2015/05/25 - 2015/05/25
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mistralさん
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貯まったマイルを使って予約する際
イスタンブールからの帰国便が都合の
良い日程では取れなかった為に
パリ回りで予約することとなった。
それはうれしい遠回りの旅だった。
せっかくの同じマイルであれば
パリ経由は大歓迎!
何度訪れても、そのときどきで
パリは違った表情をみせてくれるから
パリでの滞在は毎回が楽しみ。
イスタンブールの旅を追っていた旅行記は
一段落したところでプライベイトな出来事
で中断せざるをえなくなってしまった。
再開したところはパリへ飛んだところから。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 航空会社
- ターキッシュ エアラインズ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
5月25日、イスタンブールのサビハ・ギョクチョン空港
9時30分発のトルコ航空を利用してパリへ。
空港までのバス乗り場は前日、ホテルのスタッフに同行
していただき確認しておいた。
6時にホテルを出て、バス乗り場まで歩く。
早朝の為、売店にはスタッフがいないので
ティケットは乗車後、バスの中で購入する。
(15TL,又は5ユーロ)
ほとんど満席だった。
ボスボラス海峡を渡り、約50分位で空港に到着。
事前にオンラインでチェックインを済ませていたので
別の列からスーツケースを預け入れることができた。
パリ着 12時10分
イスタンブールでは緊張していたけれど
パリに着いたらホッと一安心。
ロワシーバスでオペラ座前に降り立ち
ホテルは間もなく見つけることが出来た。 -
今回は相棒がいない為
日ごろは行きたくてもなかなか行けなかった
美術館を訪れる予定だった。
25日到着早々目指したのは
クリュニー中世美術館。
セーヌ川左岸のカルティエ・ラタン地区にある美術館。
サンジェルマン大通りとサンミッシェル大通りの
交差点に位置している。 -
1世紀ごろのローマ時代に造られた
共同浴場跡がフェンス越しに見られる。
ここは今でも遺跡として保存され
一部は展示室でも公開されている。
(訪れた折には周辺にはシートが
張られていたため充分には見られなかった。)
その後、15世紀になってブルゴーニュの
修道士の邸宅がその上に建造され
1843年にはその邸宅が美術館として
生まれ変わった。 -
一歩ゲートから中に入り込むと
いままで歩いて来たパリの
雰囲気と一変した
空気感に包まれる。 -
この美術館には
中世と呼ばれる5世紀から15世紀までの
美術品 24000点 が収蔵されている。
中世は 5C のローマ時代
5Cから10Cの中世初期
11〜12C ロマネスク
12〜15C ゴシック
に分けられるが
収蔵品も時代を追って展示されているようだ。 -
-
ガーゴイルが壁から
ニョキニョキと首を
伸ばし -
不思議な造形の
人物やら -
動物たちが
地上を見下ろしていて
ふと視線を感じて
地上から見上げると
目と目が合ったりする。 -
美術館という名前がつけられてはいるが
ルネサンス以前の中世までは
現在分類されているような美術という概念は
なかったとのこと。
実際の展示品も、教会建築を飾った彫刻や
ステンドグラス、タピスリーなどの調度品
などからなり、現在の絵画、彫刻などの
美術品にあたるものは見当たらないとのこと。 -
壁には日時計が。
-
展示室へ入ると
中世の館の
ひんやりとした空気が
漂っているかのようだ。 -
一階展示室から
見学をはじめる。 -
-
-
-
-
絵画が美術品としての主流を占めるように
なってくるのは、ルネサンス以降とされているが
それ以前はどうだったかというと
タピスリーや宗教的な調度品に描かれた絵画が
表現の一つの手段として取られていたようだ。
またタピスリーは冷たい壁から伝わってくる
冷気を緩和する役割も担っていた。 -
暖炉と
-
そこに
ほどこされた
飾り部分。 -
同じく、煙突部分を
支えているかの様な
人物像。 -
-
小ぶりの
彫刻の数々が。 -
-
-
ステンドグラスが
間近に見られるような展示。
教会で目にするときには
はるか高い位置に設置されているため、
このような至近距離で見てみると
まるで別物のような存在感をもって
目に飛び込んでくる。 -
マグダラのマリア
-
-
「受胎告知のマリア」
-
「受胎告知」
-
「貴婦人と一角獣」を展示している
部屋へ入っていった。
この6枚のタピスリーは、2013年、新国立美術館でも
展示されていたことがあったが、
何度かパリ訪問の折、クリュニー美術館へ
行く機会を逃していたため、
東京でやっとお目にかかった経験があった。
ここはこの作品専用に円形の部屋が設けられ、
その壁を囲むように展示されている。
想像していたよりも狭い空間。
作品の保護の為か、照明はかなり落とされている。
mistralのカメラでは撮影に限界があって残念!
