
2015/07/22 - 2015/08/06
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funasanさん
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ウィーンから特急列車で2時間40分、ザルツブルクはモーツァルトが生まれた音楽の町であり、毎年夏には世界的に有名な「ザルツブルク音楽祭」が開催される。ウィーン・フィルはじめ世界の名だたるオーケストラや演奏家達がザルツブルクに集まり、音楽の競演をする。
そんなザルツブルクを是非訪れてみたい。本来ならザルツブルクに泊って夜のウィーン・フィルのコンサートに参加できれば最高なのであるが、ホテル代金もチケット代金も天井知らずで庶民には高嶺の花である。よって我々は、ウィーン滞在中、天気の良い日をねらってザルツブルク1日観光をしてみた。
ザルツブルクは1996年「ザルツブルク市街の歴史地区」として世界遺産(文化遺産)に登録された。
◎ザルツブルク観光案内
http://www.salzburg.info/ja
◎私のホームページに旅行記多数あり。
『第二の人生を豊かに』
http://www.e-funahashi.jp/
(新刊『夢の豪華客船クルーズの旅
ー大衆レジャーとなった世界の船旅ー』案内あり)
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7月31日(金)朝8時にホテルを出発し、ウィーン西駅(注:中央駅ではない)に急ぐ。チケット売り場にて往復とも1等車を購入。往復で1人170ユーロ(22950円)と高い。窓口の係員よりファーストクラス用「クラブラウンジ」(写真)が使える、という耳よりな情報を得る。
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駅のチケット売り場の隣に1等車の乗客専用のクラブラウンジあり、中に入ってみて驚いた。実に気品に満ちた静かなサロン(写真)がそこにあった。
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カウンターを見てみると、スイーツ、ピーナッツ類、りんご、ソフトドリンク各種が取り揃えてある。これはいい…。旅行前のちょっとした腹ごしらえ、おやつタイムになる。勿論、ラウンジ内の飲食は全て無料である。
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コーヒーメーカー(写真)からはレギュラーコーヒー、ノンカフェイン、エクスプレッソ、カプチィーノ、ホットチョコレート等、挽きたてのコーヒーが味わえる。これなら、わざわざ駅の混んでいるカフェに入る必要がない。
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さらに驚くべきことにアルコール類(写真)も各種取り揃えてある。好きなだけ飲んでも無料なので、これはもう飛行機のビジネスクラスのラウンジ、マリオットホテルのエグゼクティブ・ラウンジに等しい。不覚にも私はファーストクラスのラウンジサービスの存在をこの日まで知らなかった。(涙)
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短距離でも1等車のチケットさえあればラウンジに自由に入れるので、酒飲みにはメリット大である。ラウンジで30分ばかり優雅なコーヒータイムを過ごしザルツブルク行き、9時30分発の特急列車RJ562(写真)に乗車する。
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幸運にも1等車の車内(写真)はガラガラで、どこにでも座れる。眺めの良い座席を確保する。今日は最高の出だしである。
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この列車には1等車のさらに上級を行く「ビジネスクラス」車両(写真)があった。4人席のコンパートメントで個室サロンの雰囲気である。1等車との代金差額は1000円程度?だった気がする。
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ザルツブルクまで2時間40分、車窓からオーストリアの美しい風景(写真)を眺めながら座席でくつろぐ。いつ乗っても欧州列車の旅は実に素晴らしい。
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妻はガイドブックを開いてザルツブルク観光の下準備に余念がない。私はのんびり車窓を眺め、時々、読書。退屈になってきたら食堂車に行ってコーヒーを飲む。
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ザルツブルクに近づくと大きな湖が見えてきた。ザルツブルクの南東一帯(ザルツカンマーグート)は2000m級の山々と70以上の湖が織りなす美しい大自然が広がっている。映画『サウンド・オブ・ミュージック』の舞台でもある。
ザルツカンマーグートとは「塩の宝庫」という意味で、岩塩を産出する地方であったことからこの名がある。人々の暮らしに欠かせない塩は「白い黄金」とも称され高値で取引されたという。この地方はハプスブルク家直轄の御料地として帝国の財政を支えた。 -
11時52分、ザルツブルク駅(写真)に到着。駅のインフォーメーションにて24時間有効の「ザルツブルクカード」(27ユーロ、3645円)を購入する。このカードでザルツブルクの博物館や観光スポットのほとんどに無料で入場できる。また、市内のバスやメンヒスベルクのエレベーター、ホーエンザルツブルク城へのケーブルカーも1往復利用できる。
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ザルツブルクとは「塩の城」という意味があり、周囲の岩塩鉱から産出される塩の取引で繁栄を続けてきた。富の集まる所に豪邸あり!
