2015/05/23 - 2015/06/06
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さいたまさん
タイでは、日本製の鉄道車両を見る機会がいろいろあります。
写真は、ファランポーン駅のプラットフォームにおける車両です。
旧日本軍は、インドシナ半島、マレー半島において鉄道を建設し、活用しました。
近頃、いろいろな場面で、クラ地峡に運河を建設するとの構想が持ち上がっています。
中国の香港筋が提唱しているとの情報です。
中国としては、米国の関与を受けることなく、マラッカ海峡を経由せずに、中東の原油を入手することが望ましいのでしょう。
中国は、パナマ運河の北側の中米ニカラグアの地に、新運河の建設を始めました。スエズ運河の拡張が完了した状況において、話題になっています。
クラ地峡への運河建設構想は、古くからあり、インドのセポイの乱の折、香港の英国艦隊をインド洋へ早急に派遣する経路の必要性から、真剣に検討されました。
旧日本軍は、第2次世界大戦時に、クラ地峡を横断鉄道を敷設し、ビルマへの戦力推進のために活用しました。
1943年12月に完成しています。
現在は、タイの国道4号線が走っている経路です。
延長91kmの鉄道で、1日300トンの輸送能力を持っていました。
現在は、タイの国道4号線が走っている経路です。
この鉄道で、アンダマン海への兵力や物資の輸送にあたっていました。
戦後、英国軍により、レールが撤去されています。
鉄道は、撤去したり、鉄道を越えることが、容易ですが、運河は別です。
クラ地峡に運河が建設されれば、マラッカ海峡を経由する場合より格段に容易なりますが、運河を越えての行き来は、困難です。
このため、地元のタイとしては、運河ができると、南部地方が分断されてしまうので、反対しているのです。
しかもマラッカ海峡の重要性が低下し、華僑の友邦国シンガポールの地位の低下に直結する問題とも受け取っているようです。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 高速・路線バス
-
タイ政府観光庁のPR用パンフレットによりますと、多数の鉄道車両が、第2次世界大戦中や戦後に、タイにわたっています。
現在も、それらの一部が、タイ国内に現在も残っています。
第2次世界大戦中に、旧日本軍用車両として送られたものや
戦後賠償として、送られたもの等があると記載されています。
現在も、使われています。 -
同じタイ政府観光庁のPR用パンフレットによりますと、現在も、かなりの車両が、タイ国内で利用されています。
また、戦後、タイに渡った車両も、タイの国鉄の車両として運行されています。
現実に、ファランポーン駅やバンスー駅で見ることが出来ました。 -
旧日本軍の建設したクラ地峡横断鉄道は、マレー半島の最狭部で、ピンク色の円形の部分にあります。
旧日本軍のクラ地峡横断鉄道の経路は、赤色の線となります。
鉄道ではなく、運河として建設された後には、タイランド湾や南シナ海から、マラッカ海峡を経由せずに、直接、アンダマン海に出る事ができます。 -
クラ地峡横断鉄道は、タイの南本線のチュムポーンから分岐し、ビルマとの境のクラブリー川の中流カオファーチーまで建設されました。
総延長91kmで、1日300トンの輸送能力を持っていました。
カオファーチーからは、船舶輸送でアンダマン海に出ます。 -
クラ地峡横断鉄道の終点のカオファーチー駅の跡地の航空写真です。
カオファーチー駅跡地は、国道4号線から東側にあります。
航空写真には、Old Steam Train との記載があります。 -
カオファーチー駅跡地にある蒸気機関車です。
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図には、バンコクやバンコクの外港のレムチャバンやマプタプットからの海上輸送と陸上輸送の所要日数と経費について比較したものです。
一般的に、海上輸送は陸上輸送に比較して、海上輸送経費は安価ですが、輸送日数が多くかかります。
クラ地峡に運河が建設された場合は、海上輸送所要日数は、少なくなるものと予想されます。 -
現在、提唱されているクラ運河構想の概要です。
旧日本軍の建設した鉄道よりも南側に建設するような構想のようです。 -
