、ひねりのある体の線からくる静かな躍動感も秀逸。見た瞬間に、その美しさに圧倒されて、体が震えるような衝撃がありました。
住職がいろいろ説明してくれたんですが、これは詳しい解説は要らないでしょう。とにかく見ればわかる。そういう観音像だと思います。 -
渡岸寺観音堂から、今度は高月観音の里歴史民俗資料館へ。
これは観音堂とセットのような感じの近くの施設です。
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観音の里高月周辺の仏像の分布図や西国三十三か所の位置図。他の国宝観音像の解説などがまとまっていて、頭の整理をするにはちょうどいい。
一方で、仏像の展示もないことはないのですが、やっぱりそちらは各寺の仏像拝観に比べれば落ちると思います。 -
さて、ここからは浅井氏の小谷城関係に向かいます。あの山が小谷城。
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近そうに見えても、やっぱりかなりの距離がある。自転車でもなかなか大変ですね〜
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まず到着したのは、小谷城戦国歴史資料館。
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浅井長政はお市の方を嫁にもらいながら、なぜ織田信長を裏切ったのか、そこまで朝倉との縁が深かったのかとか割り切れないところもありましたが、当時の信長包囲網を客観的に判断し、信長は危ういと見た冷静な判断があったという解説にはハッとさせられました。そういう面があったことは、確かに否めないことかと思います。最後の潔さもそうした判断をきちんとした上での敗北だったから。そう考えると一連の行動にもより納得感がわくように思いました。
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小谷城戦国歴史資料館のすぐそばに、戦国ガイドステーションというのもありました。小谷城戦国歴史資料館で、小谷城の情報を仕入れた後は、ここから日本五大山城の一つ小谷城をここからガイドしてもらいうということですね。
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ということなので、この施設自体には見るべき資料等はあまりありません。休憩室のようなスペースがあるだけです。
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戦国ガイドステーションで、場所を確認して、小谷寺へ。
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聖武天皇の時代にさかのぼる歴史があるようですが、ここも小谷城や浅井氏ゆかりの寺。
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小谷城が落城した際焼失しますが、その後、再建。お市の方が柴田勝家に嫁ぐ途中、ここに立ち寄り厨子を奉納したとも言われます。ただ、無人の寺なので寂しいことは寂しいです。
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小谷寺で引き返そうと思ったのですが、せっかくなので浅井歴史民俗資料館もあるようににも足を延ばしました。ただ、小谷寺からでもけっこう遠くて、何度かくじけそうになりました。
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結局、こうして小谷城や浅井氏に関わる資料館は周辺にいくつかあるのですが、結果として、見て楽しい施設としては、この浅井歴史民俗資料館が一番だったと思います。
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浅井氏が京極氏の重臣の立場から、頭角を現して、六角氏に対抗できる実質的な湖北の雄にのし上がる。
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しかし、信長との関係も長くは続かず、浅井長政と家族がたどった悲劇はご案内の通り。
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イチオシ
その場面場面を人形で再現していて、
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知っていることでも改めて臨場感を持って感じることができます。
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栄枯盛衰は戦国のならい。各地に数多くの物語があっても、浅井の悲劇は何か心を引きつけられる。その思いに十分こたえる施設だと思います。
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また、敷地内には養蚕の農家などが移築されていたり、
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この地域の歴史や文化に着目した総合的なテーマパークの要素もあると思います。
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こちらも館内に説明が流れるので、
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家族連れでも
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気軽に楽しめると思います。
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やっぱり遠くても来て正解でしたね。
なお、このそばには姉川の戦いの古戦場もあるのですが、まだ観音巡りの残りがある。それはさすがにパスしたいと思います。 -
小谷から、今度は赤後寺へ。後半の観音巡りなんですが、実は小谷からすると高月駅の反対側。えっちら、おっちら。また長い距離を走ります。
赤後寺の位置がよく分からなくて、場所も確認しようと北近江リゾートに立ち寄ります。
このパン工房 ティムは、施設内にあるパン屋さんなんですが、単にパン屋さんというよりも施設内のレストランと一体となっていて、個々のパンを持ち込んで食事もできるというシステムで、大勢の人がレストランを利用していました。私は、パンを持ち帰りしましたが、ふっくら柔らかな仕上がりがおいしかったです。 -
ちなみに、北近江リゾートは温泉施設がメインだと思いますが、パン屋のレストランだけで来ている人も多いような。珍しい温泉施設かもしれません。
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高月の観音巡りでは、赤後寺も定番と言っていいお寺。
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事前に電話をしておいたので、ここも地元の世話役さんが待っていてくれました。
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ひなびた寺を想像していたのですが、ここはなかなか立派です
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目当ての聖観音像と千手観音像はこの中です。
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イチオシ
