2015/05/13 - 2015/05/13
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junemayさん
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2014年6月から7月にかけて、イタリア、フランス、スペインを勝手気ままに歩いた一人たびの心地よさが忘れられず、年が明けるや否や新しいプランを作成。今年は昨年最も強く心を惹かれてしまったイタリアに集中することにしました。6月のトスカーナは連日35度を超す猛暑だったので、今年は1か月前倒し。
まずは行きたいところをピックアップして、たびの拠点となる都市を選定。宿泊施設を押さえてから、詳細を詰めていくというのが私のスタイルなのですが、例によってこれも見たい、あそこも行きたい・・・とかく欲張りな私のこと、1か月じゃあ全く時間が足りないことがすぐに判明しました。とはいえ、時間とお金は限りあるもの。優先順位を決めて、何とかやりくりをして決めたのが下記のプランです。
イタリアには過去3度行ったことがあります。
最初のたびは、大学生の頃、スイスのチューリッヒから日帰りで行ったミラノ。最後の晩餐だけ見に行ったような、慌ただしいたびでした。
2回目は2001年、シシリアとアルベルベッロ、カプリ島、ローマを2週間かけて回りました。
3回目が2014年、ベネチアとトスカーナ州、リグーリア州が中心の2週間。
今回は、過去に行ったことのない場所をメインとした旅程となりました。たびを重ねるうちに、自分が最も興味を惹かれるものは、古い建物、神社仏閣教会等、そして彫刻、絵などの美術品 全て人が作り出したものだということがわかってきました。中でも、ここ2、3年、以前はあまり興味が沸かなかった教会に強く惹かれる自分がいます。基本的には無宗教なのですが、現在より人々の心が純粋で、神を敬う気持ちが強かった頃でなければ、創り上げられなかった文化の結晶とでもいうべき施設には畏敬の念を覚えます。というわけで、今回のたびの中心は教会を巡る街歩きとなってしまいました。
イタリア語は皆目見当がつかず、付け焼刃で2週間ほど本を見て勉強しましたが、やるとやらないでは大違い。後は度胸と愛嬌?で前進あるのみ。御陰様で、とても自己満足度の高いたびになりました。
2015/5/6 水 成田→モスクワ→ローマ
2015/5/7 木 ローマ
2015/5/8 金 ローマ→ティヴォリ→ローマ
2015/5/9 土 ローマ
2015/5/10 日 ローマ
2015/5/11 月 ローマ
2015/5/12 火 ローマ
2015/5/13 水 ローマ→ナポリ
2015/5/14 木 ナポリ→ソレント→アマルフィ→ラヴェッロ→アマルフィ→サレルノ→ナポリ
2015/5/15 金 ナポリ
2015/5/16 土 ナポリ→エルコラーノ→ナポリ→カゼルタ→ナポリ
2015/5/17 日 ナポリ→バーリ
2015/5/18 月 バーリ→マテーラ→バーリ
2015/5/19 火 バーリ→レッチェ→バーリ
2015/5/20 水 バーリ→オストゥーニ→チェリエ・メッサピカ→マルティーナフランカ→バーリ
2015/5/21 木 バーリ→アンコーナ→フォリーニョ
2015/5/22 金 フォリーニョ→スペッロ→アッシジ→フォリーニョ
2015/5/23 土 フォリーニョ→トレヴィ→スポレート→フォリーニョ
2015/5/24 日 フォリーニョ→ペルージャ→フォリーニョ
2015/5/25 月 フォリーニョ→コルトーナ→オルヴィエト
2015/5/26 火 オルヴィエト→チヴィタ ディ バーニョレージョ→オルヴィエト
2015/5/27 水 オルヴィエト→アレッツォ→オルヴィエト
2015/5/28 木 オルヴィエト→フィレンツェ→ボローニャ
2015/5/29 金 ボローニャ→ラヴェンナ→ボローニャ
2015/5/30 土 ボローニャ→モデナ→ボローニャ→フェラーラ→ボローニャ
2015/5/31 日 ボローニャ
2015/6/1 月 ボローニャ→パドヴァ→ヴィチェンツァ
2015/6/2 火 ヴィチェンツァ→パドヴァ→ヴィチェンツァ