最初の一枚は「嗅覚」(L’odorat)と題されている。
貴婦人は花を編んでいる。 -
製作されたのは1484〜1500年頃、
フランドル地方でとされている。
タピスリーに描かれている紋章から
製作を依頼したのは
リヨン出身のル・ヴィスト(Jean Le Viste)家
の頭首であることがわかっている。
6枚のタピスリー全体の
基本となる配置は、真ん中に貴婦人
左にライオン、右にユニコーンとなっていて
「視覚」「触覚」以外の4枚には
侍女が貴婦人のそばにいる。 -
ライオンは
出身地のリヨン(Lyon)から -
ユニコーンは、その足の速さから
速さ(Vitesse)と名前のヴィスト(Viste)
とのかけことばになっているとのこと。
貴婦人のすぐ後ろでは
猿が籠から取り出した
花の匂いをかいでいる。 -
「聴覚」(L'ouie)
を表すタピスリー。
楽器を奏でる貴婦人。
竪琴のようだが手元には鍵盤が
見えるので、オルガンのようだ。 -
良く見てみると
オルガンを装飾している部分には
ユニコーンとライオンがあしらわれている。 -
じっとオルガンの音を
聴き入っているかのような
ユニコーン。 -
小動物たちも
足元に
あしらわれている。 -
「視覚」(La vue)
貴婦人の持っている手鏡を
覗きこんでいるユニコーン。
一方ライオンは素知らぬ顔をして。 -
その手鏡にはユニコーンが
映り込んでいて
首をかしげてそれを見ている
ユニコーンの表情は
とても愛らしい。 -
「触覚」(Le toucher]
貴婦人がユニコーンの角に
手を触れている。 -
長い角と髭のユニコーンが
珍しく立ち上がっている。 -
「味覚」(Le gout)
大きなお盆を侍女が捧げ持ち
貴婦人はそこから何かを
つまみあげている。 -
左手ではそのお菓子を
小鳥にあげようとしている。 -
-
-
-
6枚目には青いテントが描かれ
そのテントには
「我が唯一の望みに」 (A mon seul desir)
と書かれている。 -
五枚については
人間の五感をテーマにしているが
最後の一枚は現在でも解釈が分かれているようだ。
中世美術館の見解としては
この場面は、今までつけていた首飾りをしまおうと
しているところ、つまり6枚目が連作の最終作と
している。
「desir]は「望み」というよりも「意志」を表す。
分別のなさ故に引き起こされた欲求や
五感を喜ばせる為に引き起こされた情念を
自ら断ち切ることのできる強い意志を
表しているとのこと。
「五感」を象徴的に表す首飾りを納めることで、
意志の力を表現している、という解釈のようだ。
なんだか難解な解釈! -
-
-
-
タピスリーと石像が
置かれた部屋 -
-
-
聖母子像の数々。
どの像も
マリアさまの
お顔が、美しい。 -
-
-
-
-
タピスリーの前にあるのは
ボーヴェのサン・ルシアン教会に
あった聖歌隊席の椅子。 -
-
-
中世の館から
外に出てみたら
青空が
広がっていた。 -
中世の美を堪能して
ひとまず地下鉄で
ホテルへと向かう。
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この旅行記へのコメント (5)
-
- frau.himmelさん 2015/09/20 11:33:02
- 貴婦人と一角獣
- mistralさん、こんにちは。
表紙の「貴婦人と一角獣」につられてお邪魔しました。
数年前、鳴門の大塚美術館で陶製のタペストリーの美しさに魅せられて、ぜひ本物を見にクリュニーに訪れたいと思っておりました。
今回、mistralさんの美しい写真ととても詳細なコメントを拝見して、その思いがますます強くなりました。
昨年でしたか、確か日本にも来たのですよね。それも見逃して残念に思っていました。