写真は、中国が提唱しているインドシナ及びマレー半島縦断鉄道の路線図です。
クラ地峡を横断する支線が青色の実線で記載されています。
位置としては、旧日本軍が建設したクラ地峡横断鉄道の位置の近くです。 -
同じような考え方で、中国の手で建設が始まっているのが、ニカラグア運河です。
パナマ運河の北側に、香港企業を契約者として、新運河の建設が始まっています。
総工費約400億ドルの予定で、完成後は、中国が50年間にわたり運営することになっています。その後、50年間の延長が可能とされています。
100年間の中国の租借地となるのです。
ニカラグアは、中国との国交が無く、台湾との国交があるため、香港企業を窓口にしているようです。 -
大西洋のプンタゴルダ川から西側に進み、ニカラグア湖を経て、ブリト川により太平洋に出ます。
距離が約280kmとなる他、山間部を通過させるため船舶を海面から60mの高さまで上げる必要があります。(ニカラグア湖の水面標高は、32m)
パナマ運河のガトゥン湖の水面標高26mの約2.3倍高くなっていることが懸念されています。 -
ニカラグア運河の経路や断面を表した図です。
山間地を通過するため、長距離の間(約60km)にわたって、水門間の水面の高さを60mの高さにするためには、大量の水を入れる必要があります。その水をどこに確保するのか不明です。
ニカラグア湖の水を汲み上げて入れるためには、莫大な電力と時間がかかります。
更に、山間部に貯水用の人工湖を、別に作るのでしょうか。
よくわかりません。
パナマ運河の場合は、水位の高いガトゥン湖の水を引いて、入れていますが、渇水期には、水が足らないため、喫水の浅い船舶しか通過できません。 -
ガトゥン湖は、運河近傍を流れていたチャグレス川にダムを設置し、流れを堰き止めてできた人工湖です。
このため、従前の谷や山が湖底に残り、航行可能な航路が制限されています。
太平洋、ガトゥン湖及び大西洋の水面標高が異なるため、閘門式の水門を設置し、水を注排水し、水面標高を調整しつつ、水門間を移動します。 -
ガトゥン湖の湖底は、人工湖のため従前の地形が残っており、複雑で、航路を示す標識を頼りに航行することが必要となります。
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パナマ運河は、通過船舶をガトゥン湖の標高26mまでに揚げるため、水門間に水を入れ、水門間の水面高さを逐次、上昇させます。
水門間に注水する大量の水は、ガトゥン湖の水を引いて注水します。
しかし、今年は、干ばつで湖の水が少なくなってしまいました。
このため水不足に陥り、喫水が深い船舶は、通航できなくなってしまいました。
このため、大型船舶の通航の制限になりました。 -
写真は、水門の水面の差異を示したものです。
船舶は、左側の水門に左側に浮かんでいますが、ガトゥン湖の水を注水し、水面の高さを、右側の高さまで上昇させます。
左側の水面が、右側の水面と同じ高さになったら、水門を開き、船舶を左から右側の水門間に、移動させます。
この水面の高さ調整で、各水門間を通過していくことになります。
水面高を上下させるためには、大量の水が必要になって来るのです。 -
タイの東部臨海工業地帯マプタプットの石油精製工場の遠景です。
タイ湾の原油ばかりでなく、マラッカ海峡を経由した原油も扱ってます。 -
タイ湾に面したマプタプット石油精製工場です。港は、写真の右方向にあります。
現在は、マラッカ海峡を利用しているとのことです。 -
原油を貯蔵するタンク群です。
港の傍にあります。 -
港と原油を輸送するパイプラインです。
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パイプラインの奥に輸送用のタンカー船が見えます。
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パイプラインとタンカー船です。
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タイ国内最大の貿易港レムチャバンの埠頭です。
マラッカ海峡と関連は密接ですが、クラ地峡の運河構想には、注目していることと思います。
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