駅から歩いて最初の観光スポットである「ミラベル宮殿」(写真)に行く。
参考:映画『サウンド・オブ・ミュージック』の撮影場所①
「ミラベル庭園とミラベル宮殿」
マリアと子供たちが『ドレミの歌』を歌った場所 -
いきなり美しさの饗宴で夫婦共に舞い上がる…。「ワオー〜」「凄い!」
ミラベルとは「美しい眺め」という意味で、遠くにホーエンザルツブルク城を望むミラベル庭園(写真)は100点満点である。お花が大好きな妻は「綺麗、綺麗」を連発し、ルンルン気分で歩いていく。 -
ミラベル庭園を過ぎて少し歩くと緑濃いマカルト広場に出る。ここに宮殿のような秀麗なホテル「ブリストル・ザルツブルク」(写真)が建っている。いかにも高かそう。参考までに来年の夏期(7月下旬)の値段をエクスペディアで調べてみたら最低料金が1泊(2名利用のルームチャージ)73000円だった。ホテル正面に日本の国旗が掲げてあるので、日本人観光客も多数宿泊しているのであろう。ここに泊って連日演奏会に参加するのか…?金持ち日本人健在なり。
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マカルト広場を右折するとすぐにザルツブルク市内を2分するザルツァッハ川(写真)に出会う。まずはこの川に架かるマルクト橋の上に立ってみよう。川の下流方向左岸に巨大な岸壁メンフィスベルクが迫る。
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マルクト橋の上から川の上流を見ると、右岸に旧市街とホーエンザルツブルク城(写真)がよく見える。
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マルクト橋の新市街側、ザルツァッハ川に面してホテル「ザッハー・ザルツブルク」(写真)が建つ。このホテルのリバーサイドの客室、しかも上層階の客室に泊まれば、部屋から旧市街とホーエンザルツブルク城(写真)が一望できる。最高のロケーション!お値段も天井知らず…。来年の夏のこの時期は既に全室売り切れ。
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マルクト橋を渡り狭い小道を通って「ブラジウス教会」(写真)を探す。この教会に特別興味があるわけではないが、我々の行き先はこの教会の先にあるメンヒスベルクのエレベーターである。ザルツァッハ川に面して垂直にそそり立つメンヒスベルクの岸壁の上に近代美術館がある。
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折角なので教会内部に入ってみる。教会には珍しく青いライト(写真)が天井を照らし、不思議な雰囲気が漂っている。
メンヒスベルクのエレベーターに乗れば5分もかからずに美術館前のテラスに着く。実は我々の目的は、ここのテラスからザルツブルクの新市街・旧市街を一望することである。 -
エレベーターから下りて(近代美術館には入らずに)テラスに直行する。「ワオー、凄い!」そこはザルツブルク(写真)を眺める絶景の展望台だった。
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旧市街を支配するかのように山の上にホーエンザルツブルク城(写真)が聳える。この眺めは近代美術館に来ないと見れない。貴重な1枚。私は嬉しさにまかせて写真を撮りまくる。
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美術館前の絶景のテラスに素晴らしいカフェ・レストラン(写真)があった。しかもかなり大規模である。夏期のザルツブルク音楽シーズンのためか朝から多くの客が既に入店している。
妻に「ここでコーヒーを飲んでいこう」と提案すると、あっさり「ダメ、ダメ。時間がない。次に行くわよ」である。 -
絶景のカフェに後ろ髪をひかれながらも先を急ぐ。メンヒスベルクのエレベーターで下って再び旧市街の小路「ゲトライデガッセ」(写真)にもどる。小路ながらここは旧市街で一番賑わう通りである。
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ゲトライデガッセに面して「モーツアルトの生家」(写真)が建っている。1756年1月27日、ヴォルフガング・アマデウス・モーツアルトはこの建物の4階で誕生した。入場してモーツアルトが使用した楽器、自筆の楽譜や手紙、肖像画などを見学する。(内部の写真撮影禁止)
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モーツアルトの父、レオポルドはザルツブルク大司教の宮廷楽団のバイオリン奏者であり、1773年(モーツアルト17才の時)にマカルト広場の家に引っ越すまで、彼らはここで暮らした。
写真:モーツアルトの生家からゲトライデガッセを眺める -
ザルツブルク旧市街の中心となる場所は、中央に大きな噴水のある「レジデンツ広場」(写真)である。広場に面して新レジデンス、大聖堂、レジデンス等、歴史的な建造物が建っている。
参考:映画『サウンド・オブ・ミュージック』の撮影場所②
「レジデンス広場とレジデンス 広場の噴水」
マリアがノンベルク尼僧院からトラップ家の屋敷に向かう途中にレジデンス広場をバスで横断し、『自信を持って』を歌った場所 -
先ずは、大司教の宮殿である「レジデンツ」(写真)に入場してみよう。実は山の上にそびえるホーエンザルツブルク城は戦争や動乱に備えた城であり、平時に大司教が居住し執務したのはこのレジデンツである。
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16世紀から現在のような宮殿建造がはじまったという。白の間、皇帝の間、騎士の間、等、オーディオガイドを聞きながら見学する。