2015/6/3 水 ヴィチェンツァ→ヴェローナ→ヴィチェンツァ
2015/6/4 木 ヴィチェンツァ
2015/6/5 金 ヴィチェンツァ→ミラノ
2015/6/6 土 ミラノ
2015/6/7 日 ミラノ
2015/6/8 月 ミラノ→モスクワ→
2015/6/9 火 →成田
階段を上っていくと、ナポリの国立考古学博物館後半が始まります。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
モザイクという表示を見つけましたよ。
この階段を上ると、中2階のモザイク・セクションにたどり着きます。今回の私の主目的の一つでもあります。主にポンペイ、エルコラーノといったヴェスヴィオス火山の噴火により埋もれた町からの出土品が展示されていました。 -
まず最初のモザイクはこちらの豹。豹はディオニソスのシンボルの一つです。モザイクに描かれているブドウの葉、蔦、豊穣の角なども、ディオニソスを表すときに良く出てくるシンボルだそうです。
ディオニソスは酒の神とされていますが、実際には、酒(ワイン)のほか、パーテイ、お祭り、お祝い、狂気、カオス、酩酊、エクシタシー、そして演劇の神でもあるんですね。酒飲みにはありがたくて都合の良い神様だこと! -
お次は闘鶏のモザイクです。遊びならなんでもござれだったポンペイでは、闘鶏も盛んだったようです。
奥に見えるテーブルの上には、勝った人に渡すお金の入った袋とカドゥケウス(ヘルメスの杖)、そして勝利の椰子の葉が乗っかっていますよ。 -
こちらのモザイクにも闘鶏用の鶏と勝利の椰子を持った男性が描かれていますね。いいかっ! お前 頑張るんだぞ! て言い聞かせているみたい。
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上の2品は状態があまりよくありません。左上は三美神。右上はイリアスの第1章に出てくる「アキレスとアガメムノン」を描いたもの。共にポンペイで出土したものです。
大変有名なポンペイの「猛犬注意」(左下)は貸し出し中でした。ショック!
右下は「酔ったシレノス」。シレノスはギリシャ神話の神で、牧羊神パンの息子。とても背の低い老人で常に酩酊状態なのだそうです。ディオニソスと一緒に旅をして、人々にワインの栽培方法を伝授したと言われています。 -
こちらは、やはりポンペイから見つかったモザイクで覆われた柱です。
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その付け根をアップすると、あららぁ 貝殻が装飾の一部となっていますよ。凝っていますねえ。芸術家の作品と言うよりは、庶民的な町の職人さんメードといった雰囲気ですね。
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モザイクで覆われた柱は全部で4本あって、一方の壁には教会の後陣のような窪みがあり、ご覧のようなフレスコ画で飾り立てられていました。壁には5枚のモザイク画。右下の1枚にはトラキアの王とディオニソスの敵ルキュルグスがニンフのアンブロシアに襲い掛かる場面が描かれていました。
左下の1枚共々、エルコラーノからの出土品だそうです。 -
こちらは反対側の壁です。
一番上のモザイクの男性はボクサーだそうです。男性の下には松ぼっくりと雄鶏が描かれています。
左右には燭台とキューピッド・ハンターのモザイクが対で置かれていました。中央にニッチェのあるモザイクは、雄鶏とリンゴの組み合わせの図案。どういう関係なんだろう・・・ -
4本の柱は、こんな風に向かいあっていました。
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この魚とアヒルのモザイク、結構気に入っています。魚は赤ボラと言う種類だそうですが、地中海産でしょうね。魚とアヒルを隔てている赤い実のついたギンバイカも綺麗です。