クリュニーを訪れる機会がありましたら、ぜひもう一度、mistralさんのこの旅行記を拝見させていただき、予習をして出かけたいと思います。
ありがとうございました。
himmel
-
- わんぱく大将さん 2015/09/14 07:10:16
- ガ―ゴイル
- mistralさん
恥ずかしながら日本から帰ってまいりました。 日本では殆どPCも使えず、メールがたまりたまっておりました。
さて、やはり私はガ―ゴイルが気にいってしまいました。 タぺスタリ―のご紹介をほったらかしで申し訳ないですが、そればかり気になってしまいました。
大将
- mistralさん からの返信 2015/09/14 09:26:18
- RE: ガ―ゴイル
- 大将さん
今年の日本の夏は酷暑!と
それに続いては長雨と
今回の酷い水害で、さんざんでした。
年々住みにくくなるような気がします。
スペインへ帰られて、ホッとひと息つかれて
おられる頃でしょうか?
さて、ガーゴイル、私もどこに行っても
気になってしまい、ついつい上を
見上げては、しばし対話をしています。
そんな高い所で、口を開けていて
苦しくないの?などなど。
日本での旅?の旅行記を
楽しみにしています。
mistral
-
- yunさん 2015/09/13 23:59:50
- うれしい遠回り
- mistralさん こんばんは
イスタンブールからパリへ
帰路にパリ、ちっとも苦にならない「遠回り」ですね♪
クリュニー中世美術館
最奥の展示室にある貴婦人とユニコーンを見たさに、
途中の展示を早足で駆け抜けた記憶があります。
mistralさんの旅行記で、見るべきものを多々見落とした事を自覚しました。
貴婦人とユニコーンの展示室はとても暗く、6枚の絵柄解釈も難解。
それでも何かひきつけられる作品ですね。
今旅の本編トルコでは、チューリップ絵柄の絨毯が登場しましたね。
人の手仕事は限りなく素晴らしいと思う。
その才能を授かる人は多くないけれど・・・。
もうすぐ、次なる旅へご出発でしょうか。
元気いっぱい♪楽しい旅を♪♪
yun
- mistralさん からの返信 2015/09/14 09:03:08
- RE: うれしい遠回り
- yunさん
いつも有難うございます。
> イスタンブールからパリへ
> 帰路にパリ、ちっとも苦にならない「遠回り」ですね♪
そうなんです。
それでしか帰れない!と
嬉しい言い訳となりました。
> クリュニー中世美術館
> 最奥の展示室にある貴婦人とユニコーンを見たさに、
> 途中の展示を早足で駆け抜けた記憶があります。
> mistralさんの旅行記で、見るべきものを多々見落とした事を自覚しました。
私も一緒です。
想いは、貴婦人とユニコーンへ。
通り過ぎつつ写真を撮った程度。
大部分の時間はそこで過ごしました。
> 貴婦人とユニコーンの展示室はとても暗く、6枚の絵柄解釈も難解。
> それでも何かひきつけられる作品ですね。
> 今旅の本編トルコでは、チューリップ絵柄の絨毯が登場しましたね。
> 人の手仕事は限りなく素晴らしいと思う。
> その才能を授かる人は多くないけれど・・・。
気の遠くなるよう手仕事によってしか
出来上がらない作品をまのあたりにすると
たずさわっていた作者の
祈りにも近い?様な想いが
伝わってきます。
> もうすぐ、次なる旅へご出発でしょうか。
> 元気いっぱい♪楽しい旅を♪♪
有難うございます。
前回コメントいただきましたように
サンティアゴ・デ・コンポステーラまでの
最後の100キロちょっとを歩いてきます。
バスが併走してくれるという、
なんちゃって巡礼ですが。
楽しい旅のご報告ができると
良いのですが。
mistral
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