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レジデンツの上層階から小さな広場「アルター・マルクト」(写真)を眺める。この付近にカフェやレストランが集中している。
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レジデンツと向き合う位置に「新レジデンツ」(写真)が建っている。内部はザルツブルク博物館になっている。時間がないので入場はパスして次に進む。
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近くからヴィヴァルディの四季の激しい旋律が聞こえてきた。新レジデンツの横、大聖堂の入口で一人の路上ヴァイオリニストが演奏している。実にうまいので我々夫婦はしばらく彼の目の前で鑑賞する。
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大聖堂の内部(写真)が凄い。創建は774年と古く、12世紀に後期ロマネスク様式で改築され、17世紀にバロック様式で建て直された。
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主祭壇上の巨大な丸天井(写真)から厳かな光が差し込む。何とも厳粛な雰囲気が漂う。天才モーツァルトはここで洗礼を受け、若きモーツァルトはここでオルガン奏者も務めたという。また、20世紀の偉大な指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンもザルツブルク生まれで、この大聖堂で葬儀が執り行われた。
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さて、そろそろお楽しみのティータイムである。お洒落で眺めがよいカフェ(写真)を探す。しかし、どこもいっぱいである。
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レジデンツの北側、小さな庭園風のカフェ・レストランで休憩する。カプチィーノ(4ユーロ:540円)、ブラック・チィー(3.2ユーロ:432円)を注文、水は何も言わなくてもついてきた。
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あまり長く休憩しておれない。ひと息ついたら次にザルツブルク音楽祭のメイン会場である「祝祭劇場」(写真左)に行く。この劇場内で連日、オペラ、コンサート、演劇などが上演される。残念ながら我々は祝祭劇場の場所だけ確認して次に向かう。
参考までに来年度のザルツブルク音楽祭の日程は2016年7月22日~8月31日である。
参考:映画『サウンド・オブ・ミュージック』の撮影場所③
祝祭劇場内「フェルゼンライトシューレ」
トラップ一家が別れの歌を歌い、トラップ男爵が『エーデルワイスの歌』を披露している場所 -
祝祭劇場からホーエンザルツブルク城に上るケーブルカー乗り場を探して歩いていくと、ザンクト・ペーター教会と墓地(写真)があった。鉄細工を施した美しい墓地が多数あり、日本の墓地との違いが際立つ。
参考:映画『サウンド・オブ・ミュージック』の撮影場所④
「聖ペーター墓地」
ドラマティックな逃亡シーンが撮影された場所 -
墓地のすぐ右側、崖の上に次なる目的地「ホーエンザルツブルク城」(写真)がそびえる。鉄壁の要塞である。ケーブルカーに乗れば10分もかからずに城まで行ける。
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ケーブルカーの下り場から、まずは観光客の行く流れに沿って急な階段を上って円塔(写真)の展望台を目指す。息を切らせながら上まであがっていくと…
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そこは絶景の展望台であった。ザルツブルクの南側、ザルツァッハ川の上流には美しい風景(写真)が広がる。大きな木々に囲まれた邸宅とグリーンの芝生、そして背後に迫る山々は、まるで高級別荘地帯のようである。
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遠くには2000m級の山々(写真)が連なる。ダッハシュタイン連峰(最高峰ダッハシュタイン2995m)の麓には絵のように美しい村「ハルシュタット」がある。是非訪れてみたい場所であるが、次回に期待しよう。
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展望台からはどこを見ても美しい景色が広がているが、眼下に一際目立つ白亜の「宮殿orお城」(写真)があった。モーツアルトが生まれ育った往時と今とでは生活環境の違いはあっても周囲の大自然はこのままだったと推測される。
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さて、ホーエンザルツブルク城内にも絶景のカフェ・レストラン(写真)が数ヶ所ある。その中でもザルツブルク市街を一望できる場所を探して入店する。
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カフェの一番絶壁側の席に座って大休憩にする。ここからのザルツブルク(写真)の眺めは最高である。
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チョコレート・ケーキと紅茶(写真:合計7.5ユーロ、1012円)を注文して優雅なティータイムにする。ザルツブルクの見所を一通り見学したので妻は満足げである。私は歩き疲れあり。そんな時、甘いケーキが心身を癒してくれる。ブラボー!