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下の2枚は、紀元前2世紀のギリシャのサモス島産のモザイクで、ポンペイのチチェーロの別荘からたった2枚だけ見つかったものです。右側は大地母神であるキュベレーを崇拝する町のストリートミュージシャンを描いたもので、右上にも同じようなシーンを描いたフレスコが飾ってありました。モザイクの方は人物が実に生き生きと表現されています。
左側はコメディの一場面だそうで、二人の女性が魔術師を訪問するシーンです。右から二番目の迫力ある人が魔術師ですね。ギリシャ産のモザイクはとても緻密。石の一片が細かく、完成度が高いのには驚きました。2200年も前の作品ですよ! -
右側の1枚は、ポンペイからの出土品で、「開演を待つ俳優たち」。劇に使う色々な小道具や仮面などが興味深いです。
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こちらもポンペイからの1枚で、「プラトンのアカデミー」。怖い顔や驚いた顔の仮面や果物などが絵の周りを取り巻いています。
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左上のツボを持った骸骨は「いわゆるカルペディエム」と言うタイトルがつけられています。カルペディエムとは、紀元前1世紀のローマの詩人ホラティウスの詩に登場する言葉で、日本語では「その日を摘め」と訳されているそうです。ウィキペディアには、「今この瞬間を楽しめ」と言う意味だと書かれていました。なかなか意味深長ですなあ。
左下の白い鳩が描かれた美しい1枚はポンペイの「鳩モザイクの家」からの出土品。6羽の鳩が水を飲んだり、毛づくろいをしたり、実に精巧な作品です。 -
水を飲む鳥たち(上)と運命の輪(下)。
下のモザイクに描かれた車輪は「運命の輪」を意味しています。金持ちにもなれるし(左側の紫の服がそれを象徴。紫って世界中どこでも高貴な色とされているんですね!)、貧しくもなれます(右側のヤギ皮の服がそれを象徴)。しかし、人生は、針にぶら下がっているようなとても不安定なもの。針が折れれば、魂は消え去ります。死(しゃれこうべ)は全ての瞬間に潜んでいて、誰もに平等に訪れます というような意味だとか・・・なるほどねえ。哲学的な意味合いを含んだ作品でした。 -
珍しい円形のモザイク。中央には大きなライオン、左右にはディオニソスの姿があります。
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中央の顔は、ギリシャ神話に登場する醜い女の怪物であるゴルゴーン。髪の毛が蛇で、見た者を石にするという話を聞くと、「えっ メドゥーサじゃあないの?」となりますが、どうもゴルゴーンは3姉妹で、そのうちの末娘がメドゥーサであるようです。一人じゃあなかったんだ!
古代ギリシャでは、ゴルゴーンは魔除けとして使われたそうですが、ポンペイでも同じ使われ方をしたのかしら? -
こちらもゴルゴーン3姉妹のいずれかですね。多分メドゥーサ。ゴルゴーン3姉妹は「自分達は女神アテナより美しい」と公言したことにより、アテナにより醜い顔に変えられたとする説もあります。
このモザイクはとても状態が良かったですよ。黒と白の幾何学模様が美しい一品です。 -
一片が2m以上あるこの大きなモザイクは、「ボートに乗ったピグミー ナイルの風景」という題名がつけられていました。川の中には鰐、水鳥、岸辺にはカバの姿も見えます。
エジプトのピグミーのいる風景はヘレニック時代にはエキゾチックな趣味の代表とされてきました。ローマ時代に入ると、屋根のないテラスの床の装飾などに好んで使われたようです。こちらは、ポンペイの「医者の家」の庭園にあったものです。 -
牧羊神パンとハマドリュアス。ハマドリュアスはギリシャ神話中の木の精霊です。通常は木の中に住んでいて、木が枯れると、ハマドリュアスの命も果てると言われています。
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続いては、「秘密の小部屋」に入ってきましたよ。今まで何人もの人が紹介しているので、私が改めて写真を披露する必要はないのではと思われますが、大変エロティックな場面の連続で、18歳未満立ち入り禁止地域です!?
