飛行機に乗らずに神戸～上海～西安～敦煌～嘉峪関～大同～青島～下関11,800キロの旅 vol.4 大慈恩寺・大雁塔編

2010/06/01 - 2010/06/16

平成22年（2010年）6月1日から6月16日まで神戸～上海～シルクロード河西回廊
（西安～敦煌）～大同～青島～下関11,800キロを船と列車での一人旅をした。
　本当は青蔵鉄道でラサへ行きたかったが、ラサで高山病が悪化した場合、
強制的にヘリコプターで成都の病院まで輸送される、と云う事が判り、
また、2008年5月12日四川大地震が、旅行直前には2010年4月14日に
青海地震が、発生したのでラサ行は断念した。
　他にも昆明は干ばつによる乾燥の影響で感染病が蔓延し、桂林の漓江下りは
4月初めまでは干ばつの影響で、通常ルートの半分くらいに短縮されていたが、
大雨が振り、今は逆に洪水で漓江下りは中止となっていて、ウルムチは
2009年ウイグル騒乱による外務省の渡航自粛が出されていたので、結局、行先は
旅行記のタイトルとなった。
　飛行機に乗らない、乗れない旅は何かと限定されるのである。

　ご参考まで
激変前の80年代 大阪港～上海航路～上海～蘇州～上海～杭州西湖～上海～上海航路～神戸港 1/3～3/3
http://4travel.jp/travelogue/11030574
http://4travel.jp/travelogue/11032025
http://4travel.jp/travelogue/11032698

エリア 西安(中国)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

6月1日（火）〜3日（木）神戸から船で上海
6月3日（木）〜4日（金）上海から列車で西安
6月4日（金）兵馬俑博物館、大慈恩寺　大雁塔　西安観光
6月5日（土）〜6日（日）西安観光　西安から列車で敦煌
6月6日（日）敦煌　莫高窟、鳴沙山観光
6月7日（月）ヤルダン地質公園、陽関、玉門関他タクシーで360キロ
6月8日（火）敦煌から列車で嘉峪関
6月9日（水）〜10日（木）嘉峪関から列車で大同
6月10日（木）雲崗石窟
6月11日（金）懸空寺、恒山他をタクシーで
6月12日（土）〜13日（日）雲崗石窟　大同から列車で青島
6月13日（日）青島観光
6月14日（月）〜16日（水）青島から船で下関

平成22年6月4日（金）西安観光地図
　中国国家観光局東京事務所から入手した地図は日本語の為、物凄く使い辛かった。

　ホテル前のバス停から大雁塔行きを探すのだが、路線がいっぱいあってどれが
どれだか分からない、路線番号が1桁から3桁までもある、路線番号の横に停留所が
書かれているが、その数30位でしかも簡略字で読めにくい、ようやく大雁塔に
停まる路線番号を見つけてバスを待つが、ひっきりなしに来るバスはその時に限って
来ない、来たバスの路線番号を見て大雁塔を探すのだが、その間にバスは走り去って
しまうのである。しかもバスは、停留所の路線番号の所に先着したバスがいれば、
手前で停まるか、追い越してしかも片側三車線の真ん中線に停まり、殺到した客は
バスを追いかけてすぐ乗らないと走り去ってしまうのである。発着するバスに
轢かれないよう注意しなけらばならず、バスに乗るにも命がけである。
また、バス停にきちんと停まらないので、乗る前に大雁塔までのバス停の数を
確認しておかないとどこで降りたら良いのか分からくなってしまうのである。
その為には右側の前方座席に座らないと駄目である。
ようやく乗ったバスの運転手と客が激しく口論し始めた。料金を入れるのは日本の
バスと同じでベルトコンベアの透明ケースにお金か切符を入れるのである。
日本の唱和40年代を思わせるバスにＩＣカードの読み取り機もある。
もめている原因はお金を入れた、入れてない、のようだった。お互い引かず、
興奮した運転手の運転が荒くなり、自分が降りる時もまだやりあっていた。
　そんな中でこんな事もあった。乗った時、若い美しい女性が自分の席を譲って
くれたのである。てっきり彼女は次の停留所で降りるからリュック（デイパック程度）
を背負った日本人に譲ったのだと思ったが、彼女は後部座席に移ったのである。
譲られたのは「かっこいい日本人だから」ではなく、中国でも「お年寄りには席を
譲りなさい。」だった。中国で乗り物で席を譲られたのは後にも先にも無かった。

平成22年6月4日（金）大雁塔北広場

　大雁塔のバス停は3か所あったが、分からないまま最初のバス停で降りると、
多くの噴水のある広大な広場があって噴水越しに大雁が見えた。
噴水広場は市民や観光客の憩いの場となっていた。
https://www.youtube.com/watch?v=g_O5LdKU9is

平成22年6月4日（金）大雁塔北広場

　噴水池は歩いて渡れるが噴水が止まるのを見計らって渡らないと身体もカメラも
ずぶ濡れになってしまう。若い中国人は男女を問わずずぶ濡れを楽しんではしゃいでいた。

平成22年6月4日（金）大雁塔北広場

　この噴水は2003年に設置され音楽に合せてパフォーマンスが行われるアジア最大の音楽噴水とか。

平成22年6月4日（金）大雁塔北広場
　
　塔のある大慈恩寺の入り口は、この噴水の反対側の南側にあって南側の
入り口に行くにはお寺の敷地の東西にある道を歩くのだが、道沿いには延々と
このお寺の高い壁が続き、お土産店が立ち並んでいた。
中国の名所旧跡の観光地はバス停、タクシー乗降場から入口までのアプローチは
1キロあたりはざらで何とかお土産品を買わそうと必死なのである。