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ケーブルカーから下りて何気なく歩いていくと大きな広場に出た。そこには巨大なスクリーンと無数の椅子、さらにその背後に白いテーブルクロスでセットされたオープンレストラン(写真)が出来ていた。レストランスタッフに聞いてみると、毎晩、巨大スクリーンでコンサートが上演されるという。夕日に映えるホーエンザルツブルク城を眺めながら無料でコンサートが楽しめる。
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最後にモーツアルト広場にある「モーツアルト像」(写真)に挨拶して旧市街を離れる。私の好きなモーツアルトの「ピアノ協奏曲20番」を鑑賞下さい。
指揮&ピアノ:内田光子
https://www.youtube.com/watch?v=yM8CFR01KwQ -
いよいよ旧市街とはお別れである。ザルツァッハ川に架かる「モーツァルト小橋」(写真)を渡って新市街側に行く。川岸の道を歩いていたら、綺麗に着飾った上品そうな中年の母と若い娘2人(計3名)とすれ違った。日本語が聞こえてきたので金持ち日本人母子であろう。これからディナー&コンサートに行くのであろう。お供したいな~。
参考:映画『サウンド・オブ・ミュージック』の撮影場所⑤
「モーツァルト小橋」
マリアと子供達が歌いながらこの橋を渡っていく。 -
ウィーンへ帰る列車の時刻(19:08)までわずかしか残っていない。マカルト広場前にあるモーツァルトの住居(写真)を訪問してザルツブルク観光を終了する。この家はモーツァルト一家が旧市街の家から引っ越してきた所である。この後、バスに乗って駅に急ぐ。
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ザルツブルク駅の構内にあるスーパーで野菜サラダ、パン、水(合計3ユーロ、405円)を買い、ファーストクラス専用のラウンジ(写真)に急ぐ。ここで、スイーツ、ピーナッツ、りんごを食べコーヒーを飲む。
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そして、午後7時8分発、ウィーン行きの特急列車RJ661に乗車する。
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帰路も1等車の車内はガラガラで好きな席に座れる。広々とした一人がけの席(写真)を確保して一息つく。これから2時間40分の長い列車の旅だ。この席なら十分リラックスできる。やはり1等車はいい。
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食堂車(写真)は狭くカフェテリア方式なので、座席に通りがかったウエイーターを呼び止めてスープのみ注文する。
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熱々のコーンスープ(写真:4.5ユーロ、607円)が座席まで運ばれてくる。ここにスーパーで買った野菜サラダとパンを添えて今夜のディナーをはじめる。
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メニューは質素であるが、気落ちは満たされている。それに、1日中歩き回って疲れもある。軽い食事が体と財布に優しい。暮れゆくオーストリアの風景を車窓から眺めれば何を食べてもうまい。
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食着は疲れがどっと出てしばらくお休みタイムである。目覚めれば食堂車に行ってコーヒーを飲む。そして、夜9時30分、ウイーン西駅着。地下鉄に乗って夜10時、ホテルに帰ってきた。
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