ただ、まず目を見張ったのは、この豪華な厨子。身分のある人が寄進したものなんでしょうが、
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見事な装飾は、見応え十分。
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イチオシ
これだけでも見るべき価値があるように思います。
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観音像の方は撮影禁止なので、写真を載せます。観音像は、どちらもどっしりしたというか、ずんぐりした感じで、ちょっと田舎の仏像の匂いがしなくはない。味わい深く見るという感じでもないし、まあ、パッと見でいいでしょう。
厨子があまりにも豪華だったので、逆に、そう感じたのかもしれませんが。。 -
続いては、正妙寺です。
高月の周辺には古い城跡がいくつかあるようですが、途中に見かけたこの磯野山城もその一つ。ここから丘陵を辿ると賤ヶ岳までつながっているようで、砦のようなものから城に進んだものかもしれません。磯野員友が築城して以来、磯野氏代々の居城。ここで浅井氏に抵抗したりしたこともあったようです。 -
正妙寺です。ここも事前に連絡した方がいいのですが、事前に連絡を入れようと思ってもなかなかつながらない。赤後寺でお世話してもらった地元の方から連絡を入れてもらってようやくつながって安心しました。
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上の方から、おーいと声がかかり、地元の人は上で待っていてくれたようです。ははいはい、今行きますよ〜
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正妙寺といっても、小さな祠のような建物。
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その中に、厨子があって、目的の千手千足観音立像が安置されていました。
しかし、予想に反してずいぶん小さな像ですねえ。 -
しかし、小さな像なのに、やんちゃな駄々っ子みたいな風貌ですよ〜
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イチオシ
小さいくせに、胸を張ってガハハと笑ったような表情はから元気でもないと思いますが、それでいて、なんだかこの仏様は何をするかわかないといった不思議な魅力も感じます。
この着想は願主にあったのか、それともそれを請け負う仏師にあったのか。もし、仏師の着想だとしたら、願主はびっくり仰天したことでしょう。驚く様子を想像するとおかしくてたまりません。いろんな想像を掻き立てられる仏様だと思います。 -
で、これが最後の観音です。
ちなみに、西野薬師堂の西野はこの辺りの集落の名前。同じような集落がいくつかあるので、探すのに苦労しました。 -
お堂にあるのは、十一面観音像と薬師如来像。どちらもそれなりに大きな像なんですが、その分、ちょっと大味なところも否めない。十一面観音像は赤茶けた漆が塗ってありましたが、それも気になって、気持ちの入れ方がけっこう難しい。
それでもなんとか四苦八苦。もう時間がなくて、さっとみるだけのつもりだったのに、けっこうてこずりました。 -
晩飯は長浜で食べて帰ることにしたので、高月駅から長浜駅まで帰ってきました。
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その前に、海洋堂フィギュアミュージアム黒壁に行ってみます。
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長浜市街中心部のアーケード商店街の中にあって便利な場所なんですが、入場料が高いし、これまでちょっと敬遠していたんですよね。
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恐竜というか怪獣とか、
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アニメのキャラクターもほとんど知りませんが、
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いわゆるフィギュアの楽しさは私でも分かります。
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しなやかな体の動きの表現や鮮やかな配色。
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それらを必要以上に強調しまくる感じが面白いです。
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一方で映画のワンシーンのような作品も意外に迫力があるし
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これも重量感があって、映画版の鬼太郎と言った感じです。
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イチオシ
このジオラマの美しさもちょっといいですね。風神雷神の生き生きとした姿は、とても見応えがあると思います。
なるほど、こういう施設だったんですね。納得です。。 -
晩飯は、茂美志゛やへ。こちらの看板商品は、のっぺいうどんです。
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店内には有名人が数多く訪れたんでしょう、
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壁一面に色紙が貼られていて、そのうどんを絶賛しています。
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さて、出てきたうどんは、
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イチオシ
見たこともないようなでっかいシイタケが乗って、全体に餡が掛かっています。出汁がよく沁みたシイタケがうまいし、なるほどなあというおいしさ。ただ、うまいけどそれにしてもちょっと値段は高いかなあという気はします。
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次はデザート。
菓富庵かどやは、長浜市街中心部のアーケード商店街にあって、店構えが立派なので、和菓子屋さんでは一番目立っていると思います。 -
麩饅頭をいただきました。ただ、看板商品はなんだったんでしょうね。商品の種類が多くて、これというのはよく分かりませんでした。
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長浜駅に帰る途中。
グッテンマーマでは、近江牛のカレーぱんという看板があったので寄ってみました。 -
御主人はちょっと頑固そうな感じかなあ。注文すると、無言で近江牛のカレーぱんを包んでくれました。
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でも、なるほどこれはうまい。ごろんとした肉片が豪華というだけではなく、揚げたパン生地のおいしさとか、これは本物。長浜に来たなら食べる価値があるように思います。
さて、以上で四日間の旅は終了。これから米原経由で東京に帰ります。福井から滋賀の旅、お疲れ様でした。
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