何枚かだけ、紹介しましょうか。自然に恵まれ、食べ物、飲み物共に豊かで、何の不自由もない生活をしていた1世紀のポンペイの人達は、性に対しても実におおらかだったようです。
こちらは多分娼婦の館の場面。男性の左側にかけてある衣服と杖で、彼が旅の者だということが分かるのだそう。 -
過去の旅行記で何度か紹介したレダと白鳥。ゼウスが白鳥に変身して、人妻レダを誘惑するシーンです。そして生まれたのが、カストルとポルックスの双子でしたね。
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サテュロスとニンフ こちらは大理石像です。この二人の組み合わせは、エロティックな場面が殆ど!
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こちらもサテュロスとニンフですが、ちょっと様子が違います。ニンフに言い寄って、逆にやられている場面かな? 夫婦喧嘩の一場面のようにも見えますね。
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牧羊神パンとヤギ。あらあら!
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これじゃあ、歩けませんよ! オイル・ランプだそうです。
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ユーモラスで、結構笑えます。
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ポンペイの娼婦の館への道しるべにも使われていたのを思い出しました。
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秘密の小部屋はこのくらいにしてっと。モザイクのコーナーに戻ってきましたよ。
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上のモザイクには、上部にヤマウズラを捕えた瞬間の猫。猫の光る眼が素晴らしい。下部には、鴨の番に沢山の魚や貝が積まれた光景が、画面いっぱいに描かれています。生活の豊かさを感じさせる作品です。
下のモザイクには、蓮池に遊ぶ鴨や蛙、小鳥などが実に生き生きと描かれています。ナイル川流域の景色を描いたとされています。 -
ファルネーゼ・コレクションの至宝、「踊る牧羊神(ファーン)」。パンとファーンはギリシャとローマの違いだけで、殆ど同一視されているようです。1830年にポンペイで最も豪華だとされる「牧羊神の家」から発見されました。この家からは、続いて展示されている「アレキサンダー大王のモザイク」も見つかっています。
牧羊神はギリシャ製のオリジナルなのか、または非常に精巧なローマ時代の複製なのかまだ判断できていません。いずれにせよ、ポンペイで見つかった最高水準のブロンズ像であることは間違いないようです。酩酊状態であるにもかかわらず、なんて軽やかな動きをしているのでしょう! -
この博物館のモザイクで一番名が知られた作品と言えば、こちらの「アレキサンダー大王とペルシャのダレイオス3世とのイッソスの戦い」(紀元前333年)のシーンでしょう。世界史の一番初めの頃に習った記憶ありです。こちらのモザイクも、上述の「牧羊神の家」から発見されたものです。
元々は床に描かれていたこのモザイク、かなり傷んでいますが、アレキサンダー大王とダレイオス3世の二人の描かれた部分は奇跡的に損傷を免れています。 -
ペルシャ軍総勢10万に対して、マケドニアのアレキサンダー大王の軍勢は4万足らずだったそうですが、自ら率いた歩兵部隊の攻撃でダレイオス3世は逃走、マケドニアは奇跡的な勝利を収めました。
アレキサンダー大王の胸についているのは、メドゥーサの首ですね。お守り代わりなのかな? -
まさか敗れるとは想像していなかったダレイオス3世。顔に焦りが感じられるのは気のせい? 彼の乗る馬車には女性の姿も見えますね。
このモザイクはギリシャの画家フィロゼノスによって紀元前4世紀末に描かれた絵画の複製で、紀元前125年〜120年頃の作品であろうと言われていますが、確かなことはわかっていません。 -
モザイク・コーナーのお終いを飾るのは、こちらの「海の生物大図鑑」です。中央のタコ、迫力ありますねえ。ウツボにエビ、ヒラメにイカ、そして様々な魚たち。ポンペイの豊かな海を象徴するような作品です。
ローマでは見ることの少なかった海洋生物たちが、ここナポリでは人々の生活に深く結びついているのを感じました。 ああ面白かった! -
中2階から一旦階段を下りて、今度は、別の階段を上って行きます。先ほどは目にも留めなかった彫像は、アテネだと思っていたのですが、よく見たら全く違った顔をした男性でした。
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階段の踊り場に立っている方は、ミネルヴァの格好をした両シシリア王フェルディナンド1世でした。この方は、シシリア王としてはフェルディナンド3世(在位1759年〜1815年)、ナポリ王としてはフェルディナンド4世(在位1759年〜1806年)と名乗っていたそうです。1815年に復位し、以後は両シシリア王として、1825年に亡くなるまでシシリアとナポリに君臨しました。奥方はマリア・テレジアの娘、マリーアントワネットの姉に当たるマリア・カロリーナです。
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2階から、もう一度、フェルディナンド1世の像を見下ろします。本来の顔が隠れて、仮面の顔と目が合ってしまいました。
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日時計の間(サローネ・デッラ・メリディアーナ)は残念ながらクローズドでした。結局、私は2階のポンペイ、エルコラーノのフレスコ画、工芸品のコーナーにはたどり着かず、エルコラーノのヴィッラ・デイ・パピリのコレクションだけ見て帰ってきたようです。
一人旅は自分だけが頼り。案内図本当に最悪!なんて毒づいても、全く意味がありませんが、見逃したよ〜 悲しい〜!! -
2階の階段左側では、エルコラーノの町はずれにある屋敷ヴィッラ・デイ・パピリから発見された作品を見ることが出来ます。ヴィッラ・デイ・パピリはいまだに地中奥深くに埋まっていますが、ここで見られるのは18世紀にトンネルを掘って発掘したものだそうです。
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都市の守護女神アテーナ。ありとあらゆる邪悪・災厄を払う魔除けの能力を持つアイギスと呼ばれる盾を左手に持っています。と手も変わった形の盾ですよ。ここにもメドゥーサの顔がついていました。
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北アフリカのキレナイカで最後のギリシャ王だったプトレマイオス・アピオンの像。ドラッドヘアのような髪型が人目を惹きます。
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貴族の婦人像。優に八頭身はありそうな美しい人です。なぜ右腕をこんな不自然な曲げ方をしているのかが不思議。マトローナというタイトルだったけれど、これは彼女の名前でしょうか?
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男性像3体。一番右側の男性の右腕も、上のマトローナと同じポーズですね。高名なモデルではなく、その辺にいるおじさんたちと言った雰囲気が逆に新鮮です。
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ちょっと不自然なポーズですが、「眠るサトゥロス」だそうです。頭に生えた角からサトゥロスと分かりますね。わずかに口を開けて、熟睡しているように見えます。
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カララ大理石で作られたアテーナ像です。ローマ時代の複製で49cmありました。
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酔っぱらったサトゥロス像。「もう一杯!」と右手を大きく上げているのかな?ヴィッラでは、庭の噴水の中に置かれていたようです。
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「休息するエルメス」。エルメスは商業、旅人、使者、通行、科学、発明、そしてなんと盗みの神なのだそうです。翼のついた履物を履いているのが特徴です。
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中庭に戻ってきました。先ほど見逃した彫像を見ながら帰路につきます。
ヴェールに包まれたこちらの女性像は、ソサンドラのアフロディテと呼ばれている作品です。人類を救うために遣わされたこのアフロディテは、紀元前460年にブロンズで作られたものがオリジナルですが、現存していません。一番状態の良い複製が、こちらの作品と言われています。2世紀の大理石製。 -
ギリシア神話に登場する英雄ディオメデス。ナポリ近郊の古代ギリシャの植民市クーマで発見された彫像で、オリジナルはギリシャ時代のもの。複製を作った本人の署名が基盤部分に書かれています。クーマのアポロン神殿に置かれていました。
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最後に、モダンアートの部屋をちらっと覗いて、ナポリ国立考古学博物館は終了です。全体の半分位しか見ていないけれど、メインのファルネーゼとモザイクを見たから良しとしましょう。
まだ日が高いので、明るいうちにヴェスヴィオス火山を眺められる場所に参りましょう。ナポリの夜景は世界三大夜景の一つと言われていますが、何せナポリ初日ですから夜は出歩かない・・・ -
というわけで、国立考古学博物館の下にある地下鉄の駅から二つ目のピアッツァ・アメデオで降り、ケーブルカーに乗り換えて、チマローザ駅下車。難の標識も目印もない道を道行く人に尋ねながら、サン・テルモ城の方にやってまいりました。緊張していたので写真ゼロです。
時刻は18時半過ぎ。お城に入場できる時間は時刻はとうに過ぎておりました。城の中にはあまり興味がなかったのですが、展望台代わりに使おうと思っていたのでがっくり・・・皆さん一体どこでナポリの夜景を見るのでしょうか?
仕方ないので、道をサン・マルティーノ修道院の方に歩いていきます。高い場所に行きたいのに、道はどんどん下っていきます。あ〜あ・・・ -
ジャーン! 見えましたよ。標高は高くはないけれど、サン・マルティーノ修道院前の広場からの風景です。
上唇のような姿のヴェスヴィオス火山が、静かに町のかなたに佇んでおりました。周りに高い山がないので、標高1281メートルの火山は大変目立ちます。 -
う〜ん。なかなかじゃあないですか!! 三大夜景だか三大美港だか知りませんが、夜だとヴェスヴィオスが見えなくて、物足りないんじゃないかなあ・・・上から見れば、薄汚いナポリの町も美しく感じられました。
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こうやって見ていると、ヴェスヴィオスの中腹近くまで家が建てられているのに驚きます。最新の噴火が1944年だそうですが、一生に一度会うか会わないか程度の噴火だと、人間は恐怖を忘れてしまうのですね。地震しかり、津波しかり・・・
ちなみに、ヴェスヴィオスは1944年の噴火でも、フニクリフニクラ(登山電車)の駅を破壊し、山の西側にあるサン・セヴァスティアーノ村を埋没させています。 -
古い街並みの中に浮きあがって見える高層ビルが立ち並んだ地域がありました。そこだけ別世界の様です。
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この広場から山を下りる道も整備されているようです。昼間なら散策ついでに良いかもしれませんね。
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ヴォメロの丘に建つサン・マルティーノ修道院は、現在国立の美術館となっています。ナポリの日常生活を垣間見るにはうってつけの場所だそうで、特にクリスマスには欠かせないプレゼーピオのコレクションが有名です。
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そして、こちらが、入場できなかったサン・テルモ城。角が6つある星のような形をしています。あの要塞の上からの景色はもっと素晴らしいに違いありません。
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帰りはモルゲンからのケーブルカーを利用。少し余裕が出てきたか、ここでようやく写真登場です。モルゲンでケーブルカーの到着を待っている間に撮りました。
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ケーブルカー到着。これに乗って下ります。ぎざぎざの鋸の歯のような車体は結構長いです。
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わ〜い。一番前だぁ! まるで子供のようにはしゃいでいます。
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薄汚い窓ガラス越に、ナポリの現実が姿を現し始めました。
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前の女の子のスカートに、なぜか花魁が・・・
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ナポリ1日目のフィナーレはまたまたB級グルメ!
ローマと異なり、ナポリでは町のあちこちにスイーツのお店があって、どこも人だかりがしています。ナポリに来て、すっかり行列慣れしてしまった私が手に入れたナポリ名物スフォリアテッレ。折角こんなに美しく包装してくれたので1枚! -
右側がスフォリアテッレ。日本で売っているものより更にパイ生地がサクサク、パリパリで、中のカスタードが甘くないのが気にいりました。うん、これはデザートにもってこいです。まいう〜って古いか?
この続きは、イタリア あっちも! こっちも! と欲張りなたび その37 アマルフィ海岸1 で!
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この旅行記へのコメント (4)
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- マリアンヌさん 2015/11/20 17:45:02
- モザイク☆
- Junemayさん、こんにちは。
いつも丁寧な解説をありがとうございます。
すっかり行った気になってしまいます。
ナポリの博物館、昔行ったのですが、かけ足だったので・・・(アレキサンダー大王くらい)
来年、ナポリ方面に旅行予定なので、またゆっくり拝見させていただきますね。
マリアンヌ
- junemayさん からの返信 2015/11/21 15:32:13
- RE: モザイク☆
- マリアンヌさん こんにちは。
いつも素敵なコメントをいただき、ありがとうございます。
マリアンヌさんは、国分寺近郊にお住まいですか?
母の家があるので、私も年に1度か二度、ローズガーデンを訪れます。
銀座のバラも素敵でした。マリアンヌさんにぴったりの雰囲気の旅行記でしたよ。
これからも楽しみにしています。
ご訪問、ありがとうございました。
junemay
> Junemayさん、こんにちは。
>
> いつも丁寧な解説をありがとうございます。
> すっかり行った気になってしまいます。
>
> ナポリの博物館、昔行ったのですが、かけ足だったので・・・(アレキサンダー大王くらい)
>
> 来年、ナポリ方面に旅行予定なので、またゆっくり拝見させていただきますね。
>
> マリアンヌ
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- aoitomoさん 2015/11/20 12:28:55
- ポンペイモザイクなど感動です!
- junemayさん こんにちは〜
いつもありがとうございます。
ナポリ国立考古学博物館後半も拝見させていただきました。
ポンペイなどからの出土品のモザイクが見れて感動です。
junemayさんの分かりやすい解説にいつも驚かされます。
『水を飲む鳥たち』も好きです。
『秘密の小部屋』
現代はそれなりに18歳未満立ち入り禁止となっているののですね〜
往時の人々が現代の性を公にしない世界を見たらどう感じるのかが逆に気になります。(笑)
『アレキサンダー大王とペルシャのダレイオス3世とのイッソスの戦い』
大塚国際美術館にもありましたね〜
実物が見れるなんて感動です。
いくら時間があっても足らない感じのナポリ国立考古学博物館な感じがします。
サン・マルティーノ修道院前の広場からの絶景も満喫させていただきました。
スフォリアテッレも食べてみたいです〜
aoitomo
- junemayさん からの返信 2015/11/21 15:29:16
- RE: ポンペイモザイクなど感動です!
- aoitomoさん
ご丁寧にコメントをいただきまして恐縮です。
ありがとうございます。
ご覧の通り、遅筆なため、1か月のたびの旅行記に1年かけても終わらないという状況のため、タイムリーな旅行記の更新ができないまま、写真だけドンドンたまっていきます。
どうやったら、aoitomoさんのような、中身の濃い、充実した、ガイドブックにも決して引けを取らない旅行記ができるのか、不思議でなりません。
亀の歩みより遅い旅行記ですが、辛抱して、時々声援をいただけましたら幸いです。
コメントは何よりも励みになります。
ありがとうございました。
junemay
> junemayさん こんにちは〜
>
> いつもありがとうございます。
>
> ナポリ国立考古学博物館後半も拝見させていただきました。
> ポンペイなどからの出土品のモザイクが見れて感動です。
> junemayさんの分かりやすい解説にいつも驚かされます。
> 『水を飲む鳥たち』も好きです。
>
> 『秘密の小部屋』
> 現代はそれなりに18歳未満立ち入り禁止となっているののですね〜
> 往時の人々が現代の性を公にしない世界を見たらどう感じるのかが逆に気になります。(笑)
>
> 『アレキサンダー大王とペルシャのダレイオス3世とのイッソスの戦い』
> 大塚国際美術館にもありましたね〜
> 実物が見れるなんて感動です。
>
> いくら時間があっても足らない感じのナポリ国立考古学博物館な感じがします。
>
> サン・マルティーノ修道院前の広場からの絶景も満喫させていただきました。
> スフォリアテッレも食べてみたいです〜
>
> aoitomo
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