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　入場券50元695円　1元13.89円

　入場は18時までで買ったのは17時50分だった。

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔

　

平成22年6月4日（金）三蔵法師像と大雁塔

　三蔵法師とは、仏教の経蔵・律蔵・論蔵の三蔵に精通した僧侶（法師）のこと。また転じて訳経僧を指していうようになった。単に「三蔵」と呼ぶこともある。
　日本では中国の伝奇小説『西遊記』に登場する人物「三蔵法師」として特に有名だが、
三蔵法師というのは一般名詞であり、尊称であって、固有名詞ではない。
西遊記の三蔵法師（玄奘三蔵）は数ある三蔵法師のうちのひとりである。
経，律，論の三蔵に通達している高僧の意。中国では仏典の翻訳に従事する僧侶が
朝廷から選ばれて三蔵法師の称を与えられたが，玄奘はそのなかでも著名なので，
後代は三蔵法師といえば玄奘のことをさすようになった。
https://www.youtube.com/watch?v=9XsdE6-mwXs

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔

　大慈恩寺は、中国陝西省の古都、西安市南東郊外約4kmにある仏教寺院であり、
三蔵法師玄奘ゆかりの寺として知られている。
その故地は、唐朝の都、長安城においては、東南部、左街の晋昌坊に当たる場所であった。

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔

　隋の大興城にあった無漏寺（一説に浄覚寺）の故地に、648年（貞観22年）、
皇太子の李治が、亡母（文徳皇后）追善のために建立したのが、大慈恩寺である。
その名は「慈母の恩」に由来する。
各地から、良材を集め建てられ、その規模は、子院（塔頭）10数院を擁し、建築物は
総数1,897間、公度僧だけで300名という大寺であった。
帰朝した玄奘は、本寺の上座となり、寺地北西の翻経院で仏典の漢訳事業に従事した。
当寺での、玄奘の訳経活動は、658年（顕慶3年）までの11年に及び、合わせて40部余の
経典が漢訳された。玄奘の弟子である基（窺基）は、師から相承した法相宗を宣教し、
「慈恩大師」と呼ばれた。
　

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雄宝殿　阿弥陀如来像

　652年（永徽3年）、大雁塔が建立される。当初は、玄奘がインド・西域から持参した
仏像や経典を収蔵するための塔であった。
唐代半ば以降、大慈恩寺の境内には、大きな戯場があり、俗講や見世物が行われて
いた。
また、牡丹の名所としても知られ、それを詠んだ多くの漢詩が知られ、藤も植えられて
いた。春には、寺が所有していた南にある通善坊の「杏園」で杏の花が、夏には、寺の
南池で蓮の花が咲き、秋には、柿がなり、紅葉につつまれたと伝えられる。
　845年（会昌5年）の、武宗による会昌の廃仏の時には、大薦福寺・西明寺・大荘厳寺
と共に、廃寺を免れた。
1550年（嘉靖29年）に、現在の大慈恩寺が建立されたといわれる

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔

　大雁塔とは、652年に唐の高僧玄奘三蔵がインドから持ち帰った経典や仏像などを保存するために、高宗に申し出て建立した塔。

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔

　名前は、菩薩の化身として雁の群れから地上に落ちて死んだ1羽を、塔を建てて埋葬したことに由来する。
高さは7層64mで現在は、西安市の東南郊外にある大慈恩寺の境内に建っている。
玄奘の設計により、当初は5層であった。各階に仏舎利がおさめられ、経典は上層部の
石室に置かれた。玄奘自ら、造営に携わったと伝えられる。塔の南門には權遂良の筆に
よる碑が置かれた。当初は表面を磚に覆っただけで土によって作られていたために、
老朽化してしまった。その為、長安年間（701年 - 705年）、武則天の統治時代に、
全て磚で造られ、上まで登れるようになり、現在の7層に落ち着くという変遷を経ている。
この様子は、杜甫や岑参といった詩人たちによって、詠まれている。

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔

　唐時代に進士試験の合格者がここで名を記したことから、「雁塔題名」の成語も
生まれた。後に宰相になった場合、その名は朱色に書き換えられた。また、訪れるものに
自分の名を書くものもあり、唐代の詩人、李商隠の名が残っている。また、日本から
訪れた円仁も登ったことがあった。
その後、熙寧年間1068年 - 1077年頃に火事に罹災し、1550年頃に重修されており、
人民中国成立後にも修築されている。現在でも、最上層まで登ることが可能である。
第1層には、仏菩薩の線刻画や、「大唐三蔵聖教序」（?權遂良書）及び、高宗撰の序記の
2石碑が見られる。また、寺中には、王維や呉道玄らの絵画も収蔵されている。

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔

　境内で坊さんたちに絵になると思って写真を、とお願いするが全て断られた。
坊さんだから、と何となく分かるが、旅行中、街の人々、特に無邪気な子供たちに
カメラを向けてもと脱兎の如く走り去られた。ホテルの女性スタッフや街の商店で
働く若い女性もダメ、これも分からないでもないが、列車内のコンパートメント室で
一緒で親しくなった男たちにもほとんど断られた。これもお国柄なのだろか？
さりげなく撮れない事もなかったがトラブルになりそうなので撮らなかった。

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔　入場券30元417円　1元13.89円

大雁塔に昇るには別料金だった。

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔3層から

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔3層から

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔3層から

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔4層から

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔5層から

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔5層から

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔6層から

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔6層から

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔6層から

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔6層から

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔6層から

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔7層から

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔7層から

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔7層から

平成22年6月4日（金）大慈恩寺　大雁塔6層から巨大な噴水広場を撮る。