2015/11/16 - 2015/11/16
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naoさん
ほとんどの家庭で新年を祝って飾られる鏡餅は、古来、歴代天皇が継承してきた三種の神器の、「鏡」、「玉」、「剣」にちなんだ縁起物で、それぞれ、餅は「鏡」に、橙は「玉」に、串柿は「剣」に見立てています。
その串柿の里として知られる、和歌山県伊都郡かつらぎ町の四郷(しごう)地区は、およそ400年前に『四郷村の特産物として串柿を作って売り出すように』と、時の徳川公が奨励したという言い伝えが残っているほど、串柿作りの歴史は古く、現在まで連綿と受け継がれています。
晩秋の11月の声を聞き、四郷地区で本格的に串柿作りが始まると、農家の軒先や専用の柿場には、家族総出で皮をむいた串柿が、色鮮やかな簾のように一斉に吊るされ、ひなびた里山は柿一色に染まります。
その見事な光景は晩秋の風物詩として全国的にもよく知られていて、一目見ようと訪れる人々を楽しませています。
ちなみに、これまでの市町村合併により「四郷」と云う地名は消えてしまいましたが、「平」、「東谷」、「滝」、「広口」の四つの郷を総称する地区名として、今も広く使われています。
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- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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大阪の和泉市から国道480号線の鍋谷峠を越えてしばらく下ると、四郷の平集落が見えてきました。
乗用車1台通るのがやっとの国道480号線も、かつては西国33カ所めぐりの三番粉河寺(紀の川市)から四番槇尾山施福寺(和泉市)への順路となっており、和歌山と大阪の往来に使われていました。 -
平集落に着きました。
四郷地区のうち、先ずは平集落を歩きます。 -
平集落へ一歩足を踏み入れると・・・
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簾のように吊るされた色鮮やかな串柿が出迎えてくれます。
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ひなびた里山を柿一色に染めるこの見事な光景は・・・
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晩秋の風物詩として親しまれています。
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お正月の鏡餅に欠かすことのできない串柿ですが、ここ四郷地区では、およそ400年前から作られてきたと云われています。
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事の起こりは、当時の徳川公が「四郷村の特産物として串柿を作って売り出すように」と奨励したためだそうで・・・
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その歴史は現在まで連綿と受け継がれています。
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串柿作りは、冬場に串柿に用いる竹串を削るところから始まります。
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そして、11月の声を聞き、本格的な串柿作りの時期を迎えると、家族総出の作業が続きます。
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こうして天日干しで自然乾燥された串柿は・・・
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およそ1か月程度で出来上がるそうです。
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一個一個皮をむかれて串に刺された柿。
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四郷の串柿には、昔から広く栽培されてきた「青曽柿(あおそ)」が使われているそうです。
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幾重にも連なって干される串柿。
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柿の木にも実が鈴なりに成っています。
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道端にもう一つの秋がありました。
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とても広い柿場です。
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こういう民家を見ると、ついカメラを向けてしまいます。
では、平集落はこれくらいにして、東谷集落へ向かいます。 -
くねくねと曲がりながら延びる道路を走っていると、山の中腹に東谷の集落が見えてきました。
ここから見ても串柿の簾を吊っているのがよくわかります。 -
先ほど下から見えていた東谷の集落まで上ってきました。
谷を隔てた隣の集落にも、柿場が見えています。 -
見事な樹形の柿の木。
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上段には、むきたての柿が並んでいます。
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大阪との県境近くの山間に点在する四郷地区は、息をのむほどに美しい里山風景を見せてくれます。
では、ここからさらに上った所にある堀越癪観音へ向かいます。 -
堀越癪観音の参道に植えられたドウダンツツジが紅葉を迎えています。
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来客用駐車場の背後の斜面にある農家にも・・・
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串柿の柿場がありました。
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串柿の里と呼ばれるほど四郷で盛んに串柿が作られるのは、夜間の冷温や山から吹き下ろす乾燥した北風が最適な条件なんだそうです。
標高の高い山間部の気候風土がもたらす、自然の恵みですね。 -
堀越癪観音の境内が見えています。
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柿の葉はかなり分厚いんですが、お日様の光を透かしています。
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では、堀越癪観音へお参りに行きましょう。
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堀越癪観音へやってきました。
境内の大イチョウが、もの凄い存在感で迫ってきます。
では次に、広口集落を目指します。 -
広口集落で見かけたかつらぎ町コミュニティバスのバス停。
四郷の名前がついていました。
今回、広口集落の柿場も見たかったんですが、探しても判らなかったので、あきらめて滝集落へ向かいます。 -
最後に滝集落へやってきました。
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滝集落にある北辰妙見神社です。
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小さな神社では手洗舎の水を止めている所も見受けますが、この神社では水が滴っています。
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阿形と吽形の狛犬も・・・
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もちろん備えられています。
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滝集落の柿場は、山の斜面に延びる道路に沿って点在しています。
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その道路沿いに干された串柿の簾が、道なりに陰を落としています。
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もちろん、農家の庭にも柿場は設けられています。
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この串柿は、柿の表面が乾燥を始めています。
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道なりにS字を描きながら・・・
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連なる串柿の簾。
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道路から少し高台にある農家への道沿いにも 柿場が設けられ・・・
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串柿の簾が続いています。
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農家への道沿いの柿場を道路から見上げた光景です。
奥に見える農家の庭にも、所狭しと串柿が吊り下げられています。 -
下から見上げた串柿の簾。
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敷地を有効活用するよう、折り重なるように広がる柿場。
今回、串柿の里の三つの集落を見てきましたが、400年の歴史に裏打ちされた光景は素晴らしいとしか言いようがありません。
さて、柿一色に染まる里山の風物詩に感動したところで、四郷地区に別れを告